世界のあらゆる映画を偏執的に見まくる韜晦風断腸亭日乗


by sentence2307
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<   2006年 08月 ( 10 )   > この月の画像一覧

また夏休みの時期が静かに過ぎ去ろうとしています。

なんかこの時期が、僕には一年のうちでいちばん寂しく感じる季節かもしれません。

仕事のほうは、夏でも冬でも季節に関係なくいつも異常に忙しいので、特にこの時期に限って、わざわざ「寂しい気分」に陥るなんてことはないのですから、本当の理由はきっと僕のなかに、まだ「学生気分」が抜け切れていない一種のノスタルジィのようなものがあるからでしょうか。

小学生の頃は、8月31日となれば、溜まりに溜まった夏休みの宿題を、親に叱られながら明け方近くまでかかってやったものです。

夏休み当初は、40日も休みがあるのだからという豊かな気持ちと余裕で、夏休みのうちの何日かを宿題に費やせば軽く片付けられると考えていたのに、運命の「8月31日」は瞬く間にやってきたものでした。

夜を明かして刻一刻暗い空が白々と明け始めているのに、宿題は半分しか済んでないというあの追い詰められた独特の強迫感が甘美な思い出となっていて(変な言い方ですが)なんとも懐かしいのかもしれません。

それだけに、あの「夏休みの宿題」なき8月31日という日が、逆に僕を滅入らせるようなのです。

ですので、ここ何年かは、自分に今日一日でやらなければならない極限的宿題を密かに課しています。

小学生の頃と違うのは、自分が自分自身に出す宿題ですので、「楽しみながらできる」が、そのコンセプトです。

というわけで、去年考えたすえのテーマは、新東宝映画における「女」という字が付けられているタイトルのリスト・アップでした。

長い間知りたいと深層心理で考えていた願望を白日の下に引きずり出し、懸案の好奇心を目いっぱい満たしてみようと思い立ったのが、その理由です。

一応、労作です。


★海女の怪真珠 (63大蔵映画・東方影業=大蔵映画)
監督/小林悟 脚本/岡戸利秋、金田光夫 撮影/岩橋秀光 音楽/近江俊郎、長瀬貞夫
出演/梅若正二、泉京子、扇町京子、大原譲二(後にジョー・オハラ)、一条美矢子、黄宗迅〔台湾男優〕、香取環、田村アツ子、鈴木洋子、八田幸子、小野彰子、黄清石〔台湾男優〕、九重京司、大原栄子、遊娼〔台湾?女優〕

★海女の戦慄(57新東宝)
監督/志村敏夫 脚本/内田弘三、坂倉英一 撮影/岡戸嘉外 音楽/レイモンド服部
出演/前田通子、三ツ矢歌子、天城竜太郎(後の若杉英二)、松本朝夫(現・朝生)、小倉繁、芝田新、菊地双三郎、九重京司、林寛、万里昌子(後に昌代)、太田博之、桂京子、有田淳子、長谷川恵子、美舟洋子、長門順子、水上恵子、島伊津子、秋田真夢、国(後に邦)創典、遠藤辰雄(現・太津朗)、保坂光代、水穂順子

★海女の化物屋敷(59新東宝)
監督/曲谷守平 脚本/杉本彰、赤司直 撮影/岡戸嘉外 音楽/長瀬貞夫
出演/三原葉子、瀬戸麗子、万里昌代、沼田曜一、菅原文太、国方伝、岬洋二、由木城太郎、杉寛、佐伯秀男、九重京司、山下明子、大原永子、山村邦子、白川晶雄、沖啓二(後に竜二)、倉橋宏明、宇田勝哉、高橋一郎、浜野桂子(後に圭子)、美舟洋子、五月藤江、藤川洋子、西朱実、秋田真夢、大倉寿子、天草博子、鈴木信二、大津昌也、赤城辰、飯塚真実、朝倉彩子、有田淳子、青木エミ、野辺澄江、月野百合子、醍醐布欣子、可児朱美、南洋子、府川八重子

★嵐に立つ王女(59新東宝)
監督/土居通芳 脚本/土居通芳、金田光夫 撮影/森田守 音楽/江口夜詩
出演/宇津井健、大空真弓(現・眞弓)、高倉みゆき、沼田曜一、国方伝、大原譲二(後にジョー・オハラ)、津路清子、藤村昌子、高村洋三、新宮寺寛、高松政雄、寺島達夫

★色競べ五人女(58新東宝)
監督/加戸野五郎 脚本/関沢新一、小池淳 撮影/鈴木博 音楽/小沢秀夫
出演/和田桂之助(後に孝)、北沢典子、日比野恵子、三原葉子、山下明子、荒川さつき、天知茂、鮎川浩、小倉繁、中村龍三郎、横山運平、若月輝夫、市川門三郎、九重京司、沢井三郎、菊地双三郎、高松政雄、花岡菊子、橘美千子、長谷川恵子

★女剣戟王 宇治みさ子の 大暴れ女侠客陣(58新東宝)
監督/毛利正樹 脚本/竹井弘、芝二郎 撮影/友成達雄 音楽/伊藤宣二
出演/宇治みさ子、明智十三郎、北沢典子、芝田新、小林重四郎、阿部九州男、松本朝夫(現・朝生)、杉山弘太郎、松浦浪路、魚住純子、浜野桂子(後に圭子)、林寛、久保春二、九重京司、高村洋三、花岡菊子、大友純、野崎善彦、高松政雄、国(後に邦)創典、倉橋宏明、大谷友彦、秋田真夢、木田愛子、美舟洋子、泉田洋志

★少女妻 恐るべき十六才(60新東宝)
監督/渡辺祐介 脚本/渡辺祐介、飯田光雄 撮影/須藤登 音楽/渡辺宙明
出演/星輝美(後にてるみ)、三条魔子、鳴門洋二、御木本伸介、国方伝、扇町京子、松原由美子、岬洋二、小高まさる、由木城太郎、久保春二、守山竜二、渡辺高光、津川豊、佐伯一彦、新宮寺寛、原聖二、鈴木信二、中岡弘、大津昌也、橘恵子、九条明子、根岸十九子、美谷早百合、双葉みどり、村野英子、上野綾子、佐々木孝子、柳はるみ、宇津井健、天知茂、小畑(現・小畠)絹子

★女巌窟王(60新東宝)
監督/小野田嘉幹 脚本/小野田嘉幹、内田弘三 撮影/山中晋 音楽/小沢秀夫
出演/三原葉子、万里昌代、吉田輝雄、江見俊太郎、沢井三郎、沖竜次、魚住純子、高宮敬二、大友純、黒丸良、新宮寺寛、高村洋三、宮浩一、川部修詩、倉橋宏明、筑波二郎、晴海勇三、池谷竜太郎、佐伯一彦、黒又馨、北川義朗、本多一夫、梶山純子(劇団ひまわり)、竹部董とモダンバレエ・グループ

★女吸血鬼(59新東宝)
監督/中川信夫 脚本/中沢信、仲津勝義 撮影/平野好美 音楽/井内久
出演/天知茂、和田桂之助(後に孝)、池内淳子、三原葉子、中村虎彦、杉寛、国方伝、和久井勉、高松政雄、鮎川浩、矢代京子、美舟洋子、千曲みどり、万代裕子、浜野桂子(後に圭子)、五月藤江、水原爆、泉田洋志、晴海勇三、伸夫英一、岡竜弘、鳴門洋(洋二)、倉橋宏明、坂根正吾、伊達正三郎、川原健、由木城太郎、千葉徹、西一樹、秋山要之助、高村洋三、渡辺高光、川部修詩、上野綾子、小林瑠璃子、小野彰子

★ソ連脱出 女軍医と偽狂人(58新東宝)
監督/曲谷守平 脚本/杉本彰 撮影/岡戸嘉外 音楽/橋本力
出演/細川俊夫、ヘレン・ヒギンズ、E・キーン、ピーター・ウィリアムス、ジャック・アルテンバイ、リリー・エルサレモア、マニヤ・ウィリアムス、アンジェラ・ヴィジー、ニーナ・クボタ、エリーナ・ビイシタ、御木本伸介、遠藤辰雄(現・太津朗)、由木城太郎、国方伝

