世界のあらゆる映画を偏執的に見まくる韜晦風断腸亭日乗


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「2013 フランス映画祭」の傾向と対策 ②

【黒いスーツを着た男 Trois mondes】
本年度パトリック・ドベール賞受賞、新星ラファエル・ペルソナーズ主演作日本初上陸。
犯すつもりのなかった罪を背負った美しき犯罪者と二人の女の運命を描く本格派サスペンス。本年度のフランスの最優秀男優に与えられるパトリック・ドベール賞に輝き、アラン・ドロンの再来と話題の演技派俳優ラファエル・ペルソナーズ主演作。『彼女たちの時間』の実力派カトリーヌ・コルシニ監督が描く、犯すつもりのなかった罪を背負った美しき犯罪者を巡り、目撃者の女と被害者の妻の運命が交差する本格派クライム・サスペンス。『ミステリーズ 運命のリスボン』のクロチルド・エスム、『ロルナの祈り』のアルタ・ドブロシが主人公を取り巻く2人の女性を熱演。
アランは自動車ディーラーの社長令嬢との結婚を10日後に控え人生の成功を手にする直前だったが、友人たちと騒いだ帰り道、深夜のパリの街角で男を轢いてしまう。友人たちに促され、茫然自失のまま男を置き去りにして逃走したアラン。その一部始終を、向かいのアパルトマンからジュリエットは偶然目撃する。翌日、被害者の容態が気になり病院を訪れたジュリエットは、そこで男の妻ヴェラに会う。ヴェラと夫はフランスの滞在許可証を持たないモルドヴァ人だった。そして、ジュリエットは病院の廊下で若い男の後ろ姿に目を留める。その男こそ、罪の意識に駆られて様子を確かめに来たアランだった。ジュリエットはアランを追いかけるが。
監督・カトリーヌ・コルシニ、出演・ラファエル・ペルソナーズ、クロチルド・エスム、アルタ・ドブロシ、レダ・カデブ
2012年/フランス=モルドヴァ/101分/スコープ/5.1ch 配給:セテラ・インターナショナル
<受賞歴>2012年 カンヌ国際映画祭 ある視点部門正式出品作品、2013年 パトリック・ドベール賞(将来有望な若手に贈られる賞)受賞
★監督・脚本:カトリーヌ・コルシニ Catherine CORSINI
1956年、フランス北部のドルー生まれ。18歳のときにパリに出、パリ第3大学で学ぶ。アントワーヌ・ヴィテーズが主宰する演技コースを受講して演技を学ぶが、脚本の執筆をはじめ、短編作品をいくつか制作。1988年に最初の長編『魅了されたミニマリストの破綻』を撮る。その後もテレビ用作品など撮り続け、98年カリン・ヴィヤールをヒロインに迎えて撮った『ヌーヴェル・イヴ』が、新たな女性像を提示する作品として高い評価を得る。さらに2000年の『彼女たちの時間』では、エマニュエル・ベアールを迎えカンヌ映画祭に正式招待。また2006年に『Les Ambitieux』を、さらに2009年にはクリスティン・スコット・トーマスの主演で『旅立ち』をと、これまで女性を主人公にした作品を数多く発表し、評価を高めてきた。
★出演:ラファエル・ペルソナ-ズ Raphaël PERSONNAZ
1981年、パリ生まれ。12歳のときに見た舞台劇に衝撃を受けて俳優を志し、コンセルヴァトワールとフロランの演劇学校で本格的に演技を学ぶ。16歳のころからTV用作品に顔を見せるようになり、18歳のとき、TVシリーズ「Un homme à la maison」の主役の座を射止め、一躍注目される。2000年のピエール=オリヴィエ・スコット監督の「Le Roman de Lulu」を皮切りに映画へ積極的に出演し、ジュリー・ガヴラスの『ぜんぶ、フィデルのせい』(06)などで次第に注目を集める。2010年、ベルトラン・タヴェルニエの「La Princesse de Montpensier」で主役に抜擢。その後も、アフガニスタンを舞台にした戦争ドラマ「Forces spéciales」(11)でダイアン・クルーガーと共演、本作『Trois mondes(原題)』のあとも、話題のコスチューム劇『アンナ・カレーニナ』(12)をはじめ、恋愛コメディ「La Stratégie de la poussette」(12)、ジュリー・ガイエと共演した恋愛劇「After」(12)と、主演作が目白押し。
