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世界のあらゆる映画を偏執的に見まくる韜晦風断腸亭日乗


by sentence2307
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カテゴリ:鈴木清順( 2 )

何年か前から、とみに物覚えが悪くなったなと痛感することがたびたびあったので、小さなメモ帳を携帯するようにしています。

決して忘れてはならない約束の日時とか、病院の診察日とか、そのほか細々とした事項をメモするのですが、当初は、「約束の日時と重要な事項」を簡単にメモするために持ち歩いていたものが、そのうち、気に掛かった新聞記事とか読書の感想とか見逃したくない映画とか、はてはそのポスターの惹句までも書き込む範囲を果てしなく(「だらしなく」といった方が相応しいかもしれませんが)広げて、その小さな帳面に書き込むようになってしまいました。

また、知人と会話したときなどに聞いた興味深い話の要点も書きとどめています。つまり、なんでもありのノートという感じです。

もともと覚書きなので、1~2行ですむ簡単なものばかりですが、ときには1頁におよぶものも、たまにはあります。

ある法律を勉強している方と飲んでいた時、たまたま殺人事件の話になりました。いろいろな陰惨・悲惨な事例を話してくれたあとで、誰もが知っている有名な殺人事件(自分の奥さんを惨殺して死体をバラバラにし長野の山林に埋めたという何十年も前の殺人事件で、ただ、その動機というのが、いまもって不明なのだそうです)を話してくれました。

判決文では、「妻の日頃の言動を腹立たしく思っていた夫が、たまたまその夜も夫の非行をなじる妻の言動に逆上し凶行に及んだ」としか書かれておらず、具体的になんと言ったために争いにまでなったかは記されていませんが、「実はね、ここだけのはなしだけどね」とその人は、声を潜めて話してくれました。

「その亭主が風呂上りにリラックスしてテレビを見ながらビールを飲んでいるときに、奥さんが隣の部屋から呼び掛けたので返事をしたところ、奥さんが笑いながら現れ、今のはわたしのオナラだよと嘲笑したというのが凶行の直接の原因だったそうなんですよ、まさか裁判官も殺人の動機がオナラだなんて後世に残る判決文には書けなかったのでしようね」

「へ~え、オナラに返事したために殺人ですか、そりゃオナラ殺人だ」って、わけが分かりません。

この話の真偽はともかく(このセンセン、もともと冗談好きの大嘘つきで通ってます)、そのときは腹を抱えて笑ってしまいましたが、いまそのページを見ると、1頁全部に大きく「バツ」がしてあるところをみると、書き込んではみたものの、このメモ帳の趣旨に大きく逸脱したことをすぐさま後悔したことが察せられます。そのときも感心して聞きながらも、半分は嘘っぱちだと聞き流していた証拠です。

しかし、こんなものばかりではありません、長文のメモのなかにだって有益なものだってありました。

たとえば、美術監督・木村威夫が種田陽平のインタビューに答えた言葉がメモされています。

「僕は映画の未来、不安は感じていないよ。人がやっていないことは山のようにある。誰がそれを発見するかだ。映画美術は、今までは舞台美術みたいに役者の演じる『場』を映画美術としてきたわけでしょ。そうではなくて、人間の心の奥底にあるイマジネーションを映画美術にするんだ。」(「伝説の映画美術監督たち×種田陽平」キネマ旬報連載2006~2007)

この部分、読んだ当初は物凄く心に響き、必死に書き留めたのですが、こうして抜き書きした部分だけ読み返してみると、残念ながら前後の脈絡を失った言葉の生命感がすっかり失われてしまっていることを実感しないわけにはいきません。やっぱり本というのは、1冊すべてを背負い込んだうえで、はじめて生きる「一文」というものがあるのだなあと痛感しました。

そんな折、読売新聞の読書欄を読んでいたら、上記の一文を補足するような記事(2018.10.7朝刊8面)に遭遇しました。福岡伸一「人間知の殿堂編・博物館 妄想の楼閣」のなかの一文です。

≪世に、マップラバーとマップヘイターあり。マップラバーとは文字通り、地図好きの人。地下鉄を降りても、百貨店に入ってもまず地図を見る。自分の現在地を定位してから歩き出す。マップヘイターは、地図などなくても平気な人。記憶や勘を頼りにどんどん進んでいける。おおまかにいうと学者や研究者は基本的にマップラバー。世界に緯度と経度の線を引き、グリッドのひとつひとつに地形と地名を記入するように現象や概念を定義し、分類し、列記したい。対象が複雑なものであればあるほど燃える。それらをことごとく枚挙し、名前や番号を振り、田んぼに苗を植えるかの如く整然と並べたい。ひいてはその行為が、世界の豊かさと美しさを賛美することにもなる。・・・そしてもうひとつ。マップラバーとして、新種を枚挙し、標本を陳列し、遺伝子地図を作って解明し続けて分かったこと。それは皮肉にも、生命自体はマップヘイターであるということだった。細胞は自律的に多細胞化し、相補的に運命を決め、発生的に組織や臓器を作る。そこにあらかじめ地図はいらない。博物館は人間の知が妄想した砂上の楼閣なのだった。≫

この文章を読んだ当初は、マップラバーが映画美術とか照明に該当し、マップヘイターが映画監督にあたるのかなと感じたのですが、どうでしょう?

