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世界のあらゆる映画を偏執的に見まくる韜晦風断腸亭日乗


by sentence2307
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各組合賞発表

【全米製作者組合賞ノミネーション】

★作品賞
『ブロークバック・マウンテン』
『カポーティ』
『クラッシュ』
『グッドナイト&グッドラック』
『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』

★アニメーション映画賞
『チキン・リトル』
『マダガスカル』
『ロボッツ』
『ティム・バートンのコープスブライド』
『ウォレスとグルミット/野菜畑で大ピンチ!』

*組合賞は、同じ仕事で飯を食っている仲間が、同じ仕事仲間をシビアに選ぶ賞だけに、信憑性大といわれている注目の最重要賞です。
アカデミー会員を多く含む製作者組合賞のメンバーが選ぶというベスト5ですから、オスカーとの直結度が高いとみられているのは、イメージ的には当然かもしれませんね。
昨年も4作品がオスカーに選出されており、2000年以降でみれば平均して3作品がリンクされていることになりますが、この確率を意外に低いと見る見方もなくはないのです。
つまり、作品賞に関して言えば、アカデミーの全会員が投票する部門ですので、製作者たち組合だけの思惑を大きく超えた部分で意外性が生じやすいということです。
さて、今年選ばれた5作品、話題になっているのは、インディ系のハンディを覆して選出された「カポーティ」、「クラッシュ」。
いずれも本選では、メジャー系の大作が猛追をかけることが必至なだけに、果たしてどれだけ健闘できるかが注目されていますが、しかし、なんといっても、「ブロークバック・マウンテン」が固い大本命で、それに続いて「グッドナイト&グッドラック」と「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」が後を追う構図が既に出来ているという情勢なので、あえて予想が立てにくい感じになっているのは事実です。
もうひとつの話題は、ゴールデン・グローブ賞に続き、ここでも軒並み落選となったユニバーサル組(「ミュンヘン」「キング・コング」「シンデレラマン」)がどこまで巻き返せるのか、とはいっても、マスコミの常套句である「オスカー戦線はますます混迷を極めてきた様相」みたいなコメントも出しにくい状況であるという方が正直なところかもしれませんね。

【全米監督組合賞ノミネーション】

★監督賞
ジョージ・クルーニー『グッドナイト&グッドラック』
ポール・ハギス『クラッシュ』
アン・リー『ブロークバック・マウンテン』
ベネット・ミラー『カポーティ』
スティーヴン・スピルバーグ『ミュンヘン』

*前の項「作品賞」のところでもふれたように、とにかく同業者が選出する組合賞ですから、その選択眼には、これ以上の信憑性はほかにないといわれているくらいの「組合賞」です。
受賞者が圧倒的な確率でオスカーを手にするのは、当然といえば当然の賞なのですが、逆に、ここでノミネートされなければ、オスカー受賞はないと言われてしまう賞でもあります。
そんなわけで、今年、オスカー受賞の資格を得た5人のうち、ここまで順調に実績を積み重ねてきて、もっとも確実視されているのが、アン・リーとジョージ・クルーニーの2人とみられていますが、強烈なネームバリューのスピルバーグも着実にノミネートを受けました。
あとは新人監督のハギスとミラーで、どちらもこれが初監督です。
ただアカデミー賞監督賞部門は新人には特に厳しい部門と言われていますので、そのジンクスをこの2人のどちらかが打ち破ってアカデミー賞のノミネートを受けることができるのか、注目していこうと思っています。


【全米映画俳優組合賞ノミネーション】
★主演男優賞
ラッセル・クロウ『シンデレラマン』
フィリップ・シーモア・ホフマン『カポーティ』
ヒース・レジャー『ブロークバック・マウンテン』
ホアキン・フェニックス『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』
デヴィッド・ストラザーン『グッドナイト&グッドラック』

★主演女優賞
ジュディ・デンチ『Mrs. Henderson Presents』
フェリシティ・ハフマン『Transamerica』
シャーリーズ・セロン『スタンドアップ』
リース・ウィザースプーン『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』
チャン・ツィイー『SAYURI』

★助演男優賞
ドン・チードル『クラッシュ』
ジョージ・クルーニー『シリアナ』
マット・ディロン『クラッシュ』
ポール・ジアマッティ『シンデレラマン』
ジェイク・ギレンホール『ブロークバック・マウンテン』

★助演女優賞
エイミー・アダムス『Junebug』
キャサリン・キーナー『カポーティ』
フランシス・マクドーマンド『スタンドアップ』
レイチェル・ワイズ『The Constant Gardener』
ミシェル・ウィリアムズ『ブロークバック・マウンテン』

