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世界のあらゆる映画を偏執的に見まくる韜晦風断腸亭日乗


by sentence2307
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散歩のついでに古本屋に立ち寄り、興味を引いた廉価本を買って帰って、ごろ寝しながら数日かけて読み飛ばす毎日を楽しんでいます。

時には、読みながら「寝落ち」することもあり、それはそれで実に気持ちいいのですが、目が覚めたときに、死ぬ瞬間というのは、この「寝落ち」みたいな感じなのかなと考え、少しぞっとし、あるいは奇妙な気持ち(なんだか名残惜しいというか)になったりします。

古本屋でチョイスする本の基準など特にありませんが、肩の凝らない小説とか、深刻でないドキュメンタリーなど(犯罪ものとかスキャンダルもの)が多いかもしれません。好きなのです。

その流れで軽い「戦後史もの」などがあれば、手当たり次第に買い込んでいる感じです。ただし、「エロ」は避けています、なにせ「あと」をひきますし、事後「時間を無駄にしたなあ」という自己嫌悪と後悔に苛まれるので。

だけど前立腺がんのリスクを軽減する効果はあるみたいですよ。アメリカの学会あたりで報告されたそうです。

先日、その古本屋で「戦後芸能史物語」(朝日選書344)という本を見つけました。

店頭でざっと見た感じでは、昭和20年代から昭和40年代前半までの世相や事件が、こまかい項目立ての写真入りで解説してあり、映画の話題も豊富そうなので、早速買ってきました。

映画に限りませんが、その当時でこそ大いに「話題」になっても、時の経過とともに風化して忘れられてしまうことは随分ありますから、記憶の掘り起こしという意味でも、この手の古い本を読むことは、ひとつのメリットでもあり愉しみです。

さて、昭和20年代の映画関係の項目というのは、「そよかぜ」「鐘の鳴る丘」「青い山脈」「君の名は」「笛吹童子」「ゴジラ」などGHQとの関係を絡めた作品説明があったりするなかで、ひと際孤立した印象の項目「ケニー・ダンカン(昭和26年6月)」というタイトルがありました、なんだか面白そうです、早速読んでみました。

出だしはこんな感じです。

《ピストルを腰に、カウボーイ姿の男が、羽田空港で女優たちから熱っぽい歓迎を受けたのは、昭和26年6月27日だった。
男の名は、ケニー・ダンカン。射撃と投げ縄の名手で、ハリウッド映画に150本も出演したスターという触れ込みで、以後三か月余りにわたって全国の映画館や劇場で「神業」を披露して回る。
当時盛んだった「映画と実演」という興行の中で、舞台で実弾を放つ(?)珍しいアトラクションは受けに受けた。
しかし、外人タレントの走りとなったこの「役者」と、その興行の実態は、実は・・・。》


なんですか、この書き出しは。

「スターという触れ込みで」とか、「舞台で実弾を放つ(?)」の(?)とか、あるいは、役者という活字をワザとらしくカギ括弧で括ったり、思わせぶりに「その興行の実態は、実は・・・」などと、うさん臭さを匂わせる厭味ったらしい書き方は、ケニー・ダンカンが、まるでスターを騙った詐欺師だと言わんばかり、アタマから読者をあからさまに「食わせ物の偽俳優」に誘導しようという悪意に満ちた下品な書き方には驚きました。

まあ、偏向新聞がよく使う手ではありますが。

実は、この本の内容は、朝日新聞に掲載された記事をまとめたものです、

十分な知識のない記者が、なんの根拠もないまま書いたこの悪意ある予断に満ちた記事が、全国紙に堂々と掲載されて流布され、多くの国民の目に晒されたかと思うと、空恐ろしく、思わずぞっとします。

いま、シンプルに「ケニー・ダンカン」と検索すると、時折「イカサマ野郎」と嘲笑気味に決めつけているブログに出会うことがありますが、その震源地は、まさにこの悪意の記事からだったのではないかと勘ぐってしまうくらいで、国民の総意を誘導し世論形成を企図する新聞の空恐ろしい一面を垣間見た思いです。

知識人を気取る高尚な朝日新聞は、こういう浅はかなでっち上げがゴク得意なのですが、被害を受けた側(ケニー・ダンカン)のダメージは相当深刻なものがあったと同情を禁じ得ません。

こんな例は掃いて捨てるほどあると思いますが、そこは例の「マスコミの強権」を発揮して被害者を抑え込んで黙らせることくらい、いとも簡単な芸当です。

この悪意ある黒き熱意は、戦中、ひたすら部数を伸ばすために、先頭に立って戦意高揚をぶち上げ、軍部の尻を叩いて侵略戦争をあおった強欲新聞の名残がうかがえます。そして現在、まるでその犯罪行為を償うみたいな媚中で、更なる恥の上塗りをしているというわけです。まあ、とんだ勘違いであることには、かわりありません。

さて、もう少し引用を続けてみますね。
《二丁拳銃でさっそうと現れたダンカン、舞台上手から10メートル近く離れた下手の風船や菓子、硬貨などを的にして、ダーン、ダーン。もちろん百発百中。さらに、股に頭を突っ込んだ姿勢で撃ったり、後ろ向きで手鏡を利用して撃ったり、あげくは立てたナイフの刃に命中させ二つに割れた弾丸で両側の標的を落とすという信じられない技も。
手品とはわけが違う、使っているのは実弾なのだ。そう思い込んで興奮に身を浸す観客たち。
馬にまたがって銀座パレードやマスコミでの宣伝など、この西部男の人気を煽り立てた興行は、連日満員の客を集めて盛り上がった。この後続く日本縦断ツアーでもこの盛り上がりが引くことはなかった。
劇場の関係者ら一部の間で「インチキ臭さ」を指摘する声もあるにはあったが、ほとんどの人はからくりがあるとは疑わなかったようだ。》

「インチキ臭さ」が新聞社の結論のくせに、その断定を第三者が発信源であるかのように工作し、あたかも世論に否定的な意見があるかのような新聞独特の姑息な言い回しで「一部の間で『インチキ臭さ』を指摘する声もあるにはあったが」などと前置きし、さらに同じ「インチキ臭さ」をテーマにした藤本義一の小説「曲射ちケニイ始末記」を取り上げ、都合のいい部分だけを引用しています。

もちろん、それらは、新聞社そのものの主張でもあることは、いうまでもありません。

こんな感じです。
「トニー谷のほかに付き添いが二人いて、いま思うとあれが細工していたのだろう。針とかピンとかを使ったトリックで」
「ケニー・ダンカンの仕掛け人は、二世の米軍芸能係軍属をかたった日本人の詐欺師。駐留米軍の将校を抱きこんで一旗揚げようとたくらんだ。」
「藤本の小説では、ダンカンが何者だったか追及していない。忽然として消えた彼の行方も追わない。ニュアンスとして、アメリカのおっさんのイメージでとらえている。」
「本当に映画出演の経験はあったのか、射撃の腕前はどうだったのか。こんな話がある。来日直後、警視庁がダンカンに射撃の手本を見せてもらうため、月島射撃場に招いた。ところがその日、あいにくというか、幸いにもというか、風が強く吹き、それを理由に彼は射撃をやめた。」(しかし、警察予備隊の隊員の前で射撃指導している写真は存在する)


「KENNE DUNCAN」で検索すると、ヒットするひとつのyou tube動画があります。「the face」と題するもので、サブタイトルが「trick shooting with KENNE DUNCAN」、原作と監督は、edward d wood jrとありました。

英語版wikiによると、ケニー・ダンカンと親交があったエド・ウッドは、ダンカンのために5本の映画を撮っており、そのうちの1本がこの「トリック・シューティング」で、まるで針の穴を撃ちぬくような精密な腕前を披露しています。なにも針とかピンなどを使ったり、黒子のお世話にならなくても、十分に小さな的を撃ちぬく腕前を有していたことがこれでわかります。ただ、大勢の観客のいる前で実弾発射に及んだかどうか、興行師の立場からすれば安全確保のための一考があったかもしれません。その意味での針とかピンとかね。

以上、数々の指摘(ケニー・ダンカンの「イカサマ師説」)が如何に根も葉もない捏造(書き手の調査の怠慢)であったか、濡れ衣だったかを明かすために以下に、彼がハリウッド活躍した記録(英語版wikiより)を貼っておきますね。



【ケニー・ダンカン(ケネス・ダンカン・マクラクラン)】

誕生 1903年2月17日 カナダ、オンタリオ州チャタム
死亡 1972年2月5日(68歳) ハリウッド、ロサンゼルス、カリフォルニア州、米国
墓地 グランドビューメモリアルパーク墓地、グレンデール、カリフォルニア州
その他の名前ケン・ディンカン、ケネス・ダンカン
職業俳優
活動年数1928–1962

ケニー・ダンカン(1903年2月17日 - 1972年2月5日)は、カナダ生まれのアメリカのB級映画キャラクター俳優でした。
「映画界で最も意地悪な男」としてプロとして宣伝され、250本を超える出演作の大半は西部劇でしたが、ホラー、犯罪ドラマ、SFにも時折出演しました。また、12本以上の連続ドラマにも出演しました。

幼少期、ダンカンはカナダのオンタリオ州でケネス・ダンカン・マクラクランとして生まれました。
俳優になる前、ダンカンは乗馬を趣味とし、一時期は騎手として働いていました。その分野での功績には、カナダ、ケベック州モントリオールのブルー・ボネット競馬場での障害競走優勝などがあります。

キャリア
ダンカンは、一部の界隈では、エド・ウッドとの仕事で最もよく知られている。ダンカンは、ウッド作品の5作品に出演している。『ナイト・オブ・ザ・グールズ』、 『トリック・シューティング』(ケニー・ダンカンと共演)、『クロスロード・アベンジャー』、 『シニスター・アージ』、そしてウッドがヤキマ・カナット監督と組んだ映画『ローレス・ライダー』である。
ダンカンが最後に出演した映画は、ウッドの低予算映画『シニスター・アージ』と、ドラマ「ローハイド」(「狙撃手事件」)のエピソードでの端役である。また、 『シスコ・キッド』、『バット・マスターソン』、『ワイアット・アープの生涯と伝説』、『トゥームストーン・テリトリー』など、特に西部劇に出演している。1961年、58歳で映画界を引退した。