この小文を書いているときに、たまたま和田誠の「照明熊谷学校」を見て、同じ日活で同時期(「東京流れ者」と「けんかえれじい」の印象が強烈なので)に活躍したこのお三方、鈴木清順・木村威夫・熊谷秀夫の接点(「日活」と「1958~1971」)を調べてみたくなりました。

以下がその時系列一覧で、★印は、同じ仕事をした作品です。3名が顔を揃えた作品は、「★★★」となります。



●鈴木清順・木村威夫・熊谷秀夫(日活にて1958~1971)

1958.02.26 春泥尼  日活 美術・木村威夫
1958.03.25 暗黒街の美女  日活 鈴木清順
1958.04.08 霧の中の男  日活 美術・木村威夫
1958.04.15 陽のあたる坂道  日活 美術・木村威夫
1958.05.27 死の壁の脱出  日活 美術・木村威夫
1958.06.29 踏みはずした春  日活 鈴木清順
1958.07.22 野郎と黄金  日活 美術・木村威夫
1958.07.29 運河  日活 美術・木村威夫
1958.09.08 青い乳房  日活 鈴木清順
1958.09.23 赤い波止場  日活 美術・木村威夫
1958.10.22 影なき声  日活 鈴木清順
1958.10.29 嵐の中を突っ走れ  日活 美術・木村威夫
1958.12.17 獣のいる街  日活 美術・木村威夫
1958.12.28 赤いランプの終列車  日活 照明・熊谷秀夫


1959.01.15 若い川の流れ  日活 美術・木村威夫
1959.01.15 らぶれたあ  日活 鈴木清順
1959.01.28 雑踏に光る眼  日活 照明・熊谷秀夫
1959.02.04 実いまだ青し  日活 美術・木村威夫
1959.02.24 仮面の女  日活 美術・木村威夫
1959.03.25 逃亡者  日活 美術・木村威夫
1959.04.08 狂った脱獄  日活 照明・熊谷秀夫
1959.04.22 二連銃の鉄  日活 美術・木村威夫
1959.05.12 夜霧に消えたチャコ  日活 照明・熊谷秀夫
1959.05.19 暗黒の旅券  日活 鈴木清順
1959.05.31 山と谷と雲  日活 美術・木村威夫
1959.06.09 海は狂っている  日活 美術・木村威夫
1959.07.05 爆薬に火をつけろ  日活 美術・木村威夫
1959.07.05 事件記者  日活 照明・熊谷秀夫
1959.08.02 事件記者 真昼の恐怖  日活 照明・熊谷秀夫
1959.08.09 男なら夢をみろ  日活 美術・木村威夫
1959.08.26 浮気の季節  日活 美術・木村威夫
1959.09.08 素っ裸の年令  日活 鈴木清順
1959.09.13 海底から来た女  日活 照明・熊谷秀夫
1959.10.21 硫黄島  日活 美術・木村威夫
1959.11.18 大学の暴れん坊  日活 美術・木村威夫


1960.01.03 刑事物語 東京の迷路  日活 照明・熊谷秀夫
1960.01.15 鉄火場の風  日活 美術・木村威夫
1960.01.27 13号待避線より その護送車を狙え  日活 鈴木清順
1960.02.07 俺は欺されない  日活 美術・木村威夫
1960.02.10 飢えた牙  日活 照明・熊谷秀夫
1960.03.20 ノック・ダウン 打倒  日活 美術・木村威夫
1960.04.06 けものの眠り  日活 鈴木清順
1960.04.27 白い閃光  日活 照明・熊谷秀夫
1960.05.21 僕は泣いちっち  日活 照明・熊谷秀夫
1960.05.28 海を渡る波止場の風  日活 美術・木村威夫
1960.06.25 お嬢さんの散歩道  日活 照明・熊谷秀夫
1960.06.25 密航0ライン  日活 鈴木清順
1960.07.09 霧笛が俺を呼んでいる  日活 美術・木村威夫
1960.08.31 小雨の夜に散った恋  日活 照明・熊谷秀夫
1960.09.14 借りは返すぜ  日活 照明・熊谷秀夫
1960.09.21 やくざ先生  日活 美術・木村威夫
1960.10.08 すべてが狂ってる  日活 鈴木清順
1960.11.12 情熱の花  日活 照明・熊谷秀夫
1960.11.23 くたばれ愚連隊  日活 鈴木清順
1960.12.21 コルトが背中を狙ってる  日活 照明・熊谷秀夫
1960.12.27 闘牛に賭ける男  日活 美術・木村威夫


1961.01.09 俺の血が騒ぐ  日活 美術・木村威夫
1961.01.27 夜の挑戦者  日活 照明・熊谷秀夫
1961.02.01 東京騎士隊  日活 鈴木清順
1961.02.11 紅の拳銃  日活 美術・木村威夫
1961.03.05 大暴れマドロス野郎  日活 美術・木村威夫
1961.04.03 機動捜査班  日活 照明・熊谷秀夫
1961.04.09 風に逆らう流れ者  日活 美術・木村威夫
1961.04.16 無鉄砲大将  日活 鈴木清順
1961.05.28 機動捜査班 罠のある街  日活 照明・熊谷秀夫
1961.06.04 散弾銃の男  日活 鈴木清順
1961.06.18 都会の空の非常線  日活 美術・木村威夫
1961.06.28 機動捜査班 秘密会員章  日活 照明・熊谷秀夫
1961.08.06 拳銃横丁  日活 美術・木村威夫
1961.08.27 峠を渡る若い風  日活 鈴木清順
1961.09.02 セールスマン物語 男にゃ男の夢がある  日活 照明・熊谷秀夫
1961.09.23 大森林に向って立つ  日活 美術・木村威夫
1961.10.01 海峡、血に染めて  日活 鈴木清順
1961.11.01 嵐を突っ切るジェット機  日活 美術・木村威夫
1961.11.22 カミナリお転婆娘  日活 照明・熊谷秀夫
1961.12.01 百万弗を叩き出せ  日活 鈴木清順
1961.12.10 黒い傷あとのブルース  日活 美術・木村威夫


