砂の器(メモ)
2008年 04月 06日
東北弁にこだわる今西(刑事)は、国立国語研究所で、島根県出雲に東北弁と酷似した方言を使う地域があることを教えられる。
そこには「亀嵩(かめだけ)」なる地名があり、現地に照会すると被害者は亀嵩駐在所の元巡査であることが判明した。
ようやく事件の突破口をつかんだ今西は、着実に犯人に近づいていく。・・・
「砂の器」には、方言が京を中心に同心円上に分布しているとする方言周圏論を利用した地域の錯誤、戦災で戸籍が消失した時の特例を利用した人物の入れ替え、さらに(擬似科学的ではあるが)電子楽器を使って超音波を発生させ心臓麻痺を起こさせる殺人機械までが登場させるなど、いくつものトリックを有機的に結びつけることで意外な真相を作り上げていくという緻密な構成は、鮮やかで華麗のひと言につきる。
犯人は、保身のために恩人を殺すが、その背後には、過去の秘密が暴かれると差別されるという恐怖が置かれていた。
つまり松本清張は、犯行動機を通して日本社会にはびこる差別意識を告発したのである。
「砂の器」が題材にした差別は、少しずつではあるが改善されている。
だが、国籍、民族、職業など解決されていない差別はまだ多い。
末国善己「新聞小説の世紀」より(日本経済新聞2008.1.30夕刊)
新聞を整理していたら、思わぬ記事があったのですが、手近なところにメモ用紙がなく、ぶしょうして、ついブログをメモ代わりに使わせてもらいました。アシカラズ
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