ダンカンは共演者の女性たちと女たらしとして知られ、ハリウッドでは恵まれた体格で知られていた。
女優ヴァルダ・ハンセンは「ケン・ダンカンは撮影の合間に何度も何度も私の耳元で卑猥な言葉を囁いてきた。『舌は好き?』とか。…ついに私はあの老いぼれに我慢できなくなり、セットのマイクに向かって『黙れ!』と叫んだ。…すると皆が大笑いした」と回想している。
映画監督のロン・アシュクロフトは「ケンはかなり分厚い本を持っていて、ベッドで寝た女性たちの名前が書いてあった。1000人以上の女性が載っていると言っていた。1000人以上の女性が」と回想している。
メイクアップアーティストのハリー・トーマスは、ハリウッドのパーティーでケン・ダンカンの裸を見たことがあり、数年後にインタビュアーに「ご存知の通り、男性は皆平等に生まれているわけではない」と語った。


1972年2月5日、ダンカンは69歳の誕生日の12日前にバルビツール酸系の薬物を過剰摂取して自殺した。
友人のロン・アシュクロフトは当時を振り返り、「彼が自殺した時、信じられませんでした。彼は生きることに疲れていたのです。ジョージ・サンダースと同じように、彼はあらゆることを見て、あらゆることを経験してきました。ただ座ってテレビを見ているだけでした。」と語っている。ダンカンはカリフォルニア州グレンデールのグランド ・ビュー・メモリアル・パーク墓地に埋葬された。

エド・ウッドはケニー・ダンカンの遺産執行人に任命され、自宅の裏庭にあるプールサイドで小さな追悼葬儀を執り行いました。ウッドと妻、そして友人たちは順番に飛び込み台に上がり、それぞれがダンカンの短い弔辞を述べました。

