前回、自分が書いたブログのタイトルは「ごまかしやのしっぱい」でした。
なにしろ小学生のころの自分は超のつく劣等生で、なにかと覚えがわるく、すべてのことが十分に理解できず、また不器用で要領も悪かったので、やること為すことすべてを失敗、それを大人たち(親と教師です)から咎められたり叱責されるのが怖くて、失敗をどうにか隠そう誤魔化そうと四苦八苦した少年時代のことを、芥川賞作家・町屋良平氏のエッセーに触発されて、懐かしく、思わず書いてしまいました。
若き新進作家の傑出した文章に触発されて書いた衝動的な文章でした。
しかし、そのように書いている最中も、このコロナ禍、世の中は実に多くの事件がおこり続け、さらに怒涛のように経過しています、あたりまえですが。
ひとつの事件はさまざまな人と状況を巻き込んで思わぬ方向に波及し、激流のように流れていくのですが、うっかりしていると、あとになって細々としたディテールなどは忘れてしまい、無味乾燥な「大きな結果」しか記憶されず、事件の枝葉の部分(実は「そこ」の方が面白かったりします)は、まるでなかったことのように忘れ去られてしまうことの方が多くて、あとになって、その微細な部分を文章に残しておけばよかったなあと後悔することが、たびたびありました。
そうですね、いまでいえば、さしずめ、現在まさに進行中の「中国の女子プロテニス・プレイヤー彭帥(ポン・シュアン)選手の消息不明事件」というところでしょうか。
これがもしドラマだったら、「仁義なき戦い」みたいな世界を巻き込んだ物凄い大河ドラマになると思います。
事件の発端は、中国の女子プロテニス・プレイヤー彭帥(ポン・シュアン)選手が、過去に中国共産党の元副首相から性的関係を強要されたとSNSに投稿したその直後に、突然消息を絶って、それを知った世界のメディアが大騒ぎになるところから始まりました。
なにしろ相手はあの凶状持ちのゴロツキ国家・中国共産党です、過去にはチベットの弾圧と侵略、あるいは大量虐殺、それにウィグル・ジェノサイド、香港民主化運動弾圧、そして来年あたりには、いよいよ台湾に侵攻したろかいと意気込んでいる緊迫した状況にあります。
実際に、狂王・習近平は「やる」と断言しているのですから、近いうちに、やるに決まってます、香港弾圧のときのことを思えば、怒涛のように突如攻勢にうって出てくるに違いありません。
しかし日本の政治家たちは、その危機感もそっちのけで、いまだ中国からたっぷり貰っていた甘々な記憶を払拭できず、岸田も林も転がり込んだポストをうまく利用して、相変わらず中国に媚をうってひと儲けしてやろうなんてスケベ根性起こし、「日本は日本独自の立場で考える」などと中国に秋波を送るというみっともない醜態をさらして世界から嘲笑されている現状です。
なに? それって、中国と組んで米英と一戦交えようかって選択なの?
以前、日本はナチスと組んでひどい目にあったんじゃなかったっけ?
あのひとこと「日本は独自の立場で」で、とうぜん世界は、日本は中国に媚びへつらう属国に成り下がったと理解したはずです。韓国じゃあるまいしね。
誰が考えたって、そんな空気の読めない日本のシロウト政治家に、アメリカ大統領が、わざわざ時間を作って会うわけがありません、そんなことも分からないドアホとの会談を断ってくるのは、しごく当たり前のことです、大丈夫か、ニッポン!?