★女競輪王(56新東宝)
監督/小森白 脚本/杉本彰 撮影/鈴木博 音楽/飯田信夫
出演/前田通子、江畑絢子、遠山幸子、沼田曜一、阿部寿美子、杉山弘太郎、小倉繋、江川宇礼雄、鮎川浩、北沢典子、宮田文子、加藤欣子、花岡菊子、田原(現・原)知佐子、野々村律子、浜野桂子(後に圭子)、田代千代子、日夏京子、西朱実、児玉一男、広瀬康治、泉田洋志、岡竜弘、倉橋宏明、小森敏、三砂亘、鈴木信二、五味晃、小高豊、川崎光明、金巻幸弘、松尾めぐみ、万里昌子(後に昌代)〔クレジットなし〕、森悠子〔同〕

★女死刑囚の脱獄(60新東宝)
監督/中川信夫 脚本/石川義寛 撮影/吉田重業 音楽/松村禎三
出演/高倉みゆき、寺島達夫、沼田曜一、和田桂之助(後に孝)、三田泰子、若杉嘉津子、宮田文子、浜野桂子(後に圭子)、杉山弘太郎、菊地双三郎、林寛、高松政雄、高村洋三、由木城太郎、渡辺高光、池月正、泉田洋志、広瀬康治、美谷早百合、上野綾子、西朱実、万代裕子、加藤欣子、津路清子、岡竜弘、山川朔太郎、正木正、新宮寺寛、村野英子、水上恵子、若緑映子、荒井八重子、可児朱実、有田淳子、朝倉彩子、千曲みどり

★女真珠王の復讐(56新東宝)
監督/志村敏夫 脚本/相良準、松木功 撮影/友成達雄 音楽/松井八郎
出演/宇津井健、前田通子、藤田進、丹波哲郎、天知茂、三ツ矢歌子、遠山幸子、小倉繁、若月輝夫、芝田新、林寛、沢井三郎、光岡早苗(後に城山路子)、保坂光代、藤村昌子、石川冷、宮原徹、菊地双三郎、高村洋三、有馬新二、山田長正、国(後に邦)創典、伸夫英一、倉橋宏明、高松政雄、山川朔太郎、北一馬、村山京司、竹中弘直、小林猛、川部修詩、大谷友彦、草間喜代四、岡竜弘、池月正、三宅実、西一樹、東堂泰彦、三井瀧太郎、三村泰二、沢村勇、山口多賀志、万里昌子(後に昌代)、有田淳子、藤田博子、森悠子、ジャック・アルテンバイ

★女間諜〔スパイ〕暁の挑戦(59新東宝)
監督/土居通芳 脚本/杉本彰 撮影/森田守 音楽/江口夜詩
出演/高倉みゆき、天知茂、三原葉子、江見俊太郎、竜崎一郎、岬洋二、大江満彦、青木エミ、津路清子、高村洋三、渡辺高光、晴海勇三、大友純、新宮寺寛、西一樹、野崎善彦、泉田洋志、高松政雄

★女大学野球狂時代(56新東宝)
監督/小森白 脚本/新納三郎 撮影/岡戸嘉外 音楽/小川寛興
出演/高島忠夫、久保菜穂子、池内淳子、三ツ矢歌子、江畑絢子、ジョージ・ルイカー、舟橋元、坊屋三郎、細川俊夫、三好栄子、小高まさる、茂呂由紀子(後の北沢典子)

★女と命を賭けてブッ飛ばせ(60新東宝)
監督/曲谷守平 脚本/鈴木岬一、米谷純一 撮影/岡戸嘉外 音楽/三保敬太郎
出演/宇津井健、星輝美(後にてるみ)、伊達正三郎、三条魔子、ウィリアムス・ロス、エリス・リクター、沖竜次、魚住純子、鳥羽恵美子、石川冷、国方伝、泉田洋志

★女奴隷船(60新東宝)
監督/小野田嘉幹 脚本/田辺虎男 撮影/山中晋 音楽/渡辺宙明
出演/菅原文太、三ツ矢歌子、左京路子(後に未知子)、三原葉子、丹波哲郎、大友純、沢井三郎、杉山弘太郎、川部修詩、菊地双三郎、中村虎彦、泉田洋志、西朱実、上野綾子、荒井八重子、水上恵子、長谷川恵子、可児朱実、醍醐布欣子、野辺澄子、大倉寿子、浜野桂子(後に圭子)

★女の決闘 (59日米映画・NTV=新東宝)
監督/金丸敏 脚本/西沢治 撮影/田地野万三 音楽/不明
出演/城実穂、嵯峨善兵、天草博子、玉川伊佐男、水沢摩耶、谷国由起子、高島可与子
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by sentence2307 | 2006-08-31 21:42 | 映画 | Comments(8)
★女の防波堤(58新東宝)
監督/小森白 脚本/小山一夫、村山俊郎 撮影/岡戸嘉外 音楽/古賀政男
出演/小畑(現・小畠)絹子、筑紫あけみ、荒川さつき、城実穂、三原葉子、万里昌代、三田泰子、ミシェル・ジョンソン、鮎川浩、細川俊夫、J・P・ヒューズ、三村俊夫(現・村上不二夫)、宮田文子、瀬戸麗子、春日芳子、三重明子、西朱実、姿まゆみ、芝田良子、双葉みどり、斉藤千弥子(後にチヤ子)、大江満彦

★怪談海女幽霊(60新東宝)
監督/加戸野五郎 脚本/松木功 撮影/岡田公直 音楽/長瀬貞夫
出演/明智十三郎、御木本伸介、若杉嘉津子、倉橋宏明、万里昌代、扇町京子、山下明子、九重京司、矢代京子、可児朱実、津路清子、九条明子、美谷早百合、秋山れい子、大倉寿子、瀬川美智子、沖美架子、津田裕子、野辺澄江、沢井三郎、小高まさる

★鏡山誉の女仇討(57新東宝)
監督/並木鏡太郎 脚本/丸谷剛、鏡二郎 撮影/平野好美 音楽/西梧郎
出演/日比野恵子、筑紫あけみ、中村龍三郎、天城竜太郎(後の若杉英二)、松浦浪路、鮎川浩、津路清子、美舟洋子、三重明子、野々村律子、宮田文子、芝田良子、浜野桂子(後に圭子)、三島京子、山下明子、泉田洋志

★角帽と女子大三人娘(57新東宝)
監督/赤坂長義 脚本/赤坂長義 撮影/鈴木博 音楽/渡辺宙明
出演/高島忠夫、池内淳子、三ツ矢歌子、久保菜穂子、和田孝、松本朝夫(現・朝生)、ジョージ・ルイカー、江畑絢子、杉山弘太郎、坊屋三郎、小倉繋、高橋豊子〔松竹〕、高田稔、若山富三郎、宮田文子

★駈出し社員とチャッチャ娘(56新東宝)
監督/毛利正樹 脚本/蓮池義雄 撮影/平野好美 音楽/原六朗
出演/日比野恵子、天知茂、遠山幸子、相馬千恵子、丹波哲郎、坊屋三郎、柳家金語楼、前田通子、真山くみ子、花岡菊子、今清水基二(後の泉田洋志)

★九十九本目の生娘(59新東宝)
監督/曲谷守平 脚本/高久進、 藤島二郎 撮影/岡戸嘉外 音楽/松村禎三
出演/菅原文太、松浦浪路、三原葉子、沼田曜一、国方伝、矢代京子、中村虎彦、芝田新、九重京司、石川冷、由木城太郎、鈴木信二、宇田勝哉、小森敏、五月藤江、国(後に邦)創典、岡竜弘、広瀬康治、倉橋宏明、藤川洋子、水上恵子、万代裕子、中西博樹、松方信、山本雅夫、竹中弘直、大津昌也、小松俊輔、加藤章、築地博、高橋一郎、渡辺高光、津川豊、原田一雄、上林詢、森本千太、矢島啓司、筑波二郎、魚津四郎、赤城辰、正木正、黒丸良、五味晃、中岡弘、菊川大二郎、坂内英介、原聖二

★勤王?佐幕?女人曼陀羅(56新東宝)
監督/渡辺邦男 脚本/渡辺邦男、関沢新一、山辺真 撮影/渡辺孝 音楽/山田栄一    出演/嵐寛寿郎、若山富三郎、明智十三郎、宇治みさ子、花柳小菊、江川宇礼雄、高田稔、藤田進、泉田洋志