★出演:クロチルド・エスム Clotilde HESME
1979年、フランス北部のトロワに生まれ。ふたりの姉エロディーとアンネリーズも女優として活躍中。コンセルヴァトワールでダニエル・メスギッシュとカトリーヌ・イジェルのもと演技を学び、卒業後は舞台を中心に活動。やがて、短編作品に出演するようになるが、2002年、ジェローム・ボネルの「La Chignon d'Olga」で長編劇映画デビューを飾る。その後、クリストフ・オノレの『愛のうた、パリ』(07)での演技により、セザール賞の有望若手女優賞にノミネートされ、続くオノレ作品『美しい人』(08)にも主演。さらに、ラウル・ルイス『ミステリーズ 運命のリスボン』(10)、アリックス・ドラポルトの「Angèle et Tony」(11)などで好演、念願のセザール賞有望若手女優賞にも輝く。
★出演:アルタ・ドブロシ Arta DOBROSHI
1979年、ユーゴスラヴィア(現コソヴォ)のプリシュティナに生まれ。プリシュティナ舞台芸術アカデミーに学んだのち、舞台を中心に活躍。映画には、2005年、アルバニアのクイティム・チャシュク作品「Syri magjik(Magic Eye)」に初出演したのを皮切りに、2008年に同じくアルバニア映画「Smutek paní Snajdrové(The Sadness of Mrs. Snajdrova)」に出演。同年、ダルデンヌ兄弟の『ロルナの祈り』のヒロインに抜擢されたことをきっかけに国際的な注目を集める。2011年にはジュリー・ガヴラスの「Trois fois 20 ans」に出演ののち、本作でヴェラ役を好演。


【椿姫ができるまで Traviata et nous】
名作は舞台の度に生まれ変わる。世界最高峰のオペラ歌手ナタリー・デセイの創り上げる「椿姫」の世界 2011年春、フランスのオペラ歌手ナタリー・デセイは、演出家のジャン=フランソワ・シヴァディエとともに、エクサン・プロヴァンス音楽祭で上演されるヴェルディの傑作オペラ「椿姫」の製作に臨んだ。演奏はルイ・ラングレ指揮によるロンドン交響楽団。才能豊かな2人の芸術家の感性のせめぎ合いが、時に繊細に時に流麗に、名作を新たに蘇らせる。練習の合間に茶目っ気を見せるデセイ、シヴァディエの演出の下、一つ一つのシーンを積み上げてゆく舞台の製作風景は観る者を魅了する。ステージの幕が上がる前に始まっているオペラの豊饒さを、ヴェルディ生誕200年記念の年に味わえる貴重な機会。デセイの伸びのあるソプラノで聞かせる『椿姫』の名場面も堪能できるオペラ・ファンのみならず、すべてのクラシック・ファンに贈られた貴重なドキュメンタリーである。
監督・フィリップ・ベジア、出演・ナタリー・デセイ、ジャン=フランソワ・シヴァディエ、ルイ・ラングレ
2012年/フランス/112分/ビスタ/ドルビーデジタル 配給:熱帯美術館
<受賞歴>2012年 ニューヨーク映画祭 公式招待作品
★監督:フィリップ・ベジア Philippe BÉZIAT 
アニメーション作品のアシスタントを経て、TVやラジオの制作、演出に携わる。東京オペラシティなどで来日公演を行っているフランスの指揮者・マルク・ミンコフスキのドキュメンタリーを手がけたこともある。今回の椿姫のほかに、2009年にドビュッシーのオペラ『ペレアスとメリザンド』を、2011年にストラヴィンスキーのバレエ・カンタータ『結婚』の上演するまでを映像化するなど、音楽と映画を見事に融合させた新たな映像監督として、近年フランスを中心に注目を集めている。 (フランス映画祭 執筆)
★出演:ナタリー・デセイ Natalie DESSAY