まあ、ここは歴史から学習し、英米の信頼を得て、きっぱりと「北京五輪、外交ボイコット表明」か、あるいはさらに進んで「人権」をタテにとって(今のところこれが中国の最大弱点です)「さらに選手派遣の取り止めも検討している」くらいに踏み込んで表明してもよかったくらいです。「そんな危ない国に大事な選手を行かせられるか、せいぜい人質にとられるのが関の山だ」みたいにね、教訓を生かして言葉尻を捉えることこそ真の「外交」というものです。
そして、この選択こそ、世界のなかで日本が存続できる唯一の道でもあるのです。
とにかく中国共産党は、たとえまだ人間が息をしてようと自分に都合の悪いものなら見捨てて一緒に埋めて隠してしまおうかというくらいのお国柄です、拉致・監禁・拷問・抹殺なんてほんの自家薬籠中のお家芸、だから「彭帥選手監禁」なんて措置はごくフツーの政治手法にすぎなかったのに、それを軽くカマシタところ世界が予想外に騒ぎ出しビックリこいた中国共産党は、騒ぎを無視できず、思いついたのが彭帥の名前を騙って偽メールを送り付けるという、なんともみえみえの姑息なアリバイ工作(「こちらは元気です」とか「個人のプライバシーを尊重してほしいの」とか)で、しかし、それも結局、中国人の作る製品同様あまりにも稚拙粗雑な杜撰さで苦笑を誘うばかりのシロモノ、けっか疑惑をさらに大きくしてしまうという醜態をさらし続けています。
ちなみに、あの1980年モスクワ五輪を西側諸国がボイコットしたその10年後にソビエト連邦は崩壊・解体しました。
ちょっと先走ったかもしれませんが、自分がなぜこんなふうに考えたかというと、こうした中国共産党の一連の対応が、まさに自分のブログのあのタイトル「誤魔化し屋の失敗」にぴったりじゃないかと思い当たったからでした。
そして、その間にも事態は、さらに着々と動いていますが、そこでも僕たちは、いつもの中国共産党の凶暴な攻撃パターン(否定→嘘→忘れ去られるまでとぼけつづける→それでも駄目だと分かれば逆切れして逆襲に転じる)を見ることになるかもしれませんが、ただひとつ、この事件でいったいなにが問われているのかということだけは、しっかりと確認しておかなければなりません。
以下に、NBAボストン・セルティックスのEnes Kanter選手が、WSJに投稿した「Move the Olympics for Peng Shuai’s Sake」の要約を貼っておきます。
≪私たちは、もはや中国が信頼できる友人でないことに早く気づくべきだ。
中国共産党は、強欲で凶暴な独裁政権だ。
われらアスリートには、この世界をもっと自由で居心地のいい安全な場所にする使命と大きな役割がある。
いまこそ私たちは、もう道徳や人権に目をつぶって、マネーを優先することをやめるべきときにいる。
「われわれは、間違った情報を聞いていただけだ」という言い訳は、もう通用しない。
中国共産党から迫害を受け、抑圧され、拉致・監禁され、拷問を受け沈黙を強いられて抹殺されそうになった人々から中国共産党の卑劣な凶暴さを教えてもらい、連帯して立ち上がろう。
IOCを信じられるか?
IOCは、今もそうだが、かれらの資金力に操られて中国の蛮行を長年にわたって黙認し、許してきた。
IOCに北京五輪を中止させよう。
自分の大切な価値観や主義主張を中国共産党に売り渡して得た金メダルに価値などない。
いまこそ声をあげよう。
誰も私たちを黙らせることはできない。≫
★彭帥失踪問題で新展開 WTA中国撤退に賛同続々で〝ぼったくり男爵〟窮地
12/4(土) 5:00配信 彭帥(ロイター)
中国と〝ぼったくり男爵〟へ、じわじわプレッシャーだ。
中国の女子テニス選手・彭帥(35)が張高麗元副首相から性的関係を強要されたと告発して行方不明になっている問題で、女子テニスツアーを統括するWTAは〝中国撤退〟を表明。
これに男子のATPツアーや各国協会も相次いで賛同の意を示している。
WTAは「中国の指導部は非常に深刻な問題に、信頼できる方法で対処していない」と非難。
これを後押しするように、ATPは「対応は不十分。彼女の状況をより明確に把握するために、選手とWTAの間でオープンな直接対話を行うことを再度求める」と声明を発表した。