★アンサンブル演技賞
『ブロークバック・マウンテン』
『カポーティ』
『クラッシュ』
『グッドナイト&グッドラック』
『Hustle & Flow』

*さて注目の俳優組合賞のノミネートです。
主演男優賞候補と確実視されていた順当な4人のノミネートよりも、まず話題になっているのは、ラッセル・クロウのノミネート、「サプライズ」なんてコメントを出した業界紙もあったとかで、かのラッセル・クロウに随分と失礼な話だと思います。
いかに人気を落としているとはいえ、まだまだ俳優仲間からの支持の厚いことがこれで証明されたといえますね。
とにかく、この傑出した俳優、賞レースといえば欠かせない実績もある押しも押されもしない存在だと信じています。
主演女優賞部門でのサプライズ候補は、チャン・ツィイー。
作品自体の評価はいまひとつ振るわず賞レースから一歩後退の感があったのですが、だからなおさらこの結果には意外だったみたいです。
さらに、オスカー候補確実と見られていたキーラ・ナイトレイの落選が、もうひとつのサプライズ。
この辺をアカデミーがどう判断するのか興味津々ですよね。
助演男優部門では、前哨戦で善戦してきて実績を積み上げてきたディロン、ジアマッティ、ギレンホールが、これでアカデミー賞への「チケット」を確実に手中にしたといわれています。
ただ、『クラッシュ』の演技によって選出されたマット・ディロンですが、どうも『クラッシュ』で注目が集まったのは、むしろドン・チードルだったようで、テレンス・ハワードの影が薄くなってしまいました。要注目です。
さて、助演女優部門に前哨戦で幾度も名前があがって有力視されていたマリア・ベロ(ヒストリー・オブ・バイオレンス)がありません。驚きです。
そういえば、スカーレット・ヨハンソン(Match Point)の名前も見当たりません。どうしたのでしょうか。
マリア・ベロは、いくつかの賞で主演女優賞候補としても名前があがっていましたので、もしかしたら票割れ現象を起こしたのかもしれませんね。
名優の凄さを逆に証明したようなものですよね。

全米脚本家組合賞ノミネーション
★脚本賞
アキヴァ・ゴールズマン、クリフ・ホリングスワース『シンデレラマン』
ポール・ハギス、ボビー・モレスコ『クラッシュ』
スティーブ・カレル、ジャヴァ・アパトゥ『The 40-Year-Old Virgin』
ジョージ・クルーニー、グラント・ヘスロフ『グッドナイト&グッドラック』
ノア・ボーンバッハ『The Squid and the Whale』

★脚色賞
ラリー・マクマートリー、ダイアナ・オサナ『ブロークバック・マウンテン』
ダン・フッターマン『カポーティ』
ジェフリー・ケイン『The Constant Gardener』
ジョシュ・オルソン『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
スティーブン・ギャガン『シリアナ』

■ ドキュメンタリー脚本賞
Cowboy del Amor
Enron: The Smartest Guys in the Room
The Fall of Fujimori
皇帝ペンギン
Street Fight

*アカデミー賞脚本・脚色賞を占ううえで組合賞はもっとも重要な賞といわれています。
脚本賞部門では、前哨戦を好調に戦ってきた「クラッシュ」、「グッドナイト&グッドラック」、「The Squid and the Whale」がオスカー候補として確実視されているところ。脚色賞部門では「ブロークバック・マウンテン」と「カポーティ」が確実視されています。
脚本賞部門においてサプライズは、2億ドル突破のメガヒット作「Wedding Crashers」を下しての「The 40-Year-Old Virgin」のノミネート。
この部門では昨年も「ミーン・ガールズ」が選出されているなどコメディー作品にも寛容なのは理解できるのですが、なにせコメディー作品には特別厳しい態度のアカデミーですし、そのうえ脚本賞ともなれば、相当厳しい戦いが予想されますよね。



*今年の米アカデミー賞の司会に、政治風刺主体のニュース番組「ザ・デイリー・ショー」のホスト役で人気のジョン・スチュワート(43)が選ばれた。
 2001年と02年のグラミー賞授賞式ではMC経験のあるスチュワートだが、アカデミー賞授賞式で司会を務めるのは今回が初めて。
 スチュワートが選ばれた背景には、若年視聴者数のアップを図りたいという主催元の映画芸術科学アカデミーの意向があり、昨年司会を務めたクリス・ロックに続いて起用されたコメディアンとなった。
 ケーブルテレビで夜に放送されている「ザ・デイリー・ショー」視聴者の65%は18―49歳であり、スポンサーの一番のターゲットとなる層を構成している。
 また同番組の平均視聴者数は140万人で、大手他局のゴールデンタイムの番組と比べると振るわないものの、同番組は政治やポップカルチャーに多大な影響を与える存在となっている。
by sentence2307 | 2006-01-08 00:13 | 映画 | Comments(0)