人気ブログランキング |

世界のあらゆる映画を偏執的に見まくる韜晦風断腸亭日乗


by sentence2307
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30

キュアロン、デル・トロ、イニャリトゥの祖国メキシコ

いよいよアカデミー賞の発表が来週に迫ってきました、なんだか落ち着きません。

ルーティンとまではいえませんが、最近では、パソの前に座わって、まず見るのは「アカデミー賞」関係の記事とかで、それをひと当たり見てからでないと、ほかのことをする気になど、どうしてもなれないのです。

ノミネート作品のなかには日本公開が未定の作品も結構あり、当然チェックした時点では原題表示なのが、情報が日々更新されていくなかで、知らないうちに原題からかけ離れた邦題がつけられていたりして、その新旧情報が入り乱れてアップされていることに気づかず、題名は違うのにどうも似たような作品(実は、同じ作品)があるなとか思いながら右往左往し、正直、訳が分からなくなって、仕方なくスタッフやキャストの基本情報を付け合わせて特定するという厄介な作業を幾度か繰り返してきました。

そのような状況のなかで、昨日などは衝動的に思いついたキイワード「オスカー直前予想」という言葉であちこち検索をかけていたら、たまたまwowowのオンデマンドで「第91回アカデミー賞 直前予想」という番組がアップされていることを知り、このリアルタイムな番組をどうにか見逃さずにすみました。

その番組の司会者は町山智浩、それからコメンテーターはVariety副編集長のティム・グレイとLA映画批評家協会員エイミー・ニコルソンのふたりで、そこで話されていた「作品賞」「監督賞」「主演男優賞」「主演女優賞」「助演男優賞」「助演女優賞」の有力な候補作品をちゃっかり自分のブログに引用させてもらったというわけです。

そして、そのwowowオンデマンドでは、引き続きノンフィクションW「WHY MEXICO? ~アカデミー賞に輝く越境者たち」というドュメンタリーがアップされていたので、ついでといったらなんですが、引き続いて見てみました。

内容は、このところのアカデミー賞を席巻している感のあるメキシコ出身の3人の気鋭監督(アルフォンソ・キュアロン、ギレルモ・デル・トロ、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)が、ハリウッドにくるまでのメキシコ当時の厳しい政治的規制のなかで、自由な映画づくりを求めながらも苦慮し行き詰った青春の日々の失意と渇望を、当時の関係者へのインタビューをとおして回想したドキュメンタリーでした。

自分は一瞬、政治的な束縛や厳しい規制に囚われた経験が、彼らの映画にみずみずしさを描く活力の基盤になっているのだとしたら、それはずいぶんと皮肉な話だなと思いかけたのですが、すぐに思い直しました。

きっとそれは、そうではなくて、どこぞの国の映画人のように「貧困」も「自由」の意味も実感できず理解もできずに見失い、すっかり平和ボケして、ふやけてチャラチャラしたぶざまな「学園映画」しか撮ることしかできなくなってしまった彼らこそが、むしろ世界の辺境に追いやられた哀れで不幸でみすぼらしい、「豊かさ」という刑罰に処せられて盲しいた映画難民なのではないかとチラッと思ったりしました。

受賞作を選出するアカデミー会員がどう考えるかは別として、今回のアカデミー賞のノミネート作品をみわたしてみると、やはりダントツは、アルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA/ローマ」でしょうか。

映画批評家の解説とか予告編とかを見ていると、なんだかこの作品は、まるでロッセリーニの「無防備都市」を思わせる迫力さえ感じさせます。

この作品は、「作品賞」「監督賞(アルフォンソ・キュアロン)」「主演女優賞(ヤリツァ・アパリシオ)」「助演女優賞(マリーナ・デ・タビラ)」でノミネートされています。

守銭奴トランプなら「この野郎、今年もぼったくるのか!」と激怒するに違いありませんが、実は、メキシコには、かつて映画作りにおいて燦然たる歴史があります、ブニュエルのメキシコ時代の傑出した諸作品、当時のメキシコにこれだけの名優がそろっていたのかと驚愕した記憶がいまも鮮明に残っています。



ルイス・ブニュエル監督の32作品(【】はメキシコ時代の作品)

★アンダルシアの犬(1928仏) ルイス・ブニュエル監督
薄雲が月きを横切るのを見た男が若い女の眼を剃刀で真横に切り裂く。8年後。若い男が自転車で若い女の部屋を訪ねるがドブに落ちる。浜辺で別な女が切断された手首を拾おうとすると、警官が拾って自転車の男が持っていた箱に入れて渡す。若い女の部屋では、愛撫を拒まれた若い男が紐を引くと二人の修道士、腐ったロバの死体を載せた二台のピアノなどがつながれていた。男の手の穴から蟻がどんどん這い出す。男の口が消えて毛が生える。ラストは春。砂漠に埋まった男女が虫にたかられている。