1965年、リヨン出身。コロラトゥーラソプラノの役柄を中心にキャリアをスタートさせ、いまや歌唱力と美貌を兼ね備えた世界最高のオペラ歌手の一人。元は女優だったが声楽を奨められボルドー国立音楽院やパリ・オペラ座の声楽教室で学び、ウィーン国立歌劇場でのモーツァルト国際コンクールで優勝。初めてシカゴでルチア(ドニゼッティ/『ラメンモールのルチア』)を演じた後、メトロポリタン歌劇場やパリ国立オペラ座、ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスなど、世界の蒼々たる劇場の舞台で活躍。2010年にはウィーン国立オペラ座においてフランス人で初めて"オーストリア宮廷歌手"の称号を与えられた。トリノ王立歌劇場のツアーの一環として、ヴィオレッタ役(『椿姫』)で来日公演も行っている。(フランス映画祭 執筆)
★出演:ジャン=フランソワ・シヴァディエ Jean-Francois SIVADIER
ストラスブール国立劇場高等演劇学校で学び、俳優として、ローラン・ペリー、スタニスラス・ノルデ、ジャック・ラサール、アラン・フランソン、ドミニク・ピトワゼ等の監督、演出家の元で様々な役を演じる。1996年には自身の脚本・演出による「Italienne et Orchestre」を上演。この作品はその後、オデオン座やシャトレ劇場などで200回近く上演された。2000年にはブルターニュ国立劇場の客員アーティストとなり、『フィガロの結婚』などを演出。2003年には脚本、演出を手がけた「Italienne scène et orchestre」で批評家協会のグランプリを獲得。また2005年にゲオルク・ビューヒナーの『ダントンの死』の演出で、フランスの演劇賞であるモリエール賞を受賞。その後もヨーロッパの劇場を中心に、俳優、演出家として活躍している。


【遭難者(仮)/女っ気なし(仮)Le Naufragé / Un monde sans femmes】 
シルヴァンを巡る2つの物語。フランスで注目される若手、ギヨーム・ブラック監督のデビュー作。
『遭難者』(仮)フランス北部の小さな町で、自転車がパンクしたリュック。それを見て近づいてきた地元の青年シルヴァン。シルヴァンはリュックを助けようとするが。
『女っ気なし』(仮)短篇『遭難者』(仮)と対をなす作品。夏の終わり。バカンスに来た若い母親と娘に、アパートを貸すシルヴァン。3人は海水浴や買い物をして仲良く過ごしていたが、そこに友人ジルが現れる。
フランスでロングランとなり、エリック・ロメールやジャック・ロジエを引き合いに出され高い評価を得た、新人ギヨーム・ブラック監督初の劇場公開作。
監督:ギヨーム・ブラック
『遭難者』(仮)出演:ジュリアン・リュカ、アデライード・ルルー、ヴァンサン・マケーニュ/2009年
『女っ気なし』(仮)出演:ヴァンサン・マケーニュ、ロール・カラミー、コンスタンス・ルソー/2011年
フランス/83分/ビスタ/5.1ch  配給:エタンチェ
<受賞歴>『女っ気なし』(仮)2011年 フランス批評家組合 最優秀短篇賞 受賞、2012年 AlloCiné スタッフ部門 年間ランキング第1位
★監督:ギヨーム・ブラック Guillaume BRAC
1977年生まれ。フェミス(フランス国立映画学校)卒業。
2008年、少ない資金で素早く映画を撮るため、友人と映画製作会社Année Zéroを設立。
<フィルモグラフィー>
2009:短篇『遭難者』(仮)
2011:中篇『女っ気なし』(仮)
2013:長篇第一作「Tonnerre」公開予定。
★出演:ヴァンサン・マケーニュ Vincent MACAIGNE
1978年生まれ。コンセルヴァトワール(フランス国立高等演劇学校)卒業。映画出演のほか、映画監督、舞台演出家としても活躍。主な出演作に、フィリップ・ガレル監督の『灼熱の肌』がある。


【アナタの子供 Un enfant de toi】
情熱は戦争よ、でもいつも闘っているわけじゃないわ。ジャック・ドワイヨン監督が愛娘ルーと共に作り上げた愛すべきラブコメディ