★厳選されたフィルモグラフィー

警察記者Police Reporter(1928年)
ワイオミングから来た男A Man from Wyoming(1930年) - ヘイリー(クレジットなし)
遺棄された男Derelict (1930年) - ラジオマン(クレジットなし)
ノー・リミットNo Limit(1931年) - カーリー・アンドリュース
グリーフ・ストリートGrief Street(1931年) - 新聞記者(クレジットなし)
勇敢な恋人たちLovers Courageous(1932年) - カウボーイ(クレジットなし)
保護観察Probation(1932年) - 結婚式のリハーサル係(クレジットなし)
マウスピースThe Mouthpiece(1932年) - オフィスワーカー(クレジットなし)
シャドウ・リバーShadow River(1933)
潜入捜査官Undercover Men (1934年) - ブレイク・ハーディ
勇敢な守護者Gallant Defender(1935年) - グースネック・スミス(クレジットなし)
『9時から9時まで』From Nine to Nine(1936年) - ジョン・サマーセット
サラブレッドThoroughbred(1936年) - チック・ウィリアムズ
クロス・マイ・ハートCross My Heart(1937) - スティーブ・キング
メイクアップMake-Up(1937) - ロレンツォ
最後の幕The Last Curtain(1937年) - ガルサッティ
コロラド・キッドThe Colorado Kid(1937年) - シムズ・レザー
フラッシュ・ゴードンの火星旅行Flash Gordon's Trip to Mars(1938年、連続ドラマ) - 飛行場のキャプテン
ワイルド・ビル・ヒコックの大冒険The Great Adventures of Wild Bill Hickok(1938年、連続ドラマ) - 鍛冶屋(第13話)(クレジットなし)
フロンティア・スカウトFrontier Scout(1938年) - クランドル - ヘンチマン
蜘蛛の巣The Spider's Web (1938年、連続ドラマ) - ラム・シン
ファイティング・サラブレッドFighting Thoroughbreds (1939年) - ブレイディ
ユーコンの北North of the Yukon(1939年) - ヘンチマン・ミーカー
バック・ロジャースBuck Rogers(1939年、連続ドラマ) - レイシー中尉
テキサスから来た男Man from Texas(1939年) - スピード・デニソン
ミッキー・ザ・キッドMickey the Kid(1939年) - ヘンチマン(クレジットなし)
キット・カーソンと行くオーバーランドOverland with Kit Carson(1939年、連続ドラマ) - 罠猟師(クレジットなし)
戦う反逆者The Fighting Renegade(1939) - ヘンチマン(クレジットなし)
トリガー・フィンガーズTrigger Fingers(1939年) - ヘンチマン・ジョンソン
燃える鉛Flaming Lead(1939) - ラリー - 牧場労働者
ウェストバウンド・ステージWestbound Stage(1939年) - ジム・ウォレス大尉
緊急救命隊Emergency Squad(1940年) - ジャック(クレジットなし)
テキサス・レネゲイズTexas Renegades(1940) - ビル・ウィリス
セージブラッシュ一家は西へ旅するThe Sagebrush Family Trails West(1940年) - バート・ウォレス
シャイアン・キッドThe Cheyenne Kid(1940年) - チェット・アダムス
ビリー・ザ・キッドの禁断の日々Billy the Kid Outlawed (1940年) - デヴィッド・ヘンドリックス
ユーコン川の殺人Murder on the Yukon(1940年) - トム - 手下
幌馬車道Covered Wagon Trails (1940年) - ヘンチマン・ブレイン
ピント・キャニオンPinto Canyon(1940年) - フレッド・ジョーンズ
六大銃の国Land of the Six Guns(1940) - マックス
誓いを立てるI Take This Oath(1940年) - レンタカー係(クレジットなし)
サンタフェの子供The Kid from Santa Fe(1940年) - ジョー・ラヴィダ
フロンティア・クルセイダーFrontier Crusader(1940年) - メサ・キッド
スカイ・バンディッツSky Bandits(1940) - ブラウニー - ヘンチマン
デッドウッド・ディックDeadwood Dick(1940年、連続ドラマ) - 二丁拳銃 - ヘンチマン(第7話)(クレジットなし)
ビリー・ザ・キッドの禁断の旅Billy the Kid Outlawed (1940年) - デイブ・ヘンドリックス
ロール・ワゴンズ・ロールRoll Wagons Roll(1940年) - クレイ大尉
アリゾナ・ギャング・バスターズArizona Gang Busters  (1940) - ダン・カーク保安官
トレーリング・ダブル・トラブルTrailing Double Trouble(1940年) - ボブ・ホーナー
緑の射手The Green Archer(1940年、連続ドラマ) - マイケル・ベラミー(クレジットなし)
ビリー・ザ・キッドの銃の正義Billy the Kid's Gun Justice(1940年) - ヘンチマン・ブラッグ
ソウルズ・イン・ポーンSouls in Pawn (1940年) - JWカールトン
バック・プライヴェートBuck Privates (1941年) - 歩道に立つ軍曹とコリンズ軍曹(クレジットなし)
ホワイト・イーグルWhite Eagle(1941年、連続ドラマ) - カーク(クレジットなし)
リオグランデの無法者Outlaws of the Rio Grande(1941年) - ボブ・デイ保安官
キャプテン・マーベルの冒険Adventures of Captain Marvel(1941年) - バーネット - チーフ・ヘンチマン [第2-10章]
蜘蛛の帰還The Spider Returns(1941年、連続ドラマ) - ラム・シン、ウェントワースのヒンドゥー教徒の運転手
ビリー・ザ・キッドのサンタフェBilly the Kid in Santa Fe(1941年) - ヘンチマン・スコッティ
テキサス保安官The Texas Marshal(1941年) - 手下レフティ(クレジットなし)
デッドリー・ゲームThe Deadly Game(1941年) - ヘンチマン #2
ダイナマイト・キャニオンDynamite Canyon (1941年) - ヘンチマン・ロッド
アパッチ・キッドThe Apache Kid(1941年) - ヘンチマン・ベントン(クレジットなし)
キング・オブ・ザ・テキサス・レンジャーズKing of the Texas Rangers(1941年、連続ドラマ) - ニック - ヘンチマン [第1~4、6~9話]
ビリー・ザ・キッド指名手配Billy the Kid Wanted(1941年) - 手下(クレジットなし)
サンセット・トレイルを駆けるRiding the Sunset Trail(1941年) - ジェイ・リンチ
ローン・ライダーの逆襲The Lone Rider Fights Back(1941年) - バーフライ(クレジットなし)
ミズーリ州の無法者A Missouri Outlaw(1941年) - ヘンチマン・ピート・チャンドラー
ビリー・ザ・キッドのラウンドアップBilly the Kid's Round-Up(1941年) - ヘンチマン・ジョー(クレジットなし)
テキサス・マンハントTexas Man Hunt(1942年) - ヘンチマン・レイク
ローン・ライダーと山賊The Lone Rider and the Bandit(1942年) - 酒場の手下(クレジットなし)
無法者の掟Code of the Outlaw(1942年) - プラグ - ヘンチマン
西部開拓時代Raiders of the West(1942年) - ハリス - ダンディ・ギャンブラー(クレジットなし)
リオグランデ川の心臓Heart of the Rio Grande(1942年) - 列車の乗客(クレジットなし)
二つの命を持つ男The Man with Two Lives(1942年) - ジェス・ファウラー
シャイアンの孤独なライダーThe Lone Rider in Cheyenne (1942年) - ウォルト副保安官
ウェストワード・ホーWestward Ho (1942年) - ヘンチマン・ダラス(クレジットなし)
ニョカの危険Perils of Nyoka(1942年、連載[ 7 ]) - アブ
ソンブレロ・キッドThe Sombrero Kid(1942年) - ピート・レイモンド - ヘンチマン(クレジットなし)
ロー・アンド・オーダーLaw and Order(1942年) - ヘンチマン・ダーガン
秘密のコードThe Secret Code(1942年、連載) - マーヴィン [第1-3、5-6話]
行方不明者たちの島Isle of Missing Men(1942年) - ボブ・ヘンダーソン
外国のエージェントForeign Agent (1942年) - 連邦エージェントのトム(クレジットなし)
オーバーランド駅馬車Overland Stagecoach(1942年) - ポッセライダー(クレジットなし)
テキサスからバターンへTexas to Bataan(1942年) - アンダース大尉
追われる男たちの谷Valley of Hunted Men(1942年) - ナチス(クレジットなし)
ボルダー峠の無法者Outlaws of Boulder Pass (1942年) - ヘンチマン・ムリー
レッド・リバーのロビン・フッドRed River Robin Hood(1942年) - ヘンチマン・エド・ランス
トレイル・ライダーズTrail Riders (1942年) - フランク・ハモンド元帥
消えゆく人々の谷The Valley of Vanishing Men(1942年、連続ドラマ) - ローガン(クレジットなし)
サンダウン・キッドThe Sundown Kid(1942年) - ヘンチマン
キッド・ライド・アゲインThe Kid Rides Again(1943年) - 酒場のカウボーイ(クレジットなし)
シャイアン・ラウンドアップCheyenne Roundup(1943年) - エクスプレスライダー(クレジットなし)
サンタフェスカウトSanta Fe Scouts (1943) - チンピラ (ノンクレジット)
ワイルドホース・スタンピードWild Horse Stampede(1943年) - ハンリー
牧場の狼Wolves of the Range(1943年) - ヘンチマン・アダムス
西部の命知らずDaredevils of the West (1943年、連続ドラマ) - ジョージ・フッカー [第9章]
オールド・シャイアンの日々Days of Old Cheyenne(1943年) - ヘンチマン・ピート
復讐の騎士The Avenging Rider(1943年) - ブラック
ボーダー・バッカルーBorder Buckaroos (1943) - トム・バンクロフト
牧場の狼Wolves of the Range(1943年) - ヘンチマン・アダムス
平原の逃亡者Fugitive of the Plains(1943年) - RJコール
バットマンBatman (1943年、連続ドラマ) - フレッド - メカニック [第5-6話] (クレジットなし)
法の復活The Law Rides Again(1943年) - ジェフ保安官
幌馬車道西行きWagon Tracks West (1943年) - ヘンチマン(クレジットなし)
燃える国境Blazing Frontier(1943年) - 開拓者クラーク(クレジットなし)
恐怖の道Trail of Terror (1943年) - ヘンチマン・トム
スウィング・シフト・メイジーSwing Shift Maisie(1943年) - チャーリー - アンのブラインドデート(クレジットなし)
ブレイジング・ガンズBlazing Guns(1943年) - ヘンチマン・レッド・ヒギンズ
リオグランデ川の男The Man from the Rio Grande(1943年) - ヘンチマン
オーバーランド郵便強盗Overland Mail Robbery(1943年) - ハンク(クレジットなし)
キャニオン・シティCanyon City(1943年) - ターナー - ヘンチマン(クレジットなし)
オールド・オクラホマIn Old Oklahoma(1943年) - 列車に乗った憤慨したビジネスマン(クレジットなし)
ピストル・パッキン・ママPistol Packin' Mama(1943年) - ドアマン(クレジットなし)
サンセット峠の略奪者Raiders of Sunset Pass(1943年) - ヘンチマン・テックス
平原の誇りPride of the Plains(1944年) - スナイダー - ヘンチマン
国境を越えた手Hands Across the Border(1944年) - 副官(クレジットなし)
ファイティング・シービーズThe Fighting Seabees(1944年) - 建設作業員(クレジットなし)
キャプテン・アメリカCaptain America (1944年、連続ドラマ) - エド・グラハム [第14話](クレジットなし)
西部の空の下Beneath Western Skies(1944年) - バロー副保安官
モハーヴェ・ファイアブランドMojave Firebrand(1944年) - トニー・ウェッブ
ヒドゥン・バレー・アウトローズHidden Valley Outlaws(1944年) - ヘンチマン・ベン・バノン
ララミー・トレイルThe Laramie Trail (1944年) - バッドのパートナー(クレジットなし)
サンタフェの無法者Outlaws of Santa Fe(1944年) - チャック - 手下
ツーソン・レイダースTucson Raiders(1944年) - ヘンチマン(声、クレジットなし)
虎女The Tiger Woman(1944年、連載[ 8 ]) - ジェントリー - ヘンチマン[第7、11章]
サイレント・パートナーSilent Partner(1944年) - ギャング(クレジットなし)
マン・フロム・フリスコMan from Frisco(1944年) - フォアマン(クレジットなし)
リノ元帥Marshal of Reno(1944年) - アダムス - 手下
スコットランドヤードの秘密Secrets of Scotland Yard(1944年) - スチュワード(クレジットなし)
勇気ある少女The Girl Who Dared(1944年) - ポール・デクスター博士
ネバダの歌Song of Nevada(1944年) - トンプソンのワゴンレースの運転手(クレジットなし)
幽霊港Haunted Harbor(1944年、連続ドラマ) - グレッグ
モントレー行きの駅馬車Stagecoach to Monterey(1944年) - ジョー - ヘンチマン
サンフェルナンドバレーSan Fernando Valley(1944年) - 馬泥棒(クレジットなし)
シャイアン・ワイルドキャットCheyenne Wildcat(1944年) - ヘンチマン・ピート
マイ・バディMy Buddy(1944年) - 囚人(クレジットなし)
リスボンの嵐Storm Over Lisbon(1944年) - ポール・デレスコ・アイデ
終着点End of the Road(1944年) - アル・ハーマン
サンダウンの保安官Sheriff of Sundown(1944年) - アーサー・ウィルクス - 長官
ドッジ・シティの自警団Vigilantes of Dodge City(1944年) - 手下デイブ・ブリュースター
ブラジルBrazil(1944年) - タクシー運転手(クレジットなし)
サラブレッドThoroughbreds(1944年) - (クレジットなし)
ラスベガスの保安官Sheriff of Las Vegas(1944年) - ホワイト - ヘンチマン
ミステリー島の追跡Manhunt of Mystery Island(1945年、連続ドラマ) - シドニー・ブランド
コーパスクリスティの盗賊団Corpus Christi Bandits(1945年) - スペード - ヘンチマン
ファントム・スピークスThe Phantom Speaks(1945年) - 殺人被害者(クレジットなし)
バーバリー海岸の炎Flame of Barbary Coast(1945年) - ギャンブラー(クレジットなし)
サンタフェ・サドルメイツSanta Fe Saddlemates(1945年) - ブラゾス・ケイン
スポーツのチャンスA Sporting Chance(1945年) - ボーダー
ロザリタの鐘Bells of Rosarita (1945年) - 誘拐犯(クレジットなし)
シカゴ・キッドThe Chicago Kid(1945) - アル
アルカトラズへの道Road to Alcatraz (1945年) - 召使い
キット・カーソンの足跡Trail of Kit Carson(1945年) - トリガー・チャンドラー
オレゴン・トレイルOregon Trail(1945年) - ジョニー・スレイド - ヘンチマン
しあわせへのヒッチハイクHitchhike to Happiness(1945年) - バーの男(クレジットなし)
紫の怪物の襲来The Purple Monster Strikes (1945年、連載) - チャールズ・ミッチェル [第1~2章、第10章]
愛と名誉と別れLove, Honor and Goodbye(1945年) - カウンターマン(クレジットなし)
ラフ・ライダーズ・オブ・シャイアンRough Riders of Cheyenne(1945年) - ランス - ヘンチマン
ダコタDakota (1945) - ヘンチマン (クレジットなし)
幌馬車西行きWagon Wheels Westward(1945年) - ヘンチマン・ジョー
緋色の騎士The Scarlet Horseman (1946年、連続ドラマ) - ヘンチマン(クレジットなし)
ファントムライダーThe Phantom Rider(1946年、連続ドラマ) - ベン・ブレイディ - ヘンチマン
男は変われるA Guy Could Change(1946年) - フランク・ハンロン
カリフォルニア・ゴールドラッシュCalifornia Gold Rush(1946年) - ヘンチマン・フェルトン
レッドウッドバレーの保安官Sheriff of Redwood Valley (1946年) - ヘンチマン・ジャクソン
ホーム・オン・ザ・レンジHome on the Range(1946年) - ヘンチマン #2
虹の彼方にRainbow Over Texas(1946年) - ヘンチマン・ピート・マカヴォイ
サンバレー・サイクロンSun Valley Cyclone(1946年) - ダウ
オールド・サクラメントIn Old Sacramento(1946年) - 副保安官(クレジットなし)
レインボーバレーの男Man from Rainbow Valley(1946年) - トレイシーのパートナー
犯罪密輸Traffic in Crime(1946年) - ヘンチマン(クレジットなし)
マイ・パル・トリガーMy Pal Trigger(1946年) - ディーラー
メンフィス行き夜行列車Night Train to Memphis (1946年) - エイサ・モーガン
レッド・リバー・レネゲイズRed River Renegades(1946年) - ヘンチマン・ハケット
シャイアン征服Conquest of Cheyenne(1946年) - 地質学者マクブライド
GI戦争花嫁G.I. War Brides (1946年) - (クレジットなし)
ミステリアス・ミスター・バレンタインThe Mysterious Mr. Valentine(1946年) - サム・プリーストリー
リオグランデレイダースRio Grande Raiders(1946) - スティーブ - ヘンチマン
テキサス・ムーンRoll on Texas Moon (1946年) - ヘンチマン・ブランニガン
クリムゾン・ゴーストThe Crimson Ghost(1946年、連載) - チェンバース博士 [第1~2話、第8話]
サンタフェ蜂起Santa Fe Uprising(1946年) - ヘンチマン
スーシティ・スーSioux City Sue(1946年) - クローリー(クレジットなし)
天使と悪人Angel and the Badman(1947年) - ギャンブラー(クレジットなし)
リオグランデ川の黄昏Twilight on the Rio(1947年) - ルー・エヴァース - 米国税関職員(クレジットなし)
バック二等兵の帰還Buck Privates Come Home(1947年) - 歩道の軍曹(クレジットなし)
侵入者The Trespasser (1947年) - 仲間(クレジットなし)
クローズアップClose-Up (1948年) - 刑事(クレジットなし)
サンタフェの夕暮れSundown in Santa Fe (1948年) - 幌馬車の運転手(クレジットなし)
隠された危険Hidden Danger (1948年) - ヘンチマンベンダー
クラッシュ・スルーCrashing Thru(1949) - レンジャー・ティム・レイモンド
西部の影Shadows of the West(1949) - ビル・メイベリー
ガンランナーGun Runner(1949年) - ネブラスカ州
西の法Law of the West(1949) - フランク・スティーブンス
スタンピードStampede(1949) - スティーブ(クレジットなし)
リオグランデ川を渡ってAcross the Rio Grande (1949) - ジョー・バーデット
エルドラドの西West of El Dorado (1949) - スティーブ・ダラス
レンジ・ジャスティスRange Justice(1949) - ヘンチマン・カーク
西へ進軍Roaring Westward(1949年) - モーガン
副保安官Deputy Marshal(1949年) - カル・フリーリング
空の騎士Riders in the Sky(1949) - トラヴィス
無法の掟Lawless Code(1949年) - トム・ブレイン - ヘンチマン
ニューメキシコの息子たちSons of New Mexico(1949) - エド - ヘンチマン(クレジットなし)
レンジ・ランドRange Land(1949) - ウィンターズ保安官
デイビー・クロケット、インディアン・スカウトDavy Crockett, Indian Scout(1950年) - ゴードン軍曹
レーダー・シークレット・サービスRadar Secret Service(1950年) - マイケルの手下
ラバ列車Mule Train (1950) - ラティーゴ (ノンクレジット)
銀の賢者の掟Code of the Silver Sage(1950年) - ディック・キャントウェル - ヘンチマン
ジグスとマギーの西部劇Jiggs and Maggie Out West(1950年) - スリム - ヘンチマン(クレジットなし)
彼女自身の人生A Life of Her Own(1950年) - 招待状を求める男(クレジットなし)
降伏Surrender(1950年) - ライダーがグレッグに警告(クレジットなし)
インディアン準州Indian Territory(1950年) - アパッチに撃たれた3人目の男(クレジットなし)
ラスト・オブ・ザ・バッカニアーズLast of the Buccaneers(1950年) - 海賊船長(クレジットなし)
灼熱の太陽The Blazing Sun(1950) - アル・バートレット&マーク・バートレット
生死を分けるWanted: Dead or Alive(1951) - ヘンチマン (クレジットなし)
バッドマンズ・ゴールドBadman's Gold (1951) - ランス
旋風Whirlwind(1951) - スリム - ヘンチマン(クレジットなし)
ネバダ・バッドメンNevada Badmen(1951) - ボブ・バノン(クレジットなし)
テキサス・レンジャーズThe Texas Rangers (1951年) - バート・ハワード - 無法者(クレジットなし)
シルバー・キャニオンSilver Canyon(1951年) - 伍長(クレジットなし)
オクラホマ・ジャスティスOklahoma Justice (1951年) - バーンズ保安官
ユタの丘The Hills of Utah(1951年) - インディゴ・ハバード - ヘンチマン
ドラムス・イン・ザ・ディープ・サウスDrums in the Deep South(1951年) - 北軍将校(クレジットなし)
インディアン蜂起Indian Uprising(1952年) - リチャーズ中尉(クレジットなし)
フロンティア・ファントムThe Frontier Phantom(1952年) - サム・マンテル
オン・トップ・オブ・オールド・スモーキーOn Top of Old Smoky(1953年) - マクエイド
ジャック・マッコール、『デスペラード』Jack McCall, Desperado(1953年) - パーティーのギャングメンバー(クレジットなし)
パック・トレインPack Train(1953) - ロス・マクレーン
無法騎士The Lawless Rider (1954) - フレノ・フロスト
地獄の水平線Hell's Horizon(1955年) - ネイラー少佐
肉体と拍車Flesh and the Spur(1956年) - ケイル・タナー
ララミー砦の反乱Revolt at Fort Laramie (1957年) - フォーリー大尉(クレジットなし)
アウトロー・クイーンOutlaw Queen(1957年) - 保安官
鉄の保安官The Iron Sheriff(1957年) - レヴァレットの義理の兄弟(クレジットなし)
牧師と無法者The Parson and the Outlaw(1957年) - マット・マクラウド(クレジットなし)
驚異の女怪物The Astounding She-Monster (1957年) - ナット・バーデル
死とのデートDate with Death (1959年) - アンドリュース - 貨物列車の番人
処女の復讐Revenge of the Virgins(1959) - ナレーター(声、クレジットなし)
グールの夜Night of the Ghouls(1959) - アキュラ博士(監督・エド・ウッド)
オクラホマ準州Oklahoma Territory(1960年) - ビゲローの手下(クレジットなし)
ミュージック・ボックス・キッドThe Music Box Kid(1960年) - トラック運転手の助手(クレジットなし)
ナチェズ・トレースNatchez Trace(1960) - ウィリアム・マレル
邪悪な衝動The Sinister Urge(1960年) - マット・カーソン中尉(監督・エド・ウッド)
すごい!Like Wow!(1962年) - カーセールスマン


