花とアリス
2005年 04月 27日
女の子同士で楽しそうにジャレ合っているところを遠くから眺めているだけで、いつの間にか笑顔になってしまっている自分が、しっかりオヤジだなあと最近つくづく思います。
岩井俊二も、きっと同じようなオヤジ的な気持ちからこの映画を作ったに違いないと感じたりもしています。
ここに描かれている少女たちの「キュートな可愛らしさ」も「ひたむきな健気さ」も、それがリアルからは程遠いオヤジ的な視点から見た少女像だと思う気持ちがあるからでしょう。
いままで接した多くの感想の中で、感動はしたけれど実際の女子高生はこんなじゃない、という違和感を敏感に感じ取った人たちの苛立ちのコメントを幾つか見掛けたのは、きっとそういうことだったからだろうと思います。
でも、こう言ってはなんですが、個人的には、リアルにこだわった中学生たちのイジメと殺し合いを描いた寒々しい映画なんかよりも、女の子たちがキャッキャッとはしゃぐ恋の噂話そのままに、まるっきり空想から出来上がってしまったこちらの作品の方が、遥かに爽やかな気持ちにさせてくれたことは事実でした。
もちろん映画本来の作りとか出来とか、そういうこと以前の話という条件を付けても、それって映画にとって本質的で、とても大切なことのような気がします。
さて、評価の低い作品のなかから優れた部分を見つけることよりも、多くの人たちの支持を得ている作品から欠点を見つけ出す方が、はるかに難しいとはかねがね思っていることで、いままで「花とアリス」についてのおびただしい感動のコメントに接してきて、そのことを痛感しています。
たまに出会う批判めいた感想も、結局のところ、先入観があって(多分、少女趣味とか岩井俊二への反撥とか)、あらかじめ身構えながらこの作品を見、そして、いとも簡単に感動してしまったことに対する戸惑いや照れ隠しなどがきっと根底にある、つまり少し言い方を代えただけの「ひねくれた賞賛」でしかないということが、すぐにも分かってしまうタイプの感想でした。
それはきっと、嫉妬からの可愛い言い掛かりみたいなものなので、多分それだって単なる愛の告白の一変種だと、分かる人には分かってしまう程度の批判だったと思います。
ですので、どのような形であれ、この作品のコメントを書くということは、多くの人たちが既にどこかで言い尽くしている感動の言葉を、ただなぞるだけで終始するかもしれないという危惧がどうしても付きまといます。
しかし、感動したというこの思いだけは、どうしても言葉にして残しておきたいと、あるコメントを呼んで痛切に思いました。
それは、ラストのオーディションのシーンで、アリスがなぜバレエを踊るかどうしても分からない、アリスがモデルの仕事にそんなにも執着を持っているようには思えなかったと書かれているコメントでした。
紙コップをつま先にガムテープで巻き付け、トウシューズのようにして彼女がバレエを踊る美しいシーンに、この映画のすべての魅力が込められているといってもいいかもしれません。
幾つものオーディションを受け、そして、その数だけ落ち続けてきた彼女にとって、アリスはその度に「私のことを何も分かってないくせに」という悔しい思いを抱え、落ち込んでいきます。
だからこそ、あのオーディションで、アリスは自分のことをちゃんと分かって欲しいために、「ちゃんと踊ってもいいですか」という言葉をどうしても言わずにはいられなかったのだと思います。
そして、自分のすべてを表現したいという彼女のそういう舞いが、美しくないわけがないので、きっと誰もが「自分」というものを十分に表現し尽くすことができたら、「有名」になるとか、そんなことはそれ程の問題ではないのだ、とこのシーンは言っているように思いました。
この映画を少女2人と落研のトッぽい男の三角関係の物語と見れば、おそらくラストのアリスのバレエのシーンは不可解という感想も当然あり得るかもしれませんが、この映画は、花と宮本、アリスと(母親を含めた)別居中の父親との、2組の物語と見ることで、はじめて見えてくるものがあるような気がします。
アリスにとって宮本先輩の失われた記憶(実は虚偽なのですが)をたどるデート・コースは、実は、失われてしまった自分の家族の記憶を辿る思い出のコースだったことを思えば、あのオーディションで踊ったバレエが孤独なアリスの悲痛な「自己主張」だったと考えていいかもしれませんよね。
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