7歳の娘リナと暮らすアヤは、歯科医の恋人ヴィクトールがいるにも関わらず、3年前に別れた前夫でリナの父親のルイと時々会っている。今は若い恋人ガエルとつきあっているルイは、アヤがヴィクトールとの子供を作りたがっていると聞き、嫉妬を隠せない。一方、アヤがルイと会っていることを知ったヴィクトールも心中穏やかでない。そんな時、ルイの発案で4人は一緒に夕食をとるが、食事会は微妙な雰囲気となり、事態は一層錯綜する。恋愛のもつれを描かせれば右に出る者のいないドワイヨンだが、従来の作品に比べると軽いタッチで撮られた本作においてもその手腕は際立っている。アヤが誰を選ぶのか、登場人物たちとともに観客も最後の瞬間まで振り回されるだろう。奔放なヒロイン、アヤを演じたのはドワイヨンとジェーン・バーキンの娘ルー・ドワイヨン。ルイを演じたサミュエル・ベンシェトリは『歌え!ジャニス☆ジョプリンのように』を監督し、舞台演出や小説も手がける才人。大人の諍いの目撃者となり、物語上でも重要な役割を担うリナを演じたオルガ・ミシュタンの素晴らしい演技も見逃せない。撮影は名手レナート・ベルタと『皇帝ペンギン』のロラン・シャレ。
監督・ジャック・ドワイヨン、出演:ルー・ドワイヨン、サミュエル・ベンシェトリ、マリック・ジディ、オルガ・ミシュタン
2012年/フランス/136分/ビスタ/ドルビーDTS
<受賞歴>2012年 ローマ国際映画祭コンペティション部門 正式出品作品
★監督:ジャック・ドワイヨン Jacques DOILLON
1944年、フランス・パリ生まれ。編集助手として映画界入り。占領下のパリを描く『小さな赤いビー玉』(75)が評価され、『La Drolesse』(79)でカンヌ国際映画祭新人監督賞を受賞。ジェーン・バーキン主演の濃密なドラマ『ラ・ピラート』(84)では、カンヌ国際映画祭コンペに出品され、話題を呼ぶ。1990年には『ピストルと少年』で、ベルリン国際映画祭国際評論家連盟賞、ルイ・デリュック賞を受賞。その後も、母を突然失う4歳の少女が主人公の『ポネット』(96)でヴェネチア国際映画祭で国際評論家連盟賞および史上最年少の女優賞を受賞するなど、人間関係のドラマの機微や、子供や思春期の少年少女を描くことに高い評価を得ている名匠である。今回の『アナタの子供』(12)で主役を務めるルー・ドワイヨンは、ジェーン・バーキンとの間に生まれた愛娘。
★主演:ルー・ドワイヨン Lou DOILLON
1982年生まれ。父親は映画監督のジャック・ドワイヨン、母親は女優・歌手のジェーン・バーキン。異父姉妹に写真家ケイト・バリー、女優のシャルロット・ゲンズブールという芸能一家に育つ。1988年、母ジェーン主演の『カンフー・マスター』(監督:アニエス・ヴァルダ)で映画デビュー。その後、父ドワイヨン監督のコメディ「あまりにも大きな(小さな)愛」(98)の初主演を経て、ジャン=ピエール・アメリス監督の「デルフィーヌの場合」(99)、ドワイヨン監督の「フリーキー・ラブ!(イカれた一夜)」(01)などで個性を発揮。抜群のスタイルとユニークな美しさでジバンシィの広告をはじめ、ファッション・モデルとして人気を博すほか、2012年には自身で作詞・作曲も手がけるアルバム「Places」で歌手デビューを果たしている。


【恋のときめき乱気流 Amour & turbulences】
忘れたい男と偶然、飛行機で隣り合わせになってしまったら。『スイミングプール』で注目を浴びたリュディヴィーヌ・サニエ主演のラブコメディ。
アーティストのジュリーはニューヨークで彫刻の個展を終え、パリに帰国するために空港に向かう。ビジネスクラスにアップグレードされて喜んだのも束の間、隣の席に駆け込んできたのは3年前にひどい別れ方をした元恋人のアントワーヌだった。席を移ろうにも、あいにく機内は満席。気まずい雰囲気の中、言葉を交わし始める二人。だが、まだヨリを戻したがっているアントワーヌに対し、結婚を控えているジュリーは、できれば口も聞きたくない。アントワーヌの窮状を見かねて必死に助言する周囲の乗客たち。到着まで7時間、乱気流に巻き込まれながらも飛行機はパリへと向かう。