スペイン出身の異才ルイス・ブニュエルが1928年に手がけた実験的ショートフィルム(映像詩)である。当時、アナキズムに心酔していたブニュエルによる、「映画の機能を否定した映画」である。共同脚本にサルバドール・ダリ。20年代に最高潮に達したアバンギャルド映画の頂点を飾る傑作で、60年には、28年の完成当時上映に際してブニュエル自らが蓄音機を回していた音楽を選び、自らサウンド版を作成した。主たるストーリーというものはないが、大筋では男性と女性の情のもつれを描くものの明快なストーリーはなく、冒頭、女性の眼球が剃刀で切り裂かれるシーンに始まり、月を遮る一筋の雲のほか、切断され路上に転がった手首を見つめ杖でつつく女装の男、痙攣する手のひらから這い出してくる蟻など、脈略のない悪夢的で奇怪・衝撃的な謎めいたイメージ映像が連続して描かれる。それらはブニュエルとダリが互いに出し合ったイメージであり、観客はそれらシュールなイメージの重なりから、新たなイメージを喚起される。最初の上映にあたり、ブニュエルは、観客たち(パブロ・ピカソ、アンドレ・ブルトン、ジャン・コクトー、マックス・エルンスト、ル・コルビュジエ、ルネ・マグリット、ポール・エリュアール、ルイ・アラゴン、マン・レイ、トリスタン・ツァラら)の抗議に対抗することを予想して、投げつけるための小石を用意していたが、観客たちは拍手喝采で応え、ブニュエルはシュルレアリストのグループへの仲間入りを認められたといわれる。女性が目を剃刀で切られるシーンでは、ブニュエルによれば死んだ子牛の目を用いたそうだが、その事実が知られるまでは、豚や馬の目、もしくは死体を使って撮ったのではないかと言う様々な憶測が飛び交ったが、内戦状態に入る政情不安のスペインで作られた点は注目すべきものがある。
(1928フランス)監督・ルイス・ブニュエル、脚本・ルイス・ブニュエル、サルバドール・ダリ、撮影・アルベール・デュヴェルジェ、美術・ピエール・シルズネック、編集・ルイス・ブニュエル、音楽・ワークーナー「トリスタンとイゾルデ」、アルゼンチン・タンゴより、
原題Un Chien Andalou、モノクロ、上映時間17分
出演・シモーヌ・マルイユ(若い女)、ピエール・バチェフ(若い男)、ジェムミラヴィル(浜辺の女)、ルイス・ブニュエル(剃刀の男)、サルバドール・ダリ(修道士)


★黄金時代(1930仏)
サソリの這う岩石ごしに司祭の一団がミサをあげているのを見た盗賊が仲間を呼んで戻ると司祭は骸骨になっていた。海岸に新たに司祭、軍人、大臣らが上陸する。ローマ帝国建設の儀式が始まるが、すぐ隣の泥の中で男女が戯れている。男は逮捕され、大臣に非難されるが、決然と愛する女の元に帰る。しかし、ふたりは仲を引き裂かれ、怒った男は燃えるモミの木、大司教、羽根などを窓から放り出す。そのころモリニイ城では、「ソドム120日」の狂宴を終えた4人の極悪人が城をあとにした。首領ブランジー公爵にキリストのイメージがダブッて終わる。
(1930フランス)監督・ルイス・ブニュエル、脚本・ルイス・ブニュエル、サルバドール・ダリ、撮影・アルベール・デュヴェルジェ、美術・ピエール・シルズネック、編集・ルイス・ブニュエル、音楽・ジョルジュヴァンパリス、メンデルスゾーン、モーツァルト、ベートーヴェン、ドビュッシーワグナーより、モノクロ、上映時間62分
出演・リア・リス(女)、ガストン・モド(男)、マックス・エルンスト(盗賊の首領)、ピエール・プレヴェール(盗賊ペマン)、リヨネル・サラン、ヴァランティーヌ・ユゴー、


★糧なき土地(1932仏)
スペインの荒涼たるウルデス地方のドキュメンタリー映画。極度の貧困、飢え、病気などが支配する世界を描く。文明が美しく発展したヨーロッパの都市のわずか100キロの地に、まるで原始そのままの無残な日々を生きる人々の村がある。栄養失調のため不自由な身体の人々、ただ死を待つのみの人々。死と背中あわせの日常のなかから聖者に救いを求める人々、だが、ブニュエルはその人々のなかにこそ聖者の姿を見ている。
製作はラモン・アシン、監督・脚本・編集は「自由の幻想」のルイス・ブニュエル、撮影はエリ・ロタール、が各々担当。ブラームスの「第四交響曲」が挿入されている。フランス語
(1932スペイン)監督・ルイス・ブニュエル、脚本・ルイス・ブニュエル、製作・ラモン・アシン、撮影・エリ・ロタール、コメンタリー・ピエール・ユニク、フリオ・アシン、朗読・アベル・ジャッカン、美術・ピエール・シルズネック、編集・ルイス・ブニュエル、音楽・ブラームス「交響曲第4番」より、助監督・ピエール・ユニク、チャンセスベントゥーラ、題名はTerre Sans Pain。モノクロ、上映時間27分


