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世界のあらゆる映画を偏執的に見まくる韜晦風断腸亭日乗


by sentence2307
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カテゴリ:ロシア映画( 7 )

根が迂闊なものですから、TVプログラムのチェックが甘くて、見たいと思っていた映画をつい見逃してしまうなんてことは、別に珍しいことでもなんでもなく、それそこ毎日のように「やらかして」います。

しかし、昨夜は、その「迂闊さ」のためではなく、録画する直前になって録画機が作動せず、みすみす見たい映画の録画を逃してしまうという目に遭いました。

映画が始まる時間が刻々と迫り、録画機を焦りまくってガチャガチャいじくり回しても一向に反応がないまま、時間だけが空しく過ぎていくのを、為すすべもなく、むざむざ見送るなんて、実に残念な限りです。

しかし、それこそ、そのまま始まった映画をナマで見ればいいようなものですが、「家庭の事情」でどうしてもそれができません。

映画というのは、テレンス・マリック監督の「聖杯たちの騎士」2015。このタイトルを見たとき、一瞬、「騎士たちの聖杯」の誤りではないかと思い、原題を検索しましたが、確かにKnight of Cupsとなっていました、「なんのこっちゃねん」と突っ込みを入れたくなるタイトルです。

今月は、もう再放送がないみたいなので、まあ、来月の放映を楽しみにするしかありませんか。

悔しさまぎれに、解説を繰り返し読みました。

なになに「世界の秀作を特集」? へえ~、今週はそういう週だったのか。知らなかったなあ。今日が火曜日だから、この特集っていうのは、すでに月曜日から始まっていたわけね。

思わず、ページを繰って前日同時間帯の放映作品をチラ見しました。「汚れたミルク あるセールスマンの告発」、へえ~、こちらもなんか面白そうな映画じゃないですか、オレって、面白そうな映画を片っ端から見逃しまくっているというわけね。「残念」を通り越して、ただただ、あきれ返るばかりです。でも、昨日のその時間には、wowowのオンデマンドでエドワード・ヤン監督の「台北ストーリー」を見ていたので、仕方がないといえば仕方ありません。

そうそう、「聖杯たちの騎士」の解説の話でしたよね。

え~と「本作は『天国の日々』のテレンス・マリック監督による自伝的ドラマ。ハリウッドで享楽的な生活に溺れる脚本家の心のさまよいを、詩的な映像で描く」ですって。

「心のさまよい」を「詩的な映像」とくれば、なにしろ「ツリー・オブ・ライフ」のテレンス・マリック監督ですから、それこそ物凄いものをみせてくれるに違いありません。大いに期待できます、そうだ、きっとそう、そう・そう・そう! そう!! そう!!! などとひとりヒステリックに呟きながら、ついでに、その他の放送予定の映画をチェックすることにしました、なにしろこちらは、例の「迂闊」ですから。

ざっと見ていくうちに、12日(木)のシネフィルwowowでいままで聞いたことのないタイトルに遭遇しました、深夜の放映予定の作品です。

「ユーリー・ノルシュテイン 話の話」、まったく知らないというわけではなく、最近どこかで、このタイトル、見かけたような気もします。それが「どこで」だったのか、どうしても思い出せません。

でも、ちょっと待ってください、「ユーリー」とくれば、ロシア名前ですよね、ほら、例の、ちょっと古くなりますが、ソビエトの宇宙飛行士(確か、人類初でした)のガガーリンの名前が「ユーリー」だったと思います。

いやいや、なにもそんなふうに言わなくったって、そもそもノルシュテインの「テイン」が、エイゼンシュテインの「テイン」と同じじゃないですか、これって、完全にロシア名前だと思います、自分的にはね。

しかし、この名前、どこで見かけたのかが、どうしても思い出せません。

最近見たロシア映画と言えば、少し前になりますが、「バタリオン ロシア婦人決死隊vsドイツ軍」という映画を見たくらいです、タイトル自体で、すでに自らB級映画を自認してしまっているこの作品ですが、頼りない新兵が厳しく訓練されて、一人前の兵士になったときには激戦地に送られて死んでゆくというお約束のストーリーで、その兵士というのが皆女性、華やかさもあり、健気さもあり、最後は「そして誰もいなくなった」みたいな、なかなかどうして、よくできた映画で大変面白く鑑賞させていただきました。

気にかかる女優や監督なら、そのつどメモくらいはとっていますので、でも、あの作品には、「ノルシュテイン」なんて名前はなかったと思います。
そんなふうに、どうしても思い出せないまま、図書館から借りていた本(森功の「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」です、いつか書きますね)の返却期日が過ぎてしまっているのを思い出して、慌てて図書館に駆け付け返却したのですが、しかし、このたまらない暑さです、ついつい自販機でCCレモンを買って喉をうるおしていたとき、目の前の棚に置かれているパンフレットに目が留まりました。


あっ! これか、と、やっと気がつきました。
7月10日から始まるという「ロシア・ソビエト映画祭」を告知するフィルムセンターのチラシです。もう何日も前に見かけていて、内容の方は既にざっと目を通しています、これですよ、これ。

ここに「ユーリー・ノルシュテイン選集」という項目があって、彼がアニメーション作家であることは、最初に記されており、6本のアニメーションが上映されると記されています。


こんな感じです。


★ユーリー・ノルシュテイン選集
アニメーション作家ユーリー・ノルシュテイン(1941- )が世界的名声を確立した作品の選集。1920年代の前衛芸術を引用し、ショスタコーヴィチの革命交響楽に乗せてロシア革命を描く『25日・最初の日』、リムスキー=コルサコフのオペラ「見えざる町キーテジ」に基づき、15~16世紀のフレスコ画や細密画を用いて戦乱と文化衝突を表現した『ケルジェネツの戦い』、民衆絵画のモチーフを活き活きと動かしてロシアのポピュラーな民話を語る『キツネとウサギ』、日本の浮世絵や水墨画の要素を取り入れてもどかしい恋模様を描く『アオサギとツル』、原作の児童文学を大胆に拡張し、驚きと幻想美に満ちた世界を実現した『霧の中のハリネズミ』、ノルシュテインの幼少期の記憶を掘り下げ昇華した映像詩『話の話』の全6本。(計80分・DCP・カラー)
★25日・最初の日  25-е — первый день(9分・DCP・カラー)
(1968ソユズムリトフィルム)監督美術・ユーリー・ノルシュテイン、アルカージー・チューリン、撮影・ウラジーミル・サルハーノフ、音楽・ドミトリー・ショスタコーヴィチ
★ケルジェネツの戦い Сеча при Кeрженце(10分・DCP・カラー)
(1971ソユズムリトフィルム)監督脚本・イワン・イワノフ=ワノー、監督・ユーリー・ノルシュテイン、撮影・ウラジーミル・サルハーノフ、美術・マリーナ・ソコローワ、アルカージー・チューリン、音楽・ニコライ・リムスキー=コルサコフ
★キツネとウサギ Лиса и заяц(12分・DCP・カラー)
(1973ソユズムリトフィルム)監督・ユーリー・ノルシュテイン、撮影・テオドール・ブニモーヴィチ、美術・フランチェスカ・ヤールブソワ、音楽・ミハイル・メエローヴィチ、解説・ヴィクトル・ホフリャコーフ
★アオサギとツル Цапля и журавль(10分・DCP・カラー)
(1974ソユズムリトフィルム)監督脚本・ユーリー・ノルシュテイン、脚本・ロマン・カチャーノフ、撮影・アレクサンドル・ジュコーフスキー、美術・フランチェスカ・ヤールブソワ、音楽・ミハイル・メエローヴィチ、解説・インノケンチー・スモクトゥノフスキー
★霧の中のハリネズミ Ёжик в тумане(10分・DCP・カラー)
(1975ソユズムリトフィルム)監督脚本・ユーリー・ノルシュテイン、原作脚本・セルゲイ・コズロフ、撮影・アレクサンドル・ジュコーフスキー、美術・フランチェスカ・ヤールブソワ、美術・ミハイル・メエローヴィチ、解説・アレクセイ・バターロフ
出演・ヴャチェスラフ・ネヴィンヌィ、マリヤ・ヴィノグラドワ
★話の話 Сказка сказок(29分・DCP・カラー)
(1979ソユズムリトフィルム)監督脚本・ユーリー・ノルシュテイン、脚本・リュドミーラ・ペトルシェフスカヤ、撮影・イーゴリ・スキダン=ボーシン、美術・フランチェスカ・ヤールブソワ、音楽・ミハイル・メエローヴィチ、ヨハン・セバスチャン・バッハ、ヴォルフガンク・アマデウス・モーツァルト
出演・アレクサンドル・カリャーギン


ほらね、「話の話」もちゃんとあったでしょう。

この「ロシア・ソビエト映画祭」というのは、なんと12年ぶりの開催なんですってね。

そうですか、そのときのチラシの表紙デザインも薄っすらと覚えています。確か「イワン雷帝」のスチール写真でした。

フィルムセンターのチラシなら捨てずにとってあると思うので、確かにあるはずと探したところ、すぐに見つかりました。

なるほどね、2枚のチラシを比べてみると、前回上映された作品がそのまま今回も上映されるという作品ばかりでなく、今回は上映がないというものもあれば、前回なく今回初めて上映されるという作品もあります。

このチラシ、なんかこのまま棚の中に仕舞いっぱなしにしておくのが惜しいきがしてきました。

なにせ自分は暇な身ですし、ここに掲載されている諸作品を時系列に並べて、「安直・ロシア・ソビエト映画史」ができないか、などという誘惑に駆られました。

そして、すぐに実行した成果が、以下の「安直・ロシア・ソビエト映画史」です、ご笑納ください。



1908
★ステンカ・ラージン Стенька Разин
ロシア民謡「ステンカ・ラージン」の物語を、歌詞に基づいて映画化したロシア初の劇映画で、ロシア映画の発展の基礎となった。ロケーション撮影が捉えるヴォルガ河や森などの大自然の中で物語が展開される。ステパン(ステンカ)・ラージン率いる大勢のコサック反乱軍は、ペルシアの作戦で勝利を祝う。その後、ラージンは、捕えて侍らせていた若くて美しいペルシアの愛人を殺害する。ゆえなく背信を責められての非業の死…。帝政ロシア時代の1908年、モスクワの「アクヴァリウム」劇場で、アレクサンドル・ドランコフによって製作、撮影された、初めてのロシア語の劇映画「ステンカ・ラージン」が初上映された。こうして、ロシアとソ連の豊かな映画史が始まった。
(1908)監督・ウラジーミル・ロマシコフ、原作脚本・ワシーリー・ゴンチャロフ、撮影・アレクサンドル・ドランコフ、ニコライ・コズロフスキー
出演・エヴゲーニー・ペトロフ=クラエフスキー
(12分・18fps・35mm・無声・白黒)


1911
★セヴァストポリの防衛 Оборона Севастополя
帝政時代のロシアを代表するハンジョンコフ社の製作によるロシア初の長篇映画。19世紀半ばのクリミア戦争で、ロシア軍がトルコ・イギリス・フランスの連合軍と戦った有名な戦闘を題材とした歴史スペクタクル映画。
(1911)監督脚本・ワシーリー・ゴンチャロフ、アレクサンドル・ハンジョンコフ、原作・レフ・トルストイ、撮影・ルイ・フォレスティエ、アレクサンドル・リッロ、美術・V・フォスター
出演・アンドレイ・グロモワ、イワン・モジューヒン、V・アレンツワリ、パーヴェル・ビリュコフ、A・ゴリン=ゴリャイノフ、アレクサンドラ・グロモワ、ウラジーミル・マクシモフ、オリガ・ペトローワ=ズワンツェワ、N・セミョーノフ
(52分・18fps・35mm・無声・白黒)


1924
★レーニンのキノプラウダ[キノプラウダ 第21号]Ленинская Киноправда (Киноправда №21)
カメラという“機械の眼”で世界を捉えることの意義を主張し、多彩なカメラワークと編集操作を追究したヴェルトフの、時事的記録映画シリーズ(全25号)の中の第21号。レーニンの死去に際して作られた。
(1924)監督脚本・ジガ・ヴェルトフ、撮影・ミハイル・カウフマン、エドゥアルド・ティッセ、グリゴーリー・ギーベル、アレクサンドル・レンベルグ、ピョートル・ノヴィツキー
(23分・24fps・35mm・無声・白黒)


1925
★ストライキ Стачка
ロシア帝国が衰退を見せる1900年代初期における、ストライキを起こす労働者たちと、工場幹部や警察側との争いがダイナミックに展開される。『戦艦ポチョムキン』のエイゼンシュテインによる、野心的なモンタージュ実験も見られる監督デビュー作。
(1925)監督脚本・セルゲイ・エイゼンシュテイン、脚本・ワレーリー・プレトニョーフ、グリゴーリー・アレクサンドロフ、イリヤ・クラフチュノフスキー、撮影・エドゥアルド・ティッセ、ワシーリー・フワートフ、美術・ワシーリー・ラハリス
出演・アレクサンドル・アントーノフ、ミハイル・ゴモロフ、イワン・クリュークヴィン、グリゴーリー・アレクサンドロフ
(95分・18fps・35mm・無声・白黒)

