突貫小僧 ②
2004年 12月 06日
青木富夫はこの作品の軽妙にして大胆不敵な面魂の腕白ぶりで天才子役として一躍有名となり、以後、松竹の蒲田と大船で俳優として活躍することとなりました。
日本映画データベースで検索すると、初出演の1929年の「会社員生活」以来、杉田協士の「月のある場所」02まで191本の出演作が上げられています。
浮き沈みや幾度かのブランクがあったにせよ、まさに生きている日本映画の生き証人といえますね。
松竹を経て日活に活動の場を移して、最近では「忘れられた人々」や「ピストル・オペラ」にも出演しているとのことなので、これから早速見てみようと思います。
そういえば突貫小僧とよくコンビを組んでいたあの爆弾小僧こと横山準は、どうしたのか、知りたくなり、ついでにといっては何ですが、同じデータベースで検索してみました。
生涯で51本の出演作があって、最後の出演作は黒澤明監督の「白痴」です。
思えば、清水宏監督の名作「風の中の子供」37の主役・善太と三平を葉山正雄と爆弾小僧にゆずり,青木富夫が脇役の曲馬団の少年にまわったあの時が天才子役「突貫小僧」にとってのターニング・ポイントだったのかもしれませんね。
この小津作品「突貫小僧」の原作者として掲げられている「野津忠二」は、野田高悟、池田忠雄、大久保忠素と小津の合成名だということをBSの特集番組で初めて知りました。
不明の至りです。
しかし、「忠二」とは、実にオシャレな命名ですよね。
「忠×2」とは気がつきませんでした。
「007」を「ダブル・オー・セブン」と読むことを知ったときのあの異文化の発想に驚いて以来のカルチャーショックです。
まあ、いずれにしても感心するくらい古い話であることは確かです。
(1929松竹蒲田)原作・野津忠二、脚本・池田忠雄、撮影・野村昊、茂原英雄、
出演・斎藤達雄、青木富夫、坂本武、
(14分・35mm・白黒・無声・パテベビー短縮版)