★グラン・カジノ【1946メキシコ】
ブタ箱から逃げ出したものの職にあぶれているヘラルド(ホルヘ・ネグレーテ)とデメトリオ(フリオ・ビリャレアル)の二人組はグラン・カジノで知り合ったエリベルト(アグスティン・イスンサ)と意気投合、彼の口利きでエンリケの経営する油井で働くことになった。ところが油井の横取りを企む土地のヤクザ、ラヤド一家のボス、ファビオ(ホセ・バビエラ)に脅迫されていたエンリケはファビオの持ち物であるカジノで謎の失踪、そこへエンリケの妹で歌手のメルセデス(リベルタ・ラマルケ)がアルゼンチンからやってきた。ヘラルドは彼女に事件の経過を話すと、危険だから国に帰るよう勧めるが、どうやら彼女はヘラルドが兄の失踪に関係があると疑ったらしく、その謎を探ろうと単身歌手としてカジノに潜入する。そんな中、今度はデメトリオが失踪を遂げた。エルベルトの口から兄とデメトリオの死がファビオによるものであったことを知ったメルセデスはヘラルドに謝りに向かい、誤解を解き合って愛を確かめた二人は復讐を果たすためカジノに乗り込む。ヘラルドはファビオの口を割らせて事件の真の黒幕がマネケルマンという男であることを知るが、そこへ警察がやって来て逆にヘラルドが捕まってしまう。メルセデスはヘラルドの身を救うためにマネケルマンのもとへ向かい、油井を売り渡す契約をする。釈放されたヘラルドとメルセデスは一緒に町を出るが、その耳にドカンという音が聞こえてきた。万が一自分の身に何かあってカジノから戻ることができなかった場合、油井を爆破するようにというヘラルドの指示を知った上でのメルセデスの行動であったのである。

ルイス・ブニュエルがメキシコ時代の第一作として監督した、歌あり踊りありの異色娯楽作。石油ブームに湧くメキシコの油田地帯タンピコに、若い女メルセデスが、兄を殺した男に復讐するためにやってきた。しかし、ふたりは恋に落ちてしまう。人気歌手二人を主演にしたミュージカル映画。
(1946メキシコ)監督・ルイス・ブニュエル、脚本・マウリシオ・マグダレーノ、エドムンド・バエス、原作・ミシェル・ヴェベール、製作・オスカル・ダンシヘルス、撮影・ジャック・ドレイパー、美術・ハビエル・トレス・トリハ、音楽・マヌエル・エスペロン、編集・グロリアシェーマン、モノクロ、上映時間85分
出演・リベルタ・ラマルケ(メルセデス)、ホルヘ・ネグレーテ(兄の仇ジェラルド)、メルセデス・バルバ(Camelia)、アグスティン・イスンサ(Heriberto)、ホセ・バビエラ(Fabio)、フリオ・ビリャレアル(Demetrio)


★のんき大将【1949メキシコ】
妻に先立たれて以来酒浸りの日々を送るラミロ(フェルナンド・ソレール)を何とか立ち直らせようと親戚たちは二日酔いの彼をボロアパートにかつぎ込み、自分たちも貧相なふりをして、目覚めたラミロに、彼が2年間も正気を失なっている間に一家は破産、家も取り上げられたのだと嘘の宣告をしてショック療法を試みた。ところが薬が利きすぎたラミロはひどい落ち込みよう、あげくの果てに自殺しようとする。それを止めたのが同じアパートに住む青年、パブロ(ルーベン・ローホ)。彼の口からラミロは自分が眠っていたのが一晩に過ぎないことを知り、家族の芝居に気づく。そこでラミロはそれを逆手にとって自分勝手な家族の性格を矯正すべく、嘘から出たまこと、破産が現実になったと嘘をつく。最初は落胆していた家族もしだいに見違えるように勤勉になり、ラミロの娘のビルヒニア(ロサリオ・グラナドス)とパブロの間に恋も芽ばえて、ラミロは葬儀屋で働くと称しては昼間は自分の会社の経営に余念のない毎日、財産ももとの二倍に増えた。そんな中、ビルヒニアのかつての婚約者アルフレドが訪ねてくる。境遇の変化にも変わらぬ愛を告白するフルフレドにビルヒニアの心は揺れ動く……。そんな中ついにラミロの芝居がばれ、家族は無事もとの生活に戻るが、一人収まらないのはビルヒニアを愛していたパブロ、金持ちにもてあそばれただけだったとすっかりカンカン。しかしそれをよそにビルヒリアとアルフレドの結婚式の準備は進められてゆく。が、式の当日の土壇場になってラミロはアルフレドの行動が、ラミロの芝居を見抜いた上でのものであり、彼の本心が財産目当てであることを知って神父に結婚の異議を申し立て、ビルヒニアは花嫁衣裳のまま、やはり彼女のことが忘れられず戻ってきたパブロの腕の中に飛び込んでゆく。

妻の死後、酒浸りになった億万長者ドン・カミロに、親類たちは策謀で破産を宣告。貧民窟で絶望した彼は自殺を図るが失敗し、策謀を知る。彼は、破産は事実であると逆に親類に嘘をついて復讐するというコメディ。ルイス・ブニュエルがアドルフォ・トラードの戯曲を基に、その多彩な才能の一端を見せるメキシコ時代の監督第二作。
(1949メキシコ)監督・ルイス・ブニュエル、脚本・ルイス・アルコリサ、ラケル・ローハス、原作戯曲・アドルフォ・トラード、製作・オスカル・ダンシヘルス、フェルナンド・ソレル、撮影・エセキエル・カラスコ、音楽・マヌエル・エスペロン、編集・カルロス・サヴァーヘ、美術・ルイス・モヤ、ダリオ・カバニャス、
モノクロ、上映時間90分
出演・フェルナンド・ソレール(ドン・ラミロ)、ロサリオ・グラナドス(Virginia)、ルーベン・ロホ(Pablo)、Maruja Griffell(Milagros)、アンドレス・ソレル(Ladislao)、ルイス・アルコリサ(Alfredo)、