今年4月にフランスで公開されたばかりのロマンチックなラブ・コメディ。機内での会話の合間に出会いから別れまでのエピソードがフラッシュバックされ、二人の間に何が起こったかを徐々に観客にわからせる構成が面白い。脚本はアメリカのテレビドラマで俳優として活躍するヴィンセント・アンゲルのオリジナル。女性関係にだらしないアントワーヌを演じたニコラ・ブドスは脚色・台詞にも参加した。巧みな会話のみならず、エッフェル塔やオルセー美術館などを美しくとらえたロケ撮影も見どころだ。
監督・アレクサンドル・カスタネッティ、出演・リュディヴィーヌ・サニエ、ニコラ・ブドス、ジョナタン・コーエン、アルノー・デュクレ
2012年/フランス/96分/スコープ/ドルビーデジタル
★監督:アレクサンドル・カスタネッティ Alexandre CASTAGNETTI
子供の頃からコンセルバトワールで音楽を学び、通信関係の勉強をした後、音楽活動と平行して脚本の執筆を始める。2004年に映画「L'incruste 」を共同監督。2007年、友人のクレモン・マルシャンと共に、弾き語りのデュオ "La Chanson du dimanche(日曜の歌)"を結成。毎週土曜日に様々な場所で批評精神にあふれたユーモラスな歌を収録、それを日曜日にインターネットに投稿すると人気を博し、ニュースサイトでの紹介、数々のライブへの招聘を経て、テレビで特集が組まれるほどになる。2010年、テレビドラマ「Les Invincibles」の第1シーズンの演出および音楽を手がける。これまでのコメディの経験が生かされた『恋のときめき乱気流』(12)が、単独監督デビュー作となる。
★出演:リュディヴィーヌ・サニエ Ludivine SAGNIER
1979年、パリ郊外生まれ。子供の頃から演技を学び、9歳で映画デビュー。フランソワ・オゾンの『焼け石に水』(00)の奔放な少女役で一躍知られるようになる。同監督の『8人の女たち』で大スターにまじって最年少で出演。『スイミング・プール』(03)ではシャーロット・ランプリングと堂々と共演し、国内外の映画界の注目を集めた。オゾン作品ばかりでなく、ハリウッドに『ピーターパン』(03)で進出するほか、フランスの巨匠クロード・シャブロルの『引き裂かれた女』(07)やクロード・ミレールの『ある秘密』(07)などに出演。2013年5月、カンヌ国際映画祭のある視点部門で審査員をつとめる。フランス若手女優のなかで、もっとも次回作が気になる女優のひとりである。
★出演:ニコラ・ブドス Nicolas BEDOS
1980年生まれ。父親は俳優、コメディアン、脚本家のギイ・ブドス。若くしてテレビ番組の演出や父の舞台演目の脚本を手がける。舞台では、最優秀創作賞候補となった「Sortie de scène」(05)、メラニー・ロラン主演「Promenade de santé」(10)を執筆・演出。テレビドラマの「Ni reprise, ni échangée」(10)やジャンヌ・モロー主演「Bouquet Final」(11)では、脚本と出演を兼ねる。映画では、オムニバス『プレイヤー』(12)の脚本のほか、俳優としてルイーズ・ブルゴワン主演の「L'amour dure trois ans 」(12)やフランス映画祭2013の上映作『Populaire(原題)』(12)に出演。『恋のときめき乱気流』(12)のプレイボーイ役が映画初主演作となる。


【テレーズ・デスケルウ Thérèse Desqueyroux】
自由を模索する女の運命。『アメリ』から10年、オドレイ・トトゥがひとりの女性のダークサイドを熱演。ノーベル賞作家フランソワ・モーリアックの代表作にして、フランスのカトリック文学史上の不朽の名作と言われる同名小説の映画化。舞台は1920年代、フランス南西部のランド県。テレーズは家同士が決めた結婚により、広大な松林を所有するデスケルウ家の当主ベルナールの妻となる。このような政略結婚が当たり前だったこの時代、何の疑問も持たずに結婚したテレーズだったが、愛のない結婚生活と旧態依然とした家族制度に次第に息苦しさを感じ始める。ベルナールの妹で、幼馴染みの親友でもあるアンヌが家族の反対にも関わらず若い青年ジャンと恋に落ちたことは、テレーズの心の中に今置かれている状態から逃れたいという思いを芽生えさせる。本作が惜しくも遺作となった名匠クロード・ミレールは、思いもかけぬ方法で自らを取り巻く世界を打破しようとするヒロインの姿を一切の感傷を排して描く。当時の雰囲気を徹底的に再現した美術、あるいは牢獄のように冷たい室内空間と開放的な屋外のコントラストを効果的に表現した撮影は、台詞で説明する以上の説得力をもってヒロインの行動の意味を見る者に伝えるだろう。この難役に挑戦したオドレイ・トトゥの演技も素晴らしい。