★続 勤王?佐幕?女人曼陀羅(56新東宝)
出演/嵐寛寿郎、若山富三郎、明智十三郎、花柳小菊、宇治みさ子、江川宇礼雄、高田稔、藤田進、細川俊夫

★姑娘〔クーニャン〕と五人の突撃兵(58新東宝)
監督/並木鏡太郎 脚本/川内康範、織田清司 撮影/平野好美 音楽/橋本力
出演/宇津井健、三ツ矢歌子、鮎川浩、御木本伸介、小高まさる、菊川大二郎、泉田洋志、高松政雄、遠藤辰雄(現・達津朗)、大谷友彦、五月藤江

★汚〔けが〕れた肉体聖女(58新東宝)
監督/土居通芳 脚本/杉本彰 撮影/森田守 音楽/渡辺宙明
出演/高倉みゆき、大空真弓(現・眞弓)、城実穂、田原(現・原)知佐子、瀬戸麗子、矢代京子、魚住純子、江見俊太郎〔渉改め〕、三村俊夫(現・村上不二夫)、津路清子、高田稔、大原譲二(後にジョー・オハラ)、藤村昌子

★憲兵とバラバラ死美人(57新東宝)
監督/並木鏡太郎 脚本/杉本彰 撮影/山中晋 音楽/米山正夫
出演/中山昭二、江畑絢子、天知茂、細川俊夫、松浦浪路、若杉嘉津子、鮎川浩、小高まさる、江見渉(後に俊太郎)、岬洋二、久保春二、倉橋宏明、村山京司、小松幸夫、三村俊夫(現・村上不二夫)、高村洋三、児玉一男、津路清子、高岡久美子、五月藤江、万代裕子、小野彰子、三重明子、明日香実、五味晃、遠藤達雄、池月正、原聖二、宇田勝哉、川部修詩、山口多賀志、西一樹、伸夫英一、国(後に邦)創典、山川朔太郎、武村新、岡竜弘、館(後に伊達)正三郎、千葉徹、築地博、山岡正義、浅見比呂志、小森敏

★三人の女強盗 (60富士映画=新東宝)
監督/小林悟 脚本/松木功、北村秀敏 撮影/岡戸嘉外 音楽/竹村次郎
出演/御木本伸介、万里昌代、星輝美(後にてるみ)、左京路子(後に未知子)、高友子、浜野桂子(後に圭子)、若宮隆二、鳥羽恵美子、福島美子、並木一路、千葉徹、九重京司、辻祐子、菊地双三郎、泉田洋志

★色慾怪談 発情女ゆうれい (95大蔵映画)
監督/小林悟 脚本/小林悟、如月吹雪 撮影/柳田友貴 音楽/竹村次郎
出演/冴島奈緒、貴奈子、吉行由実、桃井良子、港雄一、白都翔一、樹かず

★社長と女秘書 全国民謡歌合戦 (63大蔵映画)
監督/近江俊郎 脚本/松井稔 撮影/岩橋秀光 音楽/近江俊郎
出演/佐山俊二、梅若正二、扇町京子、大原栄子、一条美矢子、並木一路、島倉千代子、神楽坂まん丸、コロムビア・トップ、白根一男、東芝三人娘、多摩幸子、渚幸子、高城丈二、市川順子、由利徹〔特別出演〕

★女王蜂(58新東宝)
監督/田口哲 脚本/内田弘三 撮影/西本正 音楽/伊藤宣二
出演/久保菜穂子、中山昭二、天知茂、大空真弓(現・眞弓)〔新スタア明記〕、城実穂、三原葉子、小倉繁、横山運平、江畑絢子、御木本伸介、小高まさる、国(後に邦)創典、加藤欣子、上野綾子、浜野桂子(後に圭子)、河村順子、泉田洋志、大江満彦

★女王蜂の怒り(58新東宝)
監督/石井輝男 脚本/内田弘三 撮影/吉田重業 音楽/渡辺宙明
出演/久保菜穂子、宇津井健、天知茂、三原葉子、高倉みゆき、佐々木孝丸、林寛、菅原文太、星輝美(後にてるみ)〔新人明記〕、国(後に邦)創典、近衛敏昭、伊達正三郎、岡竜弘、中島一豊、大江満彦、高松政雄、真木裕、築地博、村山京司、浅見比呂志、菊川大二郎、浜野桂子(後に圭子)、吉田昌代、醍醐布欣子、水上恵子、広瀬康治、川原健、原聖二、宮浩一、西一樹、竹中弘直、野崎善彦、千葉徹、三宅実、坂根正吾、宗方裕二、佐伯一彦、原田一雄、鈴木信二、池月正、高島忠夫、中山昭二
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by sentence2307 | 2006-08-31 21:39 | 映画 | Comments(104)
★女王蜂と大学の竜(60新東宝)
監督/石井輝男 脚本/石井輝男、内田弘三 撮影/岡田公直 音楽/渡辺宙明
出演/三原葉子、万里昌代、吉田輝雄、天知茂、浅見比呂志、沖竜次、水原爆、杉山弘太郎、大友純、近衛敏明、吉田昌代、加藤欣子、扇町京子、若緑映子、菊川大二郎、原聖二、宗方祐二、佐伯一彦、小浜幸夫、高松政雄、国(後に邦)創典、大辻三郎、倉橋宏明、築地博、池月正、川部修詩、竹中弘直、山岡正義、正木正、矢島啓司、上林詢、東堂泰彦、村山京司、岡竜弘、嵐寛寿郎

★女王蜂の逆襲(61新東宝)
監督/小野田嘉幹 脚本/内田弘三 撮影/岡田公直 音楽/渡辺宙明
出演/三原葉子、池内淳子、天知茂、星輝美(後にてるみ)、魚住純子、沖竜次、鳴門洋二、御木本伸介、大原譲二(後にジョー・オハラ)、沢井三郎、国(後に邦)創典、高松政雄、広瀬康治、新宮寺寛、山口多賀志、岡竜史、黒丸良、宮浩一、倉橋宏明、川部修詩、佐々木孝子、高城美佐、池月正、鈴木信二、矢島啓司、大津昌也、宗方祐二、山田長正、草間喜代四、信夫英一、泉田洋志、加藤章、築地博、宗敏彦、筑波二郎、北村勝造、森本千太、正木正

★女優 (近代映協=新東宝)(56新東宝)
監督/脚本/新藤兼人 撮影/宮島義勇 音楽/伊福部昭
出演/乙羽信子、小沢栄(後の栄太郎)、東野英治郎、千田是也、内藤武敏、宇野重吉、細川ちか子、嵯峨善兵、殿山泰司、日高澄子、田口計、玉川伊佐男、原泉、斎藤美和、北林谷栄、芦田伸介、信欣三、江見渉(後に俊太郎)、山田のり子

★絶海の裸女(58新東宝)
監督/野村浩将 脚本/川内康範、織田清司 撮影/吉田重業 音楽/???
出演/久保菜穂子、中山昭二〔二役〕、沼田曜一、矢代京子、斉藤千弥子(後にチヤ子)、国方伝

★0線の女狼〔じょろう〕群(60新東宝)
監督/三輪彰 脚本/三輪彰、織田清司 撮影/岡田公直 音楽/渡辺宙明
出演/小畑(現・小畠)絹子、寺島達夫、丹波哲郎、大原譲二(後にジョー・オハラ)、国方伝、鳴門洋二、鈴木信二、松原緑郎、守山竜次、千曲みどり、シークレット・フェイス(後の三条魔子)、左京路子(後に未知子)、大友純、大原永子、徳大寺君枝、扇町京子、青木エミ、天草博子、上野綾子、秋田真夢、柿市安子、中美架子

★戦雲アジアの女王(57新東宝)
監督/野村浩将 脚本/岡沢新一、小野沢寛 撮影/山中晋 音楽/大森盛太郎
出演/高島忠夫、高倉みゆき、宇津井健、丹波哲郎、中山昭二、江川宇礼雄、細川俊夫、岬洋二、古川緑波、御木本伸介、三重明子、万里昌代、大谷友彦、杉山弘太郎、川部修詩、伸夫英一、岡竜弘、泉田洋志、児玉一男、大江満彦、千葉徹、山岡正義、館(後に伊達)正三郎、真木裕、宮浩一、園田一彦、高橋一郎、鈴木信二、原聖二、志摩龍二、五月藤江、宗敏彦、天津七三郎、高見淑子、ジャック・アルテンバイ