★忘れられた人々【1950メキシコ】
メキシコの大都会の裏には、悲惨な生活を送る貧しい人々の集落があった。そこの子供たちは悪に染まって行くばかりで、手のつけられぬ存在であった。その頃、かれらの首領格ハイボ(R・コボ)は感化院を脱走して、再び不良仲間の前に姿をあらわした。ハイボは自分が感化院へ送られたのはジュリアンの密告だと知って、ひそかに復讐を誓った。ハイボらは、市場へ出かけ、そこにいる盲目の音楽師を襲おうとした。彼は自分の体に笛、太鼓、ギターをくくりつけ弾きながら歌って金を乞う哀れな老人であった。ハイボらは彼の銭入れを狙って失敗し、その夕方、彼を待伏せて惨々な目にあわせた。不良仲間の一人ペドロにはまだ女盛りの母とたくさんの弟妹たちがいた。夜おそく帰って来たペドロは母に叱りつけられ食事を与えられないで追い出された。彼は迷子のオイトスに出会い、オイトスを連れて仲間のカカリツオの納屋へ泊りに行った。そこへ宿なしのハイボも泊りに来た。カカリツオの妹メチェは美しい少女で、いつも彼女に関心を見せるハイボを嫌い、ペドロやオイトスに優しくした。翌日、ハイボはペドロにジュリアンを呼び出させ、密告の仕返しにジュリアンを殴殺した。オイトスは盲目の音楽師と知り合い、彼に養って貰うことになった。やがてジュリアンの死体が発見され、警察の動きか目立って来た。ハイボは唯一の目撃者であるペドロを脅迫し、口を封じた。その晩ペドロは夢を見た。ジュリアン殺人事件におびえ、母の優しい愛情を求める夢だった。ペドロは母をよろこばそうと決心し、鍛冶屋に徒弟奉公したが、ハイボが来てナイフを盗んたので、ペドロも逃げなければならなくなった。ハイボはペドロを見張るため彼の家へ行った。ペドロは居ず、脚を洗う母に欲清を感じてハイボは彼女と関係した。ペドロは遂に感化院へおくられた。そこの校長はペドロの性質が善良なことを見ぬいて金を与え使いに出した。しかし、ハイボが待伏せしていて金を奪ったので、ペドロはハイボのジュリアン殺しを人々に告げた。ペドロはハイボに殺され、ハイボも警官に射殺された。

「アンダルシアの犬」など前衛映画作家として知られたルイス・ブニュエルが1950年に監督したメキシコ映画、肉体の中を彷徨う無垢な精神が瞬間に垣間見た意味。悪に染まった少年たちの生態を描いたもの。これを見ればブニュエルが分かる。決して忘れてはいけない幻想とリアリズムの融合。
(1950メキシコ)監督・ルイス・ブニュエル、脚本・ルイス・ブニュエル、ルイス・アルコリサ、製作・オスカル・ダンシヘルス、撮影・ガブリエル・フィゲロア
出演・エステラ・インダ(Marta)、アルフォンソ・メヒア(Pedro)、ロベルト・コボ(Jaibo)、ミゲル・インクラン(Blind)、Alma Della Fuentes(Meche)、


★スサーナ【1950メキシコ】
嵐の中、刑務所の柵を破って脱走したスサーナ(ロシータ・クィンタナ)は、信仰深い大農場を経営する一家に助けられる。居候として住みついたスサーナは、家長グアダルーペ(フェルナンド・ソレール)やその息子アルベルト(ルイス・ロペス・ソモサ)らを自分の魅力を振りまいて、次々に誘惑していく。使用人のヘスス(ヴィクトル・マヌエル・メンドーサ)は、ある日通りすがりの警官から脱走した女囚の話を聞き、それがスサーナであると直感して、それを口実に彼女に近づこうとする。色仕掛けの罠にはまった家長を唆かして妻カルメン(マチルデ・パロウ)を離縁させ、その後釜に坐ろうと画策しているスサーナは、相手にしない。じっと耐えていた妻はついに、夫との仲を嫉妬し、激情に駆られてスサーナを痛めつけ始める。そこへ、ヘススが警官を連れてやって来る。スサーナは逮捕され、家族達は目が醒める。翌朝、一家はスサーナが去り、秩序が戻ったことを神に感謝するのだった。

悪魔的な女性と、彼女に翻弄される家族を描く。祈りが通じて感化院を脱走したスサーナは、ある敬虔な農家に逃げ込む。家長から息子たちまでスサーナの虜となる。妻と離婚してまで家長はスサーナを求める。
(1950メキシコ)監督・ルイス・ブニュエル、脚本・ルイス・ブニュエル、ハイメ・サルバドール、ロドルフォ・ウシグリ、原案・マニュエル・レアーチ、製作・セルヒオ・コーガン、撮影・ホセ・オルティス・ラモス、美術・グンテル・ヘルソ、音楽・ラウル・ラビスタ、録音・ニコラス・ド・ラ・ロゼ、編集・ホルヘ・ブストス
出演・ロシータ・クィンタナ(Susana)、フェルナンド・ソレール(Don Guadalupe)、ビクトル・マヌエル・メンドーサ(Jesus)、ルイス・ロペス・ソモサ(Alberto)、マチルデ・パロウ(Dona Carmen)、Maria Gentil Arcos(Felisa)、