監督・クロード・ミレール、出演・オドレイ・トトゥ、ジル・ルルーシュ、アナイス・ドゥムスティエ
2011年/フランス/110分/シネマスコープ/ドルビーステレオ
<出品歴>2012年 カンヌ国際映画祭 クロージング作品
★監督:クロード・ミレール Claude MILLER
1942年、フランス・パリ生まれ。仏高等映画学院を卒業後、マルセル・カルネ監督の助監督として映画界入り。その後、ブレッソン、ゴダール、ドゥミなど巨匠たちの助監督を経て、トリュフォーの製作主任を約10年間務める。1976年、長編デビュー作『いちばんうまい歩き方』でセザール賞で監督賞、作品賞など6部門にノミネートされる。1985年にシャルロット・ゲンズブールを主演に抜擢した『なまいきシャルロット』や、1988年にトリュフォーが遺した脚本を映画化した『小さな泥棒』で、シャルロットを一躍スターにするとともに、「トリュフォーの後継者」と言われるようになる。また、リュディヴィーヌ・サニエ主演の『リリィ』(03)など、思春期の微妙な心理を繊細なタッチで描いた作品が多い。1998年には『ニコラ』でカンヌ映画祭 審査員特別賞を受賞。その他、『死への逃避行』(83)、『伴奏者』(92)、『ある秘密』(07)などがある。2012年4月4日逝去、70歳。
★出演:オドレイ・トトゥ Audrey TAUTOU
1978年、フランス・ボーモン生まれ。幼い頃から女優を志し、1996年にテレビ番組でデビュー。その後もTVや短編映画へ出演し、1999年に『エステサロン/ヴィーナス・ビューティー』での演技が評価され、セザール賞 有望若手女優賞を受賞。そして、2001年に主演した『アメリ』が世界中で大ヒットし、リュミエール賞を受賞したほか、BAFTAやセザール賞など多数の賞にノミネートされ、一躍スター女優となる。2006年には『ダ・ヴィンチ・コード』でハリウッドに進出するなど、着実に活躍の場を広げている。その他出演作に『ロング・エンゲージメント』(04)、『ココ・アヴァン・シャネル』(09)などがある。 最新作は、ボリス・ヴィアン原作の「L' Ecumes des jours (うたかたの日々)」(12/監督:ミシェル・ゴンドリー)
★出演:ジル・ルルーシュ Gilles LELLOUCHE
1972年、フランス・カーン生まれ。演劇学校を卒業した後、2005年に出演した「Ma vie en l'air」でセザール賞 有望若手男優賞にノミネートされ、注目される。2010年にはギヨーム・カネ監督の『君のいないサマーデイズ』で、セザール賞 助演男優賞にノミネートされている。その他の出演作に『唇を閉ざせ』(06)、『アデル/ファラオと復活の秘薬』(10)、『この愛のために撃て』(10)などがある。また、俳優として活動を始めた当初から監督や脚本などの製作の活動も始め、自身が監督、脚本を担当した短編、長編作品を製作しており、『プレイヤー』(12)ではジャン・デュジャルダンとともに出演だけでなく監督としても参加している。
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Commented by moncler ou at 2013-12-14 20:40 x
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by sentence2307 | 2013-06-09 18:27 | フランス映画 | Comments(3)