ゴールデン・グローブ賞発表
2006年 01月 21日
いままでと同じように、反撥し、逆の作用が働くのでしょうか。
ゴールデン・グローブ賞が、ハリウッドの外国人記者クラブによって投票・選出される賞という性格から考えれば、日頃痛切な記事を書かれることの多いアカデミー会員にとって、ハリウッドに批判的な外国人記者クラブの「ミーハー的な評価」に対して、どうしても断固とした距離感を持って排しないわけにいかないにしても、今年評価の集まっている評判の作品をどうするか注目しています。
それにしても、アカデミーがもっとも敬遠してきたあのイワユルホモ映画「ブロークバック・マウンテン」をどうするのか・どうできるのか、斜に構えたゴールデン・グローブ賞なら、きっと、もっとも選びやすかった作品ではあったにしても、しかし、野次馬的とはいえ評価は評価ですので、この最強の作品を、つまり白を黒というわけにはいかないところまでアカデミーは追い詰められているのではないかと思っています。
たとえ結果的に同じ作品や俳優を賞するにしろ、アカデミーの長い歴史にのっとった独自の評価で顕彰しようと意識することは想像にかたくありませんが。
そういう意味でなら、この今年のゴールデン・グローブ賞の評価の重要さは、例年と違ってアカデミー賞に「王手飛車取り」を掛けたようなものだとさえ思えます。
まったく逆に作用するかもしれないという可能性を含めて、他の賞と比べて類のないチカラをもった重要な賞といわれているゆえんですね。
いままでそれを単にアカデミー賞に対して「直結度」が低いという言い方をしてきたのですが、今年の場合、ゴールデン・グローブ賞の作品・監督・脚本・主題歌の4部門を制覇した「ブロークバック・マウンテン」の勢いにアカデミーの選出の基準を揺るがすような脅威を感じさせずにはおきません。
まさか、ゴールデン・グローブ賞と同じ結果がでたとしても、アカデミーの屈服とまでは思いませんが。
作品賞
★ドラマ部門
◎ブロークバック・マウンテン (フォーカス・フィーチャーズ)
The Constant Gardener (フォーカス・フィーチャーズ)
グッドナイト&グッドラック (ワーナー・インディペンデント)
ヒストリー・オブ・バイオレンス (ニューライン)
Match Point (ドリームワークス)
★コメディ・ミュージカル部門
◎ウォーク・ザ・ライン/君につづく道 (20世紀FOX)
Mrs. Henderson Presents (ワインスタイン・カンパニー)
プライドと偏見 (ユニバーサル)
プロデューサーズ (ユニバーサル)
The Squid and the Whale (サミュエル・ゴールドウィン・フィルムスLLC)
監督賞
◎アン・リー (ブロークバック・マウンテン)
ウッディ・アレン (Match Point)
ジョージ・クルーニー (グッドナイト&グッドラック)
ピーター・ジャクソン (キング・コング)
フェルナンド・メイレレス (The Constant Gardener)
スティーヴン・スピルバーグ (ミュンヘン)
主演男優賞
★ドラマ部門
◎フィリップ・シーモア・ホフマン (カポーティ)
ラッセル・クロウ (シンデレラマン)
テレンス・ハワード (Hustle & Flow)
ヒース・レジャー (ブロークバック・マウンテン)
デヴィッド・ストラザー ン(グッドナイト&グッドラック)
★コメディ・ミュージカル部門
◎ホアキン・フェニックス (ウォーク・ザ・ライン/君につづく道)
ピアース・ブロスナン (The Matador)
ジェフ・ダニエルス (The Squid and the Whale)
ジョニー・デップ (チャーリーとチョコレート工場)
キリアン・マーフィ (Breakfast on Pluto)
ネイサン・レイン (プロデューサーズ)
主演女優賞
★ドラマ部門
◎フェリシティ・ハフマン (Transamerica)
マリア・ベロ (ヒストリー・オブ・バイオレンス)
グウィネス・パルトロウ (プルーフ・オブ・マイ・ライフ)
シャーリーズ・セロン (スタンドアップ)
チャン・ツィイー (SAYURI)
★コメディ・ミュージカル部門
◎リース・ウィザースプーン (ウォーク・ザ・ライン/君につづく道)
ジュディ・デンチ (Mrs. Henderson Presents)
キーラ・ナイトレイ (プライドと偏見)
ローラ・リニー (The Squid and the Whale)
サラ・ジェシカ・パーカー (The Family Stone)
★助演男優賞
◎ジョージ・クルーニー (シリアナ)
マット・ディロン (クラッシュ)
ウィル・フェレル (プロデューサーズ)
ポール・ジアマッティ (シンデレラマン)
ボブ・ホスキンス (Mrs. Henderson Presents)
★助演女優賞
◎レイチェル・ワイズ (The Constant Gardener)
スカーレット・ヨハンソン (Match Point)
シャーリー・マクレーン (イン・ハー・シューズ)
フランシス・マクドーマンド (スタンドアップ)
ミシェル・ウィリアムス (ブロークバック・マウンテン)
★脚本賞
◎ラリー・マクマートリー、ダイアナ・オサナ (ブロークバック・マウンテン)
ポール・ハギス、ボビー・モレスコ (クラッシュ)
ジョージ・クルーニー、グラント・ヘスロフ (グッドナイト&グッドラック)
ウディ・アレン (Match Point)
トニー・クシュナー (ミュンヘン)
★作曲賞
◎ジョン・ウィリアムズ (SAYURI)
グスターボ・サンタオラヤ (ブロークバック・マウンテン)
ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ、エイミー・リー (ナルニア国物語)
ジェームズ・ニュートン・ハワード (キング・コング)
アレクサンドル・デプラ (シリアナ)
★主題歌賞
◎"A Love That Will Never Grow Old" (ブロークバック・マウンテン)
"Christmas in Love" (Christmas in Love)
"Wunderkind" (ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女)
"There's Nothing Like a Show on Broadway" (プロデューサーズ)
"Travelin' Thru" (Transamerica)
★外国語映画賞
◎Paradise Now (パレスチナ)
カンフーハッスル (中国)
PROMISE/無極 (中国)
Merry Christmas (フランス)
Tsotsi (南アフリカ)