★ペテン師の娘【1951メキシコ】
老いた酒場のおやじドン・キンティンは妻に死なれて孤独の身になった。彼は20年前に捨てた娘を探している。ある日ふとしたことで、若い男と大喧嘩をするが、男が連れていた妻こそ娘だった。

ルイス・ブニュエルが35年にスペインで映画化したカルロス・アルコリサの戯曲『苛烈な男ドン・キンティン』を、ブニュエル自身がメシコで再映画化した作品。頑固な父親が生き別れになった娘と再会するまでのトラブルをコミカルに描く。
(1951メキシコ)監督:ルイス・ブニュエル、製作・オスカル・ダンシヘルス、脚本・ラケル・ロハス・デ・アルコリサ、ルイス・アルコリサ、原作・カルロス・アルニーセス、撮影・ホセ・オルティス・ラモス、美術・エドワード・フィッツジェラルド、編集・カルロス・サバーヘ、音楽・マヌエル・エスペロン、
主演:フェルナンド・ソレル(ドン・キンティン)、アリシア・カーロ(その娘マルタ)、ルーベン・ローホ(その夫パコ)、フェルナンド・ソト、


★愛なき女【1951メキシコ】
古美術商を営む資産家夫婦の仲は冷めきっていた。というのも妻ロサリオ(ロサリオ・グラナドス)には、25年前に長男カルロスが子供のころ家出をし、山でさまよってるところを助けたフリオ(ティト・フンコ)と恋に落ち、失敗した経験があったからである。月日が経ち、成人した次男のカルリートス(ハイメ・カルペ)に突如莫大な遺産が転がり込む。贈り主は、一度は成就しかけたロサリオとの愛を諦めて国を離れたフリオだった。その金でカルリートスは豪華な結婚式を挙げるが、式の最中に父のドン・カルロス(フリオ・ビリャレアル)は急死する。医師であるカルロス(ホアンキン・コルデロ)は、研究のための資金が欲しかったばかりでなく、弟の新妻は彼が想いを寄せていた女性であったことから弟を敵視し始める。彼は母が隠していた写真から彼女の不義を知り、弟の出産に疑惑を抱くようになる。やけになったカルロスは熱帯行きを決意するが、弟と口論するうちにあやうく殺し合いの喧嘩になりかける。その時、母は決然と自らの過去を明らかにし、息子たちとも別れて、独り愛人の想い出とともに生きることを宣言するのだった。
憎しみ合う兄弟の悩みと和解を描く家族劇。骨董屋の妻が技師と恋に落ちるが夫とは別れず、不毛の結婚生活と不倫関係を25年にわたって続ける。
(1951メキシコ)監督・ルイス・ブニュエル、製作・セルヒオ・コーガン、原作・ギイ・ド・モーパッサン『ピエールとジャン』、脚本・ハイメ・サルバドール、撮影・ラウル・マルティネス・ソラレス、音楽・ラウル・ラヴィスタ、美術・グンテル・ヘルソ、編集・ホルヘ・ブストス、
出演・ロサリオ・グラナドス(ロサリオ)、フリオ・ビリャレアル(ドン・カルロス)、ティト・フンコ(フリオ)、ホアキン・コルデロ(カルロス)、ハイメ・カルペ(カルリートス)、


★昇天峠【1951メキシコ】
メキシコ、ゲレーロ州海岸地方のある村。三男坊オリヴェリオ(エステバン・マルケス)の結婚式の当日、突然病床の母親(レオノーラ・ゴメス)の容体が悪くなる。欲深い兄達は、息のあるうちに自分たちに都合のよい遺言状を作ろうと必死で、財産の中でも価値の高いメキシコシティの家を狙っている。しかし母親は孫である死んだ娘の子供にその家を譲りたいと思い、一番信頼できるオリヴェリオに法的効力のある遺言状を作って欲しいと頼む。オリヴェリオは代埋人のいる隣町まで、おんぼろバスに乗って出発する。バスに乗ると、いろいろな珍事が続出、霧が発生するし妊婦は産気づき、峠の一本道なのに滅多に来ない対向車が来る。川にさしかかるとぬかるみにはまり込み、オリヴェリオは男好きな娘ラクェル(リリア・プラド)に誘惑される。バスはようやくスピードを出し始めたが、突然運転手のシルヴェストロ(ルイス・アセヴェス・カスタニェダ)が実家のある村に立ち寄ると言い出す。この日は彼の母親の誕生日で、乗客全負が宴席に招待される。果てしなく続く宴会にうんざりしたオリヴェリオは、バスを失敬してラクェルとともに町へむかい、途中昇天峠でついにラクェルと結ばれてしまう。公証人の知恵で証文を作ってもらったオリヴェリオは、故郷の村に戻ると既に息をひきとっていた母の拇印を証文に押す。かくしてメキシコシティの家は孫に渡ることになった。

