ロードムービーが懐かしい
2004年 12月 29日
この2作品が今後多くの賞を受賞していく過程で第二・第三の盛り上がりの相乗効果を生み、それが波状的に広がっていけば、さらにこれから先もどれくらい稼ぎ出すのか予想もできませんが、きっと150億くらいは楽に届くのではないかという声も聞こえてきそうです。
しかし、時間ができると映画を見ることを楽しみにしている者にとって、ここのところ盛り上がりをみせている「純愛もの」の多くの作品に接していると、そのぬくぬくとしたストーリーの湿気を帯びた停滞感に、どうも物足りなさを感じてしまいます。
きっと新規な意外性を生み出すために、やたらストーリーをいじるりすぎる小手先の器用さだけを競うみたいな部分に、どうも付いていけないというか、多分そういうことなのだろうと思うのですが、こうしてみると、自分には、あのヴェンダースやジャームッシュの乾いたロードムービー風のものが体質に合っているのかな、などと思えてきて、つい「あの頃は、よかった」という後ろ向きな愚痴が出てしまいそうで、現実に置いて行かれそうな焦燥感を感じてしまいます。