1962.01.27 ひとつのいのち  日活 照明・熊谷秀夫
1962.01.27 兄貴  日活 美術・木村威夫
1962.02.03 君恋し  日活 照明・熊谷秀夫
1962.03.04 上を向いて歩こう  日活 美術・木村威夫
1962.04.22 週末屋繁晶記  日活 照明・熊谷秀夫
1962.05.01 雲に向かって起つ  日活 美術・木村威夫
★1962.06.20 ハイティーンやくざ  日活 鈴木清順
★1962.06.20 ハイティーンやくざ  日活 照明・熊谷秀夫
1962.07.15 遙かなる国の歌  日活 美術・木村威夫
1962.08.12 渡り鳥故郷へ帰る  日活 美術・木村威夫
1962.09.02 銃弾の嵐  日活 照明・熊谷秀夫
1962.09.30 硝子のジョニー 野獣のように見えて  日活 美術・木村威夫
1962.11.21 しろばんば  日活 照明・熊谷秀夫
1962.12.12 俺に賭けた奴ら  日活 鈴木清順


1963.01.11 いつでも夢を  日活 美術・木村威夫
1963.01.27 探偵事務所23 くたばれ悪党ども  日活 鈴木清順
1963.04.21 野獣の青春  日活 鈴木清順
1963.06.30 夜霧のブルース  日活 美術・木村威夫
1963.08.31 風が呼んでる旋風児 銀座無頼帖  日活 照明・熊谷秀夫
★1963.09.21 悪太郎  日活 美術・木村威夫
★1963.09.21 悪太郎  日活 鈴木清順
★1963.11.23 関東無宿  日活 鈴木清順
★1963.11.23 関東無宿  日活 美術・木村威夫


★1964.02.08 花と怒濤  日活 美術・木村威夫
★1964.02.08 花と怒濤  日活 鈴木清順
1964.04.12 噂の風来坊  日活 照明・熊谷秀夫
1964.04.29 夕陽の丘  日活 美術・木村威夫
1964.05.13 河内ぞろ どけち虫  日活 照明・熊谷秀夫
★1964.05.31 肉体の門  日活 美術・木村威夫
★1964.05.31 肉体の門  日活 鈴木清順
1964.09.09 あゝ青春の胸の血は  日活 照明・熊谷秀夫
★1964.10.03 俺たちの血が許さない  日活 鈴木清順
★1964.10.03 俺たちの血が許さない  日活 美術・木村威夫
1964.10.11 早射ちジョー 砂丘の決斗  日活 照明・熊谷秀夫
1964.12.06 河内ぞろ 喧嘩軍鶏  日活 照明・熊谷秀夫


★1965.02.28 春婦伝  日活 美術・木村威夫
★1965.02.28 春婦伝  日活 鈴木清順
1965.03.20 悲しき別れの歌  日活 照明・熊谷秀夫
1965.04.14 落葉の炎  日活 美術・木村威夫
1965.08.14 星と俺とできめたんだ  日活 照明・熊谷秀夫
★1965.08.25 悪太郎伝 悪い星の下でも  日活 美術・木村威夫
★1965.08.25 悪太郎伝 悪い星の下でも  日活 鈴木清順
1965.09.04 三匹の野良犬  日活 美術・木村威夫
1965.10.08 男の紋章 俺は斬る  日活 照明・熊谷秀夫
1965.10.23 怪盗X 首のない男  日活 美術・木村威夫
★1965.11.13 刺青一代  日活 美術・木村威夫
★1965.11.13 刺青一代  日活 鈴木清順


1966.02.05 愛して愛して愛しちゃったのよ  日活 照明・熊谷秀夫
1966.02.05 河内カルメン  日活 美術・木村威夫
1966.02.05 河内カルメン  日活 鈴木清順
★1966.04.10 東京流れ者  日活 美術・木村威夫
★1966.04.10 東京流れ者  日活 鈴木清順
★1966.04.10 東京流れ者  日活 照明・熊谷秀夫
1966.06.01 逢いたくて逢いたくて  日活 照明・熊谷秀夫
1966.06.02 友を送る歌  日活 照明・熊谷秀夫
1966.07.09 夜のバラを消せ  日活 美術・木村威夫
★1966.11.09 けんかえれじい  日活 鈴木清順
★1966.11.09 けんかえれじい  日活 美術・木村威夫
★1966.11.09 けんかえれじい  日活 照明・熊谷秀夫
1966.12.03 おゆきさん  日活 美術・木村威夫
1966.12.24 傷だらけの天使  日活 照明・熊谷秀夫


1967.02.25 二人の銀座  日活 美術・木村威夫
1967.05.03 嵐来たり去る  日活 美術・木村威夫
1967.06.15 殺しの烙印  日活 鈴木清順
1967.08.01 反逆  日活 照明・熊谷秀夫
1967.09.06 みな殺しの拳銃  日活 美術・木村威夫
1967.09.06 対決  日活 美術・木村威夫
★1967.10.07 紅の流れ星  日活 美術・木村威夫
★1967.10.07 紅の流れ星  日活 照明・熊谷秀夫
★1967.11.18 血斗  日活 照明・熊谷秀夫
★1967.11.18 血斗  日活 美術・木村威夫


★1968.01.13 無頼より 大幹部  日活 照明・熊谷秀夫
★1968.01.13 無頼より 大幹部  日活 美術・木村威夫
★1968.04.28 大幹部 無頼  日活 美術・木村威夫
★1968.04.28 大幹部 無頼  日活 照明・熊谷秀夫
★1968.05.29 わが命の唄 艶歌  日活 照明・熊谷秀夫
★1968.05.29 わが命の唄 艶歌  日活 美術・木村威夫
1968.06.22 昭和のいのち  日活 美術・木村威夫
1968.09.21 あゝひめゆりの塔  日活 美術・木村威夫
1968.11.02 無頼 人斬り五郎  日活 照明・熊谷秀夫
1968.12.28 無頼 黒匕首  日活 照明・熊谷秀夫


