小津安二郎と厚田雄春
2004年 12月 06日
あの「東京画」の中で小津監督の回想を懐かしそうに語るうちに、ついに感極まって声を詰まらせた厚田雄春カメラマンについての「名言」も幾つかあって、その中で僕が好きなのが、
「厚田という奴はかわいい奴だよ。
若いときから使っているけれども、本当にオレは安物の女中(原文ママ)に手をつけちゃったという感じだよ。
手をつけちゃったから、どうにもしようがなくて、いまだに囲わなくっちゃなんねえ」(座談会「小津先生という人」佐田啓二の発言中)
という言葉です。
厚田雄春を生涯放さなかった小津監督と、深い敬愛をもって小津監督の死後も私淑し続けた厚田雄春の関係は、いまや僕たちが失ってしまった人間関係の原型を見せ付けられる思いがします。
監督の言うとおりにしていれば、いい写真が出来るのだというゆるぎない信頼に感動を覚えるのは、単に凡人が天才に奉仕することの喜びに酔いしれる姿に感動する(モーツアルトに対するサリエリのカタチ)だけではない、人間関係のもっとも深い場所での心の結びつきが、乾ききった時代を生きる僕たちを激しく打ち据えるのだと思います。
これは僕たちが現場で見てきた「いい写真」を撮るためにぶち壊し続けることをも厭わない人間関係のカタチしか持つことの出来ない現象とは対極に位置するものです。
This is a topic which is near to my heart... Many thanks! Exactly where are your contact details though?
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