★厳選されたテレビ番組(年タイトル役割注記)

1950シスコキッド駅員エピソード「犬の物語」
1950ローン・レンジャー(テレビシリーズ)ジェフ・バーンズエピソード「金への欲望」
1950ローン・レンジャー(テレビシリーズ)ジョー・パーカー副保安官エピソード「死の罠」
1951シスコキッドシェリフエピソード「老いた浮浪者」
1951シスコキッドシェリフエピソード「水の権利」
1953デスバレーデイズ2人目の強盗シーズン1、エピソード9「シンシーの夢のドレス」
1953ローン・レンジャー(テレビシリーズ)ダン保安官エピソード「トレーダー・ボッグス」
1953デスバレーデイズネバダ州務長官シーズン2、エピソード2「リトル・ワシントン」
1955ワイアット・アープの生涯と伝説デイヴィー - ピアース・フォアマンエピソード「牛追い道の王」
1956デスバレーデイズバーテンダーエピソード「Pay Dirt」
1956デスバレーデイズマコーネルエピソード「運命の年」
1956ワイアット・アープの生涯と伝説パーキンス博士エピソード「世界で最も孤独な男」
1958ワイアット・アープの生涯と伝説デューシー・ミラーエピソード「カンザス・リリー」
1958ワイアット・アープの生涯と伝説ケンドールエピソード「賞金稼ぎ」
1958ワイアット・アープの生涯と伝説コールドウェルエピソード「編集者を殺せ」
1958トゥームストーン領土バーテンダーエピソード「逃亡者のための戦い」
1958トゥームストーン領土バーテンダーエピソード「ガトリングガン」
1958トゥームストーン領土バーテンダーエピソード「デッドウッドのブラック・マーシャル」
1958バット・マスターソン新聞記者エピソード「シャーマン将軍のドッジシティ行進」
1960生皮ブラウン保安官エピソード「狙撃手の事件」

# by sentence2307 | 2025-10-17 14:08 | Comments(0)

最近、今村昌平監督の「赤い殺意」について以前書いた自分の記事を読んでいたら、以下の一文に遭遇しました。

ただ、これを書いてからすでに相当な時が経過しているので、当時の思い入れから放れた「他人の目」で、客観的に読んだことを申し添えます。

《(佐藤忠男は)「赤い殺意」を論じている箇所でこんなふうに書いています。
「強姦された女が、逆に強く自由になるというのは、前の『豚と軍艦』でも見られたモチーフであり、それは、あるいは、敗戦によって日本文化の純粋性といった虚妄の観念を、外国から力ずくで打破された国民的な経験の、逆説的な表明であるかもしれない。」
なるほどなるほど、「強姦されて逆に強く自由になる」というのは、日本という当時の国の状態を示していたのかと気づかされました。》

戦争に負けた日本がアメリカ軍に占領され、日本国民が戦前から持っていた伝統的な価値観を大きく変えねばならなかった痛手(価値観が全否定された痛みの挫折と屈辱と、それを克服して生き残るための知恵と狡猾さまで)を今村監督は「豚と軍艦」や「赤い殺意」、そして「にっぽん昆虫記」に込めて鮮烈に描いていたのだという「気づき」を、この佐藤忠男の一文は教えてくれたのだと思います。

映画とはまさに「時代」を描くものなのだなという、それまでの自分の映画の見方の迂闊さを指摘された感じでした。

「そうだったのか、『赤い殺意』!!」という感じです。

この一文を読んで、自分は思わず、最近、アメリカで起こった保守活動家チャーリー・カーク射殺事件を報じる新聞記事と、朝日新聞web版の微妙な差異を思い出しました。

この唐突な「連想」は、随分奇異に聞こえるかもしれませんが、その辺は追い追い説明しますね。

朝日新聞web版は、この事件を
「米国の人気トーク番組、突然の休止に波紋 言論の自由は守れるのか」
という見出しでこんなふうに報じています。

《言論の自由が建国以来の精神として根付いてきた米国で、人気コメディアンのジミー・キンメル氏の長寿番組が一時的に放送休止に追い込まれた。
トランプ大統領の盟友である政治活動家の射殺事件をめぐり、キンメル氏の発言が不適切だと批判されたためだ。
番組は再開が決まったが、政治家を風刺する笑いの内容さえ封じ込めようとするトランプ政権の動きに、危機感を募らせる市民も多い。》

そして、トランプ政権の政策に反対する街頭デモの参加者の二三のコメント(この紹介にしたって随分偏った印象を受けます)を紹介したあとで、記事はこんなふうに締めくくっています。

《問題とされたのは、右派の政治活動家チャーリー・カーク氏(31)が10日にユタ州で射殺された事件をめぐって、キンメル氏が15日夜の番組で発言した内容だった。
 キンメル氏は、カーク氏を射殺したとして殺人罪などで訴追された容疑者とトランプ氏のスローガン「MAGA」(米国を再び偉大に)に触れ、「MAGAの一味は、チャーリー・カークを殺害したこの若者を、自分たちの仲間ではないと描写することに必死で、この事件から政治的利益を得ようとあらゆる手段を講じている」などと発言した。》

「左・右」がどうあれ、人ひとりが射殺された事件を受けて、報じることといえば相も変わらぬ「言論の自由」ですから、まったく首を傾げざるを得ません。まさに「アホカ」です。

その日和見報道ぶりには、呆れかえって批判するのも馬鹿らしくなりますが、実際その朝日新聞のweb版と新聞記事とを読み比べてみると、大きな違いというか、これって意識的に「隠蔽」したのではないかと勘ぐってしまうくらいの欠落があります。

つまり、この記事の中には番組内で道化師ジミー・キンメルなるものが、具体的にどういう不適切な発言したのかが一行も記されておらず、むしろ「あえて隠した」のではないかという印象です。

新聞の方の記事では、キンメルが「トランプはこの事件から政治的利益を得ようとあらゆる手段を講じている」と批判したあとで、「まるで4歳の子供が金魚の死を悼んでいるようだ」と嘲笑したと書かれています。

往々にして単細胞のアメリカ人たちは、自分より劣等な敗者=弱者とみるや、居丈高に冷笑を浴びせ、論難し、下品な揶揄を駆使して(相手を間抜けなガキ扱いし)徹底的に馬鹿にし偉そうに嘲笑するというのが彼らのやり方です。

自分は、この(嘲りと罵倒としての)「まるで4歳の子供」という文言について、あることを思い出しました。

朝鮮戦争で指揮をとっていたマッカーサー元帥が、(原爆使用を提言したために)突然トルーマン大統領から解任され、アメリカに帰国したそのあとでアメリカ議会でした演説で、「日本人は、せいぜい12歳の少年だ」という発言をしたという出来事がありました。

それまでマッカーサー元帥に手放しの好意と親愛の情を寄せていた日本国民は冷水を浴びせ掛けられ、大いに失望した事件です。

それまで、なにしろ日本では、「マッカーサー神社」でも建てようかという勢いのマッカーサー人気だった矢先のことで、まさに「事件」というに十分な出来事だったと思います。