1969.01.22 地獄の破門状  日活 美術・木村威夫
1969.02.22 野獣を消せ  日活 美術・木村威夫
1969.03.15 無頼 殺せ  日活 照明・熊谷秀夫
1969.03.29 昇り竜鉄火肌  日活 美術・木村威夫
1969.05.14 前科 仮釈放  日活 照明・熊谷秀夫
★1969.07.12 前科 ドス嵐  日活 照明・熊谷秀夫
★1969.07.12 前科 ドス嵐  日活 美術・木村威夫
★1969.08.23 大幹部 殴り込み  日活 美術・木村威夫
★1969.08.23 大幹部 殴り込み  日活 照明・熊谷秀夫
1969.09.27 侠花列伝 襲名賭博  日活 美術・木村威夫
1969.12.31 嵐の勇者たち  日活 美術・木村威夫


★1970.01.15 やくざの横顔  日活 照明・熊谷秀夫
★1970.01.15 やくざの横顔  日活 美術・木村威夫
1970.03.07 斬り込み  日活 照明・熊谷秀夫
1970.07.11 女の警察 乱れ蝶  アロー・エンタープライズ=日活 美術・木村威夫
1970.09.01 大幹部 ケリをつけろ  日活 美術・木村威夫
1970.10.14 ネオン警察 ジャックの刺青  日活 照明・熊谷秀夫
1970.10.24 新宿アウトロー ぶっ飛ばせ  日活 照明・熊谷秀夫


1971.01.27 女子学園 おとなの遊び  日活 照明・熊谷秀夫
1971.07.03 関東破門状  日活 美術・木村威夫
1971.07.31 極楽坊主  日活 照明・熊谷秀夫
1971.08.25 不良少女 魔子  日活 美術・木村威夫
1971.11.20 団地妻 昼下がりの情事  日活 照明・熊谷秀夫



by sentence2307 | 2018-10-09 16:41 | 鈴木清順 | Comments(0)
【野獣の青春】
大藪春彦の「人狩り」を原作とし、宍戸錠が主演する鈴木清順監督によるハードボイルド・アクション。懲戒免職を受けた元刑事ジョーが、自分をかばってくれた元同僚の奇妙な死に疑問を抱き、真相究明に走るというストーリーが、鈴木清順の作り出す奇妙な空間で展開される。
(1963日活)(監督)鈴木清順(原作)大籔春彦(脚本)池田一朗、山崎忠昭(撮影)永塚一栄(美術)横尾嘉良(音楽)奥村一
(出演)宍戸錠、渡辺美佐子、川地民夫、香川美奈子、平田大三郎、郷鍈治、上野山功一、小林昭二、阿部百合子、木宝郁子、柳瀬志郎、青木富夫、木島一郎、三木正三、花村彰則
(91分・35mm・カラー)

【夜霧のブルース】
長崎港の荷役を支配する組織の事務所に男(石原)が拳銃を持って現れる。緊張が高まる中、男は妻について、そしてある事件について語り始めた。一見つながりを持たぬかに見える事務所の空間と男の回想場面の空間が、男の話の展開とともに結びつけられてゆくのが興味深い。神戸で羽振りをきかせていたヤクザの幹部・西脇純三(石原)は、素人の娘・みち子(浅丘)に恋したことから足を洗おうとするが、親分の執拗ないやがらせに怒り、親分を刺してみち子と共に逃亡する。西脇とみち子は貧しいながら幸福な日々を送り、みち子の胎内には新しい生命が育っていたが、ふとした事件に捲き込まれ、みち子は殺されてしまう。今は堅気となった西脇だが再びドスを手に殺人者を追う。
(1963日活)(監督)野村孝(原作)菊田一夫(脚本)国弘威雄(撮影)髙村倉太郎(美術)木村威夫(音楽)伊部晴美
(出演)石原裕次郎、浅丘ルリ子、岩崎加根子、沢本忠雄、郷鍈治、田中明夫、土方弘、上野山功一、天坊準、深江章喜、髙田敏江、木島一郎、弘松三郎
(103分・35mm・カラー)

【狼の王子】
東京で知り合った新聞記者(浅丘)と愛を育みながらも、組の危機を救おうと“狼”に戻ってゆく若きやくざを描く。主演は、青春路線とかけもちしつつ、任侠アクションで人気を得た高橋英樹。松竹ヌーヴェルヴァーグ一派の書き下ろしらしく、階級差のテーマが強くにじみ出た。
(1963日活)(監督)舛田利雄(原作)石原慎太郎(脚本)田村孟、森川英太郎(撮影)間宮義雄(美術)千葉一彦(音楽)伊部晴美
(出演)高橋英樹、浅丘ルリ子、石山健次郎、加藤嘉、川地民夫、鈴木瑞穂、垂水悟郎、田中明夫、河野弘、浜口浩造、篠原守、新沢輝一
(102分・35mm・カラー)

【関東無宿】
平林たい子の「地底の歌」の2度目の映画化作品。「渡り鳥」シリーズを終えた小林旭はいくつかの任侠映画風のアクションものにも主演するようになる。本作もその一つで、鈴木清順の濃厚な美的センスは古風な場所設定とともに一層強烈さを添えている。
(1963日活)(監督)鈴木清順(原作)平林たい子(脚本)八木保次郎(撮影)峰重義(美術)木村威夫(音楽)池田正義
(出演)小林旭、松原智惠子、平田大三郎、伊藤弘子、中原早苗、髙品格、進千賀子、江角英明、木島一郎、野呂圭介、河野弘、衣笠眞寿男、長弘
(92分・35mm・カラー)

