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世界のあらゆる映画を偏執的に見まくる韜晦風断腸亭日乗


by sentence2307
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オスカー・トリビア・Oscar Trivia

アカデミー賞のこの季節になると、アメリカではどの雑誌も一斉に特集記事を掲載しますが、なかでも人気のある定番記事のひとつに「Oscar Trivia」がありますね。

日本の雑誌では、邦画に関しての「トリビアもの」の記事をついぞ見かけたことがないので、多分日本の読者層にそういう需要がないのか、ただ単に書く側と読む側の、マニアックな層の成熟がまだまだ足りないというだけの理由なのか、ちょっと判断がつきません。

まさか、日本の映画関係者の方々がとても誇り高く、やたら生真面目な人が多いので(なぜか、そういう印象があるのです)、こうした「お遊び記事」が神聖な「映画」を汚すとかなんとかという理由で、遠慮深い雑誌製作者側が自粛して掲載しないわけではないとは思うのですが。

(この話し、少し大袈裟に聞こえるかもしれませんが、僕の知っている現場のTVマンは、誰もが本編=映画に対して深刻なコンプレックスを抱えていることを知り驚いた記憶が幾度もありました。その時、映画状況を形成している極めて日本的な相関図みたいなものを垣間見た気がしました。雑誌関係だって無縁の話ではありません。)

映画の歴史からいっても、邦画だってハリウッドなんかに引けをとらない堂々たる歴史を持っているのですから、ゼッタイ不可能ではないはずですが、しかし、情報を提供する方はともかく、受け手である現在の日本人が、トリビアを十分に楽しめるために、どれほどの知識を自国の映画に対して持っているかといえば、「やはり、日本では限界があるだろうな」と思わずにはいられません。

僕の周りでさえ、千葉早智子の名前さえ知らないやつが、キャサリン・ヘップバーンのこととなると何でも知っているようなハリウッド・オタクがゴロゴロしているのですから、まあ、状況はちょっと絶望的かもしれませんね。

さて、Oscar Triviaです。目についた記事を抜書きしてみました。

①クリント・イーストウッド(ミリオンダラー・ベイビー)は「許されざる者」に続き、同じ映画から監督賞と主演男優賞とにノミネートされました。
2回目となる監督賞、主演男優賞のダブル・ノミネート記録を達成した映画人は、ウォーレン・ビーティに続きオスカー史上2人目です。
ウォーレン・ビーティは、「天国から来たチャンピオン」(バック・ヘンリーとの共同監督)78と、「レッズ」81で監督賞、主演男優賞のダブル・ノミネートされています。

②ケイト・ウィンスレット(エターナル・サンシャイン)は20代にして4つ目のノミネーションを勝ち取った3人目の女優です。
この偉大な記録は、ジェニファー・ジョーンズと、エリザベス・テイラーのまだ二人しか達成していません。

③ナタリー・ポートマン(クローサー)は、イスラエル出身女優として初めて候補に挙がりました。

④演技部門に5人の黒人俳優がノミネート(ジェイミー・フォックスのダブル・ノミネートを含む)されたのは、オスカー史上初めての出来事です。
ソフィー・オコネドー(Hotel Rwanda)は、イギリス出身の黒人女優としては史上2人目のノミネート。
1人目は「秘密と嘘」のマリアンヌ・ジャン=バプティストでした。


【参考 Oscar Trivia】

①出演者全員がノミネートされた作品・
「バージニア・ウルフなんかこわくない」66、「探偵<スルース>」72

②監督・主演の両方を務めて演技の方でオスカーを獲得した唯一の人物・
ローレンス・オリビエ「ハムレット」48

③主演男優賞がふたりに与えられた唯一のケース・
ウォーレス・ビアリー「チャンプ」31、フレデリック・マーチ「ジキル博士とハイド氏」31

④主演女優賞がふたりに与えられた唯一のケース・
キャサリン・ヘプバーン「冬のライオン」68、バーブラ・ストライザンド「ファニー・ガール」68

⑤1本の映画への出演で2部門ノミネートされた唯一の俳優・
バリー・フィッツジェラルド「我が道を往く」44

⑥作品賞を受賞した唯一の続編・
「ゴッドファーザーPARTⅡ」74

⑦主役を演じて助演女優賞を獲得した唯一の人物・
ヴァネッサ・レッドグレーヴ「ジュリア」77

⑧史上初めてビデオ・リリースとケーブル・テレビでの放映後に作品賞を受賞した映画・
「羊たちの沈黙」91

⑨オスカーを獲得した唯一の双子・
ジュリアス・J・エプスタイン&フィリップ・G・エプスタイン「カサブランカ」42

⑩作品賞を受賞しながら、俳優部門では全くノミネートされなかった作品・
「つばさ」28、「西部戦線異状なし」30、「グランド・ホテル」32、「巴里のアメリカ人」51、「地上最大のショウ」52、「恋の手ほどき」58、「80日間世界一周」56、「ラスト・エンペラー」87

⑪1度の出演で2つのオスカーを受賞した唯一の俳優・
ハロルド・ラッセル「我等の生涯の最良の年」46で助演男優賞と特別賞

⑫初めてノミネートされてから受賞するまでの期間が1番長かった受賞者・
ジャック・パランス(52年「突然の恐怖」でノミネートされ、91年「シティ・スリッカーズ」で受賞)

⑬男性を演じてオスカーを獲得した唯一の女性・
リンダ・ハント「危険な年」83

⑭オスカーを受賞した唯一の「オスカー」さん・
オスカー・ハマースタイン2世(41年・雨の朝巴里に死す、45年「春の如く」で主題歌賞2回)

⑮オスカー争いに敗れた俳優を演じてオスカーを獲得した唯一の俳優・
マギー・スミス「カリフォルニア・スイート」78

⑯オスカーにノミネートされた中で最も短い出演時間・
シルヴィア・マイルズ「真夜中のカーボーイ」69
by sentence2307 | 2005-02-06 08:39 | 映画 | Comments(0)