アメリカ議会でのマッカサーとロング上院議員とのやりとりは、こんな感じでした。

《「私の日本統治は歴史上稀に見る大成功だった。私のほかにはジュリアス・シーザーぐらいしか敵国の統治に成功した例がない。一度民主主義を享受した日本がアメリカ側の陣営から出ていくことは決してない」
と自慢するマッカーサーに、ロング上院議員が
「あなたはそう言うが、ドイツも第一次大戦後、ワイマール憲法下で非常に民主的な体制になったものの、その後で、ヒトラーに熱狂したという事実がある。日本人もそうならないとは限らないではないか」という趣旨の質問をしたところ、マッカーサーは
「ドイツと日本とでは全然違う。ドイツ人は文明の発展過程を考えると、我々と同じ45歳くらいの年齢に達している成熟した人種だが、日本人は、(アメリカ人なら)赤ん坊でも知っている民主主義を教えてもらって喜んでいる段階であり、いわば12歳の少年のようなものだ」という主旨の答えを返した》というのです。


それまで素朴な感情からマッカーサーに好意を寄せていた日本人は、マッカーサーも日本に対して善良な親愛感を持ってくれているに違いないと固く信じていたのに、元帥のこのあからさまな日本人に対する侮蔑的な愚鈍呼ばわりには、驚愕し、衝撃を受け、裏切られたという失望と憤激とを感じたに違いありません。

自分もやはり日本人ですから、この出来事の反応として同じような「驚愕、衝撃、痛憤」を当然持つだろうな、とは思いますが、その反面、「ある事実」を知ってしまったために、素直に「驚愕や痛憤」に浸れるかどうか、自信がなくなりかけている部分もあるのです。というのは、マッカーサーが「日本人は12歳の少年」と考えたかもしれない根拠が、なくはないと思うからです。

敗戦後、アメリカ軍が日本を軍事占領した際、連合軍総司令官マッカーサーのもとに、多くの日本人は、せっせと手紙を送りつけています。

その数、なんと50万通。そして内容といえば、勝者としての米軍への祝辞(当然、無知で無謀な戦いを起こした愚かな日本軍部への非難が伴います)、進駐軍への感謝から始まって、日本をアメリカの属国にしてくれとか、天皇を廃止せよとか、隣近所の讒訴密告のたぐい、マッカーサーの銅像を建てたいとか、農地改革の手直しの提案とか、朝鮮戦争の献策とか、「おもねり」「すり寄り」「へつらい」への慙愧逡巡などなんのその、実に生真面目でおおらかな意見具申のオンパレードなのです。

論より証拠ということで、強烈なところを見繕ってサンプルをひとつ貼っておきますね。


「もし事情が許されるなれば、日本の国のすべてのものを貴国に託して貴国の御賢明にして宗教的なる御指導を仰ぐ、すなわち米日合併をしていただいて、この溺れる日本国を救っていただけることができたなら、日本国民はいかほど幸福であろうかと皆異句同音に切なる望み願望を抱いております。
これは偽らざる事実でございます。
おそらく現在の日本国民は誰も彼も米日合併によりて、なにもかも貴国に捧げて貴国の御慈悲によりてこの日本国を再び繁栄に導くよりほかないと、口には言わずとも、腹の底には抱いていることは疑う余地はありません。
真に然り。
私は貴国が枉げて日本を合併してくだされることによりてのみ、日本は救われるのであると固く信じます。
こんな考えは間違っているでしょうか。
しかし、現在の日本人の多くの考えが、そういう方向に向かっていることは事実であります。」


この乗りの手紙が50万通もきたわけですから、マッカーサーが「敵国の統治に成功した」のは、自分とジュリアス・シーザーぐらいしかいない」と誇り、また、「日本人は12歳の子供だ」と思ったとしても無理ありません。

しかし、この程度のヨイショくらい平気でカマスしたたかな日本人の本性を見抜けなかったマッカーサーのお目出度さも見逃すわけにはいきません。

詳しくは、岩波現代文庫、袖井林次郎著「拝啓マッカーサー元帥様~占領下の日本人の手紙」をご覧ください。大いに楽しめる一冊です。

日本人て、ホント、人の悪い「いい人」ばかりで、実に心温まる名著です。

# by sentence2307 | 2025-10-07 21:47 | 徒然草 | Comments(0)
前稿「すべての時代を通じての妖術(魔女) haxan」を書いた動機は、宗教裁判にかけられた女性たちが、なぜ、この異常な異端審問に屈し、かくもやすやすと、荒唐無稽な判決と火刑を受け入れたのだろうかという素朴な疑問から発したものでした。

そして、映画の最後でクリステンセンが、その「原因」をヒステリーという「病気」に無理やり結びつけるという強引さにいささか呆れて、ミシュレ「魔女」からの引用を試みたのですが、果たしてその引用が当を得たものだったのかどうか、今になっていささか不安になってきました。

引用部分は、魔女と断罪されたイギリス人女性が、刑場の柱に括られ、今まさに火刑に処せられようというとき、群衆に向かって叫んだ最後の言葉です、

「私を裁いた人たちを責めないでください。わたしはみずから身を滅ぼしたかった。わたしの両親はおびえて遠ざかっていった。夫はわたしを見捨てた。わたしが生き続けるとしても、もう失われた名誉は二度と再び還ってきはしない・・・わたしは死にたかった・・・だからわたしは嘘をついた。」

これは、今まさにわが身が焼き棄てられようとしているときに発した叫びです、狂気や錯乱、心神喪失状態ならともかく、正気にあって、なお人が理不尽な処刑を受け入れるのは、少なくとも「病気」なんかではあり得ない、と考えたからでした。

人が、わが身の破滅に向かって、みずからを死へと一歩を押し出させるものがあるとすれば、それはこの社会のすべてに対する強烈な「絶望」と「拒否」以外にはあり得ないとの思いからの引用だったのですが、果たしてそのチョイスが相応しいものだったのか、という迷いに囚われたのでした。

しばし熟考し、「正解」ではなくとも、「第二案」としての別の引用を試みることに思い至りました。

引用する本は、岩波書店刊「癒されて生きる」、著者柳澤桂子は生命科学者、若年より原因不明の痛みに悩まされて失職、ずっと入退院を繰り返す生活を続けてきた。しかし「原因不明」の病根を突き止められない医師たちは苛立ち、ついには患者に矛先を向け、詐病乃至は仮病扱いし始める。

現代医療のマニュアルから外れて見捨てられ、孤立無援となった柳澤桂子は、孤独と絶望のなかで先哲の書に救いを求める、という追い詰められた心境のなかで記されたクダリです。


《宗教書、哲学書、文学書などを乱読するうちに、次第に何かが見えてくるように思えた。
何かから解き放たれていく自分を感じた。
人間であることの悲しみが薄らいだわけではない。
本を読むことによって、むしろその悲しみは動かしがたいものになっていった。
しかし、そのほんとうの悲しみを知ってしまったのは、私だけではないということに気づいたのである。
それらの感銘深い本の著者たちは、みんなその悲しみを知っていた。
その悲しみを受け入れて、しかも立派に生き抜いたひとたちである。
私はもはや孤独ではなかった。
たとえ書物を通してでも、共感できるひとびとにめぐり会えたのである。
ユダに裏切られて、不当な罪状によって十字架にかけられたキリストの心のなかにあったものは、怒りでも悔しさでもなく、深い悲しみであったはずである。
私は本物の宗教に出会えたと思う。
それは自分がいかに小さいかということを知ることであった。
存在の深淵からにじみ出る悲しい運命を背負っているのが私のほんとうの姿であった。
それに気づくことが宗教心に目覚めることであると思うようになった。
その小さい自分というものは、科学的に見ても正しい自分の姿である。
宗教と科学は相容れないものではない。
宇宙のなかの小さい自分に気づいてみると、自分が宇宙の懐に抱きかかえられているように感じられた。
その逆転がなぜ起こるかはわからない。
人間の心は不思議である。
その不思議さをかいま見せてくれたできごとが、(次の章で述べる)神秘体験である。
このようにして、私は次第に何かを成し遂げることを最高とする価値観から解放され、苦しみのなかで苦しさを感じないで生きていく道を体得していった。
苦しみも悲しみも、私の心のなかにあるものである。
苦しみを苦しみにしているのは、ほかならぬこの私なのである。
何でもないことであった。
この一つことに気づいたことで、私の心はすっとほどけた。
悲しいと思う心も恥ずかしいと思う心も、すべて私がつくりだしている。
それをつくりさえしなければ、そのような心に縛られさえしなければ、私はいつも安らかでいられる。》


ここに記されているものは、絶望の果てに得た生き続けるための縁(よすが)としての諦念なのですが、かつて中世の過酷な時代を生き、そして死んでいかなければならなかった女たちが得た諦念もまた、同じ思考の道筋を辿ったのではないか、生きるにしろ死ぬにしろ彼女たちは「諦念」という悟りに辿り着き、せめて精一杯の気持ちを鼓舞して晴れやかに運命を受け入れたのではないかと愚考した次第です。

# by sentence2307 | 2025-08-31 10:25 | ベンジャミン・クリステンセン | Comments(0)
最近、ついに「haxan」を見ることができました、ベンジャミン・クリステンセンが1921年に撮った中世の魔女裁判と、闇の世界を支配する悪魔との暗闘を描いた伝説の映画です。

魔の刻、悪魔の跳梁と魔術によって、みだらな悪の誘惑の罠に絡めとられた女たちは、夜な夜な悪魔との交合を重ね、酒池肉林の爛れた饗宴に狂乱し、やがて密告と讒言によって異端審問にかけられて、ついに魔女として火あぶりに処せられるという地獄絵(中世暗黒時代の妖術の恐怖と憧憬)を確固たるイメージで描き切った驚くべき陰惨な一篇です。

自分は、この映画をずっと「すべての時代を通じての妖術」というタイトルで記憶していたのですが、ある本の改訳版の同じ箇所で、きわめてあっさりと「魔女」と訳されていたので、なんだか気が抜けてしました。

言葉の上だけのこととはいえ、こんな風に合理的な訳語に整理収束されてしまったら、1920年代の時点でこの作品が抱いていた中世妖術の魑魅魍魎の恐怖と陰惨のイメージが損なわれてしまうのではないかと危惧したからです。

革新に向かわざるを得ない時代の移り変わりというものは、実に味気ないものだなと思わずにはいられません。

なお、ここでいう「ある本」というのは、1964年にみすず書房が出版したジョルジュ・サドゥール著「世界映画史」(訳は丸尾定)です。

その出版年の1964年からいくらも経たない時点で、自分は本書のグラヴィア・ページで、この映画のスチール写真(悪魔のグロテスクな立ち姿)を見たことになります、

そして、その迫真の画像に衝撃を受け、まるでブリューゲルの描いた地獄絵そのままではないかという不気味な印象を深く記憶に残したのでした。

この写真のキャプションには、こうありました。

「すべての時代を通じての妖術(ベンジャミン・クリステンセン、1921)このデンマーク映画の監督は、スウェーデンでブリューゲルとジャック・カロの造形的秘密を再び見つけ出している。」