また、英国テニス協会もツイッター上で「彼らは彭の状況に断固とした態度で対応し、プレーヤーの安全と権利を第一に考えている」とWTAへの支援と賛同を表明。
オーストラリアテニス協会も「彭の健康と幸福は私たちの最優先事項」などと声明を発表して〝援護射撃〟した。
このWTA支持の流れは今後、テニスに限らず他競技にまで波及していく可能性も十分ある。
一方で、彭と2度のビデオ通話を行ったと発表した国際オリンピック委員会(IOC)に対しては「中国の宣伝に使われている」などと非難の嵐。
彭の真の安全が判明しない限り、北京五輪を開催したい中国とIOCのトーマス・バッハ会長のコンビへの批判は増すばかりだ。
≪参考≫
★中国外交、11月の「悪夢の9日間」 連日の敗退と頓挫 by 石平
米中首脳会談終了直後の2021年11月18日からの9日間、世界の超大国であるはずの中国は、外交の面ではほとんど毎日のように深刻な打撃を受けた。
まさに「惨事連続、悪夢の9日間」を経験した。
どういうものだったのか。
ここでは時列順に、この9日間、対中国で展開された各国の動きを追ってみよう。
【11月18日】
まず、11月18日、台湾当局はバルト3国の1つであるリトアニアに「台湾」の名を冠した出先機関を開設した。
台湾と外交関係のない国々では、台湾の出先機関は普通、都市名の「台北」を機関名の冠にしているが、リトアニアにおける「台湾〇〇機関」の開設は極めて異例なことで、リトアニアと台湾との関係の昇格を意味する。
これに対して中国は猛反発して、報復としてリトアニアとの外交関係を逆に格下げしたが、台湾は大きな外交成果と位置づけている。
いままで、中国政府は台湾を外交的に孤立させるため、高額な援助などを餌に台湾の友好国を1つずつ切り崩してきたが、今回の件では台湾側は見事な反転攻撃を展開して、中国から一本をとった。
【11月18日】
北京オリンピックボイコット検討の連鎖
同じ11月18日、中国にとっての悪いニュースは今度ワシントンから飛んできた。
バイデン米大統領はホワイトハウスにて記者団に対し、北京五輪への外交的ボイコットを「検討している」と表明した。
米国大統領が「ボイコットを検討している」と明言した以上、検討の結果が「ボイコットしない」となることは普通ありえないから、米国による北京五輪への外交的ボイコットが実行される公算は高い。
そしてアメリカが外交的にボイコットに踏み切れば、民主主義陣営の多くの同盟国・友好国はそれに追随することになるから、北京五輪へのボイコットは大きな流れとなっていくのに違いない。
案の定、バイデン大統領の「検討表明」から3日後の11月21日、イギリス紙のタイムズは、英国政府が北京五輪への外交的ボイコットを検討していると報じた。北京五輪の開催成功に意気込む習近平主席は今後、頭痛の日々が続くのであろう。
【11月22日】
あのドゥテルテにまで
ここで習主席は外交的失点を挽回するために、翌日の11月22日にオンライン形式で開かれたASEANと中国の首脳会議に議長として出席し、「中国は覇権を追求しない」と宣言して関係諸国の好感を買おうとしていた。
しかし、まさにこの会議において、思わぬ方向から飛んできたパンチが参加国首脳の目の前で、習主席の顔面を直撃するような事態となった。
フィリピンのドゥテルテ大統領は会議中に、16日に南シナ海にてフィリピンの輸送船が中国船に放水されて航行中止した事件を取り上げ、「このような出来事を忌み嫌うとともに、ほかの同様の事案にも深刻な懸念を持っている」と述べ、中国の行為を強く非難した。
習主席が「中国は覇権を求めない」とする基調演説を行った直後に、フィリピン大統領からぶつけられたこの非難は、中国の悪行を参加国首脳全員に晒し出したと同時に、「中国が覇権を認めない」という習主席の言葉が単なる嘘であることを世界中に暴いた。
もちろん、それで会議の議長としての習主席のメンツが丸潰れとなってしまい、ASEAN諸国を籠絡しようとする中国の外交構成も概ね不発に終わった。
【11月23日】
台湾の巻き返し
そして翌日の11月23日、習主席にとって、メンツを失うことなどより遥かに深刻な出来事があった。
バイデン米政権が12月に開催予定の「民主主義サミット」の招待国リストを公表したが、台湾は招待されていることが明らかになった。