危篤の母親の依頼で公証人を呼びに行く息子の奇妙なバス旅行を描く。結婚式直後、母の危篤を知ったオリベリオは、自分に有利な遺言状に捺印してもらうために新妻を残してバスで郷里に向かう。バスは途中、昇天峠を越えるが、その間バスでは様々な予期せぬ出来事が展開する。妊婦の早産、娼婦の誘惑、運転手の開く宴会、ぬかるみや牛の妨害などなど、母の枕元にたどり着いた時には母は死んでいた。しかし、なぜか彼は母の捺印を得られた。
(1951メキシコ)監督・ルイス・ブニュエル、製作・原案・マヌエル・アルトラギーレ、マリア・ルイサ・ゴメス・メナ、脚本・アルトラギーレ、ブニュエル、ファン・デ・ラ・ガバダ、リリア・ソラノ・ガリアナ、撮影・アレックス・フィリップス、音楽・グスタボ・ピッタルーガ、美術・特殊効果・エドワード・フィッツジェラルド、ホセ・ロドリゲス・グラナダ、編集・ラファエル・ポルティーリョ、録音・Eduardo Arjona、Jesus Gonzalez Gancy、
出演・リリア・プラド(ラケル)、エステバン・マルケス(オリベリオ)、カルメリタ・ゴンサレス(その新妻アルビーナ)、レオノーラゴメス(母)、ルイス・アセヴェス・カスタニェダ(Silvestre)、 マニュエル・ドンデ(Eladio Gonzalez)


★乱暴者【1952メキシコ】
肉屋で働くペドロ(ペドロ・アルメンダリス)は、大柄な体躯と腕っぷしの強さを誇って、地主カブレラ(アンドレス・ソレール)の用心棒をしていた。ある日、団結して抵抗する小作人たちを訝しく思っていたカブレラは、ペドロに命じてその代表の男を殺させる。自らも傷を負ってペドロは復讐しようとする小作人たちの網をかいくぐり、殺した代表の娘メチェ(ロシータ・アレナス)を人質にとって逃走した。ペドロが父の仇とは知らぬメチェは地主に搾取されてきた小作人の苦しい事情を話すと、ペドロは何も考えずに強い者の味方をしてきたことを後悔し、心を改める。しかしペドロに目をかけてきたカブレラの妻パロマ(カティ・フラード)は、メチェに対する嫉妬から父親を殺したのがペドロであることを話してしまう。真相を知ったメチェに追い出されたペドロは町に舞い戻る。ペドロに妻を寝とられたカブレラがペドロを殺そうと待ち構えるが、逆に息の根を止められる。パロマのタレこみで警察はペドロを指名手配する。メチェは彼のことを許すのだが、逆に見つかり警察に射殺されるのだった。

力持ちで優しい用心棒に起こる悲劇的な結末に終るメロドラマ。地主カブーラの用心棒ペドロは、命令されて小作人の代表を殺し、復讐を恐れてその娘メチェを人質にして逃走する。父の仇とは知らないメチェは、小作人の実情を話し、ペデロは改心するが、恋仲だった地主の妻パロマが嫉妬からメチェに事実を話し、メチェはペドロを追い出す。妻を寝取られたガブレーラは、ペデロを殺そうとするが、殺人犯ペデロは警察に射殺される。
(1952メキシコ)監督ルイス・ブニュエル、製作セルヒオ・コーガン、脚本ブニュエル、ルイス・アルコリサ、撮影アグスティン・ヒメネス、美術グンテル・ヘルソ、ロベルト・シルヴァ、編集ホルヘ・ブストス、音楽ラウル・ラヴィスタ
出演・ペドロ・アルメンダリス(ペドロ)、カティ・フラード(パロマ)、ロシータ・アレナス(Meche)、アンドレ・ソーラー(Andres Cabrera)、ロベルト・マイヤー(Carmelo Gonzalez)、ベアトリス・ラモス(Dona Marta)、


★ロビンソン漂流記【1952メキシコ】
生き残りを賭けた極限のサバイバル
(1954メキシコ)監督:ルイス・ブニュエル
主演:ダニエル・オハーリヒー


★エル【1953メキシコ】


一人の男が強迫観念に捕われ、異常になっていく様を描く。
(1952メキシコ)監督・ルイス・ブニュエル、製作・オスカル・ダンシヘルス、原作・メルセデス・ピント、脚色・ブニュエル、ルイス・アルコリサ、撮影・ガブリエル・フィゲロア、美術・エドワード・フィッツジェラルド、パブロ・ガルヴァン、編集・カルロス・サヴァヘ、音楽・ルイス・ヘルナンデス・ブレトン、
主演:アルトゥーロ・デ・コルドヴァ


★嵐が丘【1953メキシコ】
エミリー・ブロンテの原作を基に男女の狂おしいまでの愛と情熱を描く。製作はオスカル・ダンシヘルスとアベラルド・L・ロドリゲス、監督は「愛なき女」のルイス・ブニュエル。ブロンテの原作をフランス時代にブニュエルとピエール・ユニクが脚本化、それをブニュエル、フリオ・アレハンドロ、アルドゥイノ・マイウリが脚色。撮影はアグスティン・ヒメネス、美術はエドワード・フィッツジェラルド、音楽はラウル・ラヴィスタでリヒャルト・ワグナーの「トリスタンとイゾルデ」を使用。出演はイラセマ・ディリアンほか。
(1953メキシコ)監督:ルイス・ブニュエル
主演:イラセマ・ディリアン