★殴り込み女社長(60新東宝)
監督/斎藤寅次郎 脚本/岡田豊 撮影/荒牧正 音楽/原実
出演/花菱アチャコ、神戸一郎、翼ひろみ、友美枝子、上田寛(大映)、宮田羊容、野辺かほる、中田久美子、富松アケミ、森幸代、城道子、西岡タツオ、大国八郎、三和完児

★何故彼女等はそうなったか(56新東宝)
監督/脚本/清水宏 撮影/鈴木博 音楽/斎藤一郎
出演/香川京子、池内淳子、藤木の実(後に一条珠美)、三ツ矢歌子、宇治みさ子、高橋豊子、浪花千栄子、三重明子、井波静子、高橋まゆみ、中村雅子、田原(現・原)知佐子、花岡菊子、桂京子、扇恵子、国友和歌子、藤村昌子、大原葉子、若杉嘉津子、茂呂由紀子(後の北沢典子)

★女護が島珍騒動 (富士映画=新東宝)(57新東宝)
監督/富井照三 脚本/平川雅巳、緑川士郎 撮影/杉本正二郎 音楽/鴎啓
出演/佐山俊二、世和玄治、筑波澄子、白川晶雄、畑爽、水木清、中村文穂、山田美奈子、三村恭二(現・村上不二夫)、美舟洋子、有田淳子、高水晴子、辻倫子(祐子)、万里昌子(後に昌代)、翼まゆみ

★女体渦巻島(60新東宝)
監督/石井輝男 脚本/石井輝男、岡戸利秋 撮影/鈴木博 音楽/渡辺宙明
出演/三原葉子、吉田輝雄、天知茂、万里昌代、城実穂、瀬戸麗子、星輝美(後にてるみ)、近衛敏明、沖啓二(後に竜次)、松原緑郎、浅見比呂志、鳴門洋二、大友純、吉田昌代、扇町京子、醍醐布欣子、野辺澄栄、美川恵子、金光洋子、相原佳枝、小林瑠璃子、双葉みどり、柿市安代、秋山れい子、若水清子、九重京司、原聖二、宗方祐二、池月正、松方信、佐伯一彦、原田一雄、川原健、高橋一郎、北村勝造、鈴木信二、村山京司

★女体棧橋(58新東宝)
監督/石井輝男 脚本/石井輝男、佐川滉 撮影/平野好美 音楽/渡辺宙明
出演/宇津井健、筑紫あけみ、三原葉子、矢代京子、葉山由紀子、小倉繁、中村彰、浅見比呂志、植村謙二郎、旗照夫、吉田昌代、ジーン・谷、宮田文子、三島京子、玉井千鶴子、姿まゆみ、双葉みどり、コン・ウェイ(ハロルド・S・コンウェイ?)、大江満彦、万里昌代

★美男をめぐる十人の女(56新東宝)
監督/曲谷守平 脚本/曲谷守平、岡戸嘉外 撮影/岡戸嘉外 音楽/宅孝二
出演/高島忠夫、久保菜穂子、筑紫あけみ、江畑絢子、ジョージ・ルイカー、宮城まり子、高橋豊子、城実穂、竹原千恵子、高田稔、藤村昌子、小倉繁、沢井三郎、扇恵子、北沢典子、橘美千子、万里昌子(後に昌代)、毛利啓子、山田美奈子、若月輝夫、田原(現・原)知佐子、泉田洋志

★びっくり捕物帖 女いれずみ百万両(56新東宝)
監督/渡辺邦男 脚本/中田竜雄 撮影/渡辺孝 音楽/山田栄一
出演/榎本健一〔東宝〕、柳家金語楼〔同〕、古川ロッパ(後に緑波)〔同〕、宇治みさ子、相馬千恵子、阿部九州男、千葉信男、トニー谷、小沢路子、春田ゆかり、花岡菊子、阿蘇孝子

★薔薇と女拳銃王 (富士映画=新東宝)(58新東宝)
監督/小森白 脚本/岡戸利秋 撮影/岡戸嘉外 音楽/小沢秀夫
出演/小畑(現・小畠)絹子、高橋伸、筑紫あけみ、丹波哲郎、荒川さつき、大原譲二(後にジョー・オハラ)、大江満彦、大谷友彦、上野綾子、西朱実、毛利啓子、水上恵子、姿まゆみ、石崎真砂子、奈良あけみ

★人喰海女(58新東宝)
監督/小野田嘉幹 脚本/渡辺祐介、川上茂 撮影/森田守 音楽/渡辺宙明
出演/宇津井健、三ツ矢歌子、三原葉子、万里昌代、矢代京子、松浦浪路、平田昭彦〔東宝〕、丹波哲郎、御木本伸介、杉山弘太郎、大江満彦、沢井三郎、殿山泰司、水上恵子、宮田文子、斉藤千弥子(後にチヤ子)

★宇治みさ子の 緋ぢりめん女大名(58新東宝)
監督/毛利正樹 脚本/岡田利秋、芝二郎 撮影/友成達雄 音楽/小沢秀夫
出演/宇治みさ子、和田桂之助(後に孝)、天知茂、中村龍三郎、御木本伸介、丹波哲郎、泉田洋志、浜野桂子(後に圭子)、田原(現・原)知佐子、他

★東支那海の女傑(59新東宝)
監督/小野田嘉幹 脚本/内田弘三、下村尭二 撮影/平野好美 音楽/小沢秀夫
出演/高倉みゆき、天知茂、中村虎彦、御木本伸介、細川俊夫、菊地双三郎、泉田洋志、広瀬康治、寺島達朗(後に達夫)、守山竜次、川部修詩、西一樹、松方信、鈴木信二、晴海勇三、池月正、秋田真夢、浜野桂子(後に圭子)、千葉徹、原聖二、原田一雄、岡本邦彦、浅見比呂志、由木城太郎、川原健、伊達正三郎、山本雅夫、遠藤達雄、高橋一郎、渡辺高光、魚津四郎、津川豊、大津昌也、坂根正吾、上林詢、小林俊輔、宮浩一、正木正、坂内英介、柿木香二、北連太郎、村野英子、司ひろみ、藤本久男、浜田淳、竹部董〔振付〕 

★爆弾を抱く女怪盗(60新東宝)
監督/土居通芳 脚本/土居通芳、大貫正義 撮影/森田守 音楽/渡辺宙明
出演/高倉みゆき、菅原文太、吉田輝雄、三条魔子(シークレットフェイス明記あり)、三原葉子、沼田曜一、御木本伸介、浅見比呂志、村山京司、高松政雄、渡辺高光、岬洋二、九重京司、泉田洋志、晴海勇三、他

★女獣〔めじゅう〕(60新東宝)
監督/曲谷守平 脚本/葉山浩三、志原弘 撮影/平野好美 音楽/三保敬太郎
出演/小畑(現・小畠)絹子、松浦浪路、菅原文太、江見俊太郎、岬洋二、国方伝、星輝美(後にてるみ)、左京未知子、細川俊夫、九重京司、小高まさる、泉田洋志、倉橋宏明、正木正、東堂泰彦、佐伯一彦、大津昌也、常盤史朗、原田一雄、青木エミ、花園あやめ、西朱実、扇町京子、秋山れい子、九条明子、松原由美子、荒井八重子、野辺澄栄、藤村昌子

★裸女と殺人迷路(59新東宝)
監督/小野田嘉幹 脚本/川上茂、渡辺祐介 撮影/山中晋 音楽/江口浩司
出演/和田桂之助(後に孝)、三ツ矢歌子、丹波哲郎、若杉嘉津子、万里昌代、舟橋元、清水将夫、御木本伸介、牛島陽子、加藤欣子、万代裕子