だいぶ経ってから(何十年後です)図書館で、あのサドゥールと同名の本(もっとも、こちらは「世界映画全史」となっていましたが)を見かけました。

なにしろこちらは1冊が6600円という、規模と造りがまるで違う全13巻のシリーズの立派な装丁の豪華本ですが、しかし一目で、これはむかし、みすず書房が刊行した「世界映画史」の改訳本だなとすぐに見当がつき、早速第9巻を借りることにしました。なぜ、9巻なのかは、あとで書きますね。

刊行日は、1998年9月18日、出版社は国書刊行会、版権がどういう事情で移ったのか、その辺の事情はまったく分かりませんが、翻訳は、丸尾定のほかに、村山匡一郎と小松弘が名を連ねています。

丸尾定の訳書の履歴の最後に、「訳書 クラカウアー『カリガリからヒトラーへ』(1970、みすず書房)、サドゥール『世界映画全史』(共訳・全12巻、1992-、国書刊行会)。」とあり、そして没年が2018年ということですから、「世界映画全史」の改訳は、丸尾定自身も十分に了解してなされた仕事(「すべての時代を通じての妖術」→「魔女」のタイトル変更)だったのだな、と納得しました。

納得はしましたが、それだからこそ、ふたつの現物を並べて比較実証せずにはいられません。

もちろん、比較する箇所は、ベンジャミン・クリステンセンの「すべての時代を通じての妖術(魔女)」を説明している箇所です。

みすず書房版では、「第15章 スウェーデンの開花」の後半部分ですが、皮肉なことに、国書刊行会「世界映画全史」の該当箇所のタイトルは、「スウェーデン映画の衰退」です。

この箇所は、確かに開花の時期の説明もあるし、一方で、その一瞬ともいえる隆盛に目を付けたハリウッドが名だたる監督や有名女優をごっそり攫っていってしまい、それ以後のスウェーデン映画がすっかり衰退してしまったあたりの事情も十分に説明が尽くされているので、いずれのタイトルも間違いとはいえないのですが、単に「状態」の説明ということになれば、やはり「スウェーデン映画の衰退」くらいが相応しのかもしれません。

それでは、みすず書房版と国書刊行会版を見てみますね。

★みすず書房版、ジョルジュ・サドゥール著「世界映画史」117頁~118頁
《1920年には、スウェーデン映画は、デンマークの二人の優れた監督、ベンジャミン・クリステンセンと、四か国で演出したカール・ドレイエルを、スットクホルムに引き寄せるほど輝いた。
クリステンセンはむずむずするような「すべての時代を通じての妖術」により、その傑作をスットクホルムで完成した。
長い間、グルックシュタットとフォン・デル・アー=キューレの努力に協力してきたこの俳優は、恐怖映画「不思議なX」と「復讐の夜」でデビューした。
彼は、16世紀と17世紀の裁判上の文献が豊富なのに直接ヒントを得て、妖術についての真の記録をスウェーデンで演出しようと企画した。
彼はいかなるものの前でも逡巡しなかった。
湯が煮えくり返る鍋の中に投げ込まれる嬰児、宗教裁判所で焼いたやっとこで挟まれる老婆のしなびた乳房、淫らな妄想に取りつかれた修道僧、醜い悪魔と媾合する若い魔女、そして彼は、魔女の夜宴の最中の聖体皿のように接吻されるベルゼビュト(悪魔の首領)の臀部までも撮影してみせた。・・・幾つかのシーンのサディズムと猥褻性により、この奇妙な映画の興行は「16歳未満お断り」と指定した特殊な映画館に限定されざるを得なかった。
しかし、ブリューゲルやカロの絵(それらからクリステンセンは直接ヒントを受けた)のように、彼でなければ卑猥で見るに堪えないものになったであろうような細部が、技術によって姿を変えられていた。
照明の技術で、極端なメイクアップやボール紙の仮面に幻想的な現実感が与えられていた。
「女だけの都」よりも15年も前に、構図の厳しさをフランドル派の巨匠の絵から学び取っており、画面は「裁かるるジャンヌ」を予告する確実さで繋ぎあわされていた。
何年たってもこの異様な魔女の夜宴の毒々しさは色褪せなかったが、この魔女の夜宴には、明日という日がなかった。
すなわち、この監督はスウェーデンを去ってベルリンの撮影所で俳優となり、ついでハリウッドへ行って数本の凡作を監督した。》

たとえそれが「開花」にしろ、「衰退」にしろ、この説明において感じられることは、いずれにしても、クリステンセンの「すべての時代を通じての妖術(魔女)」という映画が、二つの状態の中央に位置しながら、大きな「契機」なったということだけは事実だと思います。
以下は、国書刊行会版の「世界映画全史」の同じ個所の訳です。

★国書刊行会版、ジョルジュ・サドゥール著「世界映画全史」第9巻・無声映画芸術の成熟、第一次大戦後のヨーロッパ映画➀1919年~1929年、288頁~
《1920年にスウェーデン映画は、デンマークの二人の最良の監督ベンヤミン・クリステンセンとカール・T・ドライヤーを引き寄せるほどの輝きをみせた。
ドライヤーはスウェーデンで「牧師の未亡人」を撮り、クリステンセンはスヴェンスタ社のデンマークのスタジオで、全時代にわたる魔術に満ちた傑作「魔女」20~22を作り上げた。
クリステンセンはこの「生ける映像による歴史の試論」によって、15世紀~17世紀にかけての多数の訴訟原本に記載されたような魔術に関する真の「ドキュメンタリー」を実現しようと企てた。
その主要なシークスエンスの中で、サタン(ベンヤミン・クリステンセン)は魔女である妻と眠っていた夫を裏切る。
病気の夫の妻(カーン・ヴィンター)は、宗教裁判所の判事たちに拷問され、「白状」する。
クリステンセンはいかなるものも恐れなかった。
新生児は沸騰した鍋の中に投げ込まれ、老女のしぼんだ胸は取調官によって焼きゴテで痛みつけられる。
修道僧は淫欲に憑かれ、若い魔女たちが醜い悪魔と性交する。
魔女の夜宴の最中に聖体皿にでもするように、魔王ベルゼブの尻に接吻するところさえ見せられる・・・。
最後は、迷信と「憑きもの」に関するドキュメンタリー調査となる。
それは1920年を舞台としている。
「・・・それは現代の筋立てにあてられ、そこで描かれているのは神経症の女性である。作者は昔の魔術と現代のヒステリーの悪行を比較しようとした」
この最後のエピソードについて、ジャン・ベランジェは次のように書いている。
「クリステンセンのカメラは・・・老女たちの施設に入り込み、通路で幾人かの不具者を捉える。それはせむし女、盲目の女、衝撃的な震えを起こしている神経症の女である。字幕は次のように述べる。『中世ではこれらの不幸な女たちはすべて悪魔が住みついていると自信をもって考えられただろう』。カメラに向かって一人の女が言う。『悪魔はいます。私はベッドでそれを見ました』。これらの言葉は、もちろん字幕の形で書かれている。だがこのやり方はすでに音を要求している。・・・1920年、これは並外れた革新であった。」
このような主題を扱うと、特に夜宴をみせるところでは、馬鹿げたものかポルノグラフィに堕しやすい。いつくかの場面のサディズムと猥褻さのために、この奇妙な映画の上映は「16歳未満」禁止の特別な劇場に限られた。
「シネア=シネ・プール・トゥース」誌によると、
スカンディ・ナヴィア諸国、フランス、ベルギー、スイス以外のあらゆる国々で、この映画は上映禁止となった。「この傑作はすぐに、惨憺たる失敗に終わった。製作費は百万クローネを越え、興行収入は十分の一にも満たなかった。」とベランジェは書いている。
しかし芸術がディテールを輝かせた。それなくしては、俗悪でいやらしいものになってしまっただろう。クリステンセンはそこに、ボッシュ、ブリューゲル、カロ、ゴヤの精神を結びつけることができた。
照明の技術は、極端なメイクアップや張り子の仮面に幻想的なリアリティを授けた。宗教裁判の取調官たちが議論する場面では、幻想性が直接的なリアリズムに変わる。それはコスチュームばかりではなく、構図のためでもある。
そのヨーハン・アンカースチャーネによる映像は、カール・ドライヤーの「裁かるるジャンヌ」28を予告するものである。「シネア=シネ・プール・トゥース」誌の批評家は次のように述べている。
「当然のことながら、この映画については非常に議論された。・・・しかし、撮影台本、演出、俳優の観点から「魔女」を議論したものは一つもなかった。俳優たちには興味深いディテールがある。大半の俳優は舞台出身でも、映画専門の役者でもない。例えば魔女役を演じた老女たちは、コペンハーゲンの養老院の年金生活者である」
この異常な傑作の有毒性は、年月によっても弱まらず、シュルレアリストたちは、この作品の驚異に熱狂した。「犯罪的な教会、宗教裁判、拷問道具に対する最も激しい攻撃。このドキュメンタリーは、世界中のあらゆる高等学校で上映されるべきだ」とアド・キルーは書いている。
この映画は、先に続かなかった。クリステンセンはベルリンのスタジオで監督としての仕事をし(「知られざる女、彼の妻」23、「評判の悪い女」25)、その後ハリッウッドへ行き、いくつかの平凡な映画を作った(ただし、パウル・レニの「猫とカナリア」27の成功に続いて作られた恐怖コメディ「恐怖の一夜」は例外である)。彼はまた、ドライヤーの映画「ミカエル」24に主役として出演した。》

そして、その後のベンヤミン・クリステンセンの生涯の最後が、キネマ旬報の「世界映画人名事典・監督編」に極めて簡潔に記されています。

《「恐怖の一夜」以後(MGMを退社して)ついにデンマークに戻ってきたクリステンセンは10年の沈黙に落ち、「離婚者の子ら」でカムバックしてからは調子をガラリと変えて、ブルジョア社会のいざこざを多少ユーモラスに描くことに専心し、44年以降はコペンハーゲンの一映画館主となって、59年4月2日の死に至るまで実作から遠ざかった。》