★幻影は電車に乗って旅をする【1953メキシコ】
失業者二人によって勝手に乗りまわされる廃車寸前の市電の車窓に映る風景を通して、日常に密む夢幻を描き出したドラマ。製作はアルマンド・オリベ・アルバ、監督はルイス・ブニュエル、脚本はマウリシオ・デ・ラ・セルナの原作を基にブニュエルとルイス・アルコリサ、ホセ・レベルタスの共同、撮影はラウル・マルティネス・ソラレス、音楽をルイス・ヘルナンデス・ブレトンがそれぞれ担当。出演はリリア・プラド、カルロス・ナヴァロほか。
幻影は市電に乗って旅をする、市電の夢、真夜中の、路面電車…
(1953メキシコ)監督:ルイス・ブニュエル
主演:リリア・プラド

★河と死【1954メキシコ】
長年、対立しあう2つの家庭の争いをコミカルに描くドラマ。監督は「欲望のあいまいな対象」のルイス・ブニュエル、製作はアルマンド・オシーヴェ・アルバ、ミゲル・アルバレス・アコスタの『黒い岩の上の白い壁』の小説を基にブニュエルとルイス・アルコリサが脚本を執筆、撮影はラウル・マルティネス・ソラレス、音楽はラウル・ラヴィスタが担当。
(1954メキシコ)監督:ルイス・ブニュエル
主演:コルンバ・ドミンゲス

★犯罪の試み(アルチバルド・デラクルスの犯罪的人生)【1955メキシコ】
ブニュエルのメキシコ時代の作品で、アルモドバル監督の「ライブ・フレッシュ」に引用されるなど、最も愛すべき傑作として語られてきた。日本では40年の時を超えてついに公開された。少年アルチバルドは美しい家庭教師からオルゴールを鳴らせば思い通りに人を殺せると教えられる。その彼女は言葉通りにオルゴールの音の中で死んでしまった。大人になったアルチバルドは、革命騒ぎで失われていたオルゴールと再会。その日から、彼の周りで美女たちが次々に死んでいく。
(1955メキシコ)監督:ルイス・ブニュエル
主演:エルネスト・アロンソ

★それを暁と呼ぶ(1955仏伊)
(1956イタリア/フランス)監督:ルイス・ブニュエル
主演:ジョルジュ・マルシャル

★この庭での死【1956仏メキシコ】
シュールレアリズムの巨匠、ルイス・ブニュエルの幻の怪作。金の採掘者たちが集まるキャンプ近くの村にやって来た山師が拘束された。採掘者たちの騒ぎに乗じて逃げ出した彼は、仲間とともにサバイバルを展開する。朽ちていく文明の中で…
(1956フランス,メキシコ)監督:ルイス・ブニュエル
主演:シモーヌ・シニョレ

★ナサリン【1958メキシコ】
ベニート・ペレス・ガルドスの原作を基に、メキシコのスラム街の中で信念を貫く一人の神父の姿を描いたルイス・ブニュエル監督の59年度カンヌ映画祭特別審査員賞受賞作。脚本はブニュエルとフリオ・アレハンドロの共同、撮影はガブリエル・フィゲロアが担当。出演はフランシスコ・ラバル、マルガ・ロペスほか。最後のセリフ、神と人の間、虚しさを噛み締める映画
(1958メキシコ)監督:ルイス・ブニュエル
主演:フランシスコ・ラバル

★熱狂はエルパオに達す【1959仏メキシコ】
36歳の若さでこの世を去ったフランスの貴公子、ジェラール・フィリップの最後の主演作。自由主義に奔走した男の皮肉な運命を描く、ルイス・ブニュル渾身の力作! ブニュエル、ジェラール・フィリップの遺作
(1959メキシコ/フランス)監督:ルイス・ブニュエル
主演:ジェラール・フィリップ

★若い娘【1960米メキシコ】
シュールレアリスト、ルイス・ブニュエル監督の珍しい英語劇。レイプ犯の濡れ衣を着せられ、逃亡した黒人ミュージシャンのトレヴァー。そこで3人の男女と出会い、彼らの奇妙な共同生活が始まるのだが……。ハイヒールでスキップ
(1960アメリカ/メキシコ)監督:ルイス・ブニュエル
主演:ザカリー・スコット


★ビリディアナ (1961スペイン) ルイス・ブニュエル監督
カンヌ国際映画祭(1961年・パルム・ドール)
(1960スペイン)監督:ルイス・ブニュエル
主演:シルヴィア・ピナル

★皆殺しの天使【1962メキシコ】
「アンダルシアの犬」の異才ルイス・ブニュエルが1962年にメキシコで手がけた作品で、ある邸宅に閉じ込められたブルジョワたちがたどる意外な運命を、ブラックなブルジョワ批判を交えつつ描いた不条理劇。オペラ観劇後に晩餐会に招かれ、ノビレ夫妻の邸宅を訪れた20人のブルジョワたち。晩餐を終えた彼らは客間にすっかり腰を落ち着かせ、夜が明けても全員が帰る方法を忘れたかのように客間を出ることができなくなってしまう。そのまま数日が過ぎ、水や食料も底を突いて命を落とす者まで出現。ブルジョワたちの道徳や倫理が崩壊していく中、事態は異様な展開へ転がりはじめる。第15回カンヌ国際映画祭では賛否両論を巻き起こした。
ルイス・ブニュエルが簡単に観れる時代・・・。かくも長き滞在
(1962メキシコ)監督:ルイス・ブニュエル
主演:シルヴィア・ピナル