★裸女の曲線 (58聯映映画=新東宝)
監督/不明 撮影/佐原福松 音楽/不明
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by sentence2307 | 2006-08-31 21:38 | 映画 | Comments(0)
前回「いつか読書する日」について感想めいたものを書きすすめながら、いつの間にか、読書愛好家という人種が本を読み耽るのは、厳しい現実に立ち向かう勇気がない弱さのためなのであって、逃げる言い訳に「読書」を使っているにすぎない、といった感じの「読み解き」の解釈を口走ったことに、実は我ながら戸惑い、少し驚いています。

というのは、おこがましくも僕は自分のことを「読書家」のひとりと信じ込んでいたからでした。

「俺って、現実から逃げているのか? そんなふうに自分は読書というものを習慣化してきたのか?」と、ちょっと考え込んでしまいました。

確かに、あの「いつか読書する日」において、高梨槐多が美奈子の部屋で、彼女が読了したであろう膨大な本の山と不意に対峙する場面は実に圧巻そのものでした。

この映画は、その場面によって、もう決して若くはない独身女性の失意と孤独の長い苦痛の日々をじっと耐えてきた象徴として「本の山」を意味づけようとしたのだと思いますが、もともと「読書」に、そうした現実逃避の可能性があるにしても、その「現実逃避」のどこが悪いと反発する前に、こんなふうに言えないものかと、ちょっと考えてみたのです。

「本」に描かれている虚構の方が、この現実なんかより遥かに素晴らしいからだ、と。

こんなふうに言ってしまうと、「いつか読書する日」という作品の最も重要な部分=ひた向きな部分を台無しにしてしまいそうなのですが、この作品に対する僕の中に生じた小さな拒否反応は、きっとその辺りにあったからだと思います。

しかし、シビアな問いに対する答えとしての現実逃避にしても、開き直りにしても、拒否反応にしても、それはタテマエだけの答えにすぎません。

僕が本当に心惹かれたキーワードは、「本の山」という言葉でした。

いま、自分の目の前にも同じような「本の山」がうず高く築かれています。

しかし、果たしてこの中の何冊に感動したかと振り返ってみても、これだという書名はすぐには思い当たりません。

きっと、「小さな感動」を齎した本なら、両の手の指を何回も折り曲げたり起こしたりしなければならないかもしれないのですが、次々と常に新しい本を求めて迷宮を彷徨ううちに、いつの間にか大切な「この1冊」を見失ってしまい、それが何だったのか分からなくなってしまうという本末転倒の思いに駆られてしまいました。

よそよそしい膨大な本の山を前にして、耐え難い喪失感を味わいながら、本当に大切なのは、新しい物を求め続けることではなく、感動した「この1冊」を絶えず繰り返して読み続けていくことだったのではないか、と考えていました。

僕は、本当に何十年振りかで書棚から村上春樹の「風の歌を聴け」を取り出しました。

読んだのは、もうずっと以前の最初の一度きり、どんなストーリーだったか、すっかり記憶にありません。

しかし、印象には強烈で鮮明な何物かが刻印されています。

確か同名のタイトルの映画もみたはずなのですが、ストーリーだけのカバーで終始したその無味乾燥な映画に、ストーリーだけでは、この物語の素晴らしさを伝えることは決してできないのだと実感しただけの作品だったと思います。

僕の作品感想のリストの中にはこの映画の感想は存在していません。

この小説の最後は、ニーチェのこんな言葉の引用で終わっていたと記憶しています。

「昼の光に、夜の闇の深さが分かるものか」
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by sentence2307 | 2006-08-31 15:27 | 映画 | Comments(0)

いつか読書する日

この映画、どちらかというと、僕にとってはとても好ましいタイプの映画です、少なくとも前半部分までは・・・。

長い間、お互いに対する思いを抑え、あるいは秘め続けながら中年に至った男女が、ようやくお互いを隔てていた障害がなくなり、すべての拘束から解き放たれて、まさに「恋」が成就しようとするとき、そこにまず「あった」のがSEXだったと、この映画が遠慮がちに描いているあけすけな結論に、僕たちは少しばかりたじろぎ、戸惑い、そして少なからず失望させられたかもしれません。

それでなくとも肉体の衰えの目立つ中年のSEXは、絵的にもあまり「みっともいいもの」ではないでしょうし、長い間の「抑制」が、たった一度の「性交」によって晴れ晴れと解消させられるものとは考えがたく、きっと僕の失望はその辺りにあったと思います。

時間の経過は、お互いのどんなに深い愛情をも変質させてしまうものだという、多くの人間関係を失ってきた僕の経験に基づく偏見に加えて、未知の「性」に胸ときめかす若さの欲望が、そのまま相手を慕うメンタルな思いとシンクロする若き「性」ならともかく、中年の「性」は相手との距離を見誤るほどの情熱などとっくに失せ、きっとそこにあるのは、使い込まれて衰弱したすれっからしの「快楽」と、愛と性を混同するわけもない、やけに見通しの良すぎる白けた視野しか残されてはいないはずだという強い思いに囚われているからかもしれません。

たぶん、それが文章だけで描かれた小説の世界なら、きっと郷愁と純愛のきれいなイメージだけが時の波に洗われて残ったあとの澄んだ余韻によって僕たちをモロに感動させ得たかもしれませんが、映像で具体的に見せなければならない映画では、抑圧せざるを得なかった適わぬ恋のせつなさと同時に、その生々しくも浅ましい欲望までもあからさまにせずにおかない剥き出しの、余計な「真実」も見せつけてしまうということまで、果たして監督の計算のなかに入っていたどうか、という疑念に囚われてしまったのでした。

そして、「これは、監督の狙った効果なのか」という思いを抱いたものが、さらにもうひとつありました。

香川照之演じるスーパーの店長が、50歳の独身女性・大場美奈子に問いかけます。

「大場さん、バージン?」

語り掛ける者の無神経さと、この言葉によって深刻に傷ついた受ける側の痛みとが、彼女が耐えてきた悲痛な時間の長さと重みのすべてを刺し貫いて言い尽くしてしまう素晴らしいシーンだったのですが、僕は最初この台詞を「おばさん、バージン?」と聞いてしまったのでした。

最初から相手を傷つけてやろうという悪意を想定してしまった早とちりで、この架空の台詞を空耳的に聞き違え、僕は発言者たる若い店長にもまた孤独のうちに生きてきた苛立ちの響きを聞いて、人間がどんな苦境のなかでもお互いに傷つけあわなければいられない悲しく孤独な生き物であることに撃たれ、誤解の延長線上で勝手な感動に心動かされてしまいました。

「大場さん→おばさん」という誤解を誘うものもまた、「これは、監督の狙った効果なのか」という訝しい思いに囚われたひとつでした。

しかし、この映画は、読書を日常の欠かせない糧とする者には、痛いところを突いています。

何気なく日常的に本の世界の中にどっぷりと浸りこんでいる者にその屈折した生活態度を問うているような、現実の生活の大切なものから敢えて目を逸らし、読書が逃げの口実であるかのように辛辣に描いているこの映画は、「読書生活者」たる者にその背後の暗闇をかすかに振り向かせてしまうだけのチカラは、確かに持っていたかもしれません。

ただ、高梨槐多が積年の思いを遂げた明け方に、大場美奈子の部屋の、壁という壁に造り付けられた書棚を埋め尽くす夥しい本を驚異のまなざしで仰ぎ見る感動的な場面をどう見るか、それらの夥しい本を美奈子がすごした孤独と失意の時間の堆積と見るかどうか、迷いました。

しかし、あの場面から受けた爽快な驚きには、悲しみの影はありません。

もしかしたら、あの夥しい本こそ、山田洋次の感動作「幸福の黄色いハンカチ」における「黄色いハンカチ」に匹敵するものなのではないかと考えてみました。

最愛の人を待ち続けた熱い思いを何枚ものハンカチをかざすことで、「私は、あなたを今も待ち続けている、心から愛している」という熱い思いを伝えるサインとして、最愛の人を待ち続けた女性の溢れ出る思いを伝えるとともに、抑え続けてきたその苦痛の期間も同時に語られていたあのハンカチに匹敵するものが、おそらく美奈子の「本」と考えてもいいのではないかと考えてみました。

中年の男女の愛の形を描いているこの緒方明監督作品「いつか読書する日」のなかに、もし「幸福の黄色いハンカチ」のあの感動的な場面に寄り添うものがあるとしたら、大場美奈子の部屋で一夜を過ごした高梨槐多が、すでに牛乳の配達に出てしまった彼女不在の部屋で、床から天井までの書棚にぎっしりと詰め込まれた夥しい本と対面するあの場面かもしれませんね。

