中国映画の総括
2005年 01月 02日
現在の両国の「隆盛」の秘密が国家規模の支援の上にもたらされたものであるのは確かだと思いますが、「国家の支援」と「言論の自由」との兼ね合いなどこの両刃の剣は、製作者側の認識の成熟や意欲が高まるなかで言及してはいけない「国家の統制」に触れたとき、どういう形で国家権力との摩擦を生じるか、注目してもいいかなと思っています。
国家への上納金が豊富で、差しさわりのない「ラブ・ストーリー」や「アクション映画」など製作者が規制をきっちり守って、「まだまだ大丈夫」と思っていても、あの「天安門事件」を忘れないほうがいいかもしれません。
ですので、飛ぶ鳥を落とす勢いのこの「隆盛」も、まだまだ分からないことも多いので、一概には羨ましいとは思えない部分もありますよね。
さて、2004年の中国映画の総括が全国映画工作会という席上で報告されたそうです。
総括したのは、中国国家広播電視総局の趙実と電影局長の童剛という人、日本で較べられるような役職があるのかどうか分かりません。
その報告された内容というのは、
①注目の「映画促進法」を、2005年に発布する見通しと発表した。
②2004年における中国映画製作本数は過去最多の212本。興業収入も15億元で、ここ10年来最高。
③『十面埋伏(邦題:LOVERS)』、『天下無賊』、『功夫(邦題:カンフーハッスル)』の3作品が興業収入で外国映画を圧倒し、映画番組などを含めると中国映画界の総収入は36億元に達した。
④2005年の映画界の総収入達成目標は、前年比の20%増の43億元。
⑤デジタル化を推進するため「春節(旧正月)」前に、中国全土にデジタル映画館を20カ所増設して161カ所とする。
⑤5月1日の「労働節(メーデー)」前に、中国映画ランキングを発表する。
⑥2005年12月には、中国初の映画博物館をオープンする。
だそうです。