【赤いハンカチ】
麻薬密輸の容疑者を誤って銃殺した元刑事(石原)は、4年間罪の意識とともに貧乏生活を送る一方、その相棒であった男(二谷)はなぜか大金持ちに。事の真相をめぐって横浜の街は突如騒然とする。本作は、裕次郎の歌う同名の主題歌ととも大人気を博した。凶悪な麻薬ルートを追っていた三上次郎(石原)・石塚(二谷)両刑事は容疑者・平岡を護送中に誤って射殺してしまう。三上は退職して遠く放浪していたが、石塚が平岡の遺児・玲子(浅丘)と結婚、実業家としても成功していることを聞き横浜に戻る。玲子への恋を断ち切れぬまま横浜にとどまった三上は、石塚が麻薬組織から買収されていて、昔の射殺事件も証言を封じる為に彼が仕組んだ罠である事を知る。
(1964日活)(監督脚本)舛田利雄(脚本)小山英、山崎巖(撮影)間宮義雄(美術)千葉和彦(音楽)伊部晴美
(出演)石原裕次郎、浅丘ルリ子、二谷英明、川地民夫、笹森礼子、金子信雄、森川信、芦田伸介、清水将夫、桂小金治
(98分・35mm・カラー)

【花と怒濤】
鈴木清順による小林旭主演の任侠アクションとしては『関東無宿』に次いで2作目。大正時代の東京を背景としながらも、妙に西洋風の装いをした殺し屋(川地)が登場するなど、そうした鈴木清順らしい荒唐無稽ともいえるディテールがストーリーにスパイスを加えている。
(1964日活)(監督)鈴木清順(原作)青山光二(脚本)船橋和郎、阿部桂一(撮影)永塚一栄(美術脚本)木村威夫(音楽)奥村一
(出演)小林旭、川地民夫、松原智惠子、久保菜穂子、髙品格、深江章喜、嵯峨善兵、野呂圭介、江角英明、玉川伊佐男、宮部昭夫、柳瀬志郎
(92分・35mm・カラー)

【河内ぞろ どけち虫】
大阪という場所設定とその地域的気質が生かされた異色の任侠アクション「河内ぞろ」シリーズの2作目。並々ならぬケチぶりを見せる3人兄弟(宍戸、川地、山内)が三者三様の人生を歩みつつも、財産争いで団結したり対立したりする様子がユーモラスに描かれる。
(1964日活)(監督)舛田利雄(原作)今東光(脚本)笠原良三(撮影)萩原憲治(美術)千葉和彦(音楽)伊部晴美
(出演)宍戸錠、川地民夫、山内賢、伊藤雄之助、笠置シヅ子、南田洋子、安田道代、上田吉二郎、谷村昌彦、神戸瓢介、山田吾一
(102分・35mm・白黒)

【黒い賭博師】
さすらいの賭博師氷室浩次(小林)を主人公に据えた「賭博師」シリーズの第6作。本作に続く2本も含む「黒い賭博師」作品は、氷室が国際的なギャンブラーと対決し、このシリーズにさらなるスケールの大きさが加えられている。賭博の技の描写が重視され、それまでの同シリーズ作品と一線を画した。
(1965日活)(監督)中平康(原作)野村敏雄(脚本)小川英、中西隆三(撮影)山崎善弘(美術)大鶴泰弘(音楽)伊部晴美
(出演)小林旭、富士真奈美、小池朝雄、益田喜頓、横山道代、谷村昌彦、榎木兵衛、野呂圭介、玉川伊佐男、天坊準、高橋昌也、シェーリー・ヘレン、ペドロ・フェルナンデス、深江章喜
(86分・35mm・カラー)

【刺青一代】
『関東無宿』、『花と怒濤』と同様、清順特有の美学が露わになった傑作で、鈴木自身、歌舞伎の様式性を強く意識して作ったという。その美意識は本作に、様々な日活アクションの中でも強烈な個性を与えている。ラストの殴り込みシーンは特に見物。
(1965日活)(監督)鈴木清順(脚本)直居欽哉、服部佳(撮影)高村倉太郎(美術)木村威夫(音楽)池田正義
(出演)高橋英樹、和泉雅子、小高雄二、花ノ本壽、伊藤弘子、松尾嘉代、小松方正、高品格、日野道夫、野呂圭介、河野弘、柳瀬志郎、長弘、久松洪介、千代田弘、嵯峨善兵
(87分・35mm・カラー)

【二人の世界】
時効を目前に殺人事件の犯人らしき男(石原)が雑誌記者(二谷)の前に現れた。真相をめぐって男が、男の安否を懸念して女(浅丘)が、そしてネタをめぐって記者が動く。語られるべき自己の真実をめぐって繰り広げられる、日活指折りの傑作ムード・アクション。無実の罪を着せられ、国外逃亡した北条修一(石原)は、フィリピン人ヴァルガとして暮らしていたが、時効直前に無実を証明するために帰国する。偶然にも船の中で彼の正体を知った雑誌記者・川瀬(二谷)は、スクープのチャンスと必死で修一を追い、船中で知り合った玲子(浅丘)は彼を慕い、真犯人探しに協力する。そして、孤児の自分を育てた恩人・関根(山形)が真犯人と知り、修一は愕然とする。
(1966日活)(監督)松尾昭典(脚本)小川英、松尾昭典(撮影)岩佐一泉(美術)中村公彦(音楽)嵐野英彦
(出演)石原裕次郎、浅丘ルリ子、二谷英明、深江章喜、浜村純、嶋計昭、山形勲、富田仲次郎、大坂志郎、榎木兵衛、大滝秀治、木島一郎
(91分・35mm・カラー)