(04パラダイスカフェ、バグポイントジャパン)プロデューサー・追分史朗、畠中基博、ラインプロデューサー・井上潔、プロデューサー補・畠中節代、監督原案・緒方明、原作脚本原案・青木研次、音楽・池辺晋一郎、撮影・笠松則通、照明・石田健司、録音・横溝正俊、美術・花谷秀文、編集・矢船陽介、スプリプター・川野恵美、ボスプロミキサー・松本能紀、音響効果・今野康之、助監督・小野寺昭洋、製作担当・関友彦、キャスティング・おおずさわこ、装飾・田畑照政、衣装・宮本まさ江、ヘアメイク・石田伸、菱沼佳子、タイトル・赤松陽構造、アシスタントプロデューサー・酒井充子、佐藤あゆみ、
出演・田中裕子、岸部一徳、仁科亜季子、上田耕一、杉本哲太、鈴木砂羽、香川照之、渡辺美佐子、左右田一平、神津はづき、田根楽子、馬渕英里何、山田辰夫、柳ユーレイ、堀部圭亮、江口のりこ、石井洋輔、儀間悠悟、相沢晃希、奥田佳奈子
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by sentence2307 | 2006-08-27 11:20 | 映画 | Comments(130)

南太平洋 !

昨日の続きです。

本来ならA本部長があの怒涛の避難訓練でこうむった受難によって如何にダメージをこうむったかを書くべきところなのですが、あんなことくらいでメゲルような本部長ではありません。

衆目監視の緊張の現場で、あのように煽られ、たとえ七転八倒・動転しまくったとしても、そこはそれ、ほんのひととき限りのことで、それをいつまでも引きずっているようなヤワな人ではないのです。

すべてのマイナス要因を悉く自分の中に取り込んで、プラス活力に変えてしまうという信じられないくらい強靭な錬金術人間の彼は、いままでだって窮地に陥りながら不死鳥のように甦り蘇生を遂げ、こんなふうに多くの人を失望させてきたシタタカ者です。

それを証明するような驚天動地の伝説的逸話をひとつ紹介しますね。

これで本部長という人のなんたるかを少しでもお伝えできれば幸いです。

数年前の夏休み、本部長が家族を連れてハワイ旅行をしたときの話です。

むこうに着いて早々、本部長は、クーポン券が使える洒落たレストランのメニューが、どこも脂っこいものばかりなのですぐに閉口し、ホテルの前の通りをひとりで歩き回って日本食の食べられる所を探し回ったそうです。

そこでまず見つけたのが、日本でならどこにでもある「京樽」。

すぐに入って店内に並べられている「お持ち帰り」が日本と同じなので、思わず嬉しくなったそうです。

しかし、売り子はすべてアチラの方。

何を言っているのかさっぱり分からず、品物を指差して、10本の指をフルに使って、ようやくおにぎりと押し寿司のパックを大騒ぎで買うことに成功したのですが、売買が成立した後、さらに黒人の店員が盛んに何かを言っている・どうも数字に関することをいっているらしいのですが、それがまったく分からない。

わずかに聞き取れたのが「スティック」という言葉です。

そこでわが本部長は、細い棒を瞬時に連想し、すぐに「箸」のことかと閃いたというのです。

肌の色が違う毛唐の訳の分からない言葉を、自分が聞き分けて理解できたことが余程嬉しかったらしく、帰朝してからも繰り返しその異文化を超えた感動の瞬間を誇らし気に課員に話していました。

まるで、ジョン万次郎か金田一京助のような人だなあと皆そろって感嘆したものでした。

しかし、実際に食べてみたおにぎりと押し寿司は、それはもう酷い代物だったそうで、そのことが却って本部長に「日本食恋し」という欲望を増幅させてしまい、居ても立ってもいられないような気持ちの時に、ホテルの従業員から耳寄りな情報を手に入れました。

アラモアナ辺りのショッピングセンターのなかに日本蕎麦を食べさせる店があるという情報です。

さっそく無料トロリーバスでアラモアナに出かけてその店を探し出しました。

従業員もお客さんもほとんど外国人ばかり(ハワイで外国人なのは「自分」の方なのですが、どうも本部長の話を聞いているとハワイを外国と認識していない節があります)ですが、英語のメニューにはしっかりと日本語が併記されている優れものでした。

ただ、従業員に日本語での注文は通じずに、メニューを指差すにとどまりました。

しかし、昨夜の「京樽」に比べたら大進歩、「日本の食文化」の大きな後ろ盾に守られているような心強さと安心感がありました。

さて、注文したのは、シンプルな「ざるそば」です。

15分待たされてキュートなワイキキ娘が、上等の蒸籠にスパゲッティのように盛られた(気にしません)正真正銘の「ざるそば」が運ばれてきました、品のいい箸袋の割り箸もちゃんと添えられています。

見た感じ麺も艶やかで、こう言ってはなんですが、予想に反して実においしそうな「ざるそば」です。

ですが、麺つゆがついていません。

店内が立て込んできて、あのキュートなワイキキ娘がひとりでさばいているのですから、とても忙しいことは十分に分かるのですが、目の前のせっかくのおいしそうな麺を前にしてお預けをくっている感じで、少し苛立ってきました。

ようやくあのキュートなワイキキ娘が近くに来たので本部長は努めて冷静に、そして穏やかに声を掛けました。

「アイ・ウオント・ツーユ」

すぐにキュートなワイキキ娘は店の奥に消え、変わりに物凄く怖い顔のボブ・サップみたいな親爺が現れ、もう少しで殺されるところだったと回想していました。

不幸中の幸いは、終始単独行動だったために、このことが家族に知られずに済んだこと、もし知られていたら、女房のヤツまた里帰りしてしまうからな。

えっ? 「また」って!?
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by sentence2307 | 2006-08-12 13:32 | 映画 | Comments(0)

サンセット大通り !!

今日は、年に一度の避難訓練の日です。

やることは毎年だいたい同じです。

午後3時ちょうどに近くの消防署に「避難訓練です。○○交差点角の△×商事ですが、3階更衣室から出火しました。至急出動願います。」と打ち合わせ通りの電話を掛け、のんびりとやってくる消防車の到着を待って、裏の駐車場に社員を集め(夏休み中なので、あまり人は集まりませんが、社長も顔を出すので、出勤しているのに雲隠れするような人はいません。以前エスケープがバレて、衆目監視の目の前で解雇寸前まで問い詰められた管理職をみんな知っているからです。ホントあの時は、避難訓練どころの騒ぎではありませんでした。)消火器の取り扱いについての説明と、訓練用の消火器を実際に使って、目的物に代わる代わる放水するというのが、だいたい今までの訓練の内容でした。

しかし、今回の避難訓練は少し違っていました。

いつもなら、出火を知らせる非常ベルが鳴り響き、各部屋の社員が単位ごとにその部屋の幹事?に誘導されて表玄関に避難し、幹事は隊長(この呼び名は正しいです)に「○班、異状なし!」と大声で報告したあとは、ゾロゾロと裏の駐車場に移動するというのが定番なのですが、今回は全員が2階会議室へと誘導されました。