思いのほか引用が長くなってしまったので、「すべての時代を通じての妖術(魔女)」について自分の所感を簡潔に書きますね。
この映画の最終章は、現代(当時)の女性が多くのストレスによって病的ヒステリー症状を引き起こし、そのヒステリー(「憑きもの」)によって数々の非行がなされる現象を説明し、『中世ではこれらの不幸な女たちはすべて悪魔が住みついていると自信をもって考えられただろう』と結論しています。
正直、この安易で軽薄な科学的紐づけが、この傑出した映画を無力化し、随分とつまらない作品に堕してしまった言わざるをえません。

多くの女たちが、なぜ、執拗な宗教裁判の果てに、結局は自分が「魔女」であることを認め、従順にしろ、あるいは激しいあがらいの中でにしろ、あのような理不尽な火刑を受け入れたのか、そこに納得するにたる十全な説明がなければ、この映画は完結出来なかったのだと思います。

ミシュレの「魔女」のなかに、見事な「説明」があるので、ちょっと引用してみますね。
《魔女たちはいともやすやすと自白によって捕えられ、拷問も不要な時があった。
多くはなかば気狂いの女であった。
その女たちは、獣に姿を変えたことがあると自白した。
しばしばイタリアの女たちは、雌猫になって、戸口の下から滑り込み、子供たちの血をすすった、とみずから言った。
深く大きな森のある国、ロレーヌやジュラでは、女たちはすすんで狼になり、この女たちの言うことを信じるなら(だれひとり通る者もないときでさえ)、通りすがりの者たちを貪り食らっていたという。
こういう女たちは焼殺されたものだ。
娘たちのうちには悪魔に身をゆだねたと断言する者がいた、ところがまだ生娘であるのが分かることがあった。
こういう娘たちは焼殺された。
多くの者が、急いでいるように、まるで焼殺されたがっているように見えた。
ときには狂気が、乱心が原因であった。
またときには絶望が原因であった。
ひとりのイギリス女は火あぶりの柱に連れてこられたとき、群衆に向かって言ったものだ、「私を裁いた人たちを責めないでください。わたしはみずから身を滅ぼしたかった。わたしの両親はおびえて遠ざかっていった。夫はわたしを見捨てた。わたしが生き続けるとしても、もう失われた名誉は二度と再び還ってきはしない・・・わたしは死にたかった・・・だからわたしは嘘をついた。」》ミシュレの「魔女(下)」現代思潮社、1977.5.30.1刷、44頁~45頁


(1920~1921スウェーデン)監督脚本ベンジャミン・クリステンセン、撮影ヨハン・アンカーステルネ、編集エドラ・ハンセン
出演・ベンジャミン・クリステンセン(悪魔)、エラ・ラ・クール(魔女カルナ)、エミー・ショーンフェルド(カルナの助手)、ケイト・ファビアン(惚れ薬で僧侶を騙す老家政婦)、オスカー・ストリボルト(高い身分で惚れ薬を飲まされる太った僧侶)、ヴィルヘルミーネ・ヘンリクセン(魔女アペローネ)、アストリッド・ホルム(印刷工ジェスパーの妻アンナ)、エリザベス・クリステンセン(アンナの母)、カレン・ウィンザー(アンナの妹)、マレン・ペダーセン(貧しい織工マリア)、ヨハネス・アンデルセン(魔女裁判官パテル・ヘンリック)、エリス・ピオ(魔女裁判にたずさわる若い僧侶、魔女判事ヨハネス)、アーゲ・ヘルテル(魔女判事)、イプ・シェーンベルク(魔女裁判長)、ホルスト・ヨルゲンセン(異端審問官ピーター・ティッタ)、クララ・ポントッピダン(サタンに強要されて聖体を汚し幼子イエスの像を盗んだ修道女シスター・セシリア)、エルザ・フェルメーレン(鞭打ち修道女)、アリス・オフレデリックス(修道女)、ゲルダ・マドセン(尼僧)、カリーナ・ベル(修道女)、トラ・テジェ(ヒステリックな女性)、ポール・ロイメルト(宝石商)、H・C・ニルセン(宝石商の助手)、アルブレヒト・シュミット(精神科医)、クヌート・ラッソウ(解剖学者)、エレン・ラッソウ、フレデリック・クリステンセン、ヘンリー・シーマン、カレン・カスパーセン、
原題Häxan

# by sentence2307 | 2025-08-30 12:15 | ベンジャミン・クリステンセン | Comments(0)
「ソ連脱出 女軍医と偽狂人」を見ながら、終始考えていたのは、残念なこの題名のことでした。

いままで自分たちが経験し、蓄積してきたはずの多くの扇情的な「新東宝映画」作品名に照らしても、大方の観客のヨコシマな期待を裏切り、「肩透かし」を食わせるような、この身もふたもない「ソ連脱出 女軍医と偽狂人」なんて、ヤッパ、ないんじゃないのと憂慮したからです。

だいたい、素っ気なさすぎるし、接続詞だってない(そこッ!?)。

なんていうかな、もっとこの、切羽詰まったギラギラとして悶えまくるムレムレ感というか、語感的にいえばそういったニュアンスが欲しいわけね。
まあそこは自分だけのことかもしれません。

じゃ、どんな題名がふさわしいのかと、自分なりに幾つか考えてみました。

「仮病中尉と肉欲のソビエト軍医娘」
そのまんまか。

「さらば、狂乱の肉欲ラーゲリ凍土」
主役は、女軍医のほうじゃね?

「残酷抑留の女体ラーゲリ」
女体ラーゲリって何?

「蛇精の淫乱ラーゲリ女軍医」
おのれは上田秋成か?

「決死の逃亡、囚われの北の凍土」
人間の条件じゃね~し。

「いやんばか~ん、肉芽への憧憬」
なにそれ!?


う~ん、どうもイマイチだな。原題「ソ連脱出 女軍医と偽狂人」から、ただの一歩も踏み出してない感じだし。

それにしても「愛と裏切りの~」とか「失われた青春の~」みたいなのは、ぜってえに嫌だかんね。

考えれば考えるほど、どんどん本質からはずれまくっていくような気がします。もし本質というものがあれば、の話ですが。

行き詰ったときは、やはりいったん現場を離れて、冷静になって新たな視点を獲得するというものも必要ですヨ。冷却とかいうか、集中ばかしじゃ能がないじゃん。

そこで気を変えて、wikiの「大蔵貢」の項をざっと読んでみることにしました。

そして、のっけからビックリ仰天です。

大蔵貢の生まれは木曽の山奥、兄弟9人のうちの5人までもが貧しさの中で死んでしまうという壮絶無比の厳しい極貧のなかで育ち、やがて家族で東京に移転するものの依然として家計は苦しくて、大蔵貢は家族を養うために小学校に通いながら働き、そして13歳で活動写真の弁士となったと記されています、

13歳!?

しかも活動弁士!?

ここに書かれている「活動写真の弁士」だって、学歴不問の限られた職業のひとつとして、たまたま目の前に転がっていたから縋りついただけのことで、世にいう活動写真へのヤワな「憧憬とか夢」などがあったなどとは到底思えません。

ここが重要なところだなと、まずはアンダーラインを引きました。

そして活動写真の弁士時代の評判にも注目すべき記述がありました。

《弁士としても高い人気を誇り、チャップリンの扮装をして説明したり、また、どんな映画でも機転を利かした即興でエロチックな説明をつけることができるので、女性層には大そう受けたらしい。

「扇情的過ぎて、その方面の警察から目をつけられてもいた」らしいが、現在そうした録音は残されていないので、当時の評判を風聞によって憶測するしかないのだが。そして稼いだ金で映画館を多数運営し、経営者としても才能を発揮して、業界人として存在感を高めていった。》

ここでいう「どんな映画でもエロチックな説明をつけてしまう」と「経営者としても才能を発揮して、業界人として存在感を高めた」は、まったく同義なのであって、彼がその生涯に残した数々のスキャンダルや、また、事業における華々しい栄光と無様な凋落のすべては、この二点で説明がついてしまうくらいインパクトの強い言葉だと思います。

ちなみにここでいう「受け狙いの『エロ』」というのは、そのまま「犯罪」「戦争」「グロテスク」「ドタバタ」「女体」と言い換えても、何ら差し支えない意味での「エロ」であることはいうまでもありません。

ただ、上記の説明の中で一点だけ、引っかかる部分がありました。

《どんな映画でも機転を利かした即興でエロチックな説明をつけてしまうので、女性層に大うけだった。~現在そうした録音は残されていないので、当時の評判を風聞によって憶測するしかない》

ここでは、「現在そうした録音は残されていない」と記述されているのですが、フィルムセンターの上映記録にこんなのがありました。


《発掘された映画たち2018》
⑬ 復元された弁士説明版 計94分
上映日時は2018年02月24日(土)12:30、あるいは03月02日(金)15:00 長瀬記念ホール OZU
とあります。
「文部省芸術祭映画部門主催公演として1954年に始まり、1972年まで続いた「映画の歴史を見る会」における弁士説明付上映の様子を録音した6mmテープをデジタル化した上で、各作品のプリントのHDテレシネ・データと合成し、上映用メディアを作製した。
今回上映する『日露戦争記録』および『ジゴマ』は1954年、『旧劇 太功記十段目 尼ヶ崎の場』は1962年、『小羊』は1965年に収録されたもの。」

全四本のうちの二番目の上映作品「旧劇 太功記十段目 尼ヶ崎の場」に 「[弁士説明版]17分 HDCAM-SR・白黒1908(Mパテー商会)(出)市川左喜次、中村歌扇、中村歌江(弁士)大蔵貢」とあり、エロ説明は楽しめないかもしれませんが、「弁士説明版」としては大蔵貢の説明版が存在しているとのことです。

実は、現在「国立映画アーカイブ(National Film Archive of JAPAN)」WEBサイト「はじまりの日本劇映画 映画 meets 歌舞伎」作品のなかに、その『旧劇 太功記十段目 尼ヶ崎の塲』(1908[明治 41]年)がアップされているので、早速鑑賞してみました。
とりあえず『旧劇 太功記十段目 尼ヶ崎の塲』と、ついでに弁士つきの『五郎正宗孝子伝』(1915[大正4]年)の二本を見てみました。

なるほど、なるほど。

それにしても沢村四郎五郎の『五郎正宗孝子伝』には感銘を受けてしまいました。

弁士がつくと迫力と説得力がこうも違うのものかと納得です。

100年以上前の継子いじめ(古典的なテーマですよね)の映画に、かくも反応してしまう自分にも、やはり民族の血ってものが流れているんだなって実感させられます。ちょっと恐ろしい感じがします。



