映画のエラー・トップ10発表
2005年 01月 15日
アカデミー賞の話題で盛り上がっているこの時期ホッと息抜きができる話題ですよね。
その記事には、1位は、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』で、投票結果によると、映画の中の誤りは232にのぼるとかで、2位の『スパイダーマン2』の約4倍の数にあたるそうです。
善意に解するとすれば、きっと急いで撮ったからでしょうか。
それにしても232箇所とはすごいです。
それがどういう所かというと、例えば、夜中にスネイプ教授に見つかったハリーが部屋に連れて行かれると、その部屋に陽が差し込んでいたりとか、本のサイズがシーンによって異なっていたりとかいうものだそうです。
そして、2位の『スパイダーマン2』では、黒ずんでいたマスクがシーンによっては綺麗に代っていたり、3位の『トロイ』では西から朝日が昇るなどのシーンが指摘されています。
実は、この記事のネタ元とされている「ムービーミステイクス・ドット・コムhttp://www.moviemistakes.com」に僕はよくお邪魔に行くサイトなのですが、僕の見たときには、
①スパイダーマン2、②キル・ビル2、③デイ・アフター・トゥモロー、④ハリー・ポッターとアズガバンの囚人、⑤シークレット・ウィンドウ、⑥トロイ、⑦ミーン・ガールズ、⑧トタスキー&ハッチ、⑨シュレック2、⑩ボーン・スプレマシー、
の順でした。
ちなみに、最優秀アカデミー賞を受賞したあの『シカゴ』にも14箇所のミステイクがあったそうです。
主人公ロキシーが護送車でコック郡の拘置所に護送される場面で、検事が自分のことを“District Attorney(地方検事)”と呼んでいますが、イリノイ州の検事は“State's attorneys(州検事)”と呼ばれており、地方検事は存在しないそうなのです。
オリジナル・シナリオには正確に書かれているので脚色のミスとされました。
しかし『シカゴ』の14箇所などは、『アズガバンの囚人』の232箇所を見ても分かるように、かなり優秀な方なので、アクションやSF映画になると100以上のミスが余裕で見つかるということです。
こうした「間違い探し」は、アメリカでは盛んに行われており(むしろ、愛されており、と書いたほうがいいかもしれませんね)、雑誌にも頻繁に記事にされていて、それだけを集めた専門の単行本も出版されています。
僕のメモでは、以前発表されていた、ミスの多い映画のトップは、『ロード・オブ・ザ・リング』が183個所だったそうですから、『アズガバンの囚人』がいかに飛び抜けていたかが分かります。
ちなみに、
2位『マトリックス』177箇所、3位『タイタニック』164箇所、4位『スパイダーマン』157箇所、5位『ハリー・ポッターと賢者の石』149箇所
だったそうです。
例えば、『タイタニック』では、船の内部の構造や食器に到るまで、完璧に当時のタイタニックを再現したのに、救命ボートに乗っている人が1912年当時にはなかったデジタル時計をしていたとか、『スパイダーマン』は、コンティニュイティーを確実にするために、2000人のエキストラを必要とするシーンを5回も撮影しなおしたとかいうエピソードが伝えられています。
映画製作時にはスクリプターというコンティニュイティー(衣装のズレや、メイク、動きの形など前ショットときちんと繋がっているかどうか)を記録するプロがいるのですが、そのように慎重にやっても間違えるのですから映画製作の複雑さ、特に最近のCG画面などの特撮を使用する難しさをつくづく実感しますよね。
狭い業界の余裕のない日本でそんなことをしたら、ただのユーモアですまされない深刻な事態を招くかもしれません。