会議室ならてっきり消防所長氏の訓示だろうくらいに思っていたのですが、それが大間違いでした。

扉を開けると、床一面に鮮やかな青色のビニールシートが敷かれていて、その上に2体の成人大の人形が仰向けに安置されています。

普通の成人男子の大きさに等しいその人形の、シャツの前ボタンがはずれて肌けて見えている胸が、それがまたリアルに作られていてドキッとするくらいでした。

訓練は、急病で意識のない人に、救急車が到着するまでの間AED(自動対外式除細動器)で停止した心臓に電気ショックを与えて蘇生措置を施そうという訓練です。

こりゃあ、植木の水やりのような安直な気分で、なんとかやり過ごせるようなヤワな訓練じゃありません。

消防署員の方がひととおり手順を説明してくれました。

①急病人に呼びかけて意識の有無を確認する。
②119番通報とAEDの搬送依頼、
③人工呼吸→心臓マッサージ、
④AEDによる電気ショックを施す、

これはあくまでも救急車が到着するまでのあいだに行う蘇生措置なのだそうで、この措置によって生存率がぐっと上がったという署長さんのお話でした。

このように書くと、手順は至極簡単なように見えますが、いざ大勢の社員が見ている前でやるとなると、あがってしまってそう簡単に問屋は卸しません。

手順を少しでも間違えると、すぐ傍らで監視している若い消防隊員さんの罵声(そんなことでは、急病人は助かりませんよ!!)が飛んできます。

さて、一番に指名されたのは、A本部長でした。

「いいきみだ」とほくそえんだ女性社員が、いたかもしれません。

良くも悪しくも、とにかくわが社の名物部長です。

携帯電話が発明されるよりも、ずっと昔から外回りの営業で叩き上げてきた根っからの苦労人です。

つい最近まで携帯電話なんか馬鹿にして決して持とうとしなかった人だったのですが、世の中から電話ボックスとか赤電話というものが絶滅してしまってので、仕方なく持つようにはなったものの、多分長年染み付いてしまった性癖なのだと思うのですが、外からケイタイを掛けるときも、公衆電話か赤電話のあった場所からでないと、どうしても落ち着いて掛けられないという人です。

部下のBさんが痔の大手術を受けるために一週間の有給休暇を悲痛な面持ちで申請しに来たとき、「痔なのか、四十九日(たぶん、「しょなのか」の駄洒落です)」なんていう実に笑えない駄洒落を言って、そのために人望をなくし、しかし、なくしたことなんか一向に気づくことなく平気で今まで生きてきたような教訓的な人でもあります。

メイクばっちり・高ビー・バリバリの秘書課の「詩織(しおり)さん」のことを、皆の前でわざと「おしりさん」と言い間違えて(これは結構拍手でしたが)、2年間も口を利いてもらえなかったこととか。

そんな本部長が、手順の厳しい「AED」です。

まず最初は、意識不明の人形に向かって「大丈夫ですか! 分かりますか!」と呼び掛けます。

「声が小さい! そんなことでは急病人は蘇生しませんよ!」と何度もやり直させられていました。

納得するまでやり直させるこの若い隊員の執念は、まるで溝口健二監督を思わせるほどです。

本部長としては、失敗する度に至近距離から引きつって裏返った大声で怒鳴られ幾度も遣り直させられるのですから、びくびくものになって、すっかり頭に血が昇り、もう完全にパニック状態です。

何を言われても、どうすればいいのか判断が出来なくなっているのが脇で見ていてもよく分かりました。

「急病人に呼び掛けるときは、額に手を当てて、もう片方の手で肩を軽く叩いてあげるんでしたよね!」

若い隊員に言われるままに、わが本部長は、片方の手は急病人の額に、もう片方の手は肩に置いて人形に呼び掛けます。

「大丈夫ですか!」

そう叫びながら、軽く肩を叩く方の手が動くと、同時に額に置いておいた手も動いてしまい、急病人の頭をパンパン叩いてしまうのです。

両方の手が魔法に掛けられたみたいに同時に動いてしまうことをどうにもできない本部長は、若き溝口健二の狂気のような罵声(そんなことをしたら、病人が死んでしまうではないか!)に追い詰められながら、正気も理性もすっかり見失い、急病人の肩とともに、その病める繊細な頭を憑かれたように叩き続けていたのでした。

両の手を別々に動かすことができない本部長の目は、すっかり「いって」しまっていました。

そこには、まるでグロリア・スワンソンを思わせる鬼気迫るものが確かにありました。
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by sentence2307 | 2006-08-10 22:44 | 映画 | Comments(0)

還って来た男

戦時下の厳しい最悪の製作環境の中で、川島雄三が精一杯の自由な精神によって作品を作り上げようとしたことは、このデビュー作品を見ればよく分かります。

しかし、主人公をあまりにも「自由」な場所に置くことに固執したために、かえって後味の悪い散漫な印象を残すに留まってしまったような作品に思いました。

南方の戦地から帰還した軍医・佐野周二の夢は、日本の虚弱体質の子供たちを健康にするための総合施設を建設することにあり、彼は、この映画に登場する人物たちを辟易させるくらい情熱的に繰り返しその夢を問いて聞かせ続けます。

この「繰り返す」行為自体がギャグとなるはずの後年の川島作品とは異なり、厳しい戦時下で作られたこの映画では、「日本の虚弱体質の子供たちを健康にする」という国策を揶揄の対象とみなされかねない懸念もあってか、この煮え切らないパターンから笑いが伴うことはありませんでした。

あるいは、作中この若き軍医は、「見合い」についてこんな所感を披瀝しています。

つまり、何回も見合いを繰り返すことで、何人もの女性を悲しませ落胆させるのなら、自分としては最初の見合い・ただ1度の見合いで結婚を決める積りだと公言します。

聞きようによっては、制約の多かったあの時代に対しての投げやりで反時代的なニヒリズムをさえ感じとることができるかもしれないこの言葉も、「揶揄」の武器性を剥ぎ取られてしまったこの潔い公明正大な彼の宣言は、彼に仄かな思いを寄せ始めていた多くの女性たちをただ「悲しませ落胆させる」ばかりの、世間知らずの「お坊ちゃん」の戯言としか聞こえないし、ましてや自分の迂闊な発言によって周囲の女性を傷つけていることに気づかないでいる無神経さには、物語の在り方そのものに対しても疑問を感じざるを得ません。

彼に思いを傾け始めていた女性たちは、そのきっぱりとした宣言に顔を曇らせて仄かな恋を諦め、彼の前から立ち去って行く描写と平行して、大本命・田中絹代との恋愛が確実に進行していくらしき描写でこの映画は終わっています。

周囲の女性の落胆まで描き込んでいるのだから、それでいいという問題ではありません。

きっと、この作品に対して抱いた違和感は、コメディの可能性を剥ぎ取られ、スラプステックのシチュエーションだけで描き切ろうとした無理がそのような形で現れたのかもしれません。

スラプステック・コメディなら、次から次へと瞬く間に爽快に後方へ飛び去る記号と化した命なき登場人物たちも、リアルに描き分けなければならないこの映画では、当然疾走感は失われ、流れは澱み、まがりなりにも「個性」を持たされた人々は息を吹き返し、悔やんだり恨んだりしながら、停滞することに苦悶しているようにさえ見えました。

時代の制約が方法論から実質的な「自由」を奪い取り、換骨奪胎されたスラプステック・コメディの「かたち」だけが無残に取り残された映画ということができるかもしれません。

(44松竹大船撮影所)企画・海老原靖兄、製作・マキノ正博、監督・川島雄三、脚本原作・織田作之助、撮影・斎藤毅、音楽・大澤寿人、美術・小島基司
出演・笠智衆、佐野周二、吉川満子、小堀誠、文谷千代子、辻照八、田中絹代、三浦光子、草島競子、日守新一、山路義人、坂本武、渡辺均、
1944.07.20 白系 7巻 1,849m 67分 白黒/スタンダード
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by sentence2307 | 2006-08-07 20:31 | 映画 | Comments(0)

浮草日記

ギャオで小津監督の「浮草」を見ながら、少し前に見た山本薩夫監督の「浮草日記」と、いつの間にか比較して見ていました。

この2作品に共通していることは、浮草稼業の旅まわりの一座が、客の不入りから興行先で苦境に追い込まれ、一座解散の危機に直面することにあります。

そして、対照的なのは、興行主の描き方にあるといえるでしょう。

小津作品の興行主は、実に寛容で温厚な人情家(笠智衆が演じています)として描かれていますが、山本作品の興行主は、強面の地回りを引き連れた悪辣な搾取者(小沢栄太郎)として描かれています。

これは、もちろんミエミエの「階級映画」の線を狙っての設定なのですが、あくまでも旅役者の側から描くことに徹しているので、小憎らしいくらいに抑えた捻りが効いて、「アカ」嫌いな旅役者たちが徐々に「階級に目覚める」あたり、それが完全な達成まで至らず不完全燃焼のままで中断することも含めて、説得力に満ちた作品になっていると思いました。

