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世界のあらゆる映画を偏執的に見まくる韜晦風断腸亭日乗


by sentence2307
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ラクダの馬さん

日本の喜劇王・榎本健一の生誕百年にあたっていた2004年、TVで「エノケンの幻の映画発見」として「ラクダの馬さん」が、50年振りに浅草で上映されたというニュースを流していたことを思い出しました。

実は、落語ネタを結構気にしているほうなので、落語そのままの乗りを生かした映画化のハチャメチャなヤツが、結構好きなのですが、しかし、意外にも、「落語もの」が、全部が全部ハチャメチャにスカッと仕上がっているかといえば、そんな成功作に出会うことは滅多にありません。

三木助、志ん生、円生(しかし8代目文楽だけはこの噺をレパートリーにしていなかったのか、記録をどうしても探し出すことが出来ません)などの天才的な落語家たちの、その卓越した話術によって笑わされてしまうのは、それはただただ話者の優れたテクによるからで、その話術の支えがなくなれば、話そのものは随分とシンプルで、かつ陰惨なだけに、力量のないコメディアンや着想の乏しい演出家にかかると、それはもう陰々滅々たる物凄い映画に出来上がってしまうという場合の方がずっと多いのです。

だからでしょうか、開き直ってその逆を突いたような川島雄三の「幕末太陽傳」の斬新な毒には、衝撃を受けました。

さて、幻の映画「らくだの馬さん」がいかなる映画か、パソコンで検索してみて、同じ題名の作品が2本あることを発見しました。

50年の松竹作品と、57年の東映作品です。

それにしても、1950年度の松竹作品は既に消失してしまっており、今回公開された「幻の映画」は、東映作品とのことですが、1957年に撮られた映画が既に「幻の映画」になってしまうなんて、日本の映画の保管体制って、随分怖いことになっているんだなあなんて変な関心をしてしまいました。

参考のために、この2本の映画の戸籍調べをしてみましたので、以下に記します。

★1950.3.25 製作=松竹(京都撮影所)=エノケンプロ 監督・大曽根辰夫、製作・小倉浩一郎、脚本・藤田潤一、撮影・太田眞一、音楽・栗原重一、美術・桑野春英、録音・森沢伍一、照明・寺田重雄、
出演・榎本健一、中村是好、黒川弥太郎、志織克子、進藤英太郎、折原啓子、森健二、清水金一、山路義人、飯田蝶子、田中謙三、玉島愛造、草島競子、国際劇場 10巻 2,311m 白黒

★1957.2.12 製作=東映(東京撮影所)企画・依田一郎、監督・石原均、監督補佐・梨岡元、脚本・舟橋和郎、撮影・藤井静、音楽・山田栄一、美術・森幹男、録音・小松忠之、照明・銀谷謙蔵、編集・祖田富美夫、進行主任・田島作也、スチール・鈴木敏雄・鈴木敏雄、
出演・榎本健一、於島鈴子、宮川玲子、原国雄、藤田淑子、岡田みどり、杉狂児、小峰千代子、月丘千秋、中村是好、花沢徳衛、益田キートン、日野明子、曽根秀介、山本いさむ、河童六十四、富士山竜、長谷川晴男、清見淳、滝島孝二、沢彰謙、丹羽一郎、潮健児、久保一、青山定司 6巻 1,647m 白黒 
Commented by longchamp sale at 2013-06-25 01:53 x
ラクダの馬さん : 映画収集狂 <a href="http://www.kitkattoronto.com/contest.html" title="longchamp sale">longchamp sale</a>
by sentence2307 | 2007-02-04 09:48 | 榎本健一 | Comments(1)