【東京流れ者】
渡世の義理から離れようと旅に生きる“不死鳥の哲”を演じ、渡哲也の出世作となった一篇。鈴木清順の演出は、ドラマの流れよりもシーンごとの色使いや様式性に重きを置き、監督自身も、特に外国の観客に好まれる自作としてこの映画を挙げている。
(1966日活)(監督)鈴木清順(原作脚本)川内康範(撮影)峰重義(美術)木村威夫(音楽)鏑木創
(出演)渡哲也、松原智恵子、川地民夫、二谷英明、郷鍈治、浜川智子、吉田毅、玉川伊佐男、江角英明、北竜二、日野道夫、玉川駿太郎、緑川宏、長弘、久松洪介、柴田新三、木浦佑三
(82分・35mm・カラー)

【帰らざる波止場】
日活アクションも爛熟期に達した頃の、裕次郎とルリ子のコンビ作品。世界的ジャズ・ピアニストから囚人へ転落し、出所後も妙な罠で再び刑事に捕らえられる男(石原)。真相究明と復讐に燃えるその男を中心に、ストーリーが巧妙な空間構成のうちに展開される。世界的なジャズピアニスト・津田史郎(石原)は、自分を罠に陥れた麻薬組織に個人的な復讐を企てている。史郎は組織と接触するために滞在した横浜で、財閥の未亡人・冴子(浅岡)と出会い、愛し合うようになる。史郎は、復讐をあきらめて外国へ行こうという冴子の誘いを断り、黒幕への追求を激しくしていった。また、組織摘発のため史郎の復讐心を利用する刑事(志村)の執拗な捜査は続けられる。
(1966日活)(監督)江崎実生(脚本)山田信夫、中西隆三(撮影)横山実(美術)千葉和彦(音楽)伊部晴美
(出演)石原裕次郎、浅丘ルリ子、志村喬、郷鍈治、金子信雄、深江章喜、杉江弘、武智豊子、杉山俊夫、榎木兵衛、香月美奈子、野呂圭介
(89分・35mm・カラー)

【拳銃(コルト)は俺のパスポート】
宍戸錠も自らの最高傑作に挙げる和製ハードボイルド・アクション。殺しの仕事の後、その依頼者につけ狙われ、銃撃戦に巻き込まれる無口な殺し屋を、宍戸はその優れた身体性で演じぬいた。1967年は他にも『殺しの烙印』『みな殺しの拳銃』と彼のハードボイルドが花咲く年となった。
(1967日活)(監督)野村孝(原作)藤原審爾(脚本)山田信夫、永原秀一(撮影)峰重義(美術)松井敏行(音楽)伊部晴美
(出演)宍戸錠、ジェリー藤尾、小林千登勢、武智豊子、内田朝雄、佐々木孝丸、嵐寛壽郎、杉良太郎、江角英明、草薙幸二郎
(84分・35mm・白黒)

【殺しの烙印】
荒唐無稽な殺しのテクニックを次々と披露、アクションというジャンルが、異才・鈴木清順の感覚を通して爽快ともいえる抽象性に踏み込んだ一つの到達点。本作発表後、日活社長・堀久作が監督との契約を止めたことにファンが抗議、「鈴木清順共闘会議」が結成された。
(1967日活)(監督)鈴木清順(脚本)具流八郎(撮影)永塚一栄(美術)川原資三(音楽)山本直純
(出演)宍戸錠、南原宏治、玉川伊佐男、真理アンヌ、小川万里子、南廣、長弘、大和屋竺、野村隆、宮原徳平、緑川宏、久松洪介、荒井岩衛、伊豆見雄、水木京二
(91分・35mm・白黒)

【爆弾男といわれるあいつ】
元暴力団幹部(小林)がやくざ業から足を洗って流れ者となる「あいつ」シリーズの第4作。ジャズなどの音楽も効果的に用いられた、長谷部安春らしいハードボイルド作品。次の長谷部作品『みな殺しの拳銃』で注目を浴びることとなる藤竜也は、本作でも数シーン出演。
(1967日活)(監督)長谷部安春(脚本)下飯坂菊馬、藤井鷹史(長谷部安春)(撮影)山崎善弘(美術)佐谷晃能(音楽)鏑木創
(出演)小林旭、東京ぼん太、青木義朗、西村晃、内田良平、高品格、岡崎二朗、万里昌代、嘉手納清美、加原武門、藤竜也
(91分・35mm・カラー)

【みな殺しの拳銃】
長谷部安春をハードボイルド・アクション監督としていよいよ知らしめた作品。殺しに慣れすぎ、ついに無二の友人との闘いを余儀なくされたやくざ者を宍戸が演じる。変化に富んだ視覚的、聴覚的テンポで彩られ、闘う男たちの姿が描き出されている。
(1967日活)(監督)長谷部安春(脚本)中西隆三、藤井鷹史(長谷部安春)(撮影)永塚一栄(美術)木村威夫(音楽)山本直純
(出演)宍戸錠、藤竜也、岡崎二朗、二谷英明、沢たまき、山本陽子、神田隆、深江章喜、高品格、藤岡重慶
(89分・35mm・カラー)

【紅の流れ星】
渡哲也の代表作の一つであり、また日活アクションをニュー・アクションの時代へとシフトさせた作品でもある。裕次郎に深く憧れていた渡が、同じ舛田監督による裕次郎主演作『赤い波止場』(1958年)と共通項の多い本作の主演することで、その変遷が明確にされている。
(1967日活)(監督)舛田利雄(脚本)池上金男(池宮彰一郎)(撮影)高村倉太郎(美術)木村威夫(音楽)鏑木創
(出演)渡哲也、浅丘ルリ子、杉良太郎、奥村チヨ、松尾嘉代、谷村昌彦、山田真二、藤竜也、深江章喜、高橋明、山之辺潤一、村上和也、東郷秀美
(97分・35mm・カラー)