ですので「左側」の人たちの画一的な善良ぶりも、それほど気にはなりませんでした。

しかし、小津作品のシビアな視点と比べるとき、その山本監督の持つ楽観の視点・姿勢には、見過ごしにできないものも確かにあります。

例えば、座長の東野英治郎が、熱狂する観客に素直に感動するくだりです。

東野座長は言います。「俺の役者人生で、こんなに凄いリアクションを貰ったことがない。」

それはそうかも知れません。

コチラの方の左傾の芝居・・・芝居というよりも、むしろ大衆団交の糾弾集会の延長みたいな劇なのですから、最初からその手のリアクションが加味されて成立する舞台だったはずです。

今まで経験したことのなかったこの大歓声に幻惑された東野座長は、座員の励ましもあって解散の危機を乗り越え、再起を賭けてもうひと踏張りしてみようとするところで、この映画は終わっています。

しかし、この一座に僅かでも再生の未来が開かれているかといえば、それは極めて疑わしいと思わないわけにはいきません。

興行主に逆らい、全国に公演できなくさせられるような「フレ」を出されたりすることが、この一座の未来が閉ざされていると感じた理由ではありません。

東野座長が、まるでサクラのような観客=「左側の人々」の熱狂を、一般の観客の熱狂と同じに見ている誤解にあります。

劇団自身が、受ける観客を自ら選んで為されるような演劇が、はたして健全な演劇といえるかどうか、僕が「疑わしい」と言わずにおられなかった部分です。

それに比べれば小津作品の「浮草」で描かれている芝居小屋の観客席は、終始悲惨な状態です。

日々観客動員数は目に見えて落ち込み、次の興行地へ交渉に行った営業マンは雲隠れし、いち早く危機感を持った座員には金目のものを洗い浚い持ち逃げされ、ついに一座は解散に追い込まれます。

しかし、解散の原因を辿っていくと、一座に解散を齎したこのさびれた不景気な土地にわざわざやってきたのは、座長が隠し子に逢うためもあったとすると、そもそもの解散の直接の責任は、もしかすると座長にあったという見方もあながち否定はできません。

小津監督の「浮草」が持っている底深い哀しみは、不安定な浮草稼業に身をやつす老いた役者が、父親と名乗れないまま「おじさん」として久し振りに「甥=わが子」に逢いにいくという「虚偽」の設定の中に込められており、その「逢う」こと自体のもつ愛の衝動が、すべての破綻に繋がってしまうというところにあるのかもしれません。

観客の不入りもそのうちの重要な要素のひとつです。

厳しい現実への直視を避け、その関係をあからさまにしてしまえば、きっとすべてが破綻してしまうことを誰よりも理解し、「今のままでええ」と言いながら、「真実」から目をそらし、偽りの関係を生きよう決意したにもかかわらず、わが子に逢いたいという愛の衝動を抑えられず、すべての破綻の原因になっています。

そして、その「偽りの関係」が許されていた拠り所でもあったはずの座長の芸への情熱も、突きつけられた「客の不入り」というシビアな現実(役者としての自分の存在価値を真っ向から否定されること)に叩きのめされることと、どこかで繋がっているような気がしてなりません。

(55山本プロ・俳優座、松竹)製作・浅野竜麿 佐藤正之、監督・山本薩夫、脚本・八住利雄、原作・真山美保、撮影・前田実、音楽・芥川也寸志、美術・久保一雄、録音・安恵重遠、照明・平田光治
出演・東野英治郎、津島恵子、松本克平、菅原謙二、福原秀雄、花澤徳衛、花沢徳衛、上田茂太郎、江幡高志、佐藤茂美、中村美代子、小沢栄、仲谷一郎、高橋昌也、加代キミ子、岸輝子、東山千栄子、岩崎加根子、島田屯、田中筆子、浜田寅彦
1955.11.15 12巻 2,904m 白黒
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by sentence2307 | 2006-08-06 17:35 | 映画 | Comments(0)

ストームライダー

僕が退屈な夏休みを送っているのを見兼ねた友人が、ディズニーシーに誘ってくれました。

本当に久しぶりです。

ダイのおとなが一人では、なかなか行きにくい場所です。

それに、初めて知ったのですが、ディズニーシーは開業してから今年で5周年になるそうで、TVのコマーシャルでも盛んに宣伝しているあのアトラクション「レジェンド・オブ・ミシカ」がそうだったのかと、ウカツにもやっと点と点が繋がった始末で、ちょっとズレた話なのですが、なんかすっきりした気分になりました。

あのコマーシャル、映像的にもなかなか斬新な印象を受けていたので、そちらの方の興味もあり、ふたつ返事で同行させてもらいました。

ディズニーシーの湾を大きく使った「レジェンド・オブ・ミシカ」のパレードのスケールの壮大さは、噂どおりなかなかのものだったのですが、その手の「壮大さ」に瞬間的には感動しても、その感動を持続させることがいかに難しいかも、なんか同時に実感した次第です。

実は、以前ディズニーシーに来たとき、物凄い豪雨にたたられた最悪の日で、定番のアトラクションをほんの一部しか見ることができなかったこともあって、今回内心では、時間の許すかぎりできるだけ多くのアトラクションを乗り潰してやろうという気持ちで出かけました。

「センター・オブ・ジ・アース」・「海底2万マイル」・「クリスタルスカルの魔宮」など、いい年こいてキャッキャ、キャッキャと本当に面白くて堪能したのですが、僕の今回のお勧めはなんと言っても「ストームライダー」です。

ミサイルだかなんだかが水しぶきを散らして天井を突き破ってきたときには、思わず驚天動地の叫び声を上げてしまいました。

実は、「ストームライダー」が印象に残ったのには、もうひとつ別な理由がありました。

友人の彼女の女友達という人が実に献身的な人で、先々の「フリーパス」を先回りして効率よく確保してくれたので、どのアトラクションも並ぶことなくスムーズに乗ることができたのですが、予約をとらずに最初から列に並ぶとすると、それはもう大変な騒ぎです。

多分そういう待ちくたびれた親子連れが、疲れ切った様子で僕たちの前にいました。

そして、いよいよお目当ての「ストームライダー」に乗り込もうというとき、その家族の4~5歳くらいの女の子がお父さんを見上げて言いました。

「お父さん、オシッコ」

何十分も散々待たされて、やっとこれからというときの「お父さん、オシッコ」です。

それはないだろうというお父さんだったでしょうが、努めて表情を和らげながら、たった5分の我慢だからねと幼い娘を励ましています。

娘は悲痛な声で訴えています。

「漏れそう」

しかし、無情にも扉がサッと開いてお客たちがぞろぞろ乗り込み始めました。

僕たちの前をその家族も進んでいきました。

僕は、まず友人と友人の彼女に先を譲り、そして、友人の彼女の友達に続いてアトラクションの部屋に入りました。

さあ、アトラクションの開始です。

なにしろ巨大竜巻の中心にミサイルをぶち込んで爆発させ、竜巻を消滅させてしまうという超科学的な巨大プロジェクトです。

この作戦には、少女の差し迫った尿意に配慮した繊細な穏やかさなど望むべくもありません。

アトラクション中、椅子は矢鱈滅多ら揺すぶられ、突き上げられ、水を浴びせかけられ続けました。

自分の席からは、あの少女が果たしてどうなっているか見えませんでしたが、反面、至近距離なんかに座わらなくってホントよかったと内心では思いました。

アトラクションが終わり、出口から外にでるとき、何気なくあたりを見回してみましたが、あの家族の姿はありませんでした。

友人の彼女が夢中になって話している内容にも、差し迫った尿意に七転八倒していた少女の話などなかったので、多分なにごともなくコトは済んだのだと思います。

あるいは、いまごろあの少女の座っていた床あたりに小さな黄色い湖が出来ているのかも。

しかし、なにしろ「水」を浴びせかけられるアトラクションのことですから、綺麗好きなディズニーシーもきっと許してくれるに違いないと信じています。

そうそう、同行した友人というのが、むかしマンションのモデルルームの見学に行ったとき、突然尿意をモヨオシタので、そこのトイレを借りたところ、そのトイレも単なるモデルだったので水が出てこず、黄色い湖をこしらえてしまった前科のある男です。

彼の場合は、猛ダッシュで逃げたのですが、僕の見た限りあの場所から猛ダッシュで逃げていく親子連れはありませんでした。
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by sentence2307 | 2006-08-04 21:59 | 映画 | Comments(2)