★戦艦ポチョムキン
(1925) 監督・セルゲイ・エイゼンシュテイン
 初期のソ連映画の天才セルゲイ・エイゼンシュテイン監督は1905年、オデッサで起きた帝国戦艦の船員の反乱を描いた。この映画は世界映画の古典とみなされ、その後の監督や撮影カメラマンに長く影響を与えている。たとえば、オデッサの階段を降りる兵士の象徴的なシーンは、ブライアン・デ・パルマ監督の「アンタッチャブル」、ピーター・シーガル監督の「裸の銃(ガン)を持つ男PART33 1/3/最後の侮辱」などの映画でも使われた。 エイゼンシュテイン監督は他にも、「10月(世界をゆるがした10日間)」、「アレクサンドル・ネフスキー」、「イワン雷帝」など、伝説的な映画の監督を務めている。映画編集の「知的モンタージュ」の発明者としても有名。時代は帝政ロシアの「ポチョムキン号」と呼ばれる軍艦。食事のスープに腐った肉を使用しウジがわいていたため、数名の兵士が食事を拒否。艦長はその拒否を許さないどころか、彼らを銃殺するよう命じた。しかし兵士全体が反乱をおこし、ポチョムキン号を占領する。乗っ取られた船は、そのままオデッサへと入港。



1926
★母 Мать
労働運動に参加する息子の投獄に手を貸してしまう両親。だが、母はその後息子の苦しむ姿を目にし、自らも運動に身を投じる。演劇的な演技を極めて重視したプドフキンは、本作品でも芸術座のべテラン俳優を起用した。
(1926)監督・出演・フセヴォロド・プドフキン、原作・マクシム・ゴーリキー、脚本・ナターン・ザルヒ、撮影・アナトーリー・ゴロヴニャ、美術・セルゲイ・コズロフスキー
出演・ヴェーラ・バラノフスカヤ、ニコライ・バターロフ、アレクサンドル・チスチャコフ、アンナ・ゼムツォワ
(85分・20fps・35mm・無声・白黒)


1927
★ベッドとソファ Третья Мещанская
若い夫婦のアパートに地方から出てきた夫の戦友が転がり込み、三角関係になった挙げ句に共同生活が破綻する。自立心を育む女性と旧態依然の男たちの対比の中に、当時のモスクワの市民生活がいきいきと描き出される。原題は「第3町人(メシチャンスカヤ)通り」。
(1927)監督脚本・アブラム・ローム、脚本・ヴィクトル・シクロフスキー、撮影・グリゴーリー・ギーベル、美術・ワシーリー・ラハリス、セルゲイ・ユトケーヴィチ
出演・ニコライ・バターロフ、リュドミーラ・セミョーノワ、ウラジーミル・フォーゲリ、レオニード・ユレーネフ、エレーナ・ソコロワ、マリヤ・ヤロツカヤ
(71分・24fps・35mm・無声・白黒)


1928
★トルブナヤ通りの家 Дом на Трубной
田舎から出てきた少女が、労働組合への参加を雇い主に知られて解雇される。だがその後少女と同名の女性がモスクワ市議会議員に当選した途端、雇い主のアパートの住人たちは態度を一変させるというコメディ。雇い主を演じた名優ウラジーミル・フォーゲリは最後の映画出演である。
(1928)監督出演・ボリス・バルネット、脚本・ベーラ・ゾリチ、アナトーリー・マリエンゴフ、ワジム・シェルシェネヴィチ、ヴィクトル・シクロフスキー、ニコライ・エルドマン、撮影・エヴゲーニー・アレクセーエフ
出演・ヴェーラ・マレツカヤ、ウラジーミル・フォーゲリ、エレーナ・チャプキナ、セルゲイ・コマロフ、アーネリ・スダケーヴィチ、アダ・ヴォイツィキ、ウラジーミル・バターロフ
(98分・16fps・35mm・無声・白黒)


1931
★人生案内 Путевка в жизнь
戦争や革命で親を失った孤児たちの自立を願い、作業場づくりに取り組む青年が主人公。子どもの自立の補助や社会的障害をテーマにしたソ連初の長篇のトーキー劇映画で、プロパガンダ的要素も見受けられる。
(1931)監督脚本・ニコライ・エック、撮影・ワシーリー・プローニン、美術・イワン・ステパーノフ、A・エヴメネンコ、音楽・エヴゲーニー・ネステロフ
出演・ニコライ・バターロフ、イワン・クィルラ、ミハイル・ジャーロフ、ワシーリー・カチャーロフ、ミハイル・ジャゴファロフ、アレクサンドル・ノヴィコフ、マリヤ・アントロポワ
(101分・35mm・白黒)


1934
★レーニンの三つの歌 Три песни Ленина
レーニン没後10年の際、中央アジアやウクライナ東部の工業地域などを長期取材し、『レーニンのキノプラウダ』の素材も利用して作られた一本。3つのレーニンの讃歌とともに理想化されたソ連の映像が鮮明に映し出される。
(1934)監督脚本・ジガ・ヴェルトフ、撮影・ドミトリー・スレンスキー、マルク・マギドソン、ベンツィオン(ボリス)・モナスティルスキー、音楽・ユーリー・シャポーリン
(59分・35mm・白黒)


1935
★未来への迷宮 Строгий юноша
原題は「厳格な青年」。人気作家ユーリー・オレーシャがシナリオを書き下ろしたもので、ローム監督は超現実的な手法を用いて外科医夫人と若者の不倫を描写した。同時に、社会主義における「平等」の難しさを照らし出し、長らく公開禁止とされた。
(1935)監督・アブラム・ローム、脚本・ユーリー・オレーシャ、撮影・ユーリー・エケリチク、美術・ウラジーミル・カプルノフスキー、モリツ・ウマンスキー、音楽・ガヴリール・ポポフ
出演・ユーリー・ユリエフ、オリガ・ジズネワ、ドミトリー・ドルリアク、マクシム・シュトラウフ、ワレンチナ・セローワ、イリーナ・ヴォロトコ
(102分・35mm・白黒)

★マクシムの青春 Юность Максима
『十月っ子の冒険』(1924)以来、コンビで映画作りを続けていたコージンツェフとトラウベルグによる「マクシム三部作」の第一部。平凡な一労働者のマクシム(チルコフ)が、日曜学校の教師ナターシャ(キバルジナ)に啓発され、職業革命家へと目覚めていく。本三部作は、1934年に「社会主義リアリズム」を唯一の芸術様式として公式化したソビエトにおける代表的な映画シリーズとなった。
(1935レンフィルム)監督脚本・グリゴリー・コージンツェフ、レオニード・トラウベルグ、撮影・アンドレイ・モスクヴィン、美術・エヴゲニー・エネイ、音楽・ドミトリー・ショスタコーヴィチ
出演・ボリス・チルコフ、ステパン・カユーコフ、ワレンチナ・キバルジナ、ミハイル・タルハーノフ
(96分・35mm・白黒)


1937
★最後の夜 Последняя ночь
1917年10月のモスクワにおける資本主義「最後の夜」の、労働者と工場主の家庭内のさまざまな出来事を通して、歴史の大転換期に生きた人々を描いた群像劇。監督のライズマンは本作以降、脚本家のガブリローヴィチと40年にわたり協働し、『マーシェンカ』(1942)や『コミュニスト』(1958)といった名作を生んだ。
(1937モスフィルム)監督脚本・ユーリー・ライズマン、監督・ドミトリー・ワシーリエフ、脚本・エヴゲニー・ガブリローヴィチ、撮影・ドミトリー・フェリドマン、美術・アレクセイ・ウトキン、音楽・アレクサンドル・ヴェプリク
出演・イワン・ペリツェル、マリヤ・ヤロツカヤ、ニコライ・ドローヒン、アレクセイ・コンソフスキー、ウラジーミル・ポポフ、ニコライ・ルィブニコフ
(96分・35mm・白黒)


★マクシムの帰還 Возвращение Максима
「マクシム三部作」の第二部。党の有力活動家となったマクシム(チルコフ)の、第一次世界大戦直前の闘争が描かれる。マクシムは多くの革命家の特徴や経験を基に創作された架空の人物であるが、当時の観客には実在していると信じられ、マクシム宛てのファンレターや相談の手紙が殺到したという。
(1937レンフィルム)監督脚本・グリゴリー・コージンツェフ、レオニード・トラウベルグ、脚本・レフ・スラーヴィン、撮影・アンドレイ・モスクヴィン、美術・エヴゲニー・エネイ、音楽・ドミトリー・ショスタコーヴィチ
出演・ボリス・チルコフ、ワレンチナ・キバルジナ、アレクサンドル・ズラジェフスキー、アナトリー・クズネツォフ、ミハイル・ジャーロフ、アレクセイ・ボンジ
(104分・35mm・白黒)

★十月のレーニン Ленин в Октябре
翌年の『1918年のレーニン』と合わせて2部作をなす革命20周年記念作品。1917年のロシア革命の経緯を、臨時政府に対する大衆の抗議やレーニンの活動を名匠ミハイル・ロンムがダイナミックに再現したもので、レーニンがユーモラスに描かれていることも特徴的。
(1937)監督・ミハイル・ロンム、ドミトリー・ワシーリエフ、脚本・アレクセイ・カプレル、撮影・ボリス・ヴォルチョク、美術・ボリス・ドゥブロフスキー=エシュケ、ニコライ・ソロヴィヨフ、音楽・アナトーリー・アレクサンドロフ
出演・ボリス・シチューキン、ニコライ・オフロープコフ、K・コーロボワ、ワシリー・ワーニン、ウラジーミル・ポクロフスキー、A・コワレフスキー、ニコライ・スヴォボジン、セミョーン・ゴリトシュタブ、ニコライ・ソコロフ
(101分・35mm・白黒)


1938
★アレクサンドル・ネフスキー Александр Невский
中世ロシアにおける、君主ネフスキー(チェルカーソフ)率いるノヴゴロド軍とドイツ騎士団との戦いを、「社会主義リアリズム」路線以降、過去の自分の作品を厳しく批判されていた巨匠エイゼンシュテインが描き、大成功を収めた作品。製作当時のソ連とドイツとの緊張状態が重ね合わされているが、公開の翌年に独ソ不可侵条約が結ばれると上映中止となり、41年のドイツ軍侵攻と同時に再公開された。
(1938モスフィルム)監督脚本・セルゲイ・エイゼンシュテイン、監督・ドミトリー・ワシーリエフ、脚本・ピョートル・パヴレンコ、撮影・エドゥアルド・ティッセ、美術・ヨシフ・シュピネリ、ニコライ・ソロヴィヨフ、音楽・セルゲイ・プロコフィエフ
出演・ニコライ・チェルカーソフ、ニコライ・オフロプコフ、アンドレイ・アブリコーソフ、ドミトリー・オルロフ、ワシリー・ノヴィコフ
(108分・35mm・白黒)

★ヴォルガ・ヴォルガ Волга-Волга
スターリン時代にあって、『陽気な連中』(1934年)や『サーカス』(1936年)といったミュージカル・コメディに力を発揮したアレクサンドロフの作品。ヴォルガ河を遡ってモスクワに向かう船の上で、社会諷刺を絡めつつ陽気な歌と踊りが繰り広げられる。
(1938)監督脚本・グリゴーリー・アレクサンドロフ、脚本・ミハイル・ヴォリピン、ニコライ・エルドマン、撮影・ウラジーミル・ニールセン、ボリス・ペトロフ、美術・ゲオルギー・グリフツォフ、M・カリャーキン、音楽・イサーク・ドゥナエフスキー
出演・イーゴリ・イリインスキー、リュボーフィ・オルローワ、パーヴェル・オレネフ、アンドレイ・トゥティシュキン、セルゲイ・アンチモノフ、ウラジーミル・ヴォロジン、マリヤ・ミローノワ
(106分・35mm・白黒)



by sentence2307 | 2018-07-11 11:31 | ロシア映画 | Comments(0)

1940
★政府委員 Член правительства
1930年から1950年まで、共同監督としてコンビを組んだザルヒとヘイフィッツによる代表作。文字を読めない農婦の主人公(マレーツカヤ)がコルホーズ(集団農場)に加入し、やがて議長に選ばれ、さまざまな困難を克服して集団化を成功させるまでが描かれる。
(1940レンフィルム)監督・アレクサンドル・ザルヒ、ヨシフ・ヘイフィッツ、脚本・カテリーナ・ヴィノグラーツカヤ、撮影・アレクサンドル・ギンツブルグ、美術・オリガ・プチェリニコワ、ウラジーミル・カリャーギン、音楽・ニコライ・チモフェーエフ
出演・ヴェラ・マレーツカヤ、ワシリー・ワーニン、ニコライ・クリュチコフ、コンスタンチン・ソローキン、ワレンチナ・テレーギナ
(103分・35mm・白黒)


1943
★私の鶯
満州映画協会と日本の東宝が組んで製作した、ハルビンを舞台に繰り広げられる歌謡映画で、台詞のかなりの部分がロシア語である。李香蘭の演じる日本人少女が、育ての親である亡命ロシア人から学んだロシア語の歌を熱唱するが、映画は当時の日本では公開されなかった。
(1943)監督脚本・島津保次郎、原作・大仏次郎、撮影・福島宏、音楽・服部良一、
出演・李香蘭(山口淑子)、黒井洵(二本柳寛)、千葉早智子、松本光男、進藤英太郎、グリゴーリー・サヤーピン、ワシーリー・トムスキー、ニーナ・エンゲルガルド、オリガ・マシュコワ
(99分・35mm・白黒)


1944
★イワン雷帝 第1部 Иван Грозный(1-я серия)
初代皇帝(ツァーリ)としてロシア帝国の強大化に尽力したイワン4世(雷帝)を描いたエイゼンシュテイン最後の作品。第1部では、封建制の支配するロシアを中央集権国家にまとめ上げる過程が綴られるが、戦火を逃れて疎開先のアルマ・アタ(現カザフスタン)で撮影された。
(1944)監督脚本・セルゲイ・エイゼンシュテイン、撮影・エドゥアルド・ティッセ、アンドレイ・モスクヴィン、美術・ヨシフ・シュピネリ、音楽。・セルゲイ・プロコフィエフ
出演・ニコライ・チェルカーソフ、リュドミーラ・ツェリコフスカヤ、セラフィーマ・ビルマン、パーヴェル・カードチニコフ、ミハイル・ジャーロフ、アンヴロシー・ブーチマ、ミハイル・クズネツォフ、ミハイル・ナズワーノフ、アンドレイ・アブリコソフ、マクシム・ミハイロフ、フセヴォロド・プドフキン、アレクサンドル・ムゲブロフ
(99分・35mm・白黒)



1946 1958

★イワン雷帝 第2部 Иван Грoзный (Сказ второй: Боярский заговор)
1946年にモスクワで完成された第2部では、イワン雷帝と貴族たちによる権謀術数渦巻く暗闘が描かれる。だが、時の権力者スターリンからは、独裁者の孤独と狂気を描いた作品として不興を買い、ようやく公開されたのは1958年、エイゼンシュテインとスターリンの両名が歿した後であった。一部撮影された第3部のフッテージも、ほとんど破棄された。最後のカラー部分は、エイゼンシュテイン唯一の色彩映像。
(1946/1958モスフィルム=アルマアタ中央合同撮影所)監督脚本・セルゲイ・エイゼンシュテイン、撮影・アンドレイ・モスクヴィン、エドゥアルド・ティッセ美術・ヨシフ・シュピネリ、音楽・セルゲイ・プロコフィエフ
出演・ニコライ・チェルカーソフ、ミハイル・ジャーロフ、アンヴロシー・ブーチマ、ミハイル・クズネツォフ、アンドレイ・アブリコーソフ
(85分・35mm・パートカラー)


1947
★諜報員 Подвиг разведчика
第2次世界大戦中、敵国ドイツの司令部に潜入したソ連軍の少佐が、いくつもの危険を巧妙にすり抜けてスパイの使命を果たす。フリッツ・ラング作品を想起させるサスペンスたっぷりの活劇で、ソ連娯楽映画の王ボリス・バルネットが演出力を存分に発揮した。
(1947)監督出演・ボリス・バルネット、脚本・ミハイル・ブレイマン、コンスタンチン・イサーエフ、ミハイル・マクリャルスキー、撮影・ダニール・デムツキー、美術・モリツ・ウマンスキー、音楽・ドミトリー・クレバーノフ、オスカル・サンドレル
出演・パーヴェル・カードチニコフ、ヴィクトル・ドヴロヴォリスキー、ミハイル・ロマノフ、ドミトリー・ミリュテンコ、ピョートル・アルジャノフ
(92分・35mm・白黒)


1949
★「クバンのコサック」Kinopoisk.ru
(1949年)監督・イワン・プィリエフ
 イワン・プィリエフ監督(監督、脚本家で後にモスフィルムの社長になった)の作品。ソ連のクバン地域のコルホーズで働く男女の恋愛物語。ソ連の農民の生活を美しく、繁栄したものに描くことが目的であった。この映画の皮肉な点は、第二次世界大戦の終結から4年後、国民の多くが飢えていた時期に、これが公開されたことである。映画関係者の回想録によれば、一部のキャストは、豊かな土地の恵みを演出するために用意された偽の農産物を見つけた際、飢えのあまりセットで失神したという。


1957
★鶴は翔んでゆく(戦争と貞操) Летят журавли
フランスのカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを獲得した、唯一のソ連またはロシアの映画である。一通の召集令状が幸せなカップルを引き裂き、ボリス(バターロフ)は戦場で消息を絶つ。ヴェロニカ(サモイロワ)はボリスの帰りを待てず、彼の従兄弟と結婚してしまう。
撮影カメラマンのセルゲイ・ウルセフスキーは、中断や編集のない、数分続く長いカメラの「フレーズ」の使用などの技術を採用し当時は芸術面と技術面の両方で革新的であった。ウルセフスキーはまた、現代映画の製作の定番である、ショットを追跡する円形レールを初めて使用した。だが発明の特許申請は一切しなかった。流麗でみずみずしいキャメラワークを実現した撮影監督ウルセフスキーは、その後も『怒りのキューバ』(1964)などの力作でカラトーゾフとコンビを組んだ。この愛と友情の美しい物語は、第二次世界大戦の勃発、家族の争い、主人公の選択により、悲劇的な流れになる。ソ連の理想的な一部ではなく、個性的で複雑な個人が描かれているため、当局から猛批を受けた。
(1957モスフィルム)監督・ミハイル・カラトーゾフ、原作脚本・ヴィクトル・ローゾフ、撮影・セルゲイ・ウルセフスキー、美術・エヴゲニー・スヴィデーテレフ、音楽・モイセイ・ワインベルグ
出演・タチヤーナ・サモイロワ、アレクセイ・バターロフ、ワシリー・メルクーリエフ、アレクサンドル・シュヴォーリン、スヴェトラーナ・ハリトーノワ、コンスタンチン・ニキーチン、ワレンチン・ズブコフ
(96分・35mm・白黒)


1959
★誓いの休暇 Баллада о солдате
第二次世界大戦中、功績を挙げた褒美として6日間の特別休暇をもらった19歳の兵士アリョーシャ(イワショフ)の帰郷を描く。『女狙撃兵マリュートカ』(1956)などの戦争映画でも知られるチュフライが、曇天から一瞬のぞく陽の光のようにはかない若者の安らぎに、戦争のむなしさを凝縮させた。
(1959モスフィルム)監督脚本・グリゴリー・チュフライ、脚本・ワレンチン・エジョフ、撮影・ウラジーミル・ニコラーエフ、エラ・サヴェリエワ、美術・ボリス・ネメチェク、音楽・ミハイル・ジーフ
出演・ウラジーミル・イワショフ、ジャンナ・プロホレンコ、アントニーナ・マクシーモワ、ニコライ・クリュチコフ、エヴゲニー・ウルバンスキー、エリザ・レジデイ
(87分・35mm・白黒)


★人間の運命 Судьба человека
若くして人民芸術家の称号を得た名優・ボンダルチュクの初監督作品で、原作はミハイル・ショーロホフの同名小説。恵まれない青春時代を過ごした主人公(ボンダルチュク)が、似た境遇の女性(キリエンコ)と結婚して一男二女を授かり、ようやく幸福を手にしたかと思えたが、第二次世界大戦の勃発により、彼の人生は暗転してしまう…。第1回モスクワ国際映画祭グランプリ受賞。
(1959モスフィルム)監督出演・セルゲイ・ボンダルチュク、原作・ミハイル・ショーロホフ、脚本・ユーリー・ルキーン、フョードル・シャフマゴノフ、撮影・ウラジーミル・モナホフ、美術・イポリット・ノヴォデリョシキン、セルゲイ・ヴォロンコフ、音楽・ヴェニアミン・バスネル
出演・パーヴリク(パーヴェル)・ボリスキン、ジナイーダ・キリエンコ、パーヴェル・ヴォルコフ、ユーリー・アヴェーリン
(101分・35mm・白黒)


★ホヴァンシチナ Хованщина
ムソルグスキーの同名オペラを映画化。ピョートル大帝が目指す西欧的な近代化に反対する、ホヴァンスキー公一派の謀反の顛末が描かれる。題名は「ホヴァンスキー事件」の意味。オペラ完成前にムソルグスキーが亡くなったため、複数の作曲家により異なる実用楽譜が作成されてきたが、本作のショスタコーヴィチ版は最も原曲に忠実と評価されている。
(1959モスフィルム)監督脚本・ヴェラ・ストロエワ、脚本・アンナ・アブラモワ、脚本音楽・ドミトリー・ショスタコーヴィチ、撮影・ヴィクトル・ドムブロフスキー、美術・アレクサンドル・ボリソフ、音楽・モデスト・ムソルグスキー
出演・アレクセイ・クリフチェニャ、アントン・グリゴリエフ、エヴゲニー・キブカロ、マルク・レイゼン、アレクセイ・マスレンニコフ、マイヤ・プリセツカヤ
(124分 → 131分・35mm・白黒 → カラー)


1960
★復活 前篇 Воскресение(1-я серия)
レフ・トルストイが1899年に発表した同名小説を映画化。各国で映画化されてきたが、日本では、悲運の女性カチューシャの物語として知られている。若い貴族ネフリュードフ(マトヴェーエフ)が殺人事件の裁判の陪審員を務めることになるが、その被告カチューシャ(ショミナ)は、彼が以前弄んで捨てた女性であった。
(1960モスフィルム)監督脚本・ミハイル・シヴェイツェル、原作・レフ・トルストイ、脚本・エヴゲニー・ガブリローヴィチ、撮影・エラ・サヴェリエワ、美術・ダヴィド・ヴィニツキー、音楽・ゲオルギー・スヴィリドフ
出演・タマーラ・ショミナ、エヴゲニー・マトヴェーエフ、パーヴェル・マサリスキー、ヴィクトル・クラコフ、レフ・ゾロトゥーヒン、マリヤ・ヴィノグラドワ、ニコライ・セルゲーエフ
(99分・35mm・カラー)


1962
★娘たち Девчата
シベリアの村でコックとして働き始めたトーシャ(ルミャンツェワ)は、素直で明るい女の子。男の子のイリヤ(ルィブニコフ)に親しくされ、これが恋だと大喜び。やがてそれは、イリヤとその悪友たちによる悪戯であることが分かり、トーシャは彼との絶交を決意する。だがこの時、イリヤは本当にトーシャを好きになっていた…。心温まるロマンティック・コメディ。
(1962モスフィルム)監督・ユーリー・チュリュキン、原作脚本・ボリス・ベードヌィ、撮影・チモフェイ・レベシェフ、美術・ユーリー・ライズマン、音楽・アレクサンドラ・パフムトワ
出演・ナデージダ・ルミャンツェワ、ニコライ・ルィブニコフ、リュシエナ・オフチーンニコワ、スタニスラフ・ヒトロフ、インナ・マカロワ、スヴェトラーナ・ドルジニナ
(96分・35mm・白黒)

★復活 後篇 Воскресение(2-я серия)
カチューシャ(ショミナ)の置かれた過酷な状況に責任を感じたネフリュードフ(マトヴェーエフ)は、彼女との結婚を決意しシベリアへ向かう。そして、彼女への扱いを刑事犯から政治犯に変え、労働の負担を軽減させる。しかし、政治犯の若者シモンソン(グーセフ)からカチューシャとの結婚を告白され、ネフリュードフは新たな悩みに苦しむことになる…。
(1962モスフィルム)監督脚本・ミハイル・シヴェイツェル、原作・レフ・トルストイ、脚本・エヴゲニー・ガブリローヴィチ、撮影・セルゲイ・ポルヤノフ、美術・アブラム・フレイジン、音楽・ゲオルギー・スヴィリドフ
出演・タマーラ・ショミナ、エヴゲニー・マトヴェーエフ、ニコライ・セルゲーエフ、アナスタシヤ・ズーエヴァ、ワシリー・リワノフ、ウラジーミル・グーセフ、クラーラ・ルミャノワ
(107分・35mm・カラー)

★僕の村は戦場だった Иваново детство
タルコスフキーの長篇第一作。ドイツ軍の侵攻により家族を失った12歳の少年イワン(ブルリャーエフ)が、祖国のために進んでパルチザンに参加し危険な任務に身を投じていく姿が、詩情豊かに描かれる。1962年ヴェネツィア国際映画祭サン・マルコ金獅子賞受賞。
(1962モスフィルム)監督・アンドレイ・タルコフスキー、原作脚本・ウラジーミル・ボゴモーロフ、脚本・ミハイル・パパーワ、撮影・ワジーム・ユーソフ、美術・エヴゲニー・チェルニャーエフ、音楽・ヴャチェスラフ・オフチンニコフ
出演・コーリャ(ニコライ)・ブルリャーエフ、ワレンチン・ズブコフ、エヴゲニー・ジャリコフ、ステパン・クルイロフ、ニコライ・グリンコ、ドミトリー・ミリュテンコ、ワレンチナ・マリャーヴィナ、イリーナ・タルコフスカヤ
(95分・35mm・白黒)

★私は20歳 Мне двадцать лет(Застава Ильича)
生きることの意義に思い悩む青年の内面が、女性カメラマンのピリーヒナが捉えるモスクワの四季の変化とともに描き出されるみずみずしい青春映画。「雪解け」時代のソ連文化の輝きを伝える貴重なモニュメントで、アンドレイ・タルコフスキー監督も友情出演したが、当初は公開を許可されず、1988年に初めて完全版が公開された。
(1962)監督脚本・マルレン・フツィーエフ、脚本・ゲンナージー・シュパリコフ、撮影・マルガリータ・ピリーヒナ、美術・イリーナ・ザハーロワ、音楽・ニコライ・シデリニコフ
出演・ワレンチン・ポポフ、ニコライ・グベンコ、スタニスラフ・リュプシン、マリアンナ・ヴェルチンスカヤ、スヴェトラーナ・スタリコワ
(198分・35mm・白黒)


1965-1967
★戦争と平和 Война и мир
 セルゲイ・ボンダルチュク監督の、4部作の作品。アメリカのアカデミー賞外国語映画賞を受賞している。レフ・トルストイの小説を映画化した作品としては最高作と考えられており、ソ連で最も製作費の高額な映画である。戦闘シーンのために、ソ連国防省は1500人の特別な映画騎兵連隊を派遣した。この連隊は、その後多くの映画に出演している。製作期間は6年。国内の博物・美術館58館のコレクションが使われ、ソ連企業40社以上が嗅ぎたばこ入れから農作業用荷車までの兵器や小道具をつくった。また、衣装9000枚、円筒帽1万2000個、ボタン20万個がつくられた他、ロシアとフランスのメダルや武器の精巧なレプリカも用意された。この映画の激しい戦闘シーンや戦場のパノラマ・カメラ・ショットの革新も特徴である。たとえば、1812年ボロジノの戦いのシーンには、フランス軍とロシア軍の950人の騎兵連隊と1万5000人の歩兵が登場している。文豪トルストイを原作に仰ぎ、ナポレオン軍が君臨した19世紀初頭のヨーロッパを舞台に繰り広げられる雄大な歴史絵巻。ソ連の国家事業ともいえる巨大規模で製作され、伯爵の娘ナターシャをめぐる男たちの愛憎を軸に、絢爛たる舞踏会のシーン、史上最大規模のエキストラを動員した戦闘シーンなど圧倒的なスケールを誇る。
(1965-1967)監督脚本出演・セルゲイ・ボンダルチュク、原作・レフ・トルストイ、脚本・ワシーリー・ソロヴィヨフ、撮影・アナトーリー・ペトリツキー、美術・ミハイル・ボグダーノフ、ゲンナージー・ミャスニコフ、アレクサンドル・ボリゾフ、ニコライ・トルカチョフ音楽・ヴァチェスラフ・オフチンニコフ
出演・リュドミーラ・サヴェリエワ、ヴャチェスラフ・チホノフ、ヴィクトル・スタニツィン、キーラ・イワノワ=ゴロフコ、オレグ・タバコフ
(425分・35mm・カラー)


1966
★「アンドレイ・ルブリョフ」Kinopoisk.ru
(1966年)監督・アンドレイ・タルコフスキー
 この映画は、ロシアの国民的な性格、芸術的および文化的美しさ、悲劇的な歴史をとらえている。ソ連のイデオロギーに反する宗教的、哲学的なニュアンスにより、当局によって長年禁じられていた作品。15世紀ごろのイコン画家ルブリョフの伝記で、ロシアの歴史と文化における芸術家の役割を哲学的に説きながら、中世ロシアのさまざまな題材に触れている。アンドレイ・タルコフスキー監督は長編映画をわずか7作しかつくっていないが、どれも傑作とみなされている。


1967
★「七月の雨」Kinopoisk.ru
(1967年)
 当時の最も知的かつ強力な映画の一つと考えられている、マルレン・フツィエフ監督の作品。フルシチョフの雪解けの時代のとても個性的、芸術的な映画で、フランスのニュー・ウェーブの映画をほうふつとさせる。
 ユーリー・ヴィズボル、ブラト・オクジャワ、エヴゲニー・クリャチキンなど、1960年代の吟遊詩人や詩人が広めたソ連の人気のジャンルを背景にしている。アンドレイ・タルコフスキー監督やアレクサンドル・ミッタ監督などが、端役としてこの映画に出演しているのもおもしろい。これは、考え方や信念を変えることを余儀なくされる30代の男女の、夏から秋にかけての恋愛を描いている作品である。


1968~1979
★ユーリー・ノルシュテイン選集
アニメーション作家ユーリー・ノルシュテイン(1941- )が世界的名声を確立した作品の選集。1920年代の前衛芸術を引用し、ショスタコーヴィチの革命交響楽に乗せてロシア革命を描く『25日・最初の日』、リムスキー=コルサコフのオペラ「見えざる町キーテジ」に基づき、15~16世紀のフレスコ画や細密画を用いて戦乱と文化衝突を表現した『ケルジェネツの戦い』、民衆絵画のモチーフを活き活きと動かしてロシアのポピュラーな民話を語る『キツネとウサギ』、日本の浮世絵や水墨画の要素を取り入れてもどかしい恋模様を描く『アオサギとツル』、原作の児童文学を大胆に拡張し、驚きと幻想美に満ちた世界を実現した『霧の中のハリネズミ』、ノルシュテインの幼少期の記憶を掘り下げ昇華した映像詩『話の話』の全6本。(計80分・DCP・カラー)
★25日・最初の日  25-е — первый день(9分・DCP・カラー)
(1968ソユズムリトフィルム)監督美術・ユーリー・ノルシュテイン、アルカージー・チューリン、撮影・ウラジーミル・サルハーノフ、音楽・ドミトリー・ショスタコーヴィチ
★ケルジェネツの戦い Сеча при Кeрженце(10分・DCP・カラー)
(1971ソユズムリトフィルム)監督脚本・イワン・イワノフ=ワノー、監督・ユーリー・ノルシュテイン、撮影・ウラジーミル・サルハーノフ、美術・マリーナ・ソコローワ、アルカージー・チューリン、音楽・ニコライ・リムスキー=コルサコフ
★キツネとウサギ Лиса и заяц(12分・DCP・カラー)
(1973ソユズムリトフィルム)監督・ユーリー・ノルシュテイン、撮影・テオドール・ブニモーヴィチ、美術・フランチェスカ・ヤールブソワ、音楽・ミハイル・メエローヴィチ、解説・ヴィクトル・ホフリャコーフ
★アオサギとツル Цапля и журавль(10分・DCP・カラー)
(1974ソユズムリトフィルム)監督脚本・ユーリー・ノルシュテイン、脚本・ロマン・カチャーノフ、撮影・アレクサンドル・ジュコーフスキー、美術・フランチェスカ・ヤールブソワ、音楽・ミハイル・メエローヴィチ、解説・インノケンチー・スモクトゥノフスキー
★霧の中のハリネズミ Ёжик в тумане(10分・DCP・カラー)
(1975ソユズムリトフィルム)監督脚本・ユーリー・ノルシュテイン、原作脚本・セルゲイ・コズロフ、撮影・アレクサンドル・ジュコーフスキー、美術・フランチェスカ・ヤールブソワ、美術・ミハイル・メエローヴィチ、解説・アレクセイ・バターロフ
出演・ヴャチェスラフ・ネヴィンヌィ、マリヤ・ヴィノグラドワ
★話の話 Сказка сказок(29分・DCP・カラー)
(1979ソユズムリトフィルム)監督脚本・ユーリー・ノルシュテイン、脚本・リュドミーラ・ペトルシェフスカヤ、撮影・イーゴリ・スキダン=ボーシン、美術・フランチェスカ・ヤールブソワ、音楽・ミハイル・メエローヴィチ、ヨハン・セバスチャン・バッハ、ヴォルフガンク・アマデウス・モーツァルト
出演・アレクサンドル・カリャーギン


1971
★ざくろの色
(1971)監督・セルゲイ・パラジャーノフ
ある宮廷詩人の半生。アンドレイ・タルコフスキーの盟友であり、自身もロシアを代表する監督セルゲイ・パラジャーノフ。彼が18世紀に活躍したアルメニアの宮廷詩人サヤト・ノヴァを描いた作品。サヤト・ノヴァの幼少期から死までを8つの章に分け、不思議な映像美で描いている。物語性はないが、サヤト・ノヴァの出身地アルメニアやグルジアなどの伝統舞踊や演劇の手法を取りいれた内容は、今もなお鮮やかなカラーと共に見る者を引き付ける。


1972
★惑星ソラリス
(1972)
『2001年宇宙の旅』と並ぶSF映画の名作。アンドレイ・タルコフスキー監督の名を一躍世界に知らしめたSF映画。この映画が制作された当時、ロシアはまだ「ソビエト連邦」という国であり、アメリカとは冷戦が続いている状態だったが、本作はカンヌ国際映画祭でも高く評価された。惑星ソラリスを探索中の宇宙ステーション「プロメテウス」。しかし、地球との交信が途切れてしまったため、クリス(ドナタス・バニオニス)は調査のためにソラリスへ向かう。そこで彼が見たものは。ポーランドのSF作家スタニスワフ・レムの小説『ソラリス』に大胆なアレンジを加え、圧倒的な映像美を作り出した。日本の首都高で車を走らせているシーンもある。


1975
★デルス・ウザーラ Дерсу Узала
探検家アルセーニエフとその仕事を助けた猟師デルスの友情を、極東ウスリー地方の大針葉樹林を背景に描いた大作で、風などの自然の表現も素晴らしい。モスフィルムに招かれた黒澤明が、苛酷な長期ロケーションの果てに、若き日からの映画化の夢をついに実現した一本。
(1975)(監)(脚)黒澤明(原)ウラジーミル・アルセーニエフ(脚)ユーリー・ナギービン(撮)中井朝一、ユーリー・ガントマン、フョードル・ドブロヌラヴォフ(美)ユーリー・ラクシャ(音)イサーク・シュワルツ
(出)ユーリー・ソローミン、マクシム・ムンズク、スヴェトラーナ・ダニリチェンコ、ディマ・コルシコフ、スイメンクル・チョクモロフ、ウラジーミル・クレメナ
(143分・35mm・カラー)




by sentence2307 | 2018-07-11 11:28 | ロシア映画 | Comments(0)
1979
★五つの夜に(102分・35mm・白黒) Пять вечеров
戦争に引き裂かれ、17年を離れて暮らした中年の男女が再会する。愛情を取り戻すまでに2人が出あう五夜の描写を通して、戦争の傷と2人の心理が浮き彫りになる。別作品の撮影中断を利用して1か月ほどで撮影したものだが、ほのかな叙情が漂う佳品となった。
(1979)監督脚本出演・ニキータ・ミハルコフ、原作・アレクサンドル・ヴォロジン、脚本美術出演・アレクサンドル・アダバシャン、撮影・パーヴェル・レーベシェフ、美術・アレクサンドル・サムレキン
出演・リュドミーラ・グルチェンコ、スタニスラフ・リュプシン、ワレンチナ・テリーチキナ、ラリーサ・クズネツォーワ、イーゴリ・ネフョードフ
(102分・35mm・白黒)

★ストーカー
(1979) 監督・アンドレイ・タルコフスキー、
信じなくても生きていける強さ。 ただどうやったらこんなに日常風景を非日常にできるんだ。
アンドレイ・タルコフスキー監督が『惑星ソラリス』に続いて発表したSF映画です。この映画の「ストーカー」は、「案内人」という意味で使用されています。
解明不能な出来事が発生したため、住民が犠牲になってしまい、閉鎖されてしまったある地区。政府が「ゾーン」と呼び立ち入り禁止にしているこの場所は、いつしか「願いが叶う部屋が存在する」と噂がたち、希望者は「ストーカー」と呼ばれるものによって案内されていました。
ある日、「ストーカー」の基へ二人の男性が訪ね、「ゾーン」へ連れて行って欲しいと言うのですが……


1980
★モスクワは涙を信じない Москва слезам не верит
 1981年、アメリカのアカデミー賞外国語映画賞を受賞した作品。1985年、アメリカのロナルド・レーガン大統領(元俳優)は、ソ連のミハイル・ゴルバチョフ書記長と歴史的な会談を行う前に、ロシア人の心を理解するためにこの映画を複数回見たという。ウラジーミル・メニショフ監督も、出演者も、ほとんど無名であった。ソ連の有名な俳優らは、ステータスの高くないこの作品への出演を辞退していた。だがソ連女性の多角的な生活を描いたこの映画は大ヒット。出演者は大スターになった。主人公の女性は妊娠した後、彼氏に捨てられる。絶望したものの、その後生活は変わっていく。1950年代末、自由な時代をともに過ごし、その後それぞれ異なる人生を歩む3人の女性。世の荒波を乗り越えた20年後の女たちの三者三様の人生を描くメロドラマで、ソ連社会の時代的変遷を背景に、物語がリズミカルに展開される。
(1980)監督・ウラジーミル・メニショフ、脚本・ワレンチン・チェルヌィフ、撮影・イーゴリ・スラブネーヴィチ、美術・サイード・メニャリシチコフ、音楽・セルゲイ・ニキーチン
出演・ヴェーラ・アレントワ、アレクセイ・バターロフ、イリーナ・ムラヴィヨーワ、ライーサ・リャザーノワ、ナターリヤ・ワヴィロワ
(149分・35mm・カラー)


1983
★アンナ・パブロワ Анна Павлова
不世出のバレリーナ、アンナ・パブロワの伝記映画。幼少期から50歳で最期を迎えるまでの生涯が描かれる。ソ連と英国による合作で、バレエ映画の傑作『赤い靴』(1948)で知られるマイケル・パウエルがプロデューサーを務めている。「瀕死の白鳥」をはじめ「ジゼル」、「白鳥の湖」、「コッペリア」、「イーゴリ公」などのバレエ上演場面が壮観。
(1983モスフィルム=ソヴィン・フィルム=ポセイドン・フィルムズ)監督脚本・エミーリ・ロチャヌー、撮影・エヴゲニー・グスリンスキー、ウラジーミル・ナハブツェフ、美術・ボリス・ブランク、音楽・エヴゲニー・ドガ
出演・ガリーナ・ベリャーエワ、ジェイムズ・フォックス、セルゲイ・シャクーロフ、フセヴォロド・ラリオーノフ、リーナ・ブルダコワ、ゲオルゲ・ディミトリウ、マーティン・スコセッシ
 (134分・35mm・カラー)


1984
★転校生レナ Чучело
モスクワから祖父のいる地方の学校に転校してきた13歳の少女レナ(オルバカイテ)。優等生のジーマ(エゴーロフ)に優しくされたのが嬉しくて、慣れない学校への登校も苦痛ではなかった。しかし、教師に告げ口をした彼をかばったことから、レナは激しいいじめの対象にされてしまい、ジーマも見て見ぬふりをしてしまう。ペレストロイカ以前の教育現場を描いた社会派ドラマ。
(1984モスフィルム)監督脚本出演・ロラン・ブイコフ、原作脚本・ウラジーミル・ジェレズニコフ、撮影・アナトリー・ムカセイ、美術・エヴゲニー・マルコヴィチ、音楽・ソフィア・グバイドゥーリナ
出演・クリスチーナ・オルバカイテ、ユーリー・ニクーリン、ミーチャ(ドミトリー)・エゴーロフ、エレーナ・サナーエワ
(125分・35mm・カラー)


1986
★不思議惑星キン・ザ・ザ  Кин-дза-дза
(1986)監督・ゲオルギー・ダネリヤ
ゲオルギー・ダネリヤ監督のブラック風味のSFコメディ映画で、日本の初公開は1991年でした。1986年の公開当時、ソ連全土では観客動員数が1570万人という驚異的な数字を記録し、今も熱狂的なファンのいるカルト作品。モスクワに住むウラジミールとゲデバンは、冬のモスクワにも関わらず裸足で奇妙なことを口走る男に出会う。彼は、自分が空間転移装置の事故によって異星から地球に飛ばされてきたと主張するが、突飛な話し過ぎて誰もそれを信じない。しかし、二人は男の持っていた転移装置により、キン・ザ・ザ星雲にある惑星ブリュクまで飛ばされてしまう、何とか地球に戻ろうと奮闘する二人。間抜けながらも狡猾な宇宙人と人間たちの掛け合いが楽しい、コミカルな雰囲気に満ちたSF作品。「クー」という挨拶などが人気を呼び、日本でもファンが多い。
(1986)監督脚本・ゲオルギー・ダネリア、脚本・レワズ・ガブリアゼ、撮影・パーヴェル・レーベシェフ、美術・アレクサンドル・サムレキン、テオドル・テジク、音楽・ギア・カンチェリ
出演・スタニスラフ・リュプシン、エヴゲーニー・レオーノフ、ユーリー・ヤコブレフ、レワン・ガブリアゼ
(134分・35mm・カラー)


1989
★未来への伝言 Шаг
1961年、ソ連から超法規的措置で生ワクチンが輸入され、日本のポリオ禍は鎮静化へと向かう。松山善三監督『われ一粒の麦なれど』(1964)にも描かれたこの出来事に至る経緯を、生ワクチンの緊急輸入を訴えて奔走した母親・圭子(栗原)の視点から描く。監督のミッタは、本作に先立つ日ソ合作映画『モスクワわが愛』(1973)でも栗原小巻を演出した。
(1989モスフィルム=仕事)監督脚本・アレクサンドル・ミッタ、脚本・岩間芳樹、ビクトル・メレシコ、ウラジーミル・ツヴェートフ、撮影・ワレーリー・シュヴァーロフ、美術・坂口岳玄、イーゴリ・レメシェフ、音楽・アルフレート・シュニトケ
出演・栗原小巻、レオニード・フィラートフ、オレーク・タバコフ、内藤武敏、久米明、エレーナ・ヤーコヴレワ、ウラジーミル・イリイン
(111分・35mm・カラー)

★令嬢ターニャ Интердевочка
昼は看護師、夜は娼婦という二重生活を送るターニャ(ヤーコブレワ)は、顧客のスウェーデン人から求婚される。だが、憧れの豊かな海外生活をつかむには、乗り越えねばならない数多くの障害―父との確執、金銭、自分の過去―があった。当時のソ連社会の一面を描いた本作は国内で大ヒットし、主演のヤーコヴレワを一躍スターに押し上げた。第3回東京国際映画祭審査員特別賞、最優秀女優賞受賞。
(1989モスフィルム=フィルムスターレット)監督音楽・ピョートル・トドロフスキー、原作脚本・ウラジーミル・クーニン、撮影・ワレリー・シュワーロフ、美術・ワレンチン・コノワーロフ
出演・エレーナ・ヤーコヴレワ、トマス・ラウスチオラ、ラリーサ・マレワンナヤ、アナスタシヤ・ネモリャエワ、リュボフィ・ポリシチューク、インゲボルガ・ダプクナイテ、イリーナ・ロザノワ
(149分・35mm・カラー)


1990
★「無力症候群」Kinopoisk.ru
(1990年)監督・キーラ・ムラトワ
 ロシアでも、海外でも、映画監督は男性が圧倒的に多かった。ソ連映画界において、キーラ・ムラトワは絶賛された例外的な監督であった。「無力症候群」は、ペレストロイカ前のソ連とペレストロイカまっただ中のソ連の2つの時代を描いている。この2部はつながっていない。モノクロの第1部は、夫を亡くした女性の物語。カラーの第2部は、無力症に悩む女性の物語。この作品は第40回ベルリン国際映画祭銀熊賞などの、さまざまな賞を受賞している。


1992
★ストーン クリミアの亡霊 Камень
黒海沿岸にある、博物館となったチェーホフの家で宿直する青年が、夜ごと訪れるチェーホフの亡霊と親交を深めてゆく。『エルミタージュ幻想』(2002年)や今夏の日本公開予定の『太陽』などで世界の注目を集めるソクーロフの作品で、幻想的な切なさがにじみ出ている。
(1992)監督・アレクサンドル・ソクーロフ、脚本・ユーリー・アラーボフ、撮影・アレクサンドル・ブーロフ、美術・ウラジーミル・ソロヴィヨフ
出演・レオニード・モズゴヴォイ、ピョートル・アレクサンドロフ、ワジム・セミョーノフ
(88分・35mm・白黒)


1994
★太陽に灼かれて
(1994)監督・ニキータ・ミハルコフ
1936年、スターリンによる大粛清で混乱するソ連を舞台に、巨匠ニキータ・ミハルコフが制作した名作です。
本作は実は三部作で、ミハルコフ監督は、2010年に『戦火のナージャ』、2011年の『遥かなる勝利へ』を制作しました。ちなみに、作中に出演しているコトフ大佐は監督が、その娘ナージャは監督の愛娘が演じています。
10年ぶりに元恋人マルーシャ(インゲボルガ・ダクネイト)の家を訪ねたドミトリ(オレグ・メンシコフ)。マルーシャはすでにコトフ大佐と結婚し、二人の間には一人娘のナージャ(ナージャ・ミハルコフ)がいました。ドミトリは、そんな彼らに自分の正体を隠して接近しするが。


1996
★コーカサスの虜 Кавказский пленник
チェチェンの老人に捕まった2人のロシア兵が、捕虜生活の中で美しい娘と知り合うが、やがて悲劇の結末を迎える。トルストイの短篇を現代に置き換え、チェチェンとロシアの間に横たわる問題をえぐった。兵士ワーニャに扮した監督の子息は、新世代のスターと目されながらも2002年に事故死。
(1996)監督脚本・セルゲイ・ボドロフ、原作・レフ・トルストイ、脚本・アリフ・アリエフ、ボリス・ギレル、撮影・パーヴェル・レーベシェフ、美術・ワレーリー・コストリン、音楽・レオニード・デシャートニコフ
出演・オレグ・メンシコフ、セルゲイ・ボドロフJr、スサンナ・メフラリエワ、ジェマル・シハルリゼ
(95分・35mm・カラー)


1997
★「ロシアン・ブラザー」Kinopoisk.ru
(1997年)監督・アレクセイ・バラバノフ
 アレクセイ・バラバノフ監督の犯罪ドラマ。ソ連が消滅した後の時代の象徴であり、若者の間で大人気となった。ソ連崩壊後、ロシアの通りで横行した強盗、恐喝、その他の犯罪が描かれている。主人公は第一次チェチェン紛争から帰還した若き退役兵士ダニーラ・バグロフ。新しい社会で自分の居場所を見つけようとする。少額の予算で、撮影期間はわずか31日。だが大ヒットし、2000年には「ロシアン・ブラザー2」も公開された。


1998
★フルスタリョフ、車を! Хрусталёв, машину!
1953年冬、のちに「医師団陰謀事件」と呼ばれる事件に巻きこまれて逮捕されたクレンスキー将軍(ツリロ)は、なぜか釈放され、とある人物のもとへ送られる。反ユダヤキャンペーンが猛威を振るう、断末魔のスターリン独裁を背景としたこの映画は、時代のグロテスクさを具現化したかのような映像と音響の洪水が、つぶてのように観る者を襲い惑乱する。寡作の巨匠ゲルマンによる、1990年代世界映画最重要作品の一つ。
(1998ソダペラガ=ラ・セット・シネマ=ゴスキノ=レンフィルム=PIEF)監督脚本・アレクセイ・ゲルマン、脚本・スヴェトラーナ・カルマリタ、撮影・ウラジーミル・イリイン、美術・ウラジーミル・スヴェトザーロフ、音楽・アンドレイ・ペトロフ
出演・ユーリー・ツリロ、ニーナ・ルスラノワ、ミハイル・デメンチエフ、ユーリ・ヤルヴェト・ジュニア、アレクサンドル・バシロフ、イワン・マツケヴィチ、アリ・ミシロフ
(142分 → 146分・35mm・白黒)

★フルスタリョフ、車を!
(1998)
1998年にフランスとの合作として制作された作品で、ソビエト崩壊後にスターリン政権時代を描いた問題作。監督を務めたアレクセイ・ゲルマンは、2013年には大作『神々のたそがれ』を発表するロシアの巨匠。1935年のソ連。指導者の毒殺を計画していたと言われる「医師団陰謀事件」に巻き込まれた脳外科医のユーリー(ユーリー・アレクセーヴィチ・ツリロ)は、強制収容所で拷問される羽目になる。彼はなぜか解放されたばかりでなく、スターリンの側近からある人物を診察するようにと命じられる。物語のはっきりしないストーリー、モノクロの映像は衝撃的。


2002
★エルミタージュ幻想
(2002)監督・アレクサンドル・ソクーロフ、
ロシアを代表するエルミタージュ美術館。アレクサンドル・ソクーロフ監督がSONYのビデオカメラCineAltaHDW-F900を使用して史上初のエルミタージュ美術館内で撮られた臨場感あふれる90分ワンカットで撮影された映画。19世紀ロシアと現代を行き来して進みます。ソクーロフ自身と思われるある映画監督がエルミタージュ美術館に迷い込み、激動の時代に翻弄されながらも華やかな帝政ロシアと現代を行き来する、という幻想的な物語。


2003
★父、帰る
(2003)監督・アンドレイ・ズビャギンツェフ
ロシアの監督兼俳優のアンドレイ・ズビャギンツェフが2003年に公開した作品です。彼にとっては初の長編作品だった本作は国際的に高く評価され、第60回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞とルイジ・デ・ラウレンティス賞を受賞。12年前に父親が失踪し、母や祖母と一緒に暮らしてきたアンドレイ(ウラジーミル・ガーリン)とイワン(イワン・ドブロヌラヴォフ)の兄弟。なんと、これまで失踪していた父が家族のもとに帰ってくる。これまでのいきさつを全く語らない父は、突然二人を旅に連れていくと言いだし、その通りに三人で旅に出ることになる。失踪から帰還した父と息子たちの葛藤。


2004
★死という名の騎士 Всадник по имени смерть
20世紀初頭、動揺するロシア帝国を舞台に、政府高官の暗殺を狙うテロリストの心の闇を描く。実在したテロリストの自伝的小説が原作「蒼ざめた馬」になっている。ペレストロイカ期から話題作を送り出してきたシャフナザーロフ監督の最新作。監督は現在モスフィルム所長。
(2004)監督脚本・カレン・シャフナザーロフ、原作・V・ロープシン(ボリス・サヴィンコフ)、脚本・アレクサンドル・ボロジャンスキー、撮影・ウラジーミル・クリモフ、美術・リュドミーラ・クサコワ、音楽・アナトーリー・クロール
出演・アンドレイ・パニン、クセニヤ・ラポポルト、アルチョム・セマーキン、ロスチスラフ・ベルシャウエル、アナスタシア・マケヤワ、ドミトリー・ジュージェフ、ワレーリー・ストロジク、ワシーリー・ゾトフ
(104分・35mm・カラー)


2005
★宇宙を夢見て(87分・35mm・カラー) Космос как предчувствие
ソ連が人工衛星スプートニクの打ち上げに成功した1957年。“馬”というあだ名を持ち、恋人と港町のレストランで働く若者の自己探求を描く。ドキュメンタリー映画出身のウチーチェリ監督は、本作でモスクワ国際映画祭の最高賞を受賞した。
(2005)監督・アレクセイ・ウチーチェリ、脚本・アレクサンドル・ミンダゼ、撮影・ユーリー・クリメンコ、美術・ヴェラ・ゼリンスカヤ
出演・エヴゲーニー・ミロノフ、エヴゲーニー・ツィガーノフ、イリーナ・ペゴワ、ドミトリー・ムリャル、エレーナ・リャドワ、セルゲイ・カチャーノフ、マリヤ・クズネツワ、エレーナ・ガリビナ、イーゴリ・シバノフ
(87分・35mm・カラー)


2013
★神々のたそがれ
(2013)監督・アレクセイ・ゲルマン、
1968年に脚本の第一稿が書かれたが、チェコ事件が勃発したため制作が頓挫し、それから長い長い年月をかけて完成した作品。2013年にはローマ国際映画祭で上映され、ゲルマン監督は生涯功労賞を受賞したが、同年に74歳で逝去。日本国内で初上映されたのは2015年。地球ではなく、遠く離れた惑星での出来事。惑星の王国アルカナルでは書物が焼かれて知識人が処刑される日々が続いていた。ドン・ルマータ(レオニード・ヤルモルニク)は知識人たちを迫害から守ろうとする。混沌と喧騒の世界が高発酵した臭いさえ伴って襲ってくるような生涯忘れる事ができない作品


2017
★アンナ・カレーニナ ヴロンスキーの物語 Анна Каpeнина. История Вронского
『ジャズメン』(1984)『ゼロシティ』(1988)などが日本でも劇場公開され、現モスフィルムCEOでもあるシャフナザーロフの最新作。日露戦争で負傷し軍病院に入院したヴロンスキー(マトヴェーエフ)が、病院長のセルゲイ(キシチェンコ)に、セルゲイの母アンナ(ボヤルスカヤ)との間に何があったのかを語る。トルストイの原作をベースに、20世紀前半に活躍した作家ヴィケンチー・ヴェレサーエフの日露戦争文学の要素をまじえて物語世界を展開。
(2017モスフィルム)監督脚本・カレン・シャフナザーロフ、原作・レフ・トルストイ、脚本・アレクセイ・ブジン、撮影・アレクサンドル・クズネツォフ、美術・セルゲイ・フェヴラリョフ、ユリヤ・マクシナ、音楽・ユーリー・ポテーエンコ
出演・エリザヴェータ・ボヤルスカヤ、マクシム・マトヴェーエフ、ヴィタリー・キシチェンコ、キリル・グレベンシコフ、ウラジーミル・イリイン
(138分・DCP・カラー)

★マチルダ Матильда
ロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世(アイディンガー)と、バレエ史にその名を刻む名バレリーナ、マチルダ・クシェシンスカヤ(オルシャンスカ)の、若き日の悲恋を絢爛たる色彩で描く。世界的に注目を集めるポーランドの新進女優M・オルシャンスカが主演し、米国の映画音楽家M・ベルトラミが参加するなど国際色も豊か。
(2017ローク)監督・アレクセイ・ウチーチェリ、脚本・アレクサンドル・テーレホフ、撮影・ユーリー・クリメンコ、美術・ヴェラ・ゼリンスカヤ、エレーナ・ジューコワ、パーヴェル・ゼミヤンスキー、音楽・マルコ・ベルトラミ
出演・ミハリーナ・オルシャンスカ、ラルス・アイディンガー、ルイーゼ・ヴォルフラム、ダニラ・コズロフスキー、インゲボルガ・ダプクナイテ、セルゲイ・ガルマシュ
(107分・DCP・カラー)

★無愛 Kinopoisk.ru
(2017年)監督・アンドレイ・ズヴャギンツェフ
第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で審査員賞を受賞。アメリカのアカデミー賞外国語映画賞にはロシアの代表作として出品された。両親に心理的に放棄された子どもの物語。アンドレイ・ズヴャギンツェフ監督は、最初の映画「父、帰る」が2003年にベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞するなど、欧米で高い評価を受けている。「ヴェラの祈り」(2007年)はカンヌ国際映画祭のパルム・ドールにノミネート、「エレナの惑い」はカンヌ国際映画祭のある視点部門審査員特別賞を受賞、「裁かれるは善人のみ」(2014年)はカンヌ国際映画祭の脚本賞、ゴールデン・グローブ賞の最優秀外国語映画賞を受賞している。




by sentence2307 | 2018-07-11 11:26 | ロシア映画 | Comments(0)
インターネットを見ていたら、9月4日(火)~9日(日)に、京橋のフィルムセンターで「ロシア・ソビエト無声映画」を特集するという記事をみつけました。

仕事があるので、残念ながら、ほとんど見に行けそうもないのですが、なんだか懐かしくて、心覚えになにか書いておきたくなりました。

まだ自分の学生時代には、「ソ連」という体制が立派に(というのも変ですが)存在していた時代でしたので、プドフキンだとか、ヴェルトフだとか、エイゼンシュテインの作品が、どこかの公民館などで上映されるときなど、特別な思いを持って見に行ったものでした。

そこには、チャップリンやキートン特集などとは違うある種の緊張感がありました、それがどのように「特別」なものだったかというと、たぶん剥き出しの生々しい「権力」の一方的な主張をドラマとして堪能できたからだったと思います。

その「堪能」は「辟易」の間違いではないのか、と思う方がいるかもしれませんが、幼稚ともいえるその一方的な主張に身を委ねる緊張の快感というか居心地の良さというものは、たしかに「あった」と思います。

見ていて気恥ずかしくなるほどの映像の力強さは、当時の(相当広い意味でですが)西側の映画には、すでに失われたものだったかもしれません。

そこで、今回の上映作品リストをあげておきますね。

①スペードの女王1916・監督プロタザーノフ(63分・16fps・35mm・無声・白黒)
②人生には人生を1916・監督バウエル(60分・18fps・35mm・無声・白黒)
③セルギー神父1918・監督プロタザーノフ(106分・18fps・35mm・無声・白黒)
④プライト技師の計画1918・監督クレショフ(22分・18fps・35mm・無声・白黒・不完全)
⑤ポリクーシカ1919・監督サーニン(59分・18fps・35mm・無声・白黒)
⑥ズヴェニーゴラ1928・監督ドブジェンコ(94分・18fps・35mm・無声・白黒)
⑦新バビロン1929・監督トラウベルグ(102分・18fps・35mm・無声・白黒)
⑧帝国の破片1929・監督エルムレル(75分・24fps・35mm・無声・白黒)

以下は、学生の頃に読んだ教科書の受け売りです。

ただ、その頃は、まだ「ソ連」が健在だったわけですから、この手の解説書からは、特殊な臭みを取り除いたり、過剰宣伝に対しては引き算や割り算を駆使したりして、相当痛烈に罵倒される対象については慈愛をもって庇ってあげながら、ひたすら核心だけをつかみ出す独特のテクニックが必要になろうかと思いますが。

無声映画期のソビエト映画においては、幾つかの映画人グループが、さまざまな実験を積み重ね、新しい映画芸術の在りようを模索したといわれています。

たぶん、そういうことは、どこの国でも多かれ少なかれあったと思うのですが、利潤追求から自由であるべきだとしたソビエト映画においては、「それ」が特に顕著だったと書かれていたと思います。

利潤追求というか、つまり「大衆の支持」という「当たるか当たらないか」のバロメーターに左右されないで、ある程度自由な映画作りが許されるとしたら、そりゃあ、純粋培養的な映画ができるかもしれません。

それがソビエト映画の独特の生真面目さと退屈さの基盤は、その身勝手さだったのかも。

さて、その「グループ」は、大きくいって、4つあったといわれています。

その内のグループのひとつが、上記④「プライト技師の計画」1918を監督したクレショフ率いる「クレショフ工房」でした。

1919年に発足した国立映画学校の教授となったレフ・クレショフは、フセヴォロード・プドフキン、アレクサンドラ・ホフーロワ、レオニード・オボレンスキー、ボリス・バルネト、セルゲイ・コマーロフら、同校第一期生で「クレショフ工房」をつくります(1920)。

彼らは、アメリカの西部劇や冒険映画を徹底的に分析・研究して、画面の多様でスピーディな変化と無駄のない合理的な構成を学び取ります。

そして、同じ俳優の同じ表情に、別々のショットをつないだだけで、その表情の意味が変わるいわゆる「クレショフ効果」、別々の場所で撮影したショットを組み合わせて同一場所の出来事のように見せる「創造的地理」の実験も行います。

画面の組み合わせの創造的可能性を追求して、いわゆる「モンタージュ論」への道を切り開きました。

「クレショフ工房」の一員プドフキンは、その経験から、世界最初の体系的な映画の演出原論ともいえる「映画監督と映画材料」1926をまとめあげ、そのモンタージュ論を自作の「母」1926「聖ペテルブルグの最後」1927「アジアの嵐」1928などで実践し、その有効性を証し立てました。

師のクレシェフもまた、「映画芸術―私の経験」1929を書きました。

例えば、あらゆる映画的手法を追求したヴェルトフや、あるいは、モンタージュを駆使してスペクタクルの視聴覚的刺激をいかに効果的に組み立てるかを追求したエイゼンシュテインや、あるいはまた、舞台装置、扮装、俳優演技などの表現派的、構成主義的な追求で映像にエキセントリックな効果を盛り込もうとしたコージンツェフやユトケーヴィチらに比して、この「クレショフ工房」のグループは、ショットの合理的な編集、俳優演技の映画への適用、映画的なストーリー構成の追求に重点を置き、いわば劇映画の創作理論の確立をめざしたという特徴を持っていたと位置づけられました。
by sentence2307 | 2012-08-30 00:00 | ロシア映画 | Comments(2)
古紙回収日が近づいてくると、古い新聞や雑誌を整理・結束して、すぐに廃棄できるようにスタンバイしておくのが、一応僕の日常の仕事みたいなものになっています。

しかし、いつもながら、このシンプルな仕事には、常にある程度の困難も付きまとっています。

というのは、新聞紙の束をビニールひもでひと括りするくらい、さっさと済ましてしまえばいいのでしょうが、いざ興味をひかれる記事などに出くわしたりすると(まあ、その出くわす記事が、だいたいのところ「読んでいない記事」であることが多いのですが)、ついついその記事に読み耽ってしまい、結局、月に一度しか来ない回収日をむざむざと逃し、またひと月、不必要な新聞の山に囲まれて暮らすという、なんとも情けない鬱陶しい生活を余儀なくされるという失敗を繰り返しています。

先日も、その同じ轍は踏まないようにと、その辺は十分に注意して、部屋の隅に積み上げてある古新聞を、きわめて機械的に結束するという作業に専念していたのですが、突然ある衝撃的なポスターの写真が目に飛び込んできたのでした。

そのポスターは、中央に楕円形に抉られた片方の大きな目が掲げられ、あまつさえ、こちらをじっと睨み付けており(チカラあるその強烈な眼差しは、ポスターを見る者たちをガッツリと捕らえ、容易に目をはずすことを許さない魔力にみちた強烈な眼差しは、只ならぬパワーを有していました)、そして、そのすぐ下には、少年が驚愕の表情をあらわにして左右に配されており(ふたりです)、上空に浮かぶ巨大な目の怪物を鬼気迫る畏怖の表情でじっと見上げている図が描かれていました。

この少年像は、同じ写真を逆に焼いて(古いです)左・右に配しただけのことと想像できるのですが、シンクロするその瓜二つの相似感が、視覚的になんともいえぬ不思議な効果を与えているのが印象的でした。

ポスターを見る者は嫌でも、その少年の驚愕の視線をたどり、そのふたつの視線が結ぶ先に位置しているカッと見開かれたチカラある異様な視線に出会ってしまうという巧妙な配置になっていることに驚かされるにちがいありません。

というわけで、まあ、結局のところ、最も恐れていた例の寄り道、「掟破り」の「記事の読みふけり」にあっけなく囚われてしまったというわけなのでした。

記事のタイトルは、「ロシア構成主義のまなざし」、そして「ロトチェンコ+ステパーノワ」という活字とともに、メインタイトルは、「小説家・平野啓一郎が見た美術館」となっていました。

東京都庭園美術館で、つい先日まで開かれていた展覧会の観想を記した記事というわけです。

そして、そのポスターのキャプションには、「キノグラース(映画眼)・シガ・ヴェルトフ映画広告ポスター(1924)」と記されていました。

「な、な、なんだって」という言葉が思わず声になって出てしまいました。これって、あのシガ・ヴェルトフの映画の広告ポスターなのか!?

ロシア・アバンギャルドのデザイナーとしてのロトチェンコの名前は、単に知識としてなら、知っていましたし、また、展覧会を告知する小さな記事も、きっとどこかで読んでいたに違いありませんが、当然読み過ごしていたのだと思います。

その手のポスターが展示されていると知っていたら是非とも行ってみたかったという思いでポスターの写真を眺めながら、実に「なんだかなあ」という気持ちでいっぱいでした。

平野啓一郎の記事には、カンディンスキーの作品観と比較したあとで、ロトチェンコの作風をこんなふうに紹介していました。

「ところが、ロトチェンコの絵は、具象的であってもむしろデザインの感覚である。
カンヴァスが四辺の囲いを超えて広がろうとする宇宙だとすれば、ポスターは飽くまで閉ざされた宇宙である。
カンディンスキーのモティーフが、カンヴァスの中心としての寄る辺なさを常に感じさせるのに対して、ロトチェンコの抽象画には、枠組みから構成された揺るぎなさがあり、その分広がりに欠ける。絵画からファッション、写真と、ロトチェンコの仕事は多岐に亘るが、最良の作品には、いずれもそうした構成の発想が見られ、中でもポスターに見応えがあるのは、更にそれが描かれたモノと言葉(文字)とを通じて、『意味』を与えられるからである。」
として、いよいよ当のポスターについての言及にかかります。
「《キノグラース(映画眼)》は、映画のポスターで、最上部には細い帯状の白、上半分には、楕円、中央に帯状の太い白、下の左右に二つの四角が描かれている。
そう説明されても、我々はなぜ、楕円がそんなに大きく描かれ、中央に白い帯があるのか納得できないが、楕円の中に映画の主題である『目』が描かれていて、中央の帯は、実はタイトルでと言われれば、なるほどと、その形や面積の比率をあっさり受け容れてしまう。
当たり前の話のようだが、カンディンスキーのような画家が最も苦労したのは、単に感覚的に美しいだけの形態や色彩の根拠を示すことだった。」(日本経済新聞2010.6.9)

映画のポスターなのですから、それはそうだろうと思います。・・・う~ん、僕の読みたかった内容とはダイブ懸け離れた、随分と「当たり前」の結論で、実をいうと、ちょっとガッカリの内容でした。

ジガ・ヴェルトフの「映画眼」は、徹底した実写記録精神で虚構を廃し、不意打ちのアプローチによって人生の真実の断面をカメラで捉えることに情熱をそそいで、そして、技法的にも、高速度や遅速度、微速度の撮影、逆回転や多重露出、画面の分割から動画技法の導入など、映画的手段の持つあらゆる可能性を徹底的に開拓したその究極的に展開したものが、22年から25年にかけて23本製作された記録映画「キノ・プラウダ」シリーズだったといわれています。

党派と政治的な内容の自覚と映画的手段による真実(プラウダ)の追求という、映画方法の独自性の追求が幸福にも一致した運動だったと映画史的にも位置づけられているとなにかの本で読んだ記憶がありました。

「レーニンのキノ・プラウダ」(キノ・プラウダ21号)は、シガ・ヴェルトフの映画的手段開拓の実験集であり、同時にその最高の結実だったともいわれています。

しかし、後年は、皮肉にもその徹底性が、やがてスターリンから疎まれる原因となり、不遇のうちに生涯を送ったと評伝には書かれていました、しかし、シガ・ヴェルトフは、まさに映画史にとっての革命児だったに違いありません。
by sentence2307 | 2010-07-03 14:08 | ロシア映画 | Comments(73)

ステンカ・ラージン

ロシアで初めて映画が上映されたのが1896年で、それから約10年後の1908年にこの作品「ステンカ・ラージン」が上映されています。

当時のロシア映画界は、ようやくロシア人自身が映画スタジオを持つことで外国資本から自立して映画制作が始められようとしていた時期で、ドランコフ(1880ー?)とハンジョンコフ(1871-1945)の二大映画スタジオが作品を送り出していました。

映画監督としては、この2人のほかには、バウエル(1865-1917)、革命後も活躍したプロタザーノフ(1881-1945)、ガルジン(1877-1965)などが知られています。

ずっと前、有名人の「伝記」を扱っていたTV番組で、文豪トルストイの生涯を取り扱った際、妻の仕打ちに堪えられず老齢にして家出したエピソードが紹介されたことがあって、そこでトルストイの実写フィルムがチラッと写されたことがありました。

当時にあっても大スクープだったに違いないあのトルストイの実写に成功した人が、この映画「ステンカ・ラージン」を製作したアレクサンドル・ドランコフで、サンクト・ペテルブルグの小さな写真屋から身を越し映画企業家となったアレクサンドル・ドランコフが製作したこの約10分の作品が、ロシア映画の発展の基礎をつくったといわれている記念碑的なロシア初の劇映画なのだそうです。

ドランコフ自身がカメラを回し、ほとんどアマチュアに近い劇団を使って、サンクト・ペテルブルグの近郊で撮影されたこの映画は6つの場面から構成され、それぞれにかなり長めのインタータイトル(字幕)が付けられています。

17世紀に農民反乱の首謀者として名高いコサックの伝説ステンカ・ラージン(ステパン・ラージン)を歌った有名なロシア民謡「ステンカ・ラージン」の歌詞をもとにつくられたもので、略奪してきたペルシアの姫に寄せるステンカ・ラージンの愛と嫉妬を主題にしています。

首領ステパン・ラージンに不満をいだく盗賊たちは、ペルシアの姫が思いを寄せている男がいることを仄めかす手紙をでっち上げ、ラージンの嫉妬をあおり、嫉妬に狂ったラージンはその姫をボルガの水底に投げ捨てると、いきなり「終わり」のタイトルがあらわれて、唐突に映画は終ります。

全編スタジオではなく、ロケで撮影されているほか、役者のアマチュア芝居のような大仰な演技、どきついメーキャップなど、創生期の映画とその手法を堪能させてくれます。

オペラと同じロシアの衣装を着たラージンやペルシヤの公爵令嬢、そして強盗たちを演じる俳優たちが、池に浮かべたボートの上で、カメラの視界から遠ざからないようにしながら大仰に演技していることと、しかし、なによりもロケーション撮影部分のヴォルガ河と森、月が照らし出す草地などの大自然が素晴らしいと解説には書いてありました。

ロスチスラフ・ユレーネフの「ソヴェート映画史」では「川下盗賊団」というタイトルになっていますし、また、他の資料では「ボルガ下流の自由民」としているものもあるようです。

1907年に創立された「A・A・ハンジョンコフ」商会の方も数年後には、モスクワに映画撮影所をもつ巨大企業に成長し、10年後の1918年までに劇映画だけで2000本以上が製作されたといわれています。

こうした映画大国化していくなかで、1917年の革命を迎えたときには、既にロシア全土に映画配給網が張り巡らされるほどの成熟を遂げていました。

サンクト・ペテルブルグには140近くもの映画館があったそうで、当時、ペトログラードと呼ばれたこのサンクト・ペテルブルグに映画の保存を目的とする財団があり、革命後、この映画財団を国営化し新組織を作ることが、1918年に決定します。

そして、「北部コミューン連邦ペトログラード映画委員会(キノセヴ)」と名づけられたこの組織は、やがて、国中の時事を撮影して映画を製作・配給し、ソビエトで最初の映画撮影所の誕生につながっていきました。

これが、後にレンフィルムとよばれたもので、1918年11月には、キノセヴの最初の劇映画「圧縮」(A・バンテレーエフ、A・ドリーノフ、D・パシュコフスキー監督)などが作られ、革命の成功に多大な寄与をしたということです。

≪Стенька Разин≫1908(監督)ウラジーミル・ロマシコフ(原作脚本)ワシーリー・ゴンチャロフ(撮影)アレクサンドル・ドランコフ、ニコライ・コズロフスキー(音楽)イポリートフ・イワノフ
(出演)エヴゲーニー・ペトロフ=クラエフスキー
(12分・18fps・35mm・無声・白黒)


「ステンカ・ラージンの歌詞」
島影から川中へ、広がる川の波間に漕ぎ出てくるのは、色鮮やかなステンカ・ラージン率いる丸木舟。
舳先にいるのはステンカ・ラージン、姫をいだいて新しい婚礼の祝いの最中、うかれ、酔いしれている。
かげで手下の愚痴が聞こえる。「俺たちをすてて、女に乗り換えたってわけさ。たった一晩、女とすごしただけ、朝になったら当の本人が女に成り下がっちまった」
この愚痴とあざけりが、かしらの耳に届なぬわけがない。たくましい腕(かいな)で、ペルシアの姫をむんずとつかむと
「ヴォルガよ、ヴォルガ、母なるヴォルガ、ロシアの河なるヴォルガ。さあ、見るがいい。これぞ、ドン・コサックの贈り物」
「自由な民に反目はあってはならぬ。ヴォルガよ、ヴォルガ、母なるヴォルガ。さあ、美しき姫を受け取るがいい!」と言うが早いか、美しき姫を一気に持ち上げると、押し寄せる波間に姫を投げ捨てる。
「どうした、兄弟、しずんでいるのか、おい、フィールカ、さあ、踊れ。陽気に歌おう、姫の魂をとむらうのだ!」
by sentence2307 | 2006-07-02 22:53 | ロシア映画 | Comments(0)

ロシア・ソビエト映画祭

2006年という年が日本とロシアの国交回復50周年にあたることや、その関係の催しがあったりすることなど、まったく知りませんでした。

たまたま、この7月から京橋のフィルムセンターで「ロシア・ソビエト映画祭」が開催されるという告知で、そのことを始めて知ったくらいです。

「ロシア文化フェスティバル2006 IN JAPAN」というプログラムが一年をかけて企画されていて、その一環として、この「ロシア・ソビエト映画祭」が開催されるということです。

ロシアの映画史は、革命の成功と凋落の歴史とに重なっていて、ある時は野心的に、またある時は否応なく政治の試練と向き合いながら、映画の可能性を追究し、独自の理論を打ち立てることによって、世界の映画に与えた影響は、はかり知れないものがあったと思います。

東京国立近代美術館フィルムセンターでは、7月4日(火)から7月30日(日)までロシア最初の国産劇映画『ステンカ・ラージン』から、日本未公開の最新作2本、『死という名の騎士』(カレン・シャフナザーロフ監督、2004年)と『宇宙を夢見て』(アレクセイ・ウチーチェリ監督、2005年)まで、28本の作品を一挙に紹介するということです。

上映作品としては、エイゼンシュテイン、ヴェルトフ、プドフキンといった1920年代から1930年代のソビエト映画を代表する監督たちの名作はもちろん、亡命ロシア人が多数出演した島津保次郎の「満州」映画『私の鶯』(1943年)、文豪トルストイの大河小説に基づいたボンダルチュクの『戦争と平和』(1965-67年)全4部も上映し、ロシア・ソビエト映画史の大きな潮流をたどるとともに、復活したロシア映画としての新たな歩みにも注目です。

なお、映画祭開催に際して、カレン・シャフナザーロフ監督およびアレクセイ・ウチーチェリ監督を含むゲスト5人がロシアから来日し、舞台挨拶等を行う予定だそうです。

「ロシア・ソビエト映画祭」の上映作品は、以下のとおりです。


★新作ロシア映画
【宇宙を夢見て】Космос как предчувствие
2005(監督)アレクセイ・ウチーチェリ(脚本)アレクサンドル・ミンダゼ(撮影)ユーリー・クリメンコ(美術)ヴェラ・ゼリンスカヤ
(出演)エヴゲーニー・ミロノフ、エヴゲーニー・ツィガーノフ、イリーナ・ペゴワ、ドミトリー・ムリャル、エレーナ・リャドワ、セルゲイ・カチャーノフ、マリヤ・クズネツワ、エレーナ・ガリビナ、イーゴリ・シバノフ
(87分・35mm・カラー)

【死という名の騎士】Всадник по имени смерть
2004(監督脚本)カレン・シャフナザーロフ(原作)V・ロープシン(ボリス・サヴィンコフ)(脚本)アレクサンドル・ボロジャンスキー(撮影)ウラジーミル・クリモフ(美術)リュドミーラ・クサコワ(音楽)アナトーリー・クロール
(出演)アンドレイ・パニン、クセニヤ・ラポポルト、アルチョム・セマーキン、ロスチスラフ・ベルシャウエル、アナスタシア・マケヤワ、ドミトリー・ジュージェフ、ワレーリー・ストロジク、ワシーリー・ゾトフ
(104分・35mm・カラー)


★ロシア・ソビエト映画名作選
【ステンカ・ラージン】 Стенька Разин
1908(監督)ウラジーミル・ロマシコフ(原作脚本)ワシーリー・ゴンチャロフ(撮影)アレクサンドル・ドランコフ、ニコライ・コズロフスキー
(出演)エヴゲーニー・ペトロフ=クラエフスキー
(12分・18fps・35mm・無声・白黒)

【セヴァストポリの防衛】Оборона Севастополя
1911(監督脚本)ワシーリー・ゴンチャロフ、アレクサンドル・ハンジョンコフ(原作)レフ・トルストイ(撮影)ルイ・フォレスティエ、アレクサンドル・リッロ(美術)V・フォスター
(出演)アンドレイ・グロモワ、イワン・モジューヒン、V・アレンツワリ、パーヴェル・ビリュコフ、A・ゴリン=ゴリャイノフ、アレクサンドラ・グロモワ、ウラジーミル・マクシモフ、オリガ・ペトローワ=ズワンツェワ、N・セミョーノフ
(52分・18fps・35mm・無声・白黒)