【縄張(しま)はもらった】
鋭敏なアクションとサスペンスで展開されるテンポの早いアクション作品。落ちぶれた組織の再興を賭けて男たちが大暴れする。キャストの豪華さも目を見張るものがあるが、彼らが繰り広げるアクションはさらに画面を華々しくしている。
(1968日活)(監督)長谷部安春(脚本)石松愛弘、久保田圭司(撮影)上田宗男(美術)佐谷晃能(音楽)鏑木創
(出演)小林旭、宍戸錠、二谷英明、川地民夫、郷鍈治、藤竜也、岡崎二朗、大浜詩郎、太田雅子、戸上城太郎
(95分・35mm・カラー)

【大幹部 無頼】
渡哲也が硬派なやくざ“人斬り五郎”に扮する「無頼」シリーズの第2作で、舞台は青森県弘前。任侠映画を摂取したこの時代になると、スタイリッシュさよりも肉体の衝突がアクションの主流となる。井上梅次、舛田利雄らの助監督を経て、ニュー・アクション期の日活を背負った小沢啓一のデビュー作。
(1968日活)(監督)小沢啓一(原作)藤田五郎(脚本)池上金男(池宮彰一郎)(撮影)髙村倉太郎(美術)川原資三、木村威夫(音楽)伊部晴美
(出演)渡哲也、松原智恵子、内田良平、岡崎二朗、田中邦衛、山内明、真屋順子、太田雅子(梶芽衣子)、松尾嘉代、深江章喜、郷鍈治、江角英明、藤岡重慶
(97分・35mm・カラー)

【昭和のいのち】
時代は昭和初期、5・15事件前後を背景とする。右翼テロリスト集団に属していた男(石原)が挫折し、やくざへと転身する過程が描かれる。当時の暗い世相が冒頭に示されはするものの、スター陣に加え、辰巳扮するやくざの親分をはじめ、ユーモアのあるキャラクターたちが作品をさらに魅力をそえる。昭和初期。暗い事件が度重なり、人々は戦争の予感におびえていた。日下真介(石原)ら愛国の士たちは、七誠会を結成し、政治家や財界人を狙うテロを計画した。真介は草薙首相(島田正吾)暗殺を狙って首相官邸に忍び込んだが、逆に国家の未来を悟され、自分の未熟を知らされる。それから間もなく、草薙は五・一五事件で青年将校によって殺され、真介は七誠会を脱退、テキ屋の道に入っていた。真介は親分・佐久間(辰巳)を盛りたてて、対立する黒崎組と激しく争うが、黒崎の卑劣な罠にかかって、親分は闇討ちにあい、真介の昔の女・はる(浅丘)までもが自殺に追い込まれてしまう。真介の衝撃は大きかったが、親分の一人娘・奈美(浜)と結婚して組を継ぐ決意をする。しかし日本は、やがて来る軍部独裁と中国大陸での戦争を控え、激動の渦に巻き込まれようとしていた。
(1968日活)(監督脚本)舛田利雄(脚本)池上金男(池宮彰一郎)(撮影)横山実(美術)木村威夫(音楽)真鍋理一郎
(出演)石原裕次郎、辰巳柳太郎、高橋英樹、浜美枝、中村賀津雄、浅丘ルリ子、和泉雅子、浜田光夫、北林早苗、青木義朗
(165分・35mm・カラー)

【女の警察】
夜の銀座で働くホステスたちを不正な引き抜きや暴力団から守り、“女の警察”と呼ばれる男を小林旭が演じた、梶山季之原作による風俗アクション・シリーズの第1作。青江三奈の歌謡曲がフィーチャーされ、当時の日活撮影所でも屈指の早撮り監督、江崎実生が演出。
(1969日活)(監督)江崎実生(原作)梶山季之(脚本)中西隆三(撮影)横山実(美術)佐谷晃能(音楽)佐藤允彦
(出演)小林旭、小高雄二、十朱幸代、牧紀子、槙杏子、太田雅子(梶芽衣子)、青江三奈、内田稔、内田朝雄、木浦佑三
(83分・35mm・カラー)

【野獣を消せ】
米軍基地のある町で、妹を殺された復讐に立ち上がるハンター(渡)を描いた物語だが、不良グループのリーダー・藤竜也が、主人公の向こうを張って強い印象を残す。尾藤イサオがシャウトする主題曲をはじめ、全篇に流れるジャズやファンクには同時代のアメリカ文化が濃厚に匂う。
(1969日活)(監督)長谷部安春(脚本)永原秀一、中西隆三(撮影)姫田真佐久(美術)木村威夫(音楽)坂田晃一
(出演)渡哲也、吉岡まり、藤本三重子、藤竜也、尾藤イサオ、集三枝子、山野俊也、川地民夫、杉山俊夫、清水将夫
(84分・35mm・カラー)

【斬り込み】
長谷部・小沢に続いてニュー・アクション路線の旗手となった澤田幸弘のデビュー作。川崎を舞台に、巨大勢力の脅威に抵抗する“鉄砲玉”を描いた集団抗争劇。やくざ世界から疎外されたチンピラたちは、「野良猫ロック的若者への転換点」(渡辺武信)とも評された。
(1970日活)(監督)澤田幸弘(脚本)永原秀一(撮影)高村倉太郎(美術)坂口武玄(音楽)小杉太一郎
(出演)渡哲也、郷鍈治、扇ひろ子、藤竜也、沖雅也、岡崎二朗、藤健次、青木伸子、大浜詩郎、杉良太郎
(88分・35mm・カラー)

