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世界のあらゆる映画を偏執的に見まくる韜晦風断腸亭日乗


by sentence2307
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シベールの日曜日


「この森で、天使はバスを降りた」のコメントを書きながら、どうも気に掛かることがありました。

この映画の感想を書いていけばいく程、これと似た映画をむかし見たことがあるような気がして仕方がなかったのですが、どうしてもその作品の題名を思い出すことができません。

喉元まで出かかっているのに、それを思い出せないもどかしさで、いつまでも苛立っているくらいなら、いっそのこと感動した映画を簡単にメモしている昔からのノートを引っ張り出して1ページずつめくってみることにしました。

かなり前から心に残った感動した映画の感想を小さなノートに一行に要約して書き留めておくのを習慣にしています。

名作・凡作をごちゃ混ぜにかなりの本数を見ていこうというわけですから、今回のようにどうしても思い出せない映画が出現したときには、これが結構役に立ちます。

なにしろ一行でその映画の魅力を書きとめようとすれば、自然と感覚的に研ぎ澄まされた本質を貫くような言葉選びの訓練になったのかもしれませんね。

そんなわけで、つまりはこのノート、備忘録みたいなものなのですが、ズボラな自分でも結構長続きできているので、この方法はオススメです。

やたら簡単なのが長続きの秘訣かもしれませんね。

お目当ての映画はすぐに見つかりました。

セルジュ・ブールギニョンの「シベールの日曜日」62でした。

戦争で深く傷つきショックで記憶喪失になった青年が、父親に見捨てられた少女と出会い、日曜日ごとに森で会ってお互いの孤独を癒し合うという物語です。

しかし、その平穏もつかのまで、村人たちは青年を少女に淫らないたずらをする変質者とみなして射殺してしまうという悲惨な結末の映画でした。

暗く抑えた画調は、社会から見捨てられた者たちの深い孤独と悲しみを遺憾なく映し出していました。

撮影は、あの名匠アンリ・ドカエでした。

(62フランス)(監督・脚本)セルジュ・ブールギニョン(原作)ベルナール・エシャスリオー(脚本)アントワーヌ・チュダル(撮影)アンリ・ドカエ
(出演)パトリシア・ゴッシ、ハーディー・クリューガー、ニコール・クールセル
by sentence2307 | 2004-12-11 22:22 | 映画 | Comments(0)