★小間使の日記(1964仏伊)
ブニュエル映画として初めて上映禁止にもスキャンダルにもならず世界的にヒットした、製作のシルベルマン、脚本のカリエールとの記念すべき第1作。小間使セレスティーヌがパリからノルマンディーの田舎へやってきた。典型的なブルジョワ生活を送る家人の口うるさい日々に、セレスティーヌは嫌悪感を抱き始める。そんな時、残忍な殺人事件が起こる。犯人をつきとめようとするセレスティーヌの好奇心の行方は……。
ブニュエルらしさ、変な人たち、メイド探偵の失敗、なのか、不穏な雰囲気が漂う
(1963フランス/イタリア)監督:ルイス・ブニュエル
主演:ジャンヌ・モロー

★砂漠のシモン【1965メキシコ】
(1965メキシコ)監督:ルイス・ブニュエル
主演:クラウディオ・ブルック

★昼顔(1967仏)
ヴェネチア国際映画祭(1967年・金獅子賞)
南米アルゼンチン生れのフランス作家ジョゼフ・ケッセルの同名小説の映画化で、「小間使の日記」のルイス・ブニュエルとジャン・クロード・カリエールが共同で脚色、ルイス・ブニュエルが監督した文芸もの。撮影はサッシャ・ヴィエルニー。音楽は使わず自然音だけで効果を狙っている。出演者には、「ロシュフォールの恋人たち」のカトリーヌ・ドヌーヴ、「輪舞」のジャン・ソレル、「恋愛論」のミシェル・ピッコリ、「タヒチの男」のジュヌヴィエーヴ・パージュ、「恋人のいる時間」のマーシャ・メリル、「凶悪犯」のピエール・クレマンティなど。サンローランに包まれた美しいドヌーヴ、何処までも遠のいていく無人の馬車、YSLイヴ・サンローランを着た悪魔! カトリーヌ・ドヌーヴが美しい!
(1967製作国:フランス)監督:ルイス・ブニュエル
主演:カトリーヌ・ドヌーヴ

★銀河(1969仏伊)
無神論者のレッテルを貼られそれを忌み嫌ったブニュエルによる<福音書>。現代からキリストの時代へ、あるいは中世へ、18世紀へ、4世紀へ--SF映画のように自由闊達に飛びながら、パリ郊外からスペインの聖地サンチャゴに至る<銀河>をゆくふたりの怪しげな巡礼ピエールとジャンの冒険譚を描く。シュールで奇妙なロードムービー、ブニュエル風巡礼、せめてこの半分でも出鱈目であれば・・、異国の味
(1968フランス/イタリア)監督:ルイス・ブニュエル
主演:ポール・フランクール

★哀しみのトリスターナ(1970スペイン仏伊) ルイス・ブニュエル監督
母親と死に別れ、没落貴族にひき取られた16歳の少女。やがて彼女は若き画家と駆け落ちするが、その幸せも長くは続かなかった。過酷な運命に翻弄される女性をカトリーヌ・ドヌーヴが熱演する衝撃作。カトリーヌ・ドヌーヴが無垢な女から変身! 昼顔より格段にいいと思う(^-^)b 無垢な心は脆く、崩れやすい、戦慄の中にある美しさ
(1970イタリア,フランス,スペイン)監督:ルイス・ブニュエル
主演:カトリーヌ・ドヌーヴ

★ブルジョワジーの秘かな愉しみ(1972仏) ルイス・ブニュエル監督
アカデミー賞(1973年)
 ブルジョワ階級の、一般階級とは異なる価値観で生きる奇妙な日常をシニカルに描いたドラマ。某国の駐仏大使とその友人一行が、セネシャルの屋敷を訪れる。
分析しないで、不思議な展開を楽しみましょ、くすくす笑える、映画好きのための映画! 欲求不満のブルジョワジーが可笑しい
(1972フランス)監督:ルイス・ブニュエル
主演:ジャン=ピエール・カッセル

★自由の幻想(1974仏)
1808年、スペインのドレドでナポレオン軍に抵抗するスペイン人たちが叫ぶ、「自由くたばれ!」-飛んで現代のパリ。少女が持ち帰った観光絵葉書に興奮する両親、翌朝父親が訪れた医者の看護婦は危篤の父の元へ、不思議なホテルを出た彼女の車に乗り合わせた教授の向う先は……数珠繋ぎの不可解な出来事の果てに動物園の動物たちの向うから叫びが! ブニュエルが完全に自由な映画を作ると宣言した<不可思議3部作>の最終作にして、シュルレアリスム映画の集大成。
不自由なくして自由は有り得ない、シュールなどではない!
(1974フランス)監督:ルイス・ブニュエル
主演:ジャン=クロード・ブリアリ

★欲望のあいまいな対象 (1977仏スペイン) ルイス・ブニュエル監督
ロサンゼルス映画批評家協会賞(1977年)
正体不明のテロ事件が頻発するセビリアの町から、パリ行きの列車に乗り込んだのは、初老のブルジョワ紳士マチュー。追いすがる女にバケツの水を掛けた彼は、驚く乗客たちに奇妙な愛の体験談を語り始める……。姿を現すたびに表情を変える若く美しい小間使コンチータを2人1役という史上初の試みで描いた巨匠ブニュエルの遺作。長期に亘って性欲が理性を凌駕し続けた話。小娘に振り回される初老の男 恋愛哲学
(1977フランス/スペイン)監督:ルイス・ブニュエル
主演:フェルナンド・レイ



by sentence2307 | 2019-02-23 22:04 | アカデミー賞 | Comments(0)