米国はこれで事実上、台湾のことを「民主主義国家」の1つとして承認することになって、中国が主張する「1つの中国の原則」はその瞬間に崩れてしまった。
しかも、世界中の111の国と地域が招待されている中で、中国がロシアと共に招待されていないことは、独裁国家としての中国の異質性と中国自身の孤立を浮き彫りにした。
中国にとっては二重の打撃であった。
【11月24日】
中欧関係の泥沼化
11月24日、中国へのパンチは、今度、ヨーロッパから飛んできた。
欧州連合(EU)の各国大使らが一堂に集まって、中国政府高官4人と1団体に対する制裁措置延長を承認した。
EUは今年3月、新疆ウイグル自治区の人権侵害を理由に、これら4人と1団体に対して制裁を発動していた。
これに対し中国は報復措置としてEU議会の議員ら8人に制裁を発動。
しかしこの報復制裁の結果、EU議会は、EUと中国が昨年(2020年)年末に合意した「EU・中国投資協定」の審議と批准を凍結した。
そして今、EU議会は中国高官などへの制裁を延長すると決めると、中国側も当然、EUへの報復制裁を継続することとなろう。
そうすると、「EU・中国投資協定」はこれからも宙に浮いたままの状態で、いずれかご破算となるのであろう。
【11月25日】
「対中友好国ドイツ」を失う
またEU全体との関係が悪くなっていくだけでなく、中国とEUの重要加盟国であるドイツとの長い「蜜月関係」にも転機が訪れようとしている。
11月25日、中国外務省報道官は記者会見で、ドイツのショルツ次期政権が台湾に関する中国の主張を認めなければ両国関係に悪影響が及ぶ可能性があると示唆し、内政問題に干渉しないよう警告した。
中国がこのような警告を発したことには当然、それなりの理由があった。
今年12月に発足する予定のドイツのショルツ連立政権は、その政権協議において、インド太平洋戦略の一環として、日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インドとの関係を構築する計画を提示した。
それと同時に、新疆ウイグル自治区を人権に関する特に懸念される分野として取り上げ、香港を巡り「一国二制度」の原則を維持するよう中国に求める方針を決めた。
つまり、ドイツの新しい政権は、以前のメルケル政権の親中路線から転向して、まさしく中国外務省の「警告」するように中国に矛先を向けるようになっていくだろうが、中国はこれで、EUにおける心強い「友好国」の1つ、そして西側先進国の中の最大の理解者・支持者を失おうとしているのである。
ドイツの今後の動向に対して中国外務省が上述の警告を発した同日、南半球の方では、アメリカ・イギリスに続いてオーストラリア政府も北京五輪への外交的ボイコットを検討していることが報じられた。
北京にとっての11月25日は、どれほど傷心の日だったのだろうか。
【11月26日】
世界の公敵となった中国
そして11月25日から26日までの2日間、アジアと欧州の約50ヵ国・機関で構成するアジア欧州会議(ASEM)のオンライン首脳会議が開催されたが、この会議においてEU首脳は、自由や人権など基本的な価値を共有する民主主義の国と協力を深める方針を表明した。
これに関して、日本経済新聞の関連記事は「EUは対アジア政策で中国重視の方針転換を鮮明にした」と評しているがまさしくその通りである。
アジアにおけるEUの連携する相手は今後、普遍的価値観を共有する民主主義国家群であって、独裁体制の覇権国家・中国はむしろ、EUとアジアの民主主義世界にとっての共通の敵となっていくのではないか。
このようして、去る11月18日からのわずか9日間、「中国問題」をめぐる各国の動きは空前の活発化の様相を呈している。
米英豪3ヵ国の「北京五輪外交ボイコット検討」、台湾の国際的地位上昇、フィリピン大統領の中国覇権主義非難、EUの「脱中国」姿勢の鮮明化、ドイツの中国への対抗姿勢。
言ってみれば、この9日間の一連の出来事は、中国にとってまさに敗退と頓挫の連続であり、習近平主席は毎日のように外交上の悪夢を見る羽目となった。
これでは、四面楚歌ともいうべき中国の孤立化はより一層明確になっているが、このような哀れな末路を辿ることはまた、習近平政権の展開する覇権主義的戦狼外交のもたらす必然の結果ではないか。