★大蔵貢の製作作品

隠密七生記 剣雲碓氷峠の乱陣(1956.03.27)新東宝
続隠密七生記 龍攘虎搏の決戦 (1956.04.01)新東宝
怨霊佐倉大騒動(1956.06.27)新東宝
四谷怪談(1956.07.12)新東宝
勤王?佐幕?女人曼陀羅(1956.08.14)新東宝
続勤王?佐幕?女人曼陀羅(1956.08.29)新東宝
軍神山本元帥と連合艦隊(1956.10.31)新東宝
明治天皇と日露大戦争(1957.04.29)新東宝...製作委員長
怪談累が渕(1957.07.10)新東宝
憲兵とバラバラ死美人(1957.08.06)新東宝
修羅八荒 薩多峠の剣陣(1957.08.13)新東宝
修羅八荒 猛襲伏魔殿(1957.08.20)新東宝
鋼鉄の巨人 怪星人の魔城(1957.10.01)新東宝
鋼鉄の巨人 地球滅亡寸前(1957.10.08)新東宝
妖蛇荘の魔王(1957.10.22)富士映画
鏡山誉の女仇討(1957.10.29)新東宝
五人の犯罪者(1957.11.10)新東宝
ひばりの三役 競艶雪之丞変化(1957.11.17)新東宝
ひばりの三役 競艶雪之丞変化 後篇(1957.11.23)新東宝
危し!伊達六十二万石(1957.12.03)新東宝
飛竜鉄仮面(1957.12.15)富士映画
スーパー・ジャイアンツ 人工衛星と人類の破滅 (1957.12.28)新東宝
将軍家光と天下の彦左(1957.12.28)新東宝
人形佐七捕物帖 花嫁殺人魔(1957.12.28)新東宝
戦雲アジアの女王(1957.12.28)新東宝
スーパー・ジャイアンツ 宇宙艇と人工衛星の激突(1958.01.03)新東宝
金語楼の成金王(1958.01.03)新東宝
女の防波堤(1958.01.04)新東宝
稲妻奉行(1958.01.15)新東宝
関八州喧嘩陣(1958.02.04)新東宝
世界の母(1958.02.11)新東宝
女王蜂(1958.02.15)新東宝
毒婦高橋お伝(1958.02.15)新東宝
勝利者の復讐(1958.03.05)新東宝
色競べ五人女(1958.03.09)新東宝
天皇・皇后と日清戦争(1958.03.14)新東宝 ...総指揮
楠公二代誠忠録(1958.03.14)富士映画
阿波狸変化騒動(1958.03.23)新東宝
女体棧橋(1958.04.12)新東宝
若君漫遊記 サタン城の魔王(1958.04.22)新東宝
スーパー・ジャイアンツ 宇宙怪人出現(1958.04.28)新東宝
天下の副将軍 水戸漫遊記(1958.04.28)新東宝
スター毒殺事件(1958.05.03)新東宝
朱桜判官(1958.05.11)新東宝
太陽娘と社長族(1958.05.18)富士映画
不如帰(1958.05.24)新東宝
人形佐七捕物帖 浮世風呂の死美人(1958.06.01)新東宝
絶海の裸女(1958.06.08)新東宝
新日本珍道中西日本の巻(1958.06.15)新東宝...製作総指揮
姑娘と五人の突劇兵(1958.06.22)新東宝
黄金奉行(1958.06.29)新東宝
薔薇と女拳銃王(1958.07.06)富士映画
怪談乳房榎(1958.07.13)新東宝
亡霊怪猫屋敷(1958.07.13)新東宝
人喰海女(1958.07.27)新東宝
憲兵と幽霊(1958.08.10)新東宝
緋じりめん女大名(1958.08.10)新東宝
ソ連脱出 女軍医と偽狂人(1958.08.31)新東宝
隠密将軍と喧嘩大名(1958.09.07)新東宝
続隠密将軍と喧嘩大名(1958.09.14)新東宝
白線秘密地帯(1958.09.21)新東宝
重臣と青年将校 陸海軍流血史(1958.09.28)新東宝
続新日本珍道中東日本の巻(1958.10.12)新東宝
ヌードモデル殺人事件(1958.11.01)富士映画
警察官出世パトロール(1958.11.01)富士映画
侠艶小判鮫 前篇(1958.11.08)新東宝
侠艶小判鮫 後篇(1958.11.15)新東宝
天狗四天王の逆襲(1958.11.22)新東宝
汚れた肉体聖女(1958.11.29)新東宝
人形佐七捕物帖 腰元刺青死美人(1958.12.06)新東宝
女王蜂の怒り(1958.12.28)新東宝
大暴れ女侠客陣(1958.12.28)新東宝
爆笑王座征服(1958.12.28)新東宝
殺人犯 七つの顔(1959.01.09)新東宝
金語楼の三等兵(1959.01.15)新東宝
鍔鳴り三剣豪(1959.01.27)新東宝
裸女と殺人迷路(1959.01.27)新東宝
女間諜暁の挑戦(1959.02.03)新東宝
剣姫千人城(1959.02.11)新東宝
続・殺人犯七つの顔 解決篇(1959.02.11)新東宝
戦場のなでしこ(1959.02.25)新東宝
女吸血鬼(1959.03.07)新東宝
決闘不動坂の大仇討(1959.03.14)新東宝
続スーパー・ジャイアンツ 悪魔の化身(1959.03.27)富士映画
貞操の嵐(1959.04.03)新東宝
南部騒動 姐妃のお百(1959.04.10)新東宝
無警察(1959.04.17)新東宝
隠密変化(1959.04.24)新東宝
続スーパー・ジャイアンツ 毒蛾王国(1959.04.24)富士映画
影法師捕物帖(1959.04.29)新東宝
猛吹雪の死闘(1959.04.29)新東宝
東支那海の女傑(1959.05.15)新東宝
双竜あばれ雲 前篇 金竜の巻(1959.05.30)新東宝
暴力娘(1959.06.06)富士映画
双竜あばれ雲 後篇 銀竜の巻(1959.06.13)新東宝
闘争の広場(1959.06.19)新東宝
日本ロマンス旅行(1959.06.19)新東宝
怪談鏡ケ淵(1959.07.01)新東宝
東海道四谷怪談(1959.07.01)新東宝
海女の化物屋敷(1959.07.04)新東宝
まぼろし鷹(1959.07.24)新東宝
人形佐七捕物帖 鮮血の血房(1959.08.04)新東宝
復讐秘文字峠(1959.08.15)新東宝
続復讐秘文字峠(1959.08.22)新東宝
嵐に立つ王女(1959.08.29)新東宝
静かなり暁の戦場(1959.09.04)新東宝
九十九本目の生娘(1959.09.12)新東宝
十代の曲り角(1959.09.18)富士映画
若君漫遊日本晴れ 善光寺黄金道中(1959.09.26)新東宝
婦系図 湯島に散る花(1959.10.01)新東宝
明治大帝と乃木将軍(1959.11.01)新東宝
雷電(1959.11.23)新東宝...総指揮
続 雷電(1959.11.28)新東宝...総指揮
海豹の王(1959.12.01)新東宝
水戸黄門とあばれ姫(1959.12.01)新東宝
人形佐七捕物帖 裸姫と謎の熊男(1959.12.13)新東宝
金語楼の海軍大将(1959.12.27)新東宝
女奴隷船(1960.01.03)新東宝
大天狗出現(1960.01.03)新東宝
競艶お役者変化(1960.01.09)新東宝
0線の女狼群(1960.01.13)新東宝
黒線地帯(1960.01.13)新東宝
危険な誘惑(1960.01.23)富士映画
大虐殺(1960.01.30)新東宝
爆弾を抱く女怪盗(1960.02.07)新東宝
地下帝国の死刑室(1960.02.14)新東宝
女体渦巻島(1960.02.27)新東宝
女死刑囚の脱獄(1960.03.13)新東宝
生首奉行と鬼大名(1960.03.20)新東宝
太平洋戦争 謎の戦艦陸奥(1960.04.01)新東宝
男が血を見たとき(1960.04.09)新東宝
黄線地帯 1960.04.29)新東宝
肉体の野獣(1960.05.07)新東宝
女と命をかけてブッ飛ばせ(1960.05.21)新東宝
御存知黒田ぶし 決戦黒田城(1960.05.28)新東宝
黒い乳房(1960.06.04)新東宝
皇室と戦争とわが民族(1960.06.11)新東宝
スパイと貞操(1960.06.22)新東宝
怪猫お玉が池(1960.07.01)新東宝
怪談海女幽霊(1960.07.08)新東宝
拳銃と驀走(1960.07.15)富士映画
太陽と血と砂(1960.07.22)新東宝
地獄(1960.07.30)新東宝
女獣(1960.08.19)新東宝
反逆児(1960.08.26)富士映画
花嫁吸血魔(1960.08.27)新東宝
女王蜂と大学の龍(1960.09.01)新東宝
蛇精の淫(1960.09.19)富士映画
小女妻 恐るべき十六才(1960.10.08)新東宝
男の世界だ(1960.10.22)新東宝
社長野郎ども(1960.11.05)新東宝
東海道非常線警戒(1960.12.10)新東宝
暴力五人娘(1960.12.27)新東宝
セクシー地帯(1961.01.09)新東宝
女王蜂の逆襲(1961.01.15)新東宝
太平洋戦争と姫ゆり部隊(1962.04.07)大蔵映画
沖縄怪談逆吊り幽霊 支那怪談死棺破り(1962.06.13)大蔵映画=東方影業
怪談異人幽霊 (1963.06.02)大蔵映画
怪談残酷幽霊(1964.05.17)大蔵映画
明治大帝御一代記(1964.09.21)大蔵映画

監督
爆笑王座征服(1958.12.28)新東宝
明治大帝御一代記(1964.09.21)大蔵映画

脚本
明治大帝御一代記(1964.09.21)大蔵映画

原作
明治天皇と日露大戦争(1957.04.29)新東宝
天皇・皇后と日清戦争(1958.03.14)新東宝
続新日本珍道中東日本の巻(1958.10.12)新東宝
ワンマン今昔物語(1959.03.20)富士映画
日本ロマンス旅行(1959.06.19)新東宝
明治大帝と乃木将軍(1959.11.01)新東宝
弥次喜多珍道中 中仙道の巻(1960.10.29)富士映画
太平洋戦争と姫ゆり部隊(1962.04.07)大蔵映画
性の変則(1963.04.25)大蔵映画
怪談異人幽霊 (1963.06.02)蔵映画
怪談残酷幽霊(1964.05.17)大蔵映画
明治大帝御一代記(1964.09.21)大蔵映画
黒・白・黒?(1965.04._)大蔵映画
怪奇怪談全集(2002.08.24)イメージワークス
# by sentence2307 | 2025-08-15 21:42 | 新東宝 | Comments(0)