【反逆のメロディー】
故郷にジープで現れ、服役中の組長に代わって組の立て直しに乗り出した腹違いの弟が、警察まで手なづけた新興暴力団に挑むが…。長髪、サングラスにジーンズをまとい、正義よりも情熱に生きる原田芳雄の姿や行動は、仁侠映画に対する日活独自のアプローチ。
(1970日活)(監督)澤田幸弘(脚本)佐治乾、蘇武道夫(撮影)山崎善弘(美術)千葉和彦(音楽)玉木宏樹
(出演)原田芳雄、佐藤蛾次郎、地井武男、藤竜也、富士真奈美、梶芽衣子、須賀不二男、深江章喜、梅野泰靖、曽根晴美
(84分・35mm・カラー)

【野良猫ロック ワイルドジャンボ】
音楽にR&Bやロックをふんだんに用い、時代の空気を巧みにつかまえたグループ・アクション「野良猫ロック」シリーズ。この第2作では、新興宗教の金を横取りしようとする一団が、現金輸送車の襲撃を狙う。永原秀一は、このシリーズでニュー・アクション屈指の脚本家として開花した。
(1970ホリ企画=日活)(監督脚本)藤田敏八(原作)船知慧(脚本)永原秀一(撮影)安藤庄平(美術)斉藤嘉男(音楽)玉木宏樹
(出演)梶芽衣子、范文雀、地井武男、藤竜也、夏夕介、前野霜一郎、内田良平、白木マリ、加藤和夫、夏純子、青木伸子、秋とも子
(84分・35mm・カラー)

【新宿アウトロー ぶっ飛ばせ】
新スター原田芳雄が、すでに名を馳せていた渡哲也と対等な役割を果たしている点で、後期日活アクションの一つのターニング・ポイントとなった作品。舞台は当時都市開発され始めたばかりの新宿で、殺しが行われながれも、どこかクールな雰囲気が漂っている。
(1970日活)(監督脚本)藤田敏八(脚本)永原秀一、蘇武道夫(撮影)萩原憲治(美術)千葉和彦(音楽)玉木宏樹
(出演)渡哲也、原田芳雄、梶芽衣子、成田三樹夫、中島葵、原田千枝子、今井健二、沖雅也、高樹蓉子、小野俊也
(86分・35mm・カラー)

【野良猫ロック 暴走集団’71】
「野良猫ロック」シリーズ最終作。新宿にたむろするフーテン族と地方のボス率いる黒ずくめの親衛隊が対決するが、ライフルばかりかダイナマイトまで使用され、戦闘の遊戯性はさらに高まった。原田芳雄のファッションやモップスの曲「御意見無用」など、時代の泥臭い風俗も楽しめる。
(1971ホリプロ=日活)(監督)藤田敏八(脚本)永原秀一、浅井達也(撮影)萩原憲治(美術)千葉和彦(音楽)玉木宏樹
(出演)原田芳雄、藤竜也、梶芽衣子(太田雅子)、司美智子、青木伸子、高野沙里、小磯マリ、久万里由香、夏夕介、鈴木利哉
(87分・35mm・カラー)

【関東流れ者】
様変わりする世相の中で昔気質の任侠道を貫き、世話になった組のために一肌脱いだ男(渡)の復讐譚で同名の鶴田浩二主演作品(1965年)とは全く別のストーリー。結末の斬り合いのシーンは横浜の赤レンガ倉庫。小沢監督はその後日活を離脱、「太陽にほえろ!」「西部警察」などのテレビドラマでアクション演出を活かした。
(1971日活)(監督)小沢啓一(脚本)棚田吾郎、小椋正彦(撮影)安藤庄平(美術)松井敏行(音楽)小杉太一郎
(出演)渡哲也、丘みつ子、沖雅也、青木伸子、水島道太郎、今井健二、内田良平、原田芳雄、木村俊恵、長浜鉄平
(85分・35mm・カラー)

【組織暴力 流血の抗争】
組織化した暴力団の前に滅びゆく、小さなやくざの生き様に迫った仁侠映画。宍戸・藤が血まみれの体を抱えて敵陣へ殴りこみにゆくラストなど、本作は「アクション映画の日活」に対する凄絶な葬送曲とも言える。なお、1999年に同じ長谷部が、哀川翔・宍戸開主演のVシネマとしてリメイクした。
(1971日活)(監督)長谷部安春(原作)三城渉(脚本)永原秀一(撮影)山崎善弘(美術)佐谷晃能(音楽)鏑木創
(出演)宍戸錠、佐藤允、梶芽衣子、藤竜也、植村謙二郎、三田村元、三条泰子、沖雅也、戸上城太郎、内田良平、木浦佐三、玉村駿太郎、郷鍈治
(86分・35mm・カラー)

【八月の濡れた砂】
夏の湘南を舞台に、登場人物たちのもてあます若さが暴力とセックスとともに示される。日活のアクション期とロマンポルノ期の端境に位置するこうした青春映画こそ、藤田敏八の日活における特異なスタンスを語るものと言える。
(1971日活)(監督脚本)藤田敏八(脚本)峰尾基三(撮影)萩原憲治(美術)千葉和彦(音楽)むつひろし
(出演)村野武範、広瀬昌助、テレサ野田、藤田みどり、隅田和世、奈良あけみ、八木昌子、三田村元、山谷初男、中沢治夫、赤塚直人、原田千枝子、牧まさみ
(91分・35mm・カラー)
by sentence2307 | 2006-07-22 15:13 | 鈴木清順 | Comments(198)