【ストライキ】 Стачка
1925(監督脚本)セルゲイ・エイゼンシュテイン(脚本)ワレーリー・プレトニョーフ、グリゴーリー・アレクサンドロフ、イリヤ・クラフチュノフスキー(撮影)エドゥアルド・ティッセ、ワシーリー・フワートフ(美術)ワシーリー・ラハリス
(出演)アレクサンドル・アントーノフ、ミハイル・ゴモロフ、イワン・クリュークヴィン、グリゴーリー・アレクサンドロフ
(95分・18fps・35mm・無声・白黒)

【母】 Мать
1926(監督出演)フセヴォロド・プドフキン(原作)マクシム・ゴーリキー(脚本)ナターン・ザルヒ(撮影)アナトーリー・ゴロヴニャ(美術)セルゲイ・コズロフスキー
(出演)ヴェーラ・バラノフスカヤ、ニコライ・バターロフ、アレクサンドル・チスチャコフ、アンナ・ゼムツォワ
(85分・20fps・35mm・無声・白黒)

【ベッドとソファ】 Третья Мещанская
1927(監督脚本)アブラム・ローム(脚本)ヴィクトル・シクロフスキー(撮影)グリゴーリー・ギーベル(美術)ワシーリー・ラハリス、セルゲイ・ユトケーヴィチ
(出演)ニコライ・バターロフ、リュドミーラ・セミョーノワ、ウラジーミル・フォーゲリ、レオニード・ユレーネフ、エレーナ・ソコロワ、マリヤ・ヤロツカヤ
(71分・24fps・35mm・無声・白黒)

【トルブナヤ通りの家】 Дом на Трубной
1928(監督出演)ボリス・バルネット(脚本)ベーラ・ゾリチ、アナトーリー・マリエンゴフ、ワジム・シェルシェネヴィチ、ヴィクトル・シクロフスキー、ニコライ・エルドマン(撮影)エヴゲーニー・アレクセーエフ
(出演)ヴェーラ・マレツカヤ、ウラジーミル・フォーゲリ、エレーナ・チャプキナ、セルゲイ・コマロフ、アーネリ・スダケーヴィチ、アダ・ヴォイツィキ、ウラジーミル・バターロフ
(98分・16fps・35mm・無声・白黒)

【人生案内】 Путевка в жизнь
1931(監督脚本)ニコライ・エック(撮影)ワシーリー・プローニン(美術)イワン・ステパーノフ、A・エヴメネンコ(音楽)エヴゲーニー・ネステロフ
(出演)ニコライ・バターロフ、イワン・クィルラ、ミハイル・ジャーロフ、ワシーリー・カチャーロフ、ミハイル・ジャゴファロフ、アレクサンドル・ノヴィコフ、マリヤ・アントロポワ
(101分・35mm・白黒)

【レーニンのキノプラウダ[キノプラウダ 第21号]】 Ленинская Киноправда (Киноправда №21)
1924(監督脚本)ジガ・ヴェルトフ(撮影)ミハイル・カウフマン、エドゥアルド・ティッセ、グリゴーリー・ギーベル、アレクサンドル・レンベルグ、ピョートル・ノヴィツキー
(23分・24fps・35mm・無声・白黒)

【レーニンの三つの歌】 Три песни Ленина
1934(監督脚本)ジガ・ヴェルトフ(撮影)ドミトリー・スレンスキー、マルク・マギドソン、ベンツィオン(ボリス)・モナスティルスキー(音楽)ユーリー・シャポーリン
(59分・35mm・白黒)

【未来への迷宮】Строгий юноша
1935(監督)アブラム・ローム(脚本)ユーリー・オレーシャ(撮影)ユーリー・エケリチク(美術)ウラジーミル・カプルノフスキー、モリツ・ウマンスキー(音楽)ガヴリール・ポポフ
(出演)ユーリー・ユリエフ、オリガ・ジズネワ、ドミトリー・ドルリアク、マクシム・シュトラウフ、ワレンチナ・セローワ、イリーナ・ヴォロトコ
(102分・35mm・白黒)

【十月のレーニン】Ленин в Октябре
’37(監)ミハイル・ロンム、ドミトリー・ワシーリエフ(脚)アレクセイ・カプレル(撮)ボリス・ヴォルチョク(美)ボリス・ドゥブロフスキー=エシュケ、ニコライ・ソロヴィヨフ(音)アナトーリー・アレクサンドロフ(出)ボリス・シチューキン、ニコライ・オフロープコフ、K・コーロボワ、ワシリー・ワーニン、ウラジーミル・ポクロフスキー、A・コワレフスキー、ニコライ・スヴォボジン、セミョーン・ゴリトシュタブ、ニコライ・ソコロフ
(101分・35mm・白黒)

【ヴォルガ・ヴォルガ】Волга-Волга
1938(監督脚本)グリゴーリー・アレクサンドロフ(脚本)ミハイル・ヴォリピン、ニコライ・エルドマン(撮影)ウラジーミル・ニールセン、ボリス・ペトロフ(美術)ゲオルギー・グリフツォフ、M・カリャーキン(音楽)イサーク・ドゥナエフスキー
(出演)イーゴリ・イリインスキー、リュボーフィ・オルローワ、パーヴェル・オレネフ、アンドレイ・トゥティシュキン、セルゲイ・アンチモノフ、ウラジーミル・ヴォロジン、マリヤ・ミローノワ
(106分・35mm・白黒)

【私の鶯】
1943(監督脚本)島津保次郎(原作)大仏次郎(撮影)福島宏(音楽)服部良一
(出演)李香蘭(山口淑子)、黒井洵(二本柳寛)、千葉早智子、松本光男、進藤英太郎、グリゴーリー・サヤーピン、ワシーリー・トムスキー、ニーナ・エンゲルガルド、オリガ・マシュコワ
(99分・35mm・白黒)

【イワン雷帝 第1部】 Иван Грозный(1-я серия)
初代皇帝(ツァーリ)としてロシア帝国の強大化に尽力したイワン4世(雷帝)を描いたエイ
1944(監督脚本)セルゲイ・エイゼンシュテイン(撮影)エドゥアルド・ティッセ、アンドレイ・モスクヴィン(美術)ヨシフ・シュピネリ(音楽)セルゲイ・プロコフィエフ
(出演)ニコライ・チェルカーソフ、リュドミーラ・ツェリコフスカヤ、セラフィーマ・ビルマン、パーヴェル・カードチニコフ、ミハイル・ジャーロフ、アンヴロシー・ブーチマ、ミハイル・クズネツォフ、ミハイル・ナズワーノフ、アンドレイ・アブリコソフ、マクシム・ミハイロフ、フセヴォロド・プドフキン、アレクサンドル・ムゲブロフ
(99分・35mm・白黒)

【イワン雷帝 第2部】 Иван Грозный(2-я серия)
’45(監)(脚)セルゲイ・エイゼンシュテイン(撮)エドゥアルド・ティッセ、アンドレイ・モスクヴィン(美)ヨシフ・シュピネリ(音)セルゲイ・プロコフィエフ(出)ニコライ・チェルカーソフ、リュドミーラ・ツェリコフスカヤ、セラフィーマ・ビルマン、パーヴェル・カードチニコフ、ミハイル・ジャーロフ、アンヴロシー・ブーチマ、ミハイル・クズネツォフ、ミハイル・ナズワーノフ、アンドレイ・アブリコソフ、アレクサンドル・ムゲブロフ、フセヴォロド・プドフキン
(85分・35mm・パートカラー)

【諜報員】 Подвиг разведчика
1947(監督出演)ボリス・バルネット(脚本)ミハイル・ブレイマン、コンスタンチン・イサーエフ、ミハイル・マクリャルスキー(撮影)ダニール・デムツキー(美術)モリツ・ウマンスキー(音楽)ドミトリー・クレバーノフ、オスカル・サンドレル
(出演)パーヴェル・カードチニコフ、ヴィクトル・ドヴロヴォリスキー、ミハイル・ロマノフ、ドミトリー・ミリュテンコ、ピョートル・アルジャノフ
(92分・35mm・白黒)

【鶴は翔んでゆく】 Летят журавли
1957(監督)ミハイル・カラトーゾフ(脚本)ヴィクトル・ローゾフ(撮影)セルゲイ・ウルセフスキー(美術)エヴゲーニー・スヴィデーテレフ(音楽)モイセイ・ワインベルグ
(出演)タチヤーナ・サモイロワ、アレクセイ・バターロフ、ワシーリー・メルクーリエフ、スヴェトラーナ・ハリトーノワ、コンシタンチン・ニキーチン、ワレンチン・ズブコフ、アントニーナ・ボグダノワ、ボリス・ココフキン
(96分・35mm・白黒)

【誓いの休暇】 Баллада о солдате
1959(監督脚本)グリゴーリー・チュフライ(脚本)ワレンチン・エジョフ(撮影)ウラジーミル・ニコラーエフ、エラ・サヴェリエワ(美術)ボリス・ネメチェク(音楽)ミハイル・ジーフ
(出演)ウラジーミル・イワショフ、ジャンナ・プロホレンコ、アントニーナ・マクシーモワ、ニコライ・クリュチコフ、エヴゲーニー・ウルバンスキー
(87分・35mm・白黒)

【私は20歳】 Мне двадцать лет(Застава Ильича)
1962(監督脚本)マルレン・フツィーエフ(脚本)ゲンナージー・シュパリコフ(撮影)マルガリータ・ピリーヒナ(美術)イリーナ・ザハーロワ(音楽)ニコライ・シデリニコフ
(出演)ワレンチン・ポポフ、ニコライ・グベンコ、スタニスラフ・リュプシン、マリアンナ・ヴェルチンスカヤ、スヴェトラーナ・スタリコワ
(198分・35mm・白黒)

【戦争と平和】Война и мир
1965-67(監督脚本出演)セルゲイ・ボンダルチュク(原作)レフ・トルストイ(脚本)ワシーリー・ソロヴィヨフ(撮影)アナトーリー・ペトリツキー(美術)ミハイル・ボグダーノフ、ゲンナージー・ミャスニコフ、アレクサンドル・ボリゾフ、ニコライ・トルカチョフ(音楽)ヴァチェスラフ・オフチンニコフ
(出演)リュドミーラ・サヴェリエワ、ヴャチェスラフ・チホノフ、ヴィクトル・スタニツィン、キーラ・イワノワ=ゴロフコ、オレグ・タバコフ
(425分・35mm・カラー)

【デルス・ウザーラ】Дерсу Узала
1975(監督脚本)黒澤明(原作)ウラジーミル・アルセーニエフ(脚本)ユーリー・ナギービン(撮影)中井朝一、ユーリー・ガントマン、フョードル・ドブロヌラヴォフ(美術)ユーリー・ラクシャ(音楽)イサーク・シュワルツ
(出演)ユーリー・ソローミン、マクシム・ムンズク、スヴェトラーナ・ダニリチェンコ、ディマ・コルシコフ、スイメンクル・チョクモロフ、ウラジーミル・クレメナ
(143分・35mm・カラー)

【五つの夜に】 Пять вечеров
1979(監督脚本出演)ニキータ・ミハルコフ(原作)アレクサンドル・ヴォロジン(脚本美術出演)アレクサンドル・アダバシャン(撮影)パーヴェル・レーベシェフ(美術)アレクサンドル・サムレキン
(出演)リュドミーラ・グルチェンコ、スタニスラフ・リュプシン、ワレンチナ・テリーチキナ、ラリーサ・クズネツォーワ、イーゴリ・ネフョードフ
(102分・35mm・白黒)

【モスクワは涙を信じない】Москва слезам не верит
1980(監督)ウラジーミル・メニショフ(脚本)ワレンチン・チェルヌィフ(撮影)イーゴリ・スラブネーヴィチ(美術)サイード・メニャリシチコフ(音楽)セルゲイ・ニキーチン
(出演)ヴェーラ・アレントワ、アレクセイ・バターロフ、イリーナ・ムラヴィヨーワ、ライーサ・リャザーノワ、ナターリヤ・ワヴィロワ
(149分・35mm・カラー)

【不思議惑星キン・ザ・ザ】Кин-дза-дза
1983(監督脚本)ゲオルギー・ダネリア(脚本)レワズ・ガブリアゼ(撮影)パーヴェル・レーベシェフ(美術)アレクサンドル・サムレキン、テオドル・テジク(音楽)ギア・カンチェリ
(出演)スタニスラフ・リュプシン、エヴゲーニー・レオーノフ、ユーリー・ヤコブレフ、レワン・ガブリアゼ
(134分・35mm・カラー)

【ストーン クリミアの亡霊】Камень
1992(監督)アレクサンドル・ソクーロフ(脚本)ユーリー・アラーボフ(撮影)アレクサンドル・ブーロフ(美術)ウラジーミル・ソロヴィヨフ
(出演)レオニード・モズゴヴォイ、ピョートル・アレクサンドロフ、ワジム・セミョーノフ
(88分・35mm・白黒)

【コーカサスの虜】Кавказский пленник
1996(監督脚本)セルゲイ・ボドロフ(原作)レフ・トルストイ(脚本)アリフ・アリエフ、ボリス・ギレル(撮影)パーヴェル・レーベシェフ(美術)ワレーリー・コストリン(音楽)レオニード・デシャートニコフ
(出演)オレグ・メンシコフ、セルゲイ・ボドロフJr、スサンナ・メフラリエワ、ジェマル・シハルリゼ
(95分・35mm・カラー)
by sentence2307 | 2006-07-01 21:00